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連載小説「運び屋ジミー」
- 1 名前: ◆D8ZT3FWA :02/02/10 10:34
- 淡々と書き綴ります。
- 2 名前: ◆D8ZT3FWA :02/02/10 10:38
- 携帯電話が鳴った。登録に無い電話番号だ。
友人からも滅多にかかってこないくらいだから、間違い電話だろう。
一瞬銀鱈山本の口撃を想像して躊躇したが、
退屈していたところだ。取ってやろう。
「はいもしもし」
「あなたお金欲しくない?」
「はぁ。まぁ」
女の小枝。違った声だ。
しかし女の小枝がいたらそれはそれで。よし。
「お仕事お願いしたいんだけど」
「俺は女子供は殺さねぇ」
「違うの。誰も殺さないし、誰も傷つかないわ」
「明日は息子の運動会だ」
「頼みたいのは今日よ」
「大林素子と会う約束がある」
「嘘云わないで手伝って」
「嘘とエビフライは名古屋の華だ」
おとといの弁当のエビフライがあったな。
冷蔵庫に何残ってたかな。
「頼まれてくれたら100万出すわ」
「はいやります」
「じゃ、30分以内に渋谷ハチ公前に来て」
「はいわかりました」
「それじゃ プチ」
誰が行くかヴォケ。
果肉たっぷりオレンジジュースでも飲んでろ。
- 3 名前: ◆D8ZT3FWA :02/02/10 10:51
- 今の番号を電話帳に登録する。
"果肉たっぷり女"。
グループは "俺が愛した女達" 。末席に加えてやろう。
エビフライ喰うか。レンジでチン。チン。しよ。
10分後、果肉たっぷり女からまた電話が来た。
「うぁい」
「ちょっと。出かけないの?」
「今山手線乗ったところっす」
「馬鹿何云ってるの? 間に合わないじゃない!」
「いやもう着きますって親びん」
「今自分の家でエビフライ鼻から食べてるでしょ!」
何で分かった。監視してるのか?
「これはエビフライじゃない。上州の坂本揚げだ。鼻から喰うのが通だ」
「とにかく大事なことなんだから。失敗すると私もあなたもアウトよ」
「ゲッツーですか」
「黒服がそっちに行くかも」
「ゲッツー……ロボ!」
「いいからちゃんとズボンを穿いて」
ロボ! と同時にズボンを下げたのが何で分かった。
窓から外を見る。こっちを見ているような奴は見当たらない。
「あんた何? 俺のファン? どっから見てるの?」
「ええそうよ。でもとりあえずそんなことはどうでもいいわ、早く!」
仕方ないなぁ。退屈だしなぁ。
断ったら銃殺されるかもしれないしなぁ。
それより薬指を曲げずに小指だけ曲げる修行をさせられるかもなぁ。
いやだなぁ。
- 4 名前: ◆D8ZT3FWA :02/02/10 11:05
- 40分くらいオーバーしたけど着いたし。
人多いし。
一人に 1円ずつもらおうかしら。いくらになるかしら。
もらえない係数をかけないといけない。むしろこの場合モルデビアン係数か。
1000人いるとして。
1000×モルデビアン係数×任侠指数=8000万はかたい。
さて。果肉女はどこ。あなたの故郷はどこ。
鳴った。
「遅いじゃない!」
「すいません閣下。大佐は黒い半」
「じゃまず 112番のロッカーを探して」
最後まで云わせようや。
「あった」
「開けて」
「鍵が付いてない。心の扉が開かない」
「いいの。開くの」
「開くわけなかっぺー!?」
開いた。
「天井に 118番の鍵がくっついてる筈」
「あった」
ご飯粒でくっついてた。
「118番開けて」
「いちいち二つのロッカーに細工したのは」
「開けて」
「はい」
開いた。
- 5 名前:流水 ◆AnsQkwA6 :02/02/10 11:10
- (省略されました・・全てを読むにはここを押してください)
が出ないようにカキコしてくさい〜
とりあえず読んでやるから黙々と書け
あとおまえ名古屋人か?
- 6 名前: ◆D8ZT3FWA :02/02/10 11:16
- 僕は東北人です
身元がばれると黒服が来るのでこれ以上は秘密
- 7 名前: ◆D8ZT3FWA :02/02/10 11:24
- 中には黒いボストンバッグが入っていた。
死体が入ってたりしてえへへ。
「中身は何?」
「……死体よ」
「うわああああああああ!! い」
「冗談よ。未だ中身は秘密」
「秘密に上段も地獄突きもあるか。昔六三四の剣のゲームがあった」
「それを鹿児島まで運んで欲しいの」
「はぁあ? 気は確か?」
「報酬を倍にするわ」
「わんわん。レッツゴー」
「一つだけ注意があるの」
「もごもごふぐー(訳:ソロ船長ー)」
「絶対に開けて中を見ないこと」
「ちーっ」
「ズボンのファスナー開けてるだけでしょ」
監視している。どこだ。
「見えるか。こいつがマグナム44だ」
「いいからしまって」
「今から鹿児島。いやなんすけど」
「報酬は 250」
「よっしゃ待ってろよ俺の250万」
そういうわけでタクシーで行くことにした。
- 8 名前: ◆D8ZT3FWA :02/02/10 12:04
- 話の分かる運転手さんで、道中楽しかった。
――熱海にて
「それでね、云ってやったんですよ。私のこの餅は一子相伝だって」
「すると噴出しましたか?」
「噴出しましたよ! それも喉から! お客さん喉からですよ!」
「あっはっはー」
――釧路にて
「寒いっす」
「俺は暑いんだ!」
「横暴っす」
「カキ氷をフラッペだなんて云うな!」
――浜松にて
「2三銀。角成る」
「じゃ、3すすむ。ミュージシャンに転職」
「いいんですか? じゃラッキーカラーはピンク」
「あっ運転手さんイチゴ練乳持ってたんだ! しまったー」
――酒田にて
「不倫だったんです。もう、首を吊ろうと思いました」
「藤原さんは何て云ったんです?」
「子供の事を第一に考えろって。それは分かってるんですけど」
――広島にて
「お客さん薩摩揚げ食べます?」
「あ、僕ケチャップ派なんです」
笑いあり涙あり。
- 9 名前: ◆D8ZT3FWA :02/02/10 12:37
- dat落ちしたら俺の負け
レス入ったら勝ち
- 10 名前: ◆D8ZT3FWA :02/02/10 21:52
- まけかも
- 11 名前: ◆D8ZT3FWA :02/02/11 10:21
- おおおちるおちる
- 12 名前:ラバーズサイドディメンション・戒 :02/02/20 22:51
- 続きはまだか?
- 13 名前: ◆D8ZT3FWA :02/02/21 09:22
- あ・・・・見てる方がいらっしゃったのですね!!
じゃ今日の昼にでも・・・・
- 14 名前: ◆D8ZT3FWA :02/02/21 18:22
- 遅くなりました。何人見てくださってるか分かりませんがとりあえず続けてみます
--ここから
箱根を越えたところだった。
「お客さん、そのバッグ、何入ってるんですか」
「え? ……いや、別に。何も……」
「何か大事そうにしてらっしゃるから……」
「ふふ……札束だよ。札束」
「は?」
「俺は今しがた銀行強盗やってきたんだ」
「……」
「死んだ行員は気の毒だったが、仕方ねぇ。金には替えられねぇからな……」
「……」
「おっと、忘れてくんな。ちょっと打ち明けたかったのさ……へへ」
「……お客さん、あたしもね。秘密があるんでさぁ」
「ん?」
「ほんとはね、家内……あのまま殺しちまったんでさ」
「……」
「そばにあったアイロンを……」
「手塚治虫のパクリならききたくない。トランクに家内の死体は入ってない。
君達のみだいは、自分だちが思うほどくさってだいです。ひとーとーいうー字はー」
バイパスの夜は長い。
- 15 名前: ◆D8ZT3FWA :02/02/21 18:32
- 突然、後ろのトラックが俺達のタクシーの前に割り込み、
ブレーキをかけた。咄嗟に運転手も急ブレーキをかける。二台は止まった。
「なんだ何だ危ないな!」
外に抗議しようと思ったのか、運転手が外に降りると、
トラックから水色の服を着た男たちが出てきた。
「ぎゃっ!」
一瞬何だか分からなかった。しかし、どうやら発砲されたらしいことだけは分かった。
水色の男たちが走ってくる。
俺は携帯の着信履歴を出し始めた。
あの女に連絡しなければならない。
咄嗟にそう感じたのだ。
「降りろ!」
俺はあせった。・・・・グループ・・・3・・・の・・・
「降りろ! 殺されたいか!」
「あーもしもし! 俺! 俺が悪かった! 謝る!
サツマイモにカラシマヨネーズ! うまいよ! うん! 俺、お前を認めるよ!
それでさー今晩・・・」
『もう電話してこないでって云ったでしょ!!!』
「出てこい! 出てこないと・・・!」
とりあえず俺はちゃんと謝った。もう俺は悪くない。
「あ、今出ますー♪」
これでこの世に未練は無い。
- 16 名前: ◆D8ZT3FWA :02/02/21 18:49
- 「隊長。運び屋の身柄を確保しました」
「……ふりかけ三丁」
「ふりかけ三丁ーー!!」「ふりかけ三丁ーー!!」
何だ何だ。俺は一体どうなるんだ。
「さて。来てもらおうか」
「何だお前ら! これは一体どういうことだ!」
「いいからおとなしくこい! 懐け! まるでチワワのように」
下っ端の腕を振り払い、俺は隊長と呼ばれた男に抗議した。
「おい! 一体何のつもりだ!」
「落ち着け。御子神様がお前にお会いになる……」
「みこがみ? 知るか! いいから弁護士を呼べ!」
これ一回云いたかった。
隊長が鶴の構えを取った。途端に、水色たちが俺を縛り上げた。
「離せ!」
隊長が猿の構えを取った。
俗に云うウッキースタイルという奴だ。ウッキースタイル2の方だ。
水色の男に後頭部を殴られ、気が遠くなった。バッグを奪われた。
「隊長。見事です」
「うむ。汚染されている恐れがあるので運転手と車ごと収容しろ」
「ラジャー!」「プレジャー!」「ストレンジャー!」
俺は3人ほどに抱えられ、トランクに放り投げられた。
「てめぇはここにでも入ってろ! はっはっは・・・ 〜うぇるうぃ、おーる、はぁばふぇいす♪」
意識が遠のく。血の匂いがする。出血したか……。
違った。運転手の妻の死体がここにあった。
- 17 名前: ◆D8ZT3FWA :02/02/21 19:06
- 夢を見た。
「アジア、一のーーー闘牛士! ダン・フミトーー!」
俺を紹介している。
「さぁダンですよ。闘牛士ダン。
行政書士ダンの異名を取る、名うてのハッカーです」
俺が解説している。
「さぁダン、マイキー野々宮の腕を取った!
上腕の静脈に……入った! 見事に入りました!」
これは俺じゃない。隣のおっさんだ。はげヅラの。バーコード予約出来そうなすだれ。
「おっと? これは? 何だ、有効? 冗談じゃない!
どうもホームタウン・ディメンジョンのようです!! これは汚い!」
これも違う。故郷次元て何だ。年賀はがきの4等か。大丈夫かおっさん。
「おっと野々宮バックストリート! バックストリートボーイズ!
そこから反復横飛びにつなぎます! 鮮やかですが、しかしダンには効いてない!」
これは俺。ちなみにちょっとほんとに予約できるか試しながらだった。
「えー先ほどの野々村の技はバックストリート・ボーイズで、
中黒が重要でした。訂正してお詫び申し上げます」
これはおっさん。ごめんなおっさん。あんたの間違いはフォローしないけれども。
それより『ちゅらさん』予約できちゃったじゃないの。
戦いは続く。
- 18 名前: ◆D8ZT3FWA :02/02/21 19:24
- プルルル。電話が鳴っている。肉女だ。俺は寝ぼけながら取った。
「あ……もしもし……ごめん寝てた……地獄のねじ回しが……」
『ちょっと!今何処にいるの?』
「ん……タクシーのトランク……あぁん♪」
『何よその声』
「……ふふ、寝相がぁ……悪くてぇ……脱・げ・ちゃ・っ・て・る・の♪」
『何がよ! ズボン!? いいから仕事をしてよ!』
「それがね。捕まった。今拉致され輸送中」
『……え?』
「ははは。んで運転手殺された。ははは。んで奥さんが顔焦げて死んでる」
『ちょっと、今何処走ってるか分かる!?』
「ん? 箱根を抜けてだなぁ。あ、今砂利道。んで近くで踏み切りが鳴ってる」
『分かんないわよそれじゃぁ……あぁ……』
「何だよその体たらくは。そんなんじゃ響奈津子になれないぞ」
『誰よそれ』
「本当は『音の女犯罪捜査官』……いや『女・音の犯罪捜査官』……いや」
『バッグは?』
「取られた。たぶんね。何だ? やっぱりあれが目当てなのか?」
『そいつら、何か云ってなかった?』
「『界王拳3倍』とか何とか」
『「ふりかけ三丁」ね。やっぱりあいつらか……』
「大神いずみが俺に会ってくれるとか云ってたぞ」
『御子神のこと!? 御子神自ら会うって云ったの!?』
「かも。カモー。でも今や人妻だからなぁ」
『間違いないのね? 分かった! 先回りするわ! プチッ』
何だ何だ。見張ってたんじゃなかったのか? 愛はさめたのか。
携帯のグループ変えるか。肉女。『村を見捨てた女達』よし。
- 19 名前: ◆D8ZT3FWA :02/02/21 19:43
- とりあえず今日はここまで。
お二方以外に見てくださってる方がいれば嬉しいな。
実はちゃんと完結した前作があって、自サイトで出したら内輪で好評でした。
ここを見た知り合い諸君、そうだよ僕だよ。この話は続きだよ。
それではまたいずれ。
- 20 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/03/05 12:55
- 保全。続きはどうした?
- 21 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/03/05 13:07
- つつき
幸子は「花笠うどん」に勤めることになった。
そこには祐介とマリコがいた。
- 22 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/03/05 13:19
- 見てるよー
- 23 名前: ◆D8ZT3FWA :02/03/05 13:31
- あああっレスが・・・ありがたやー
んじゃ夕方以降に。
毎回ぶっつけリアルタイムで書いてるので、精神集中が必要なのです
- 24 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/03/05 13:46
- >>23
待ってるよー
- 25 名前: ◆D8ZT3FWA :02/03/05 22:38
- 遅くなりました。
今から更新します。
- 26 名前: ◆D8ZT3FWA :02/03/05 22:38
- どうやら何処かの倉庫らしいところに入り、トラックは止まった。
何人かが荷台に上がりこみ、トランクを開けた。
「おはよう諸君!!」
「もう夜の8時だ馬鹿め。降りろ」
とりあえず雨に濡れそぼった仔猫のように、従順に降りた。
肉女、先回りするとか云ってたが、来てるのか?
隊長が現れた。
「気分はどうかな?」
「はんぺんちっくだ」
「これから御子神様にお目通りする。失礼の無いようにな」
「御子神様ってのは何者なんだ?」
「我々の救世主だ。我々人間の。敬わなければならん。分かるな?」
出たー。出たよー。出ましたよー。出ましたわけよー。□。※1
グル! とかククリ! とかそういうあれだ。
でなきゃラビ! とかラッキー! とかルー! とか。
「では行くぞ……」
「歩け!」
へいへい歩くよ歩きますよ。せっつくなよ木っ端兵士。
「止まれ!」
へいへい止まりますよ。エレベータの前だろ誰でも止まるだろー。
「飛べ!」
へいへい飛びますよ。速く強く高くー。煩いなー。
「誉れ!」
へいへい誉りますよ。太く長く潔くー。これでも理科は5だったんだからー。
※1:ところで問題。□には何文字入るでしょう。
- 27 名前: ◆D8ZT3FWA :02/03/05 23:05
- トロッコが終点に着いた。頑丈そうな鉄の扉の前だ。SOK のシールが貼ってあるし。
途中針山とか血の池とか麦畑とかあったが、本当に肉はここまで来れてるのか?
