戦士ヘイドレク〜愛と死の狭間で…
- 1 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 05:07:35
- でもまあ、いいんじゃないか?
掃き溜めにも咲く花はあるさ。
そう語るヘイドレクの目には、涙が溢れていた。
- 2 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 05:08:56
- 『ちんぽの花園』
一面に咲き乱れるたくさんのちんぽ。
これは幻なのか?
それとも悪夢なのか?
ちんぽ一本一本がゆらりと高く首を天にかかげ、香しい白濁液が滴らせる。
生命の息吹を感じさせる香ばしい生臭さが春風に煽られ、私の嗅