それともやっぱり愛は冷めたのか。人肌程度になってしまったんだろうか。
隊長がインターフォンに話しかけた。
「御子神様に、例のものと運び屋をお届けに上がった!」
『入ってよし』
〜キンコンカンコンコンカン、コン コンケンキココン♪
鉄の扉は重々しい音を立てて内側に開いた。
奥行き2mの狭い部屋だった。
俺と隊長と着いてきた兵士5人と、最初からいた兵士2人と女1人。
こりゃ暖房要らないわ。でも扉が閉まらん。
椅子に座った女は、思ったより若かった。30前くらいか。
悔しいが美女と云っても差し支えない。
すれ違った男が、十人が反対から数えると十一人になるくらいの美女だ。
女が俺に向かって云った。
「近こう寄れ」
近こうったってあんたよ。俺は 1cm 前に進んだ。
「……ふん、流石にいい目をしている……しかしその器ではない……」
「そうですか……モーフィアスです。彼はてっきり……」
「モーフィアス?」
「いや何でもない」
映画見ろよ。映画。世界が広くなるぜ。
「では例のものをここへ」
ここったってあんた。手ェ伸ばせよ。
「あっ……忘れました」
おいおい。麦畑だな。お前さっき一人こそこそ用足しに行ったもんな。
兵士は慌ててトロッコに乗って行った。
※1の答え。入れるだけ入れたらいいバイキング方式は3,000円。
- 28 名前: ◆D8ZT3FWA :02/03/05 23:29
- 4時間の立ちんぼう(時々女は兵士と交代した)の結果、
「例のもの」の入ったバッグを取りに行った兵士は道に迷ったものと見なされ、
全員で迎えに行くことになった。
トロッコはもう一台あった。全員は乗れないので、2人の近衛兵は残った。
俺は女に話しかけた。
「ちょっと聞いてもいいか?」
「貴様! 無礼であろう!」
「んだよっますんなよ」
「よろしい。何だ」
へへー。彼女のハートは俺のもの。横恋慕はやめときな坊や。
「あのバッグが何だってんだ? 大事なもんが入ってるのか?」
「その通り。我々にはとても大事なものだ。しかし中身についてはこれ以上云えぬ」
トロッコはジャングルを抜け、パリの大通りのアトラクションに入った。
おーーシャンゼリーぜ? おーーシャンゼリーぜ?
「……じゃもう一つ。何で俺も連れて寄越した?
うっちゃるなり消すなりすればよかったんじゃないか?」
女の顔は静かに笑った。ぞっとするほど冷たい、美しい微笑みだった。なんちゃって。
「消して欲しかったのか?」
「ああもう人生が厭になった。ティッシュは切れたし、松やには取れないし」
「消す訳には行かぬ。お主がアレを運んで来た以上、お主とアレは既に一体なのだ」
トロッコはアラスカを走り抜け、横須賀へ。
港のヨーコ、ヨコスカー。港のヨーコ、ヨコスカー。
そしてバックドラフトのコーナー。んで間髪入れず麦畑到着。
あたり一面火の海になりそうなものだが湿っているから大丈夫らしい。
皆降りた。途端に、一人の兵士が叫んだ。
「ああああっ! ジュゼッペ! ジュゼッペ・G・キタムラ!」
誰やねん。と思ったら、バッグを取りに来た兵士が倒れていた。
肩にタオルをかけていた。どうやらダイイング・マッサージを受けていたらしい。
- 29 名前: ◆D8ZT3FWA :02/03/05 23:50
- 「畜生、誰がこんなことを……」
他の兵士が呟いた。何だか嗚咽が聞こえる。泣いてる奴もいるやん。何だ何だ。
「泣くなよ、アイ・ガット・ボン・ジョビ……」
「お前だって泣いてるだろプラーク・F・コントローラ……」
「だって俺、まだ、彼に借りてなくしたドラスレIV、返してない……」
「俺だって彼に作ってもらった蒸しパン、神棚に上げたままだ……」
分かる。分かるぞ。俺も何だか泣けて来た。しくしく。
隊長が一喝した。
「泣くな! 犯人を……いや! 例のモノを探せ! くまなく! あいやくまなく!」
「イエッサ師匠!」
「マチバリ・チャコペン・フェルト生地だ!」
「イエッサ師匠! がさがさがさがさ」
俺と隊長と御子神を残し、兵士は麦畑を捜索し始めた。
「御子神様、申し訳ありません! この罰は何なりとお受けいたします!」
「よい。アレはいずれ必ず我らの元に届く。その定めだ……」
「ははっ!」
分かる。分かりすぎるくらい。しくしくぐすん。
突然。辺りが真っ暗になった。
麦畑のセットを照らしていた室内照明が切れたらしい。
「御子神様! 私の傍を離れませぬよう!」
がさがさがさがさがさ。
誰かが、何かが、ものすごい勢いで近づいてくる!
ギイン! ズバッ!
「うぬっ何奴!」
「流石にやるわね!」
何だその声は肉女か。期待して損した。
もっとこう、エイリアンとかバタリアンとかデロリアンとかならよかったのに。
- 30 名前: ◆D8ZT3FWA :02/03/06 00:10
- ガイン! ギイン!
剣戟が闇にこだまする。
どうやらこの場に乗じて、肉女が隊長や御子神を仕留めようとしているらしい。
ギシャン!
「ぬぅ!」
ガリッ!
「いいぞーやれやれー」
パリッ! サクッ! ポリポリッ!
「隊長! 御無事ですか!?」
プニ! ポヨヨン!
「梶原一騎=高森朝雄」
ヒューーーーーーーーーー…………ポチャ。
「あーれー。あーれーダビッドソン」
すいすいすい。
「あ、1円玉あります」
セブンセブンセブン!(ぼひょぉん)セブンセブンセブン!(ぼひょぉん)
「それ反対っすよ。赤いポッチを合わせるんです」
しーばぁーたぁーーー!
「あれっ渡部君?」
誰かが俺の腕を掴んだ。
「仕方ない、撤退よ。また次の機会だわ」
肉女だ。
「え? だって今渡部君の声が……俺ファンなんだヨー」
「いいから逃げるのよ!!」
「待て! 逃がすか!」
「パパママ・リバティー」
「ほらやっぱりー!」
「あれは子役の声よ!」
「すっきリカコは」
「ほら奥さんがーーーまぁ奥さんはいいや」
「えっ RIKACO 何処何処?」
隊長はああいうのがタイプなんですか。ふーんメモっとこ。
- 31 名前: ◆D8ZT3FWA :02/03/06 00:47
- 廊下の闇を抜け、エレベータに入って、肉女は急いでボタンを押した。
兵士達はついて来れず、ついに扉は閉まり奴らを振りきった。
二人は息を切らしている。俺は汗びっしょりだった。
肉女の髪も濡れていた。茶色がかった髪……俺は彼女を初めて見たのだ。
目と目が合った。
彼女は息を切らせながら、微笑んだ。
「初めまして。よろしく」
「あ、ああ……」
正直、女桂小枝を期待していたわけだが、そうは問屋がおろそかにしないらしい。
かっこいいじゃねぇか。デミ・ムーアかメグ・ライアンか。
デミデーモンかただのライアンだったらよかったのに。
黒いボディスーツもスタイルいいし。何か悔しいな。
「お前が肉女か。伊勢の尼さんみたいな格好しやがって」
強がってみた。少し涙が出てきた。うっそー。
「何よ肉女って」
「何でもない。そう云えば名前を聞いてないな」
「云わなきゃ駄目?」
首傾げるなよ。心の琴線に触れるだろ。
「私はKって呼ばれてるわ。イニシャルなの。これ以上は秘密」
「何だ何だどいつもこいつも秘密が多いな……んで竜とかいう兄貴いるのか?」
「え? ううん兄弟姉妹は無しよ。……私の方はあなたの名前を知ってるわ。団……」
「いいぜ、俺を……ジョニーと呼びな」
「史人君でしょ? 団史人君」
「ジョニーだってのに! 修道士の吹替えなんかしないぞ俺は」
俺は口角あわあわわで云った。
「分かったわよ。じゃ、あなたはジョニーね」
エレベータは地上についた。気がつくと、彼女はしっかりあのバッグを持っていた。
- 32 名前: ◆D8ZT3FWA :02/03/06 00:56
- 今日はそろそろ。
ジミーだったりダンだったりジョニーだったりするのはまだ先がある予定なので、
そのうち気分次第で変わります。まぁジミーになったら固定でしょうけど。
今読み返すと、前に書いたとこで少しおかしいとこがいくつかありますけど、
実際問題おかしいって云えば全部オカシイのでその範疇だと思って下さい。
ではまた〜
- 33 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/03/06 14:17
- いいね
- 34 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/03/07 23:13
- 続きを楽しみにしちょりまふ
- 35 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/03/10 23:42
- 読みました。続き、楽しみです。
- 36 名前: ◆D8ZT3FWA :02/03/13 11:47
- 今晩若干なりとも更新します
- 37 名前: ◆D8ZT3FWA :02/03/14 00:24
- 地上の倉庫には誰もいなかった。俺達は足早に外に出て、茂みを越えた。
真っ黒いスポーツカーが停めてある。何てこったい喋りそうなくらいかっこいい。
「名前つけてるのか?」
「車に? まさか」
「よしお前は今日から夜・二千太郎君だ。なでなで」
「……やめてよ」
「ところでそろそろ金をくれ。もう飽きた」
「え? だめよ、そうはいかないわ」
「もうこりごりだよ僕ちん。ふりかけだの大神いずみだのボンジョビだの」
「あなたじゃなければ運べないのよ」
「はぁ?」
「……仕方ないわね……説明するわ。この荷物はわたしの霊波動と合わないのよ」
……ぎゃーーーーー。
「あ、あ、そ、そうなんだ……いやぁ僕、全然知らなかったよ……」
「……今、馬鹿にしたでしょう? でもこれは厳然たる事実なのよ」
「あ、うん、いやね、ん? 怒った? ごめんKちゃん、ごめんね?」
「証拠を見せてあげるわ。……でもぐずぐずしてると捕まっちゃう。まず移動よ」
とりあえず、下手に逃げると何をされるか分からんから従った。
でも、ひよこのように純真な俺には、こんな状況は長く耐えられない。
怖いよ怖いよ。怖いよママン。
その頃。
「……見える見える。女は運び屋を連れて西へ向かったぞよん」
「ははっ! では今すぐに捕らえに向かいますぅ〜」
「まぁ待て。……例の男を向かわせぃ!」
「ま、まさか御子神様……あやつを……ははーっ!」
とかいうやり取りがあったとかなかったとか。多分あった。
- 38 名前: ◆D8ZT3FWA :02/03/14 00:50
- 山を飛び、谷を越え、僕らの街を通り過ぎ、隣の街へ着いた。
奴らは完全に俺達を見失ったらしい。
「そろそろいいわね……じゃ、証拠を見せてあげる」
朝方の人気の無い公園の脇に、車は停まった。AV撮るなら絶好の場所だ。
「降りて、全速力で走って行って」
「え……逃がしてくれるのか?」
「逃げたければどうぞ?」
だから琴線に触れるだろって。しかし本性を知った今となっては、寧ろそんな仕草もおぞましい。
「そんな事云って、追っかけて来るんだろう?
ほいで落し物だとか云って貝殻のイヤリング寄越すんだ!」
「そんな事しないわよ」
「アラクマさんは横山隆一のマンガで充分だ! わーーーー」
俺は DAT のごとく録音した。これなら数ギガ行ける。
走った。走った。君の前にはゴールが待つ。君の後ろにはスピードが残る。
100m ほど走ったろうか。突然俺の背中に、何かがぶつかってきた。
芝生に倒れこみ、慌てて振りかえると、あのバッグが落ちていた。
Kちゃんの方を見た。未だ車の傍にいる。あそこから投げるなんて不可能だ。
道具を使って飛ばしたか。そんな事ができるのは、左門ジモンぐらいのものだ。
俺はバッグを持ち、ゆっくりと歩いて行って、Kちゃんに詰め寄った。
「今のは何だ? どうやっただ? 教えてけれ」
「私は何も。バッグが勝手に飛んでいったのよ」
「……俺の霊波動と合うってか。引き寄せられたってか」
「そういうこと。分かりがいいじゃない」
「信じられん」
「じゃ今度はこっちを見ながら後ずさればいいわ」
「パン! 茶! 宿直! わーーーー」
俺はダンテのごとく新曲出した。焼き直し感は否めなかった。
100m ほど行ってボグゥ。バッグが顎ヒット。ウルフの二の舞になっちまう。
- 39 名前: ◆D8ZT3FWA :02/03/14 01:14
- どうやら話は本当らしい。
かいつまんで申し上げますと、このバッグはアメリカイギリスヨーロッパ、
波動の「合う」人間を経由して、ついに日本に入り俺の番が回ってきたらしい。
「誰と誰が合うか合わないかはどうして分かるんだ、ハニー」
「私は知らない。本部から、誘導しつつ監視するターゲットが知らされるだけ」
「本部ってのは鹿児島にあるのか? ジョセフィーヌ」
「そうよ」
「鹿児島の何処だ? 桜島か? ミラクル・ガール」
「それは答えられないわ」
「おいおいそりゃ無いぜ。冷たいなアストロロボ・ササ」
「まぁどうせそこまで連れていくんだから、そのとき教えるわ」
俺は窓の外を流れる景色を見た。緑鮮やかわさび園。わさび嫌い。最低の景色。
「それで? 俺はいつ解放されるんだ?」
「本部に無事届けば、もう自由の筈よ」
「筈って何だ。シータの彼氏か」
「私は知らないのよ。解放してあげたいわ。でも私の一存じゃ決められないの」
「そうか……俺もお前も、社会の一個の歯車でしかないって事なんだな。
人生ってのは、こう、うまく行かないもんだなぁ、さくらぁ」
「一緒にしないでよ」
一蹴かい。
「だ……ジョニーは、今……プッ……仕事何してるの? ……ププ」
「行政書士の資格で……待て何だ今のプッて」
「だって……ジョニー……!!」
声無く笑うな。戦場で培った技術か。涙ぐんでるし。
「今更何だ! 今更性格の不一致だとでも云うのか!」
「ところで、ちょっと停めていい? お腹へっちゃった」
「じゃぁ朝マックしよう」
「太るから駄目」
「じゃ牛丼塩ダクミソ」
結局ドトールになった。じゃぁパストラミサンドだ。あくまでぴりっと辛くて肉々したのを貫いてやる。
- 40 名前: ◆D8ZT3FWA :02/03/14 01:16
- 眠くてすいません。今日はここまで。明日もやります。
- 41 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/03/14 02:35
- >>40
読みました。明日が楽しみです。
- 42 名前: ◆D8ZT3FWA :02/03/15 02:16
- 二階に上がって、仲良く朝食。つーか相方、一応コート着てるけど結構目立ってる。
「さて、と……んで? どうするんだ? このまま車で行くのか?」
「そうね。陸路の方が小回りが効くわ」
突然銃が乱射された。
相方体をひねってセパレータの影へ。
俺は慌てず騒がず動けず失神寸前。
店内騒然。大人も子供もおねーさんも。
誰だ。二人の愛のひとときを邪魔する奴は。誰かが階段を登ってきた。
「いたな……ターゲット発見んん。おい、ブツは頂くぞ」
安原義人みたいな声の男がやってきた。服はスタジャン・トレーナー。
40前風だが体は引き締まっている。
俺「おい、誰だ? 大神いずみの奴隷の一人か?」
K「知らないわ。でもおそらくそうね……」
男「おい、貴様ぁ。今俺様の悪口を云わなかったか」
ここも安原義人で。
俺「いいや。クロコダイルダンディそっくりだって話してたんだ」
男「んー? ……まぁいいや。さっさとブツ寄越せ」
俺「あーそういうことでしたら……」
K「駄目よ! これは渡せないわ。渡せるもんですか!」
俺「あのー……」
K「あんた達に渡したら、世界の終わりが訪れるのは間違い無いわ!」
……ぎゃーーーーーーー。
客「きゃーーーー」
逃げ出す客。分かる。怖いよな。俺も逃げたいよママン。
男「じゃあ腕づくでも奪ってやるさ。ぬぅううぅん!」
あのーあなたさっき銃撃ってませんでした?
- 43 名前: ◆D8ZT3FWA :02/03/15 02:30
- 男は飛びかかって来た。んですんげぇ怪力でやんの。俺はすぐ投げ飛ばされた。なるほど銃要らんな。
例によって戦うKちゃん。こちらも滅法強い。男を幾度と無くひるませる。
しなやかなボディー。空気抵抗を極限まで追及したフォルム。SRSエアバッグ。
惚れるじゃねーか。
「あなたもなかなかやるわね! 名前は?」
「セイバートゥース!」
おいおい3合目まで行ったおっさんが "剣の歯" はないだろう。ぽりぽり。
「いいぞーやれやれ」
とりあえず応援だけしておこう。
「でい!」
うわぁKちゃん刃物はねぇだろうよ。にしてもこのコーヒー砂糖入れすぎ。
「……ふんっ」
「どういうこと!? 傷が……」
「これが俺の能力さ!」
能力と書いてチカラと読むぜ。ちょっとナプキンで鼻かもっと。
「ほぉら捕まえたっ!」
「くっ!」
「いい子だから……こっちに……寄越せ!」
あーうめぇ。あー五臓六腑二府四十二県に染み渡る。沖縄・離島は別料金。
「ちょっと団君! 手伝ってよ!」
「ん? もぐもぐふぐー(意訳:のっぽさんこれなぁに)」
「ほーら取っちまった! でいっ」
「あぁ!」
蹴られて倒れるKちゃん。ぷちーん。
「じゃぁな! ……ん? 何だ貴様は……! 戦闘力1307……?」
「お、お、お父さんを、いじめるなーーーーーーっ!」
俺は熱いコーヒーをぶちまけた。
のたうつセイバートゥース。勝利に酔いしれる俺。あーうめぇ。
- 44 名前: ◆D8ZT3FWA :02/03/15 03:01
- K「行くわよ!」
俺「何だもう立ち直ったか。流石俺のハニー。ブレッド&バター」
兵「待て!」
おお。水色兵士軍団わんさか。
歯「くそぉ……ひよっこ、よくもやってくれたじゃねぇか」
俺「頭皮が出てると火傷の範囲も広がって困りますな!」
歯「hjfがうぇrtでぼらghdかー!」
うわー。ついに切れた。しかも途中に名女優入ってるしポイント高いよこれ。
隊「セイバートゥース。ご苦労」
隊長だ。ついでに大神いずみだ。総出演だな。いよいよ最終回か?
隊「さて。じゃぁまた一緒に来てもらおうか」
歯「その前に、隊長! この運び屋風情を……」
大「控えよ。セイバートゥース。この運び屋は重要な献体だ。傷をつけてはならん」
K「彼の体は渡さないわ! 世界を守るために必要な肉体よ!」
俺「わ、私の体が目当てだったのね!」
大「そう。私達も、彼女の組織も、あなたの体が必要なのだ」
えっ。
K「…………そうよ」
なんじゃこりゃぁ!? お、俺まだ死にたくないよ。
俺「え、俺、何。殺されんの」
大「そうではない。現世に降臨めされる神と一体になるのだ」
K「違うわ! 悪魔を封じ込めるために一時必要なだけよ!」
俺「パクパク。役に立たない人工物は、ほぼすべて悪魔と神に関わっているからだ。パクパク」
ついていけません。金魚のように口を開けるだけです私。
俺「するってーと。あの。一つ訊いていいですか」
K「何?」
俺「貴方がたのおっしゃる、神だの悪魔だのってのは……これ?」
大「そうだ」
俺の右手にゃボストンバッグ。左のポッケにゃチューインガム。
ところで叩くと増えるビスケットは、あれ絶対割れてるだけだと思いません?
- 45 名前: ◆D8ZT3FWA :02/03/15 03:01
- 今日はここまで。また今度。
- 46 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/03/15 03:43
- >>45
深夜パソに向かってニヤつきながら読んでる自分が嫌になる。
面白かったです♪
- 47 名前: ◆D8ZT3FWA :02/03/17 04:10
- 客はくるのか
- 48 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/03/17 04:28
- 面白い
- 49 名前: ◆D8ZT3FWA :02/03/17 04:45
- >>48
ありがとうございます。名前改めます
- 50 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/03/17 04:47
- ◆D8ZT3FWA 改め かにストライク◆kanisTrY です。
電波板でのコテハン実績は
・25レスでdatおち
以上です。このスレでは頑張ります。
何卒よろしくお願いいたします
- 51 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/03/17 04:48
- やっぱりかにカ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!!!!
- 52 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/03/18 12:30
- 保守
- 53 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/03/19 19:11
- 守
- 54 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/03/20 01:33
- >>50
頑張って下さい。楽しみです。
かにさんですか。ストライクなんですね。
トリップが8文字全部はまってる。すごいね。
見つけるのに時間かかりそう。かかってそう、だね。
- 55 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/03/21 17:35
- ttp://www.asahi-net.or.jp/~XN7M-MR/music/marimo.html
ほしゅほしゅ
- 56 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/03/22 09:55
- >>54
かかりました。それはもう。
保守して下さってありがとう。
ちょっとでかけるので少しの間書けません。来週頭くらいに。
- 57 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/03/24 13:32
- 続
- 58 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/03/25 03:29
- >>56
時間早いっすね〜
お出掛けですか。ゆっくりゆっくりで良いんで、
続けてくれることを切に願うのです。
- 59 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/03/26 00:22
- 前回までのあらすじ。
行政書士ジョニー(団史人)は、茶髪チンピラのサラリーマン(推定)。
ある日Kちゃん(肉女)がちらつかせた金の多寡(100萬)に惑わされ、
命じられるままバッグの運び屋に転職(Lv20+悟りの書)。
ところが中身はヤバ目の代物らしく(粉?)、
水色モンキーズ(隊長から名称推定)に埒監禁される(1玉4円)。
そこで会ったが大神いずみ(御子神)、甘い吐息でジョニーくらくら。
Kちゃん乱入で隣町まで逃げるものの、
セイバートゥース(生え際三合目)に捕捉され再び修羅場。
そこでジョニーに知らされる衝撃の事実。
バッグの中身は神か悪魔か。そしてジョニーの体を欲する面々。
それよりあの声は本当に渡部君だったのか。急転直下の第二幕。
- 60 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/03/26 00:42
- 歯「じゃぁ今度こそ女には眠ってもらうとするか」
隊「その間に我々は運び屋を捕らえるとしよう」
身構えるKちゃん。身悶える俺。
はっきり云って、俺達の方が断然不利。
おっと。しかし俺はKちゃんと組むと決めたわけじゃない。
俺「ちょっと待ったぁ! おおっと、御子神さんの前だぁ!」
大「何だ?」
俺「どうするかは俺に決めさせてくれよ。……無闇にKちゃんが傷つく必要は無い」
大「ほほう。意外に利口だったようだな」
K[そ、そんな! 駄目よ!]
歯「おっと! おとなしくしてろ! ぐいぐい」
俺「ごめんなさい。いろいろ迷惑かけて。ありがとう。Kちゃんのこと忘れない」
K「駄目! 世界が……滅びてしまう!」
俺「さて……お別れだ」
近づく水色兵士達。
俺「……3人いれば勝てると思ったのか?」
隊「……? 3人どころではないが……」
俺「あれ?」
隊「捕らえろ!」
俺「あれーーー」
K「馬鹿ぁ!」
男「ちょっと待ったぁ! おおっと、団君の前だぁ!」
誰だ。竜魔人みたいな髭生やしたこのおっさん。
K「あ……明石指令!」
だから誰だよ。ベルト通しにクリーニング屋のタグつけたこのおっさんは。
- 61 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/03/26 01:06
- 大「き、貴様が明石司令か!」
明「いかにも。お前が御子神だな。なるほど凄まじいオーラだ」
つかつかと進み出る明石のおっさん。しかし大神いずみにオーラあるかなぁ。
隊「貴様! 下がれ!」
明「生憎そうは行かん。彼の身柄は我々が頂く。それにはそこの女が邪魔だ」
隊「ものども! かかれ! サンバのリズムで!」
兵「ひー、ひー、ふーーー!!」
一斉に飛びかかる水色軍団。身を翻すおっさん。全ての攻撃をかわした!
ところでどんな攻撃があったかというと、
みかんの皮シューとか、
レンジで暖め済みのポテトサラダポショッとか、
半分周回遅れで破れ続けるトイレットペーパーうりうりとかそんな感じだった。
それらをすり抜け隊長を弾き飛ばし、大神アナの目の前へ。
彼女の眉間におっさんが指を当てると、
アナも、隊長も、兵士も、セイバートゥースもみんな崩れ落ちた。
俺「ど、どーなってるの? 教えて小倉さん」
K「司令だけができる技。精神波の干渉による催眠術のようなもの。
そしてこいつらはみんな御子神の精神波によって操られているのよ」
その割には三合目の方のおっさんはキカン坊だったように思うが。
明「さて行くか。K君、車はあるな?」
K「はい。しかし司令は何でいらしたのです?」
明「タクシーに乗ってきた。沖縄からだったから初乗り450円だった。助かった」
K「そ、それは大変でしたでしょう……」
明「いや何、道中ほとんどトランクだったから楽だったよ。はっはっは」
かんらからからとペンタゴンのように笑いながら明石は階段を降りていった。
Kちゃんは俺にそっと耳打ち。くすぐったいん。
K「司令は司令なりの考えがあって行動してるわ。よく分からないだろうけど、気にしないでね」
いや、分かりすぎるくらいよく分かるが。
- 62 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/03/26 01:29
- Kちゃんのスポーツカーはツーシータ。明石はトランクに潜りこんだ。
再び俺達は、鹿児島に走り始めた。
明「K君からの連絡が一時途絶えたので、私自ら赴いたが、正解だったな」
何処からかくぐもった声が聞こえる。おお、二千太郎チック。
K「申し訳ありません。おかげで助かりました」
俺「あんた偉いんだろ? 何で一人できたんだ?」
K「下手に部下を連れてくると、御子神の精神波にやられてしまう。
司令はそうお考えだったのよ」
明「いや、途中USJに寄ったらはぐれた」
K「……」
俺「なるほど。一理ある」
明「ところで団君。包丁貴族が親戚にいないかね?」
俺「叔父がそうでした」
明「そうかやはりな! 目を見てそうだと思った!」
K「……」
俺「あのさ。本題に入っていいか?」
明「いいとも。寧ろヒュンダイに入社しても構わないぞ!」
俺「俺は神様と合体なんてごめんだから、あんたらについていくことにしたが、
決して信頼してるわけじゃない」
明「うむ」
俺「Kちゃんはこの中身を悪魔だって云ってたが、鹿児島で何をするんだ? 俺は、安全なのか?」
明「うむむむ」
K「司令……」
明「よし。では、全て話そう。その前に、まずバッグの中身を見てもらおう」
K「中身を!? わ、私も見てよいのですか?」
明「うむ」
Kちゃんは知らんかったのか。
秘密はいかんな。秘密は。秘密は二人の未来に翳りを落とすぞ。
俺「じゃ、開けまーす。わくわく」
俺は中身を取り出した。出てきたのは、さらしに巻かれた一本の刺身包丁だった。
- 63 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/03/26 01:31
- もうちょっと続けようかと思いましたが、おねむの時間なのでまた明日。
- 64 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/03/26 01:34
- お休みなさい
- 65 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/03/27 00:01
- 俺「生き物かと思ってた」
K「こ……これが悪魔の苗床……」
俺「萎えドコロ? よう分からんが、
これがバッグに入って飛んだり撥ねたりしてたっての? 信じられないな」
明「……K君、どこか駐車場にでも止まってくれたまえ。ゆっくり話がしたい」
そんなわけでKちゃんはびっくりドンキーの駐車場に止まったのだった。
明石のおっさんは、淡々と話し始めた。俺は茶々を入れまくった。
明「私がまだ若かった頃、父はある研究をしていた」
俺「で、息子はたんすだった。分かるかなぁ、分かんねぇだろうなぁ」
明「その研究とは、バイオテクノロジーに関する事だった」
俺「ジュゲベギョジュオー! 2458」
明「その研究によって産まれた実験体を利用し、悪事を目論む者がいた」
俺「そしてタロウがここにいた」
明「それはこの地球上の生命ではなく、シリウスの第5惑星から追放されたエイリアンだったのだ」
俺「エイリアンの爪って鋭利やん! ずしゅずしゅ」
明「そのエイリアンは精神だけの存在で、精神を持たない、しかし優れたモノに乗り移るのだった」
俺「もう! 火牙さんの馬鹿!」
明「そして精神波によって、人や、魂を持たない実験体を操るのだ」
俺「お前は牛だ、牛だ〜……ほーら牛だ>甘」
明「私は彼と戦い、一応の勝利を得た。しかし彼の精神自身は逃げおおせてしまった」
俺「週刊精神自身。『淑女の雑誌から』で見たことがあるね」
明「長い歳月を経て、私は精神場の乱れを掴む術を憶えた」
俺「掴まれて乱れた? それはそれは」
明「そして、新しいモノに入りこみ、操る対象を探す彼を見つけたのだ」
俺「モノが。入る。これまた」
明「しかし間に合わせの粗悪なモノだったらしく、他の個体を操るには至らなかったらしい」
俺「粗悪なモノがためにまだ至らない。くぅ」
明「結果、波長の合う相手にモノごとひきつく能力は得たが、それだけの存在になってしまったのだ」
俺「ごめん聞いてなかった。もっかい説明してちょ」
- 66 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/03/27 00:27
- 明「要するにその刺身包丁には悪しきエイリアンの精神が宿っているが、
他の肉体に乗り移れずじたばたしているのだ」
俺「なーんだ。じゃ割っちまえばいいじゃないか。それでおしまいだろ?」
K「何が起こるか分からないわ。ただの刺身包丁じゃないのよ。
異星人の高次元の精神を宿した刺身包丁なのよ」
俺「何か分からんけどよく切れそうだね。指とか」
明「そこで君の協力を得て、彼を安全に葬り去ってしまいたいのだ」
俺「どうすんの。まさか乗り移らせて階段落ちさせるとか」
明「いい線だ。しかしまだそれはショックが大きいので云えない」
俺「ほーら秘密。やれ秘密。秘密秘密秘密のアッコさん」
K「協力して。私からもお願い」
だから首を傾げるな。心の金銭関係に無頓着になるだろ。
明「君自身は安全だということだけは約束しよう」
俺「信用できない」
明「前金50万を今渡しておこう。K君」
K「はい。ごそごそ。どうぞ」
諭吉だ! 久々に見る諭吉さんだ! すげー! 分厚い!
俺「わんわん。桜島が早くみたいな♪」
K「じゃ、そういうことで出発ね」
俺「1枚1枚にやけ顔にしてもいい?」
明「どうぞ自由にしてくれ」
俺「半分にちょん切って銀行で5千円札にしてもいい?」
明「何なら3/5にして、微妙に3千円と6千円にしてもいいぞ」
俺「それいい! 冴えてる! 俺あんたと仲良くやっていけそうだよ!」
明「しかも気付いてもらえたかな? 最後の1枚は、表に裏の印刷、裏に表の印刷がされているのだ」
俺「うわすっげー! あんた心の友だよ! 略してこことも!」
明「そして番号は全部同じものを50枚も集めたのだ。ミッション完了時にはこれをあと150枚やろう」
俺「もっと略してこも! こも! こも! うわー信じられナイ!」
人には悩みが無くていいねって云われるけど。
だって人生バラ色だよいつも。どうよ。
- 67 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/03/27 00:55
- そんなこんなで鹿児島に入った。略して入鹿。
そこで入鹿についてのおさらいをしようと思います。
まず、聖徳太子を殺した男ですね。これはあまりにも有名です。
蟲殺す太古の疥癬て奴です。年季が入ってやたらと痒そうです。
そうそう、ふざけすぎた季節の男としても有名ですね。
具体的には、9月1日の午前1時に観念して夏休みの宿題を始めるとか、そういう感じに。
さて鹿児島と云えば桜島。桜島と云えば噴火。噴火と云えば火山灰。火山灰といえば関東ローム。
関東ロームと云えばボストロール。変化の杖。グリンラッドの爺さん。ぴちぴちギャルー。
ということでこの仕事が終わったらぴちぴちちゃぷちゃぷで名高い、鹿児島ギャルを堪能しようと思います。
K「何ぶつぶつ云ってるのよ」
俺「え? 聞こえた? いやちょっと観光の計画を」
K「今から帰る算段なの?」
俺「いや平泳ぎは苦手だが」
明「……K君。つけられてるな」
K「えっ!? しかし目立った車は一台も……」
明「何処かで追いつかれたのだろう。さっきからずっと、白いバンが300m後方にいる」
あんたがだらだら長い話をしてるからだろう。まぁこもだから許すけど。
俺「じゃ巻こうぜ」
明「もう手遅れだ。おそらく県内全域に手を回しているだろう」
俺「いいからまず巻く! 西田家は毎週巻いてんだゾ! 多分今でも!」
K「司令! 救援を呼びます」
明「仕方あるまい」
K「こちら325号、K! 至急応答せよ!」
スピーカーから音が聞こえる。何だか騒がしい。
ス『ザザ……わははは。待てよ……ザザ……昼間からビール……ザザ……お前らできてんだろ! ヒューヒュー!』
明「しまった。みんなまだUSJだ」
K「……」
俺「ちょっといいか? 有給の日数次第では貴社への入社を希望します」
- 68 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/03/27 01:24
- 明「よし分かったぁ! 金田一君、作戦Fだ」
俺「誰に云ってる。何が見えてるあなたの頭」
K「分かりました、Fですね」
Kちゃんはハンドルをすばやく切った。市街地へ突っ走る。
K「街中に入ったら、二手に分かれるわ。ジョニー……ププ……は私と一緒」
俺「ププって笑うな。ププって。試合前の緊張感が無いぞ」
明「バッグは私が持つ。包丁は君達が持っていけ。それで追っ手は分散する」
俺「でも相手がいずみちゃんなら、俺が持ってるってすぐ分かるんじゃ」
明「私は包丁と同調することができる。御子神もそのことは分かるはず。
一応めくらましにはなるだろう」
というわけでデパートの前で車を降り、駆け込んだ。
人に紛れてしまえばこっちのもんだ。
俺「入ってすぐがどうして化粧品売り場か知ってる?」
K「ぶつぶつ云ってないで早く」
俺「6Fは世界のネコ展か。ちょっと見て行きたいな」
K「何云ってるの! こっちよ」
エレベーターだ。Kちゃんは躊躇い無く最上階を押した。
他の客はいない。おならしたらばれるなぁ。もう少し我慢しておこ。
K「と、見せかけて途中で降りるわよ。ちょっと腹ばいになって」
俺「腹ばいになれだと!」
K「あ、100円」
俺「何処何処! 俺のもん! 俺のもん!」
K「よっこいしょ」
Kちゃんは俺の背中に乗って、エレベータの天井を外した。
しかしうら若き乙女がよっこいしょはまずいだろう。せめてうんこらせ。
K「シャフトの中を行くわよ」
俺「でも相手がデニスホッパーだったら気付かれるかも」
K「つべこべ云わずにほら! 手を伸ばして」
あんまり勢いよく引っ張るもんだから。はずみで。その。
- 69 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/03/27 01:43
- エレベータシャフトの途中のくぼみにすばやく入り込んだ。
エレベータはぐんぐん上がっていく。
俺「何もこんな苦労しなくても……」
K「しっ。念には念よ。しばらくここでじっとしてましょう」
そして数分じっとちじこまって待っていたのだった。
かすかに聞こえる店内のBGM以外は、二人の息遣いだけ。
俺「次のヴォイド・ムーンはいつかな」
K「何の話?」
俺「それより。あのさ。こっそり教えてよ。本部に着いたら何すんの」
K「……駄目よ」
俺「心底信用しておきたいんだよね。Kちゃんのことだけはさ」
K「そんな云い方しても駄目」
お。ほころんだ。今だ押せ押せ!
俺「つーかぁ、心底ぉ、信用ぉ、しておきたい? みたいなぁ」
K「そんな云い方も駄目」
俺「ワ゜レワ゜レワ゜、シンショコKチャンヲ゜」
K「そんな云い方はそもそも駄目」
よしとどめだ!
俺「心zkxchkなdskさ! 心zkxchkなdskさ!」
K「何て云ってるか分からない」
DOSコマンドが途中に入ってるから相当ポイント高いはずだが。某国の圧力か。
K「本当のこと云ったら、ジョニー君逃げ出してしまうかもしれない」
俺「何、それは警戒してるの?」
K「ううん。二度と会えなくなったら……哀しいもの」
俺「えっ……あっ……いや、別に逃げるとかじゃんなくてさ心構えというか……」
K「……!」
声出して笑えよ。マジで心の欽ドンの何処までやるの。だろ。
- 70 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/03/27 02:03
- K「さてそろそろ行きましょう」
俺「何処から外に出る?」
K「外には出ないわ。客がいないエレベータにもう一度入るだけ」
俺「そう都合よく行くかね」
しかしあれよあれよと云う間に、下に行くエレベータを捕まえ、結局上手くいってしまった。
K「ね? 簡単でしょ」
俺「まだ分からんぞ。誰か男が駆け込んできて、
エイリアンが出たとか云って最上階に連れてかれるかも」
玩具売り場でエレベータは止まった。一人剥げたおっさんが入ってきた。
咄嗟に俺達二人は背を向けた。
歯「買ーっちゃった、買っちゃった。みんなのゴルフを買っちゃった」
K「……!」
おお、Kちゃん技術が役に立ってるじゃないか。
歯「……お父さん、パターが上手く使えないよう。どれどれ貸してごらんアキヒコ、とか」
ボソボソ何寝言語ってるんだ。寝言は寝てから云え。いや寧ろ永遠に眠れ。
歯「……まぁあなた、上手ね。ねぇ今度私も連れていって、とか」
普段愛が無いから妄想に入るんだよな。愛がある奴は現実で満足するしな。俺なんかそうだようん。
歯「……浅田君、みんなのゴルフ買ったんだって? 今度教えてくれないかなはっはっは、なんつって」
浅田アキヒコ君は、これから暫く可哀想な人生を歩むことだろう。
でも決して親を殺すことで報われるなんて考えちゃいけないよ。強く生きるんだ。
歯「……浅田課長ぉん、今度うちで遊びましょぉ♪ わっはっは、俺のジョイスティック捌き見たいのかい?」
ジョイスティックでゴルフするのかあなたは。云ってみりゃいいってもんじゃないぞ。
歯「……あー……まずは嫁さん欲しいなぁー……」
何だ全部仮定の家庭の話かい。それなら俺もよくやるよ。案外いい奴だなこいつ。
やっこさんは1階で降りた。俺達は仕方が無いから地下へ。
- 71 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/03/27 02:05
- 何か調子がのってこなくてすいません。続きはまた今度。
- 72 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/03/29 14:18
- デパートの入口近くに化粧品が配置してあるのは
なぜディスカ?
- 73 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/04/01 01:28
- イイですね。かにストライクさん。
次回が楽しみです。
ところで、age進行ってOKなんですか?
- 74 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/04/02 11:11
- >>72
その秘密は次回。。
>>73
次回は今晩の予定。
age ても構いませんよ。
- 75 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/04/02 23:48
- >>74
なんだかイイ時に来たみたい。
上げてもいいと言われても、ちょっと勇気ないです。
かにストライクさんの今日の文章が全てうpされたら
上げたいですね。文章の途中にコメは嫌〜…
って、俺の今の状態がそれか…
- 76 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/04/03 01:24
- では書きます
>>75
上がってもずんずん下がってくるスレですから
まぁコメント参加はお好きなように。
文章千切るのも構いませんよ
- 77 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/04/03 01:41
- 剣歯郎が1Fで降りるとすぐに、Kちゃんは地下を押した。
K「仕方ない、地下から抜けましょう」
云うが早いかもう着いた。
俺「うっしノルフェア到着! アイスビームは何処だ」
K「買物してる暇なんか無いわよ。地下鉄で抜けましょう」
少し頬を赤らめたボク。
UNの漫才をDTの漫才だと云って笑ってた担任を思い出してしまった。
あるいは太った女がマグロ……
K「ちょっと待って、おかしいわ……人気が無さ過ぎる」
俺「おおう。いやマキコちゃん更迭したらそりゃぁ人気も落ちるよ」
K「普通食品売り場でしょ? どうしてこんなにひっそりとしてるの?」
なるほど白い廊下が続くだけで、広いスペースに出ないな。
俺「何で地下が普通食品売り場か知ってる?」
K「もしや……」
俺「ねぇーー何で地下が普通食品売り場か知ってる? うぅうう」
K「もー! 何よ……はいはい、聞いたげるから。何で?」
俺「俺が知るか。聞きたいのはこっちだ」
K「……」
俺「ゴメン」
K「……」
俺「何で1階が化粧品売り場か知ってる?」
K「……」
俺「いや、これはマジ。マジな話。略してマジバナ」
K「……何で?」
俺「マ・ジ・カ・ル・バ・ナ・ナ。バナナと云ったら吉本。吉本と云ったら木田投手」
K「つん」
俺「スマン」
白い廊下は続く。
- 78 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/04/03 02:01
- 俺「なぁ。引き返した方がよくね?」
K「そうね……ただ、今1階に出たんじゃセイバートゥースと鉢合わせよ」
俺「そうだなぁ。少し何処かで時間を……ってちょっと待て」
K「このデパートに入ったのはちょっと浅はかだったわね」
俺「何であいつの名前はププって笑わないんだよ」
K「2Fにも出口があるところにすればよかった」
俺「心の声で笑っているのか? それともいやんマッチングだと思ってるのか?」
K「一度司令に連絡を……」
俺「俺の目を見ろ! 魔法の言葉を聞け!」
K「……」
俺「チーズバーガー」
K「……そうね。早く抜け出して落ち着いて、お昼にしたいわね」
勝った。意外とあっさり決まったな。
俺「そうと決まれば午前はあさげ、午後はゆうげだ。上に上がろう」
K「でも、だから、今1階に出たんじゃ……」
俺「俺に迷案がある」
K「本当? どんなの?」
俺「いいのか。迷案だぞ」
K「教えてよ」
俺「まぁダーマ&グレッグってついて来い」
K「まさか屋上から隣の……」
俺「あーそう云えば今はこの手は使えないんだった。先負だから」
K「……」
俺「まず午後にならんと。話はそれからだ。でないと人死にが出る」
K「ともかくこのフロアから出ないと……」
俺「そういや塩あるかな塩。あとしめ縄。あとしめ鯖。あと湿り気」
K「あれ? さっきのエレベータが無い!?」
俺「かしこみーかしこみー参加費ー100円ー(子供会)」
K「行き止まり! どうして? ……! ここは……やっぱり……」
俺「かむろぎーかむろぎーりんりんーーころころーー(虫)」
- 79 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/04/03 02:22
- K「やっぱり精神場の歪みに迷い込んだんだわ!」
わぁ。また新聞記事には載せられないようなこと云い出したぞ。
K「司令とあなたと、刺身包丁と、御子神とが何度も顔を付き合わせてれば、
精神場に歪みが出るのは当然だわ……」
俺「それって何? ムーンサイドみたいなもん?」
K「抵抗力の弱い人間の思考を犯すのよ。
あぁ、さっき、セイバートゥースもやられてたんだわ! 彼は永遠に心の牢獄に……」
いやあれは素だったと思うが。
旅行に出かけて、おま、それ、何処でも買えるじゃん! て総突っ込み喰う奴いるじゃん。
K「あぁあ、どうしよう! まさかこんなことに……お母様! お母様!」
うわ。本当だ。歪み始めた。
K「和子は、もう駄目です! あなたの育んだ愛はここで途絶えます!」
和子だからKなのかヨ! 今日子とか和美とかキロロとかじゃないのかヨ!
K「うふふふ、これ着たら、エミリも宇宙に行けるかなぁ?」
エミリかヨ! Kじゃないじゃん! つか、よかった。生きてたんだねェ。
K「味噌っ歯出っ歯、フジッコのお豆サン♪ ルパーン♪ フジコよーん」
最初の2単語はナンダヨ! 「ッ」だけかよ! あぁ!
K「マグナムドライ+アジノモト=スーパー部長。スーパーの部長=津川」
津川? 店長じゃなくて? あぁもう本気でイっちゃったかな。
K「ちょっと団君、団君!」
俺「何だ。急に呼ばれるとびっくりするじゃないか。というか次どうなるかが怖い」
K「何云ってるの、しっかりしてよ!」
ひっぱたかれた。と、途端に目が醒めた。
そう云えばさっきまで蝶だか平目だかが飛び交ってたような気がしたが……
K「気がついた? ひどくうなされてたわよ」
俺「……あれ、和子さん?」
K「和子? 残念でした。違いまーす」
……まぁ、いい夢見てたと思っておくか……。
- 80 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/04/03 02:50
- K「とにかく、ここから二人が抜け出すためには、あなたの強い精神力が必要よ」
俺「その話は未だ続いてたのか……そう云われてもどうしていいか分かんないんすけど」
K「つまり決意の気持ち。困難に打ち勝つんだという意志。そして本来の自分への目覚めよ」
あのー本当に歪んでませんか?
俺「あー……例えば……十五でエロ本買う勇気とか……?
春休みに予備工作で暫く髭伸ばしたり……」
K「そんなの勇気じゃない」
俺「じゃぁ毒のアイテムから初恋の魔法使いを救うとか……いややったこと無いけど……」
K「??? そうじゃなくて、ここから出られなくていいのかってことよ」
俺「Kちゃんと居られるならいいなぁーーへへへ」
K「もう! 帰れなくてもいいの? 待ってる人は居ないの!?」
俺「そうだ!」
K「……居るの?」
俺「そうだ。俺のことを、多分今待っててくれてる人が居る」
K「どんな人……?」
俺「……うん、好きだよ。照れるけど……多分、これが、愛してる……ってことだと思う」
K「……ね。その人のことを強く思って。帰るんだって、強く願って」
俺「……分かった。……!」
諭吉さん、諭吉さん、諭吉さん!
K「あ……ほら! 扉が開いたわ!」
俺「……行かなきゃな。片付けなきゃならん。この刺身包丁に宿る悪魔を葬って、家に帰る」
K「うん。頑張って……」
俺「行こう! 俺達の明日へ! 進もう! 必勝コース! 今期343人合格の実績」
とか何とか云ってるうちに、突然エレベータの中に移った。
K「……時計を見て。さっきシャフトから乗りこんだ時の時刻から、1分しか経ってないのよ」
エレベータは1Fで止まっている。単に扉が閉まった状態だ。
K「今出ると、その辺で間違い無く鉢合わせするわ。どうする?」
俺「御子神の方が明石のおっさんのとこに行ってれば、こっちはフ抜けた禿げだけだろ」
K「そうね。突破するチャンスかも」
俺「じゃぁ決まりだ」
- 81 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/04/03 02:55
- そろそろ、寝ます。また近いうちに。
- 82 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/04/05 15:07
- Kちゃんの慌てっぷりイイ!!
と思ったら、団君の妄想だったんですか…
面白かったです。続き楽しみです。
- 83 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/04/08 00:30
- いかすぅー
- 84 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/04/09 23:18
- その頃明石のおっさんは。
明「秘儀! 釈迦牟尼田楽攻め!」
隊「何っ! 実印と認印が入れ替わっている! くそう、巴里祭の赤錆!」
明「ぬぅう! 州和を何と読むのか分からなくなった! 本気を出せばなかなかやるではないか!」
隊「大人しくブツを寄越せ!」
明「誰がやるか! ブラームスの髭・トウェンティズ!」
隊「ぐおお! うっ腕が! 寧ろ腕の毛が! 毛穴が!」
明「チャンス! 引越しニコニコ幸せ拳!」
隊「引越しって悲しみにつつまれるもんじゃないのか! うわー」
大「何とまたしても隊長を倒すとは……」
明「悪いが奴では相手にならぬな。そして御子神、お前もな」
大「……わらわの力をあなどるでないわ! ぬおおお」
明「こ、これは! まさか……聖光気!」
大「その通り! 喰らえ! 阿修羅火玉弾!」
明「がぁっ!」
大「は、弾き返した!?」
明「今だ! 必殺、こむら返り頻発!」
大「いたたたた、いた、痛い。がくっ」
明「はぁはぁ。老体にはこたえるわい。うぷ」
兵「うわー! この男の方が一枚上手だ! 逃げろー!」
兵「逃げるー!」
兵「逃げなされー!」
明「ふっ……さて、連中と合流するか」
とかそんな感じだったんだってさ。
あとで薄皮饅頭喰いながら聞いたんだけど。
- 85 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/04/09 23:40
- 剣歯郎の奴は、デパートの前の天津甘栗屋で、大きいのだけ寄越せともめていた。
兵士連中も二三人、騎馬戦の馬になってやいのやいのとやっていた。
俺とKちゃんはこっそりその後ろを抜け、横断歩道を渡って商店街に駆け込んだ。
と、Kちゃんの携帯電話が鳴った。
K「はい、K……司令! 御無事ですか!?」
俺「あーしんど。あー靴下臭い」
K「安心しました。……えぇ、えぇ……分かりました」
俺「靴も臭い。というか足が臭い。あーくさー」
K「え? 鯛焼き? チョコ鯛焼き?」
俺「銭湯行こうぜ銭湯。腰に手ぇやって牛乳飲もうぜ」
K「ニラレバ……あの……いえ、分かりました」
俺「そうだそうだそれよりほら、石鹸投げっこ♪ どうよ」
K「え……カスタードに変更……それに茶封筒?」
俺「行くわよー♪ そーれ♪ おーう、サンキュー、とか」
K「復唱します……カスタード鯛焼き、ニラレバ、茶封筒……」
俺「あーら新婚さん? 見せつけるじゃないのさ……とか」
K「3人前……茶封筒は……あ……えっと……」
俺「いえそんなつもりはありません! おーいどうした?」
K「茶封筒に、鯛焼きを……でもそれ、入りますか……」
俺「待ってろ今行く! とうっ! きゃーここは女湯よ! キャー! でへでへ」
K「分かりました。茶封筒は取り消し。はい。では。プチ」
俺「怒りの鉄拳! いやそれより怒りの、ほとばしる、熱い、」
K「団君お買物していきましょう」
俺「えっ銭湯は?」
K「銭湯? そんな暇ないわよ……
とりあえず、ニラレバ炒めお願い! 私はチョコ鯛焼き買いに行くから」
俺「……あのさ、ひょっとして、使いっぱなんじゃ……」
K「3人分お願いね」
俺「心得た」
- 86 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/04/10 00:06
- 商店街を抜けると、Kちゃんの車が待っていた。
明石のおっさんが運転していたはずだが、姿が見えない。
何処からともなく、くぐもった声が。
明『よし、無事だったな』
俺「ははーん。またトランクだな?」
明『いやエンジンルームだ。ところでK君ニラレバはあるかな?』
K「はい、ここに」
明『では融合炉に入れてくれたまへ。次元転移装置にエネルギーをチャージだ』
俺「ああ、ああっもったいない……もったいないお化けが出るぞ。2匹ほど」
明『もぐもぐ、ああニラレバ怖い』
K「あのー別にニラレバでなくても……どさどさ」
明『もぐもぐ……いやこれが一番体内栄養バランスがよいのだ』
俺「あのー鯛焼きも? 入れちゃうの? 俺チョコ鯛焼き好きなんだけど……」
明『何? チョコ鯛焼きを買ってきたのかね? タンクは空だというのかね?』
K「……あぁっ! すっすいません! 慌ててました!」
明『仕方ない。じゃぁチョコ鯛焼きで……』
俺「ほんとは何でもいいんじゃねぇの?」
明『いやニラレバ+カスタードが一番、打線の安定度が増すのだ』
俺「なるほど特許権の消尽理論と同じだな?」
明『それに少しフッサールを加えた感じだ』
K「全部入りました」
明『では乗りこみたまえ』
乗りこむ。Kちゃんがエンジンをかける。発進する。大丈夫なのかヨおい。
明『ではゆくぞ! 3! 2! 1!』
K「点火! バシュ」
明『点火確認! ……ぐっ……ぬっ……』
俺「はい。で?」
明『ぬゅ』
次の瞬間、車外の景色が光に包まれ、気がつくと既に別の場所に出ていた。
何処かの森の中らしい。
- 87 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/04/10 00:07
- ねむねむねむの木。明日もやります。
- 88 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/04/10 23:59
- ぎゃあぎゃあ。ぴぃぴぃ。よっこいしょよっこいしょ。
いろんな咆哮が聞こえてくる。
俺「何処よここ。つーかどんな原理でここに来た?」
K「ここは七万年前の鹿児島よ。ここに私達の本部があるの」
明『私と友人が考案した次元転換装置による作用だ』
俺「友人。正規表現の度が強すぎて、$2 には何も入らない、とか」
明『つまりこの車はタイムマシンの機能を持っているのだ』
俺「何だ……じゃぁさっさとワープして来りゃよかったのに」
明『精神障壁があると駄目だ。御子神の意識野から遠ざかったから可能なのだ』
俺「あ、あ、そうですか……」
K「それに、同次元内でのテレポートは無理なの……見えてきたわ。本部よ」
白塗りの大きな建物が、森の中にそびえ立っている。
俺「あれが光子力研究所か。ロボット→ボロット。クリーム→リクーム」
明『現代で最も先鋭的技術を有している、我が組織の誇る研究所だ』
七万年前ならそりゃ最先端だろうな。タイムマシンを抜きにしても。
俺「そう云えばお宅らの組織って名前何だっけ」
K「え……」
明『ん? 名前? 云ってなかったかな?』
K「し、司令。着きました。団君、疲れたわよね? ね? 一休み!」
明『では教えよう。我々は "WOLF" だ』
俺「何の略?」
K「わー! わー!」
明『Wind of Loincloths and Fire、「ふんどしと炎の風」だ』
俺「ほほう。EW&F っぽくしようと無理してるな。寧ろ『筆と芸術の町、川尻』みたいな」
明『サブタイトルは「粋なあなたとピクニック〜夏・旅情〜」』
俺「すげぇ! いかすじゃん」
K「……」
俺「Kちゃん顔赤いよ。仮装大賞にでも出た?」
- 89 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/04/11 00:16
- ほんとに地面に彫ってあるじゃん。ふんどしの絵。何がどうふんどしなのか。
と、そのコンクリートの地面が開き、車は地下へと入った。
明『着いて早々で悪いが、団君にやってもらうことがある』
K「まさか、司令……」
俺「ん? 何? 痛いの? つらいの? 切ないの?」
明『いや、その、何だ。まぁ気にするでない』
俺「ふんどし一丁で躍らせるとか? ふんどし噛み締めろとか?」
K「さて、ここで降りて」
俺「ふんどし頭に巻いて餃子買って帰るとか? ふんどし党幹事長やるとか?」
明「あぁ、腰が痛い」
K「お疲れ様です」
俺「ふんどし掘ったあと埋めさせられるとか? ふんどしの間に針刺し込むとか?」
男「お帰りなさいませ!」
明「おお、宮下君。準備はいいかな?」
宮「はいいつでも。……彼ですか?」
K「そうよ」
俺「ふんどしから鳩が出ますよとか? おっとそれは得意だった」
宮「重症ですね」
明「では私は先に休ませてもらおう」
俺「ふんどしのふんはふんとして、どしは何だ。どしっと。か」
K「はいはい。大人しくついてきてね」
宮「さぁさぁ。えーと、団史人君。こっちへ」
俺「ちょっと待った。さっきから失礼な。俺はわんわんにゃんにゃん繰り返さないぞ」
K「……? ああ、宮下君、彼のことはジョニー……って読んで……!」
宮「ジョ、ぶはははははは!」
お前はこの厳しい世界では生きて行けない。大自然に慈悲なんか無いんだぜ。
しかしこのときちょっと考え直してもいいかなと思ったのは秘密だ。
名前変えようかな。
- 90 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/04/11 00:43
- 何だか暗い部屋に連れて来られた。
宮「じゃ、ジョニっ……こ、ここに座ってくれるっ……かな?」
俺「それはとうに捨てた名だ。これからト・アギョクと呼んでくれ」
宮「ト! トアッ! って! ぶはははは!」
K「はいはい、じゃ、これ目に着けて」
俺「これ……ってこのクリップ? おいおい、俺のウルドラが黙っちゃいないぜ」
K「大事な準備なのよ」
俺「そんで最後にベートーベンの第九をカーペンターズがカヴァーするんだろ?」
K「協力してくれる?」
俺「仕方ねェなぁ……ぱちぱち」
宮「……はぁはぁ……あれ? もう着け終わった?」
俺「おういつでも上映開始せい」
宮「あれ、中身話した?」
K「? いいえ。まぁ、とにかく始めましょう」
二人は離れ、スイッチの音と同時に真っ暗になった。
俺は椅子に縛られ、クリップで強制的に目を開かせられている。
目の前の壁に映画が映し出された。
東映。『仁義の墓場』。渡哲也。あのー間違ってませんか?
宮「えーと、何だっけ、イ・パクサ君だっけ? 感想はどうかな」
俺「梅宮さん若いっすね。これ何年前?」
K「じゃぁ次の行くわね」
『ガバリン』。ウィリアム・カット。モンスター造形よすぎ。
俺「そこだ行け行けポール・ドレイク・ジュニア」
K「次行くわ」
俺「おいおい、いいとこなのに!」
『キューブ・IQ』。どれが主演? これ? あぁこれは友人か……。
俺「次行って」
K「これは最後まで見てもらうわ」
俺「苦痛だよー。Kちゃん助けてよー」
K「駄目」
そんなこんなで延々5時間。未だ続くらしい。
- 91 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/04/11 01:05
- 『イヤー・オブ・ザ・ドラゴン』。いやー。俺さ。ゾマホン。
俺「ちょっと待ってこの女いきなり何よ……あれっ」
K「これは終わりのとこ」
俺「がふっ! ジョン・ローンはどうした! ブックローンはリブロック」
宮「僕らは見たもの」
俺「そんなこと聞いとらん」
『トータル・リコール』。ブレーキにひび。
俺「キス……って……ちょっと待ったぁ! もしやこれも!」
K「というわけで、じゃぁ改めて最初から見てもらうわ」
俺「ぎゃーーー! 苦痛! 苦痛!」
『免許が無い』。舘ひろし。
俺「……何か、アップ多くない?」
宮「この作品は舘さんの唇を重点的に見てもらおう」
『ジャガーノート』。またの名をジャポニカ学習帳。
俺「……今度はまともに見せて……あれ……大爆発」
宮「別の映画と混ぜてみた」
『エクソシスト・2』。
俺「苦痛! 苦痛! タイトル見ただけで苦痛!」
K「見たことあるの? じゃフルに流すわね」
宮「Kさんご飯食べに行こうか」
K「そうね」
俺「おいおいおいおい!」
やっと終わった。奴らはまだ帰ってこない。
俺「次は何だ……また『キューブ・IQ』……『・ハザード』? きゅー……」
- 92 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/04/11 01:26
- その後も名場面細切れにされたり変なシーンスローで見せられたり。
ラブシーンに青大将合成するとか。SFXに背中チャック合成するとか。
すっかり疲労困憊。
K「さぁてと。団君、どんな感じ?」
俺「……」
K「ふふ、すっかり無口になっちゃって」
俺「……髷……いや……違った……」
宮「じゃ、そろそろ終わろうか」
K「今外してあげるわね」
俺「何の意味が……」
K「だから。準備。これからが本番」
俺「……未だ何かやんのか……」
K「その前にたっぷり眠ってもらうわ」
俺「……」
K「添い寝してあげよっか? なーんてね」
俺「……一世風靡……そいや……とか……」
宮「じゃ、この車椅子に乗って」
俺「……プルタブ……」
廊下で、明石のおっさんに出くわした。
明「済んだかね?」
K「はい、済みました」
明「団君。感想は? 一言でいい」
俺「……もう厭……許して……」
明「素直でよろしい」
宮「成功ですね」
明「君は今夜は、無理からいい夢を見るだろう。
起きながら見た悪夢の穴埋めをするがごとく。そしてすっきり目が覚める筈だ」
俺「うそくせー……何かうそくせー……」
どうやって寝室に入って、寝かされたか憶えてない。
しかしとにかく冗談抜きの深い眠りについたのだった。
- 93 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/04/11 01:26
- 次は第3部かな。おやすみなさい
- 94 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/04/18 01:34
- もう誰も読んでないかも? でも明日少し・・・
- 95 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/04/18 18:56
- |ω・`)
- 96 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/04/18 22:14
- >>95 あ、誰か居た(w
少し書いてみよう。。。
- 97 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/04/18 22:23
- 愛と誠はいずこにあるの。団ちゃんどばっと丸裸。
高次修練を終えた刺身包丁を携え、悪の秘密結社大神イズミーズと戦うジミー改めト・アギョク。
性別男って書いたのに女の子用の懸賞商品を送りつけられた悲しみを乗り越え、
トちゃん、Kちゃん、明石のおっさんは7万年前の鹿児島へ。
そこで待っていたのはクロックワーク・ナイトさながらの拷問地獄。
何でこんな、でも、あ、何か快感。
館の主明石のおっさんは何をたくらんでいるのか?
そして剣歯郎のおじさんはみんなのゴルフで何をどうしようというのか?
いいやいいやの第3部。
- 98 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/04/18 22:50
- 朝ザパン、キラキラ。
こんなに気持よく眠り、目覚めたのは、
98年のドイツ×ユーゴスラビア戦を間近で見た夜以来だ。
柔らかな布団、まっさらなシーツ、シロップたっぷりのホットケーキ。
気が付くと、俺が寝ていたのは、何だかとってもご機嫌な環境だった。
K「おはよう」
俺「おはよう。良く眠れた?」
K「え? ええ。団君は?」
俺「忘れたかい。今の俺の名はト。ト、人参化だ。でも『俺も熟睡できた』と答えておこう」
K「朝ご飯があるから、食堂へどうぞ」
俺「うむ承知した」
俺はシーツを振り払い、うさちゃんスリッパを履いてKちゃんに従った。
K「和食と洋食どちらがいいかしら?」
俺「天然がいいな。鰻は天然ものに限る。コーンポタージュも忘れずに」
K「じゃ鰻セットと……コーンポタージュ……」
俺「ところで右のうさちゃんは胆石でもあるのか黄疸が酷いね」
K「ああそれは日に当たって黄色くなったのよ」
俺「左のうさどんは広島に居たのかな? それともラジウム治療?」
K「それは……あ、司令おはようございます」
話を切り上げたのは何故だろう。もしや中曽……
明「はよう! はよう! めし! 喰うぞ!」
後ろから来た明石のおっさんは、だだだだだと壁を駆けながら、俺達を追い越し食堂へ消えた。
俺「何あれ。今流行りのヤクでもキメた?」
K「司令は高血圧なの。さ、じゃ入って座って待っててね」
食堂に入る。広い。おっさん以外は席に誰も居ない。
明「やぁ……団君。御気分はどうだい? ……ふ、ふふ……」
俺「わぁ。何かテンション下がってるな。ダウナー?」
明「イカリングだよ。イカ……君も喰うか?」
寧ろ塩分取り過ぎで何かどっか切れたんじゃないのか?
- 99 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/04/18 23:16
- 明「さて団君。昨日の実験はどうだったかな?」
俺「めごごもごふぐおごごごごご。ずず」
明「そうかやはり辛かったか。しかし勘弁してくれたまえよ」
俺「ごくん。何のためにあれをやったんだ?」
明「……簡単に云えば、"奴" が惹かれるタイプの精神構造を研究したいのだ」
俺「研究……ったって駄作旧作ない交ぜに見せられただけだが」
明「まぁその反応を見られればいいのだ。
日本までの運び屋それぞれの行動も記録に取ってある。君で仕上げと云うわけだ」
俺「ふーん。ぷっちんぷるるん。ぺろぺろしゅぴゅぴゅ」
明「他にもいろいろテストがある。3日ほど協力してくれるかな?」
俺「ま、いいけど」
明「よかった。安心したよ。さて……おーい、いいそうだ」
何処からともなく宮下がやってきた。
宮「はいはい。じゃ、これはここまで」
俺「あーちょっと待てよ! エビフライは尻尾も喰わなきゃ! 鮭の皮も」
宮「朝から何でもかんでも食べ過ぎですよ。代わりに、はいこれ」
俺「……型抜き……」
宮「ちゃんと食べられますよ。あ、針持って来ましょうか?」
明「じゃ、私はこれで。10時半からコナンあるから」
俺「受信できるのか? ここって七万年前じゃ……」
明「私を誰だと心得ておる。先の副将軍、水戸だゾ! 水戸! じゃ、これで」
宮「お疲れ様です。はい針」
俺「しぶしぶ……カリカリ……パキ……あっ」
宮「あらら。ま、たくさんありますから。できあがったらファミコンソフトと交換」
俺「ポリポリ……あのさ、一応参考までに賞品のラインナップを……」
宮「えーと何があったかな……『ポパイの英語遊び』『忍者くん』これ箱無し、『スペランカー』」
俺「正直、燃えないなぁ……カリカリ……」
宮「『ボコスカウォーズ』『カルノフ』あと『源平討魔伝』、これはカセット無しですね」
昼までかかってようやく傘を仕上げた。貰ったのは『エキサイトバイク』だった。
ところで転ぶと観客沸くのねこのゲーム。子供、将来の人生観決定付けられるね。ああ怖い。
- 100 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/04/18 23:48
- 午後は性格判断テストだった。これは得意。待ってた。100点出せる自信があるよ。
K「信号の無い横断歩道で、おじいさんが渡れず困っています。どうしますか?」
俺「白いところを黒く塗りつぶして、一生渡れなくする」
K「……メモメモ」
俺「雨水対策とかで、いつだか縦線が無くなったじゃん? あれって運転手の心理的障壁が」
K「次。新品の冷蔵庫が、どう調節しても冷えすぎます。店員に何と云いますか」
俺「何も。開けっぱなしにしておく」
K「……カリカリ」
俺「あー待った! 俺自宅の冷蔵庫開けっぱなしだ! でも地球温暖」
K「木の上に風船がひっかかり、女の子が泣いています。どうしますか?」
俺「ナスカの地上絵の話を聞かせる。お前は空から見たら巨大な絵画の上の一点の染み」
K「荷物が届きましたが、隣りの部屋宛のもののようです。高価な坪のようです」
俺「中に小さなメダルを入れてから届ける。後日土足でづかづかと」
K「医者に癌だと宣告されました。余命半年。何をしますか?」
俺「医者にアキレスと亀の話を聞かせる。いくら行き急いでも前方の亀を後門の狼が」
K「10年後の未来の自分に向けて、タイムカプセルを作ります。どんな手紙を書き、何を入れますか?」
俺「GINZA のバッグと 16小節のラブソングを書いて入れる。掘り出すまでに記憶を捻じ曲げて、自分が古舘」
K「地震です。一旦収まりましたが、余震が来る前に大事なものを持っていくとすれば?」
俺「……そりゃぁ……やっぱ……Kちゃん」
K「えっ……」
俺「の、車のキー」
K「ミサイルが降ってきました。どうしますか」
俺「よける」
K「よけられません」
俺「逃げる」
K「逃げられません。蹴り返せません。止められません。必ず当たります。死にます。木っ端微塵に跡形無く」
俺「謝る。ごめんねKちゃん」
K「……よろしい」
俺「の、車のキー」
睨まれた。
- 101 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/04/18 23:49
- もう眠い〜 またいつか……
- 102 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/04/19 09:09
- >>94
ちょっとカキコしなかっただけですよ…
>101
また今度…
- 103 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/04/23 21:49
- ついに自ら保守したりして。
- 104 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/04/24 00:48
- >>103
乙です。。。
- 105 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/04/25 00:23
- 保守ですが何か?
- 106 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/04/25 01:10
- 明日カレーを食べたら書きます
カレーは作ってあります
あとはご飯が炊ける前に東北電力がストさえ起こさなければ大丈夫です
- 107 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/04/25 23:05
- カレーを食べたのでまた少し書くのです。
- 108 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/04/25 23:21
- そんなこんなで3日が過ぎた。
俺「おお、タイやヒマラヤのマイオードリーを見ている間に外では300年経ってしまう」
K「ここまで全敗ね……書き書き」
俺「翻訳するならまだしもキャストで一茂が Katsunori になってるとか」
K「いいから最後のカードを当てて」
俺「えー、あー、赤五筒」
K「……○よ」
俺「感触は似てたんだが」
K「サイキックの才能はまるで無し……と」
俺「頭突きなら任せろ」
K「じゃ、これで今日のテストはおしまい。あとは自由時間ね」
俺「もう 23時か……またおっさんのとこでTV見るか」
K「いつも思うんだけど、TV好きね」
俺「まぁね。TVを見て育ったからね。光合成で」
おっさんの部屋は最上階にある。最上階全部がおっさんの部屋。四畳半。
俺「おいおっさん、TV見せろ」
明「陰金無礼だな君は。仕方ない。そこに座りなさい」
俺「じゃ今日は体育座りで。体育座り Another One の方で」
明「スイッチオン」
俺「わくわく」
明「はいでは次の依頼人です。西田局長お便器ですか。僕はとうもろこしの芯です」
俺「すげー! 小枝がホワイトチョコ被ってる! これが本当の」
明「僕の近所にどんな大きな岩でも割ってしまう男がいると聞きました。
調べて下さいお願いします。金なら出します」
俺「なぁああいと、すくぅううぷ! ぷぷっぴどぅー」
明「明日の関東地方は晴れ。晴れでしょ……がくっああぁ福井さん」
俺「CM長いな」
明「いなりぃも喰おぅねやだもぉん」
ここでの夜はこんな風に更ける。
- 109 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/04/25 23:43
- 夜が明けた。朝食の場で俺はいきなり切り出した。
俺「ぶはっ! げほっ! ところでそろそろ帰りたいんだが」
喰ってる職員皆がこっちを見る。とは云えKちゃんと宮何とかと他数人だが。
俺「実験だかテストだか分からないけど。飽きたし。佐竹だし」
明「……宮下君、結果の中間報告書はすぐ出せるかね」
宮「はい、今すぐお持ちします」
あ、冷める冷めるよ。そのマカロニサラダ。わざわざ一編にあっためたんじゃないの。
明「正直、もう少し手伝っていただけるとありがたいのだが」
俺「でもなぁ。退屈だしなぁ。もっとこう、力のある奴で引っぱたかないと」
明「それならこういうのはどうだろう。1日付き合ってくれる度にロト6 を 1枚進呈」
俺「それ当る? 書かなくても当る?」
明「そういうことは無いが。ただその代わり、当選結果見ないでも当る」
俺「それマジすごくね? だってさ、普通当選結果見るじゃん。見ないでいいの?」
明「その通り。見なくていい。一生見なくても当る!」
宮「お持ちしました」
明「うむ……ああ……何だ、必要な行程はあらかた済んでるではないか」
宮「ええ、スケジュールを順調にこなせましたし」
明「じゃ、予定通り今日までということで……」
俺「えー、じゃ、その結果見ないでも当る魔法のくじは?」
明「今日半日付き合ってもらうので、1枚の半分でどうだ?」
俺「騙されてたまるか! 数字を 6つ当ててこそのロト6 だろうが!」
明「そうじゃない。塗る濃さを半分にするんだ。6×43全部塗れる」
俺「それすげぇ! 一枚全部とほとんど変わらないジャン!
ごめん! 俺、間違ってた! あんたやっぱこもだ! 小林&望月だ!」
明「投げが強いとか走力が対照的とかそういうあれか」
俺「それそれ! 分かってんジャン! あれ何でKちゃん頭抱えてんの?」
K「ちょっと頭痛がね……」
俺「バファリン飲む? もう半分はあどけなさで出来ているという例の薬」
違ったかも知れない。タブララサだったかも。
- 110 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/04/26 00:02
- 最後のテストは、地下の初めて入るエリアに連れて行かれた。
K「このテストは今までのとは違って体力を使うから。気を引き締めてね」
俺「体力ならほら、ロシア式穴埋めテストとかアブトロニック10時間耐久でやったじゃん」
K「ふふふ……」
俺「何笑ってんの」
K「じゃ、ここに入って着替えてね」
俺「え、いやこの部屋真っ暗なんだけど、あ、押すなってKちゃん、あっ」
部屋の中に押し込まれ、鍵をかけられた。
と、灯りが付いた。広い部屋の真ん中に、籠が置いてある。
俺「何だよまったくもう……え、これ着るの?」
宮『……えーうそ怪奇ムガルの裏が怪奇インカ?』
おいおいマイク入ってるよ。と思いつつ素直に衣装を着る可愛い僕。
宮『うっそ、ずっとウィダズムベルトだと思ってた!』
ウィダズム。ウィダジスト。カールならンダシストとか云いそうだが。
宮『えっ、あっ何ー……あの、えーと、トさんいいですか? 準備は』
俺「おお! いいぞ。少し鎧がきついが」
宮『えーとそれじゃ、奥の部屋でテスト開始です』
俺「ちょっと待ったウィダズム君」
宮『……』
俺「ウィダズム君?」
宮『……はい』
俺「これは何のテストだ? どうすればいいんだ」
宮『えーと部屋の奥に宝箱があるんで。障害を超えて辿り着いて下さい』
俺「ほうほう……その中に捕まっている3人がいるのか? 海蛇とか」
宮『はい?』
俺「ワカラン奴だな! じゃぁIIコンに向かって叫べば来るんだな!? 黄色い猫が」
宮『あの……ええ、IIコンがあればね』
俺「ところで、あいつも兄と同じ災厄に飲み込まれたのか? でなきゃ……」
宮『開始です』
うおっ背後の壁が迫ってきやがった。秒速 1m で。分かったよ旅立つよ。
- 111 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/04/26 00:02
- あと休日中に何度かに分けて。
- 112 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/04/27 13:58
- 連休期待…
連休中、楽しみのない俺、万歳。
- 113 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/04/29 01:22
- 連休二日めー
イヤ、何時でもいいんだけどね、いつか読めればさ。
暇だから、ちょっとカキコを。
- 114 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/04/29 23:53
- いやーすいません。
とりあえず少し。
- 115 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/04/30 00:04
- 俺は奥のドアを開けた。暗い。何かごんごん動いている。
壁をまさぐると、スイッチがあった。押すと電気が点いた。
見ると、床がくりぬかれ針山が覗いている。その上を座布団がくるくる回っている。
俺「何ですかこれは。山田君要らずですか」
座布団の上にぽんと飛び乗って、その先の廊下にまたすぐ飛び移れ、らしい。
俺「あのー、これ、死にませんかね」
宮「ええまぁ。しくじればね。やめます?」
俺「むか! やらいでか! でやーっ!」
しくじった。やってしまった。針山も何のその、一気に全部飛び越えてしまった。
俺「おおぉお! とうちゃん! 俺、やったよ!」
明「ひうま」
壁にぶち当たった。と思ったら床から 30cm ほど開いていて、ここを通れ、らしい。
定期的に数箇所から火が吹いている。車輪が回っている。
俺「あのー、これ、焼けませんかね」
宮「ええまぁ。トロければね。やめます?」
俺「むか! いざ突っ込まん! でやーっ!」
とろけた。
あ、いや鎧がね。危ない危ない。
とろけつつ次の難関。つるつるの傾斜 30°の坂。
俺「これを登ると上にシータが」
宮「いやそういうことはありませんが」
俺「まいいや。いってみよう」
上から出川とか勝俣とか落ちてきたが、ちょっと時代が古いねこれは。
ところで俺はもうブーツもとろけているので、ぺたぺた難なく登れたよ。
俺「おいおい何か簡単過ぎないか?」
宮「いや未だ続きますので」
- 116 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/04/30 00:19
- 次はノーコンピッチングマシーン。
宮『かいくぐってマシーンまで行って止めて下さい』
俺「じゃまず這って行ぐばぁ。じゃ壁に沿でぶぅ」
宮『ふふふどうですかなかなか難しいでしょう』
明『星くーん』
俺「ところで、ここ通らなくてもそこのドアから次の部屋に行けない?」
宮『いや、マシーンを止めて下さい』
俺「行けるじゃん。俺は行くよ」
宮『巡回路を守って下さい……』
俺「知るか! 全部見てたら日が暮れるんじゃ! トリエンナーレ広すぎるんじゃ!」
宮『しくしく』
次は一本綱。
俺「これは案外まともだね」
よいよいよいのよいさっさ、というバランスで渡る。
瞬く間に落ちる。
俺「あぁー」
宮『やった!』
明「佐原ー」
俺「いや、床すぐ下だし」
宮『1点減点です』
俺「ちょっと待った。ロードしちゃだめ?」
宮『ロードすると始めからです』
俺「じゃやめとく。ここでセーブしておく」
宮『じゃぁそうして下さい』
俺「ちょっと待った。セーブしてロードするとサマルトリア生き返る?」
宮『いや、え、サマルトリア?』
俺「俺二人旅がいいんだよね。あいつのドレッドレア気に食わないんだよ」
宮『あー、えー、お好きなように』
俺「つーかあいつが腹痛なったときいちいちラダトームの呪いのじいさんに……」
未だ続く。
- 117 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/04/30 00:30
- 次はびりびりに破けたふすま。そして水、糊と巻いた紙。
俺「……えーとこれは、貼れ、ということかな?」
宮『いや好きに解釈して下さい』
俺「あほちゃう? こんなん、ちょちょいちょいのちょい」
宮『これは司令のプロデュースです! 僕ぁ知りません!』
俺「はい、ステゴサウルス」
明『+7点』
俺「あ、鎧に引っ付いた」
明『+12点』
次は薄味のすまし汁。
俺「汗たらしてみようか。叔父は怒るかも知れないけど」
宮『……ご自由に……』
俺「あ、緑色になった。何を仕掛けた?」
明『ねるねるねるねだ』
俺「なるほどね。そう云えば小学校のときやったよ」
そんな気がしないでもないでもないが、知ったかぶってみた。
次はあんこ。
俺「あんこ……」
宮『……』
俺「マクガイバーに習って、ここはレンジで簡易爆弾を作ろうか」
レンジに入れて3分。チン。
俺「あれ? 蒸発しているっ」
明『やるせなくなったんだろう』
俺「なるほどね。俺の母親もそうだったよ」
などと吐露してみたが誰も突っ込まなかった。調査済みか。恐ろしい組織だ。
未だ続いたりする。
- 118 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/04/30 00:46
- ドアがあったので中に入った。
真っ暗な部屋に、女の子が一人泣いている。
俺「どうしたんだいお嬢ちゃん」
娘「迷子になっちゃったの……クスンクスン」
俺「そうか、お兄さんがお歌を歌ってあげよう」
♪迷子の迷子の子猫ちゃん、あなたの師匠は何処ですか
(台詞)へぇ、それが、田代騒ぎの最中にみまかりまして
(台詞)何だってぇ? こりゃてぇへんだ! てぇへんだ! へんだ!(エコー)
娘「うあぁああぁぁぁあん」
俺「あぁ、どうして泣くのかな? お兄ちゃん困っちゃったな。
じゃ、影絵を見せてあげよう」
娘「影絵?」
俺「ほら、見てごらん。国会議事堂」
娘「ぐす……」
俺「ほら、オホーツク海と流氷。これクリオネ」
娘「じわ……」
俺「極めつけは、キリンメッツ。幻のレモンジンジャー」
娘「わぁあああぁぁ」
俺「ふざけんなよコラ」
宮『はいはいはい。チサトちゃん、お兄ちゃんは何点かな?』
娘「あぁ……そっすね。ま、温情かけて3点やっときますか」
宮『チサトちゃんは優しいねぇ』
俺「おま、クリオネは網走刑務所の慰問の時には大絶賛だったんだぞ!」
娘「大方怒号の嵐だったんだろ?」
俺「馬鹿こくでねぇ。おひねり飛んだだぞ。おひねり。おらの腕のお捻り」
未だ続く気配。
- 119 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/04/30 00:47
- また平日・休日に。
- 120 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/05/03 01:00
- 次の部屋に入った。真っ白い、だだっ広い部屋だ。
K「辿りついたわね」
俺「あれKちゃん。何してんのん」
宮『えー、最後の試練です』
俺「なぬ」
K「ここに宝箱があるわ。私の攻撃を避けて奪い取ってみて」
小さな台の上に、宝石箱ほどの大きさのものがあった。
俺「えっ? いやだなぁ。冗談は吉川さん。元旦那は日根さん」
K「私は武器を使うから、あなたも好きに使っていいわ。行くわよ!」
と、いきなり例のナイフを出して向かってきた!
俺「ぎぇええ Why 何故に? Sometime ときどき?」
明『ほらほら、ぼやぼやしてるとメンチにされるぞ』
一気にメンチすか! ぺたんこ叩いて粉まぶされるすか!
K「武器を持ってるでしょ? 向かってきなさい」
俺「いや武器はあるけど。それって何? KちゃんM? それともS?」
K「正解! 苗字はSよ!」
聞いてねぇええ。
ギィン! 俺はひとまず剣を抜き、攻撃を防いだ。
それは剣と言うにはあまりにも大きすぎた。大きく重くそして大雑把すぎた。
それはまさに鉄塊だった。
いやまじで、刃渡り2m半の剣は道中も重くて難儀した。
特に影絵の難関では足枷にこそなれ何の役にも立たなかった。
K「それでいいのよ」
ちらりと、Kちゃんの目に涙が見えた。気のせいだろうか。
俺「お、おら、ほんとはやりたかねんだども、仕方無いだ!」
明『えらいぞ、ユーゴー』
俺は夢中で応戦した。
けれどKちゃんは傷つけたくない。
隙を見て宝箱を奪い取るしかなかった。
- 121 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/05/03 01:23
- 俺「うぉ!」
俺のとろけた鎧がぱっくり割れた。弾みで、乾燥した下唇もぱっくり割れた。
Kちゃん本気だ。俺のまばゆい笑顔を口元からぎこちなくさせるつもりだ。
俺「まぁまぁKちゃん、あの、こう、レクリエーションで行きましょうや」
K「スポーツか何かと勘違いしてるの? これは戦いよ」
俺「いや俺別に戦いは……」
K「この世は全て戦いよ! 殺らなきゃ殺られるの!」
うわぁ何かあったのか。子供の頃とか。
クリスマスにゴーグルファイブの合体ロボが欲しかったのに、
合体済みの不可分ロボがあったとか。さらに弟に至ってはただのミニカーだったとか。
Kちゃんが2歩下がった。俺にナイフを向け、息を切らせている。
疲れてるのか? 俺みたいなへなちょこアーモンド相手に?
明『強いかね?』
俺「んっ? ああ……」
K「強いです」
俺「えっ俺が?」
K「そうよ」
俺「ははーん。おだてて隙を作ろうって魂胆? そうはイカのきんとんだ」
K「くす。そうね。そうできればいいわ。でもまるで隙が無いじゃない」
隙が無い。俺が。好きじゃないとはたまに云われるが。
無言で突っ込むKちゃん。剣に振り回されてしまっている俺。
これでも当てに行っているつもりだが、流石に避ける。
K「やっ!」
させるか!
俺「今だ!」
俺は避けざま勝負を見限って宝箱に走った。背後で追う気配。構わず手を伸ばす。
俺「取った!」
Kちゃんは立ちすくんだ。俺の勝ちだ。
俺は宝箱を開けた。中身は、いやに印刷の薄いロト6だった。話が違う。
- 122 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/05/03 01:47
- 宮『これでテストは終了です。お疲れ様でした』
マイクの向こうで沸きあがる拍手。誰だ一体。せいぜい2、3人かと思ったが。
明『うひょう! ブラボー! いいぞ御両人! おめでとう! ヒューヒュー!』
Kちゃんを見やる。へたり込んで、肩を弾ませている。
俺「Kちゃん」
Kちゃんは俺を見上げてにっこりと笑った。
俺「ナスファッ! ぐっ」
Kちゃんは俺にだけ聞こえるような小さい声で云った。
K「残念だった」
俺「何が?」
K「何でもない。こっちのこと」
明『さて、どうするかね団君? すぐ帰るかね?』
俺「どうせいつ出ても現代に着く時間は一緒だろうけど……ま、さっさと帰るか」
明『では1時間後にロビーで。それまで昼食でも散歩でも株券ばら撒きでもご自由に』
俺「あーあのさ。このロト6ほんとに大丈夫か? やけに薄いけど」
明『半分の濃さで塗れるよう、目安に薄くしておいた』
俺「何だ。それで安心だ」
明『おまけに……いいかね? ここだけの話』
俺「何々?」
明『何と。何回でも連続で抽選できる』
俺「えっ。そういうくじも聞くけど、これは2回目以降は別に関係無いんじゃ」
明『違う! 心の中で当たる! 「これが前回の数字だったら……」なんてもうサヨナラ!』
俺「うそ! 心の中で当てられるの! それってみんなできそうで実現できないことじゃん!」
明『世界でもそのくじだけだ! 2回目以降、当たったときは心の中で確実に当たる!』
俺「でも俺だけいいの? こんな……」
明『いいんだよ! 私と君との仲ではないか!』
俺「ウヒョーありがとう! じゃ着いたら鯵のヒラキ送るわ!」
明『よろしく頼む。それでは』
何だ変にタンパクだな。まいいか。ロト6〜。ロト6〜。ロトには6人の子供がいた〜。
違ったっけ。6人のインディアンだったかな。
- 123 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/05/03 02:17
- ここの飯は美味いから。俺は味わって喰った。思いきってもりそばを10人前。
Kちゃんは俺が喰ってる様をじっと見ていた。頬杖をついて首を傾けて。
俺「何かついてる?」
Kちゃんは首を振る。何か云おうぜマイハニー。
俺「ぷはー。喰った喰った。さて、行くか」
Kちゃんは立ちあがって、俺のあとをついて来る。
俯きつつ。一歩一歩確かめつつ。一体どうしたんだよマホガニー。
俺「Kちゃんは未だこれからも仕事続けるわけ?」
K「えぇ……そうね」
俺「こっちにいる間も歳を取るんだよな……何かもったいなくない?」
K「ううん……もう、自分が何歳か忘れちゃったし……」
げげげげげ。まずかったかな。
俺「でもそれって本当の歳を云いたくない口実? げへへ」
Kちゃんは力無く微笑んだ。うあ。助けて稲尾様。
俺「さ、さーて、帰るかな! さびしいな!」
K「団君、1つだけ憶えておいて」
俺「何?」
K「もしかしたら、団君、ここに戻ってこようと思うことがあるかもしれない」
俺「ここ? でも俺タイムマシン無いよ。家の便器がタイムマシンになってる友達はいるけど」
K「ううん、現代のこの場所も含めて。とにかく、組織や研究所のことは忘れて」
俺「ほよよ? いや忘れようったって簡単には……」
K「約束して」
小指を絡ませる二人。はい。約束します。それにしても何てエロチック。ターミナルエロシティ。
明「さてもういいかな」
俺「うわぁ。音も無く近づくな……あれ、何だよあのミゼットは」
明「彼女は疲れてるから。宮下君のミゼットで行こう。さぁさ」
俺「えっ、まじで……あっいやちょっと」
K「ばいばい」
- 124 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/05/03 02:18
- 俺を狭い車内に押しこめエンジンルームに入る明石のおっさん。
ひらひら手を振るKちゃん。
瞬く間に俺達は現代の鹿児島に戻った。
そこにはおっさんがUSJに連れて行った置き去りの兵隊が待っており、
彼らはぎゅうぎゅうに積め込まれ、また過去に飛んで行った。
こうして色気も吐き気も無い別れの時は去った。
俺の手に残ったのは貰ったロトくじと約束の残りの金。
とりあえずこの金を無事に、
開けっぱなしの冷蔵庫の待つコンドミニアムに運んで、
俺の今回のミッションは終わるわけだが。
この話がここで終わるはずも無かった。だって俺まだトだし。
- 125 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/05/03 02:20
- というわけで、話はようやく折り返しです。
ウソです。あんまり何も考えてないです。気分次第。
とりあえずまた明日。
- 126 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/05/03 03:13
- おぉっ!!また明日♪
- 127 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/05/03 23:43
- 7万年前の鹿児島。光子力研究所は血の匂いがしていた。
戦いに飢えた雌豹が獲物を狙っている。このエビフライ俺のもん。俺のもん。
団史人=ジョニー=ト・アギョクは、幾多の陰険な嫌がらせを乗り越え、
見事宮下助手のポケットマネーからロト6を1枚購入させることに成功(後日談)。
約束の報酬は話の過程で減ってる気がした。
でもそれは旅の始めにKちゃんの小粋な計らいがあったから。別名独断。
そして全ての実験を終え、ばいばいしちゃったKとト。
二人の間には七万年の時を刻むファッションダイヤリングが。
神様とやらはどうなった。大神いずみは何してる。バイアスかかった第四章。
- 128 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/05/04 00:06
- 俺は自宅に戻ってきていた。
開け放した冷蔵庫の中身は砂糖、塩、小麦粉、ふりかけ、大して悪くなるものはなかったので、
臭い臭いことにはなっていなかったのでほっとした。
しかし布団は起きてきたときのまま、ゴミは溜まったまま、留守電は78件、
新聞はあふれ返って廊下に散乱、
めくってみたら集金のおっさんが寝泊りしていた。枕のバッグを涙で濡らして。
それらを全て片付けた日曜の午後。
暖かな日差しとしたたかなめざしの中で、Kちゃんの事を思い浮かべた。
そうか……。
離れてみて、ようやく気付く。目の前にいるときには考えてもみなかった。
苗字、Sだったんだ。
さ、さ、斎藤慶子かな。し、す、須田加代子かな。あ、セインカミュか。
まぁいいや。とりあえず笑点が始まってしまう前に、やりたいことをやっておこう。
まず爪を切る。深爪しないように。0.5m 白い爪を残す。
次に爪を眺める。やたらに女の子に惚れないように。自分に酔っておく。
そして爪を噛む。あのときどうしてキャンセル昇竜出せなかったかと悔やむ。
さらに爪を裏返す。まぁそうしたところでダニはまた日陰に行くけど。
そんなこんなでもう 18時だ。えっ18時かよ。笑点終わってるよ。
仕方ない。ニュースでも見るか。
この日のニュースに真新しいものは無かった。
やれ夏休みが始まった、やれ戦争が始まった、やれ何々の売り出しが始まった、
たまには「終わりです」「お別れです」「破滅です」で埋め尽くしてみろ。
と云いたいところをぐっと堪えて、女子アナに頬染めておくのである。
これが俺の日課だ。
さてサザエさんだ、と思うも束の間、俺は次のニュースに釘付けになった。
「――鹿児島県××市で、太古の高度な文明の存在を示唆する大規模な遺跡が発掘されました」
- 129 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/05/04 00:22
- 『今回見つかった遺跡は、強固な構造を持つ地下2階までのものです』
『空調の為と思われる孔や、水道を通したような跡さえあります』
『また、非常にきめ細かな繊維を持つ衣類のようなものが、
燃え残りの形で発見されています』
『これらは全て5万年から10万年までの間に建造されたと見られ――』
俺は言葉が出なかった。何と云うことだ。
日本には、世界には未だ未だ不思議があるもんだ。
幻の古代文明は確かにあったのだ。
俺も探してみようかな。ざーいほーうざっくざく。はーあほくさ。
そういうわけでサザエさんにチャンネルを写すのである。
『カツヲ! あんた、ちゃんと勉強しないとまた落第するわよ』
『分かってるよ母さん……はっ』
『えっ、カツヲ……今なんて云ったの?』
『な、何でもないよ! あっ僕中島とケーキバイキングに行くんだった』
『まっ待ちなさいカツヲ……あぁ……そんな』
『いかがなされました、マダーム?』
『ヰクラちゃん……』
『あいや、心中お察ししますよ。マダーム』
『……カツヲが……ついにあの秘密を……あぁ……』
はっはっは。いつもながらサザエさんは面白い。
どうやって着るんだよこの服あっはっは。ああそうか頭ゲル状なのか。
……。
はっ!!!!!
数万年前の鹿児島の遺跡!? 俺は馬鹿だ! どうしてすぐに気が付かないのか。
ひょっとして邪馬台国じゃ?
- 130 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/05/04 00:44
- その晩寝て起きたら気が付いた。そうかあの研究所のなれの果てということか。
退去するならするで、きちんと始末したらいいのに。
タイムパラライシスが起こるぞ。ん? ネオパラアースだったかな。
松田と神田が結婚するはずが、片っぽが具志堅で。子供が渥美だったり。
鮭の親子丼だからこそはらこ飯なのに、代わりにキャビアでしょっぱいことになったり。
アゴ勇のアゴが普通過ぎて、仕方なく名前を木村拓哉にしたら大ブレイクしたり。
そういう理不尽なことが起こってしまうじゃないか。
時空戦士ならもっと時空戦士らしくしなければ。ぶつぶつ。
そう思いながらも何だかしっくりこない。
あの連中、あれで結構仕事は真面目風だった。
何やってるのかさっぱり分からなかったが。
少なくとも全員でうっちゃらかすなんてことはない。
何かあったんだろうか。
徹マンが高じて、明カンの嶺上開花は責任払いだのそうじゃないだので論争となって、
以後おっさんやら宮何とかやらが皆絶縁状態になったとか。
油揚げは豆腐の揚げたやつだ、いや違う、あれはあれでしかなく、
あれがあれのイデアそのものなんだとかでつかみ合いの喧嘩になったとか。
あるいはもっと単純に、エンジェルダストか何かが流行って、
皆何もかも厭になってジョンレノン歌いながら髭伸ばしたとか。
何にせよ。俺は真相を解明しなければならないような気がした。
そしてその刹那、Kちゃんの言葉も蘇る――
K「添い寝してあげよっか? なーんてね」
おおぉおぉお! 待ってろマイハニー!
俺は再び鹿児島へ向かった。タクシーは高いので深夜料金を避けていった。
- 131 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/05/04 00:44
- 目がしばしばピー。また明日。
- 132 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/05/04 03:28
- おぉっまた明日☆ミ
乙です。
- 133 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/05/05 16:09
- 昨日は寝ちゃった。今晩です。日付的には「明日」だけども
- 134 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/05/07 01:10
- 他にもやりたいことあってまた力尽きてしまいまった。
- 135 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/05/08 01:28
- いつでもどうぞ♪体力温存てことで。
- 136 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/05/09 23:02
- ではこれから少しやります
- 137 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/05/09 23:27
- タクシーを乗り継ぎ、バスを乗っ取り、飛行機にしがみつき、
時にはフェリー、人力車、転送ポッド、人間魚雷など使いながら、
俺は再び鹿児島の地に立った。人間魚雷は主に推進力目当てだったが。擦り切れた。
鹿児島は空前の捏造ブームに沸いていた。
駅では原始人人形が売り捌かれ、お子様ランチにはいやに小奇麗な土器が付属していた。
もちろんマックのハッピーセットは三種類の勾玉だったし、
俺がそれを全部揃えて小躍りするのも、人々の想像に難くないだろう。
そしてついに、俺は遺跡に辿りついた。
俺はもう少しわいわいがやがややっている現場を想像していた。
いい歳した兄ちゃんが「あ゛ー!」だの「お゛ー!」だの云いながらこりこり地面を削っているかと思ったが、
いたのはほっかむりしたおばさんばかり。要するにバイトらしい。
現場責任者らしいおっさんがいた。俺はそっちに向かって声をかけた。
「たのもー!」
そこらの人間全員がこちらを見る。そんなに美男子が珍しいのかふふん。
「責任者いるか。責任者。つーか誰の許可を取っている! 責任者連れて来い!」
「あの、責任者は私ですが。薩摩大学の大塚と申します」
「そうか。はっ。そうは見えなかったな。済まんね」
「む……えーと……どんな用件ですか?」
「人骨は出たか人骨は」
「はい?」
「いいかーこれは州を跨いだ犯行の可能性があり、FBIの管轄におかれることになる!
つまり FBI とは、船木 ばっかり いい目みてんじゃねぇ! の略だ!」
「あの、大塚さん……」
「うん、頼む……早いとこ」
「こらそこ! 何やっとるか! ところでお前の下の名は何だ? 明夫か? 周夫か? 芳忠か?」
「いや、えと、修二です」
「誰?」
ひとしきり騒いでいると、警察に連行された。
- 138 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/05/09 23:52
- KOBAN に連れていかれ、いろいろ聞かれた。
「名前は?」「団史人。団体交渉の団、史実と異なるの史、人非人の人」
「職業は?」「行政書士です。んで名うてのハッカーです」
「……歳は?」「27」
「27ねぇ……家は何処?」「中野です。東京の」
「えっ。こんなとこで何してんの」「友達に会いに……」
「友達にね。んで会えたの?」「いや、きっと遺跡で白骨に」
「……」「もしかしたら現代に逃げ延びたかも」
「……んで? ご両親は?」「父は存命です。母はどっかでくたばってるでしょう」
「あのね! 実の親にそんな事云っちゃいかんだろう」
「どうだか。子育て放棄して逃げたような親です」
「む……そうか……しかしね……」
「♪かーさんがー夜なべーをして」
「ぐす……」
「手づかーみで配ってたー」
「おおおん、おっかさん……刑事になれなくてごめんなぁ」
「よしよし」
「とにかく。君反省してる? 発掘の人達に迷惑かけたんだよ」
「してるっす! 心の底からしてるっす! 海よりも深く!」
「そうか……ま、先方からは『事大きくしても』と云われてるし……」
「せいぜい大陸棚だけど」
「ん?」
「マリアナ海溝よりも深いっす! 聖マリアンヌ級っす!」
「まぁとにかく以後人の迷惑には気をつけること!」
「はーい!」
「……じゃ、帰っていいよ」
「はーい! キーン!」
ちょろいもんだポリカーボネイト・コーティング。略してポリ公。
それより噂のカツ丼が出なかったのは悔やまれる。コースのグレードが違ったのかな。
- 139 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/05/10 00:34
- さて。はたと困った。どうしたらKちゃん達と連絡できるだろう。
まさか瓢箪から出たコパで、本当に白骨化してたりして。
そんな馬鹿な。しかしそれを否定する根拠は何も無いのだった。
とりあえず俺は、Kちゃんとの思い出のエレベータシャフトに乗りこんだ。
ぴちょーん。
何処かで水の撥ねる音。否、俺の涙と鼻水さ。
一人で佇む通気孔。何て哀しいんだ。俺は自分が可哀想で情けなくなった。
そこでとりあえず、後ろ手に自分を拘束し、鼻水でネズミの絵を書いてみたわけだが。
和尚さんは一向に現れない。一体どうなっている。話が違う。
出てきたら饅頭喰ったの喰わないのとひと悶着起こそうと思ってたのに。
仕方ない。俺は最後の手段にかけた。
複雑「では鹿児島読売テレビの混同さん!」
混同「はーい混同です! こちらは雲一つ無い青空です!
あっ……えっ……今日はぁ近所の小学校で芋掘り……あっ厭ッ……」
AD「……おいそこっ!……」
複雑「……次、えー福井の異常さん?」
こうして俺は上級コースを体験した。
「ぼけ! カス! 死ね!」
面通しに来たお巡りさんに怒鳴られた。そんなにスタンダードに切れんでも。
まぁいいさ。できることはやった。全てやった。やり尽くした。カツ丼も食べたし。
牢の中で膝を抱えて座っていると、心が落ち着いた。
自分を抱いているようで、ほっとするのだ。なんてロマンチックな。
「もう……しょうがないわね」
その声に、俺は顔を上げた。Kちゃんだった。
案外普通の登場なのね。俺も素で評価せざるを得ないじゃないの。
- 140 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/05/10 00:34
- 取材に時間がかかっちゃった。変なところでリアリティ追求したりして。
また後日。
- 141 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/05/15 00:11
- また後日。
- 142 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/05/18 03:18
- 取材乙。
- 143 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/05/21 03:58
- 保守するにはまだ早い?
- 144 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/05/27 22:13
- いそがしくて 2ch 自体ほにゃららぴーです。
明日もし全ての用事が丸く収まって夕方帰ってこれたら書き倒したい所存です。
- 145 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/05/31 02:03
- >>144
丸く収まらなかった様子…
乙ぅ…
- 146 名前:他板住人 :02/06/07 01:40
- うわーなんかすげー。かなり面白い。
うーん。和製ジェイムスジョイスって感じ。
続き楽しみにします。
- 147 名前:他板住人 :02/06/09 22:49
- 筒井康隆の方がより「ぽい」か?
- 148 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/06/17 18:39
- 今晩書きます逃避します
- 149 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/06/17 22:59
- Kちゃんがスーツ姿の刑事らしき男にもごもごと話し掛けると、
かちゃがちゃん、俺の自由を束縛する心の鉄格子は開かれた。
「さ、行きましょう」
「出ていいの?」
「ええ、話はついたわ。もう自由よ」
げげげ何それ。どういうこと? どういう関係?
あいつってKちゃんのこれ? こ、これ? くいくい。
「何、そのチーズかまぼこ?」
「ああいや、別に何でもない。それよりあの遺跡……」
「しっ。車に行くまで何も云わないで」
「……ぁぃ」
そうか。彼にはあの暗い生活は内緒なんだな。そうか。そういう関係か……。
俺の方がKちゃんの秘密を知ってるんじゃんえへへ。
署の外へ出て駐車場に行くと、Kちゃんは小型トラックのキーを回した。
「あれ? これは?」
「デュトロ」
「いや、あの、スポーツカーはどうしたの」
「……盗られちゃったのよ。それも詳しく話すわ」
ぬぬ! それはショック。俺の、もといKちゃんの愛車を盗る奴がいるとは。
しかし何か、イメージ違うなぁ……安全運転の御守り付いてるし……
「お、音楽かけて行きたいなぁ」
「いいわよ。今入ってるCDしかないけど」
「Kちゃんどんなの聴くのかな〜♪ ぽち」
あぁめ、あぁめ、ふぅれ、ふぅれ、もうっと、降れぇ〜
わぁたしの、いぃいひと、連ぅれて来い〜
「他のCDも全部盗られたの……」
いや他はどうあれこのCDを持っていること自体ちょっと心ほっこり。
- 150 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/06/17 23:25
- K「これからする話は、本当は団君には秘密だったはずの話。
けれど今となっては話すべきだと私達は決心した。
つまりフェアなやり方じゃなかったんだけど、それでも怒らないで聞いて欲しいの」
俺「いいぜー。何でも話しなー。俺の心は猫の額よりも広いぜ」
K「まず……団君に対するあの一連の試験は、
刺身包丁の好む人の精神構造の詳細を探るものと説明していたけど、それは嘘」
俺「嘘! 嘘! オラに嘘ついただかー!」
K「その目的もあったんだけど、本当の目的は別……あなたのみの研究が目的だった」
俺「俺? 俺の研究? 何だ、云ってくれればもう一皮脱いだのに」
K「あなたが現代に帰ったあと、私たちはプロジェクトの最終段階に入ったわ」
俺「んほほなはのすーばるー。んひのなはのぎーんがー。中の、銀河ー」
K「ひそかに採取した団君の細胞を、明石司令の作った培養液に浸し、」
俺「3分間ほど強火で熱します♪」
K「団君のクローンを作りはじめた……それは見る見るうちに成長したわ」
俺「クローンにクローンを重ねてやっと建てた彼の店が、」
K「それは精神の宿らない唯の入れ物、刺身包丁から異星人を移し取る為の苗床」
俺「心無い人の投げ捨てたタバコの為に、跡形もなく……おうっおうっ」
K「案の定彼は団君のクローンに移った。幽体と肉体とは結びついた」
俺「しかし、美恵子さんの献身的な愛で彼は火傷からも立ち直り、新たな旅立ちを!」
K「団君の遺伝子情報は調査済み。肉体の持てる能力は完全に把握していた。
だから難なく、あの彼の……異世界の悪魔の精神もろとも、滅ぼすことが出来るはずだったのに」
俺「おめでとう、篤君! あめでとう、美恵子さん! おめでとう、未だ名も無き胎児!」
K「彼は恐るべき力を発揮したわ。地球人類が持つ筈の無い力。
研究所を焼き尽くし、私たちの仲間を殺し、研究成果の全てを奪って逃げ去った!」
俺「あっいやちょっとあれ、ごめん、何? 俺のクローン?」
K「今はもう、どの時代にいるかさえ分からない……」
俺「うん、分かった、えーと、僕どうすればいいかな?」
K「明石司令に会って欲しいの。団君……彼の最期の言葉を聞いて」
俺「最期?」
K「彼はもう長くないわ」
- 151 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/06/17 23:46
- 俺達は車を降り、小さな病院に入って行った。
2階の個室に明石のおっさんは居た。
どんだけ短くなっているかと思ったら、普通の長さだった。
その代わり、髪は真っ白になり、顔には皺が深く刻まれ、息は消え入りそうに細かった。
俺「どうしたんだよおっさん……」
明「……団君か……よく来てくれた……」
彼はKちゃんを見た。
K「ええ。話しました」
明「……そうか……すまなかったな、団君」
俺「別に俺は……」
何だこの感情は。何だこの、頬を伝う暖かなものは。
明「君に頼みがある。……奴を追って欲しい」
俺「奴を? しかし今どの時代に居るか……」
明「私が最期の力を振り絞り、奴の居場所を探ろう……それくらいは出来るだろう」
俺「大丈夫なのか? その体で」
俺はKちゃんを見た。彼女はおっさんを止めず、ただ顔を背けただけだった。
彼女は彼と同じく、その最期を確信しているんだ。
彼の体が青白く光始めた。
命の炎を燃やしているんだ。俺にはそれがはっきりと分かった。
明「むぅ……ふにゅ……ひゃふぅ」
Kちゃんの肩が震えている。しかし決してこちらに表情を見せなかった。
明「現代だ……奴は今、この時代に留まっている……しかし日本ではない」
俺「外国に……? それとも」
明「……地球上だ」
俺「そうか」
明「奴を野放しにしてはならない……団君……どうか奴を……」
俺は頷いた。
明「……団君、もう一つ頼みがある」
何だ未だあるのか。
- 152 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/06/18 00:05
- 明「私の名前を貰って欲しい……あんたに、貰って欲しいんだ」
俺「名前? えー。明石何つったっけ」
明「いや、その名ではなく……私が若い頃用いていた名だ」
K「厭な予感……」
明「何?」
K「いえ、何でもありません」
俺「おう何でも云ってみろよ。俺の名前欄はキャパ2000人だぜ」
明「ジェー……」
Kちゃんは顔を背けた。
明「ジェームス……ボンド……」
俺「……」
Kちゃんの肩が震えている。しかしやっぱりこちらに表情を見せなかった。
明「……とか……」
俺「アロン・ボンド?」
明「いや、ジェームス……」
俺「ジェームス。ジェームス。ああ。略してジミー。ジミー・ボンド。いいね」
Kちゃんいいからこっち向いて輪になって話そうや。
俺「じゃ俺今からジミーね。ジミー・ボンドの助」
明「まぁいい……そう……君はまさに……ミッションいんぱっしぼー! の只中に」
俺「そうだ! ぱっしぼー! ぱっしぼーだよ!」
明「いやいや、いん! ぱっしぼー! だ」
俺「え、だからぱっしぼー! ぱっしぼー! だろ?」
明「いや、インつけなきゃだめだろう」
俺「因縁つけてどないすんねん」
明「いや因縁ちゃいまんが……な……がくっ」
K「司令! しっかりして下さい!」
明「……あーしんどい……」
俺「俺もしんどい。そろそろ行くわ」
俺は病室を出た。おっさんは何やら泣き言云っていたが、
Kちゃんはボケ老人を叱咤する嫁のようにぴしゃりと云い放って俺について来た。
- 153 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/06/18 00:06
- というわけでやっとこさジミーになったところでまたいづれ。
- 154 名前:D :02/06/20 00:18
- とるえ〜ん!
- 155 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/06/26 19:47
- 2ch動物病院訴訟
400万円の倍賞命令
http://www.nikkansports.com/news/flash/f-so-tp0-020626-16.html
保守&ニュース
- 156 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/06/26 21:24
- ラウンジはスレ乱立お祭り騒ぎですな
こっちは静か〜
- 157 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/06/29 17:40
- (゚д゚)スンスンスーン
- 158 名前:深淵のヒットマン(元副会長) ◆Truth.Mg :02/06/29 22:40
- (゚д゚)ハッ
- 159 名前:植物 :02/07/01 00:26
- みてますよー
- 160 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/07/04 10:40
- そろそろ書かんとアレですね
- 161 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/08 00:57
- 如何な物か
- 162 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/11 02:33
- ____
◎;;;; ・∀・;;;) チクーワ磯部age
 ̄ ̄ ̄ ̄
- 163 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/16 15:26
- ♥
- 164 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/21 17:21
- alter ego
- 165 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :02/07/27 17:48
- ゴルァ
- 166 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/08/03 09:48
- おそろしくほったらかしていたのである
そして今日も明日も仕事である(T-T
そんなわけでおうちに帰ったら前作を貼ってお茶を濁そうと思うのである
- 167 名前:かにストライク ◆kanisTrY :02/08/04 00:29
- というわけで貼ってみるです。
http://www.h5.dion.ne.jp/~kanistry/kanna1.html
〜
http://www.h5.dion.ne.jp/~kanistry/kanna6.html
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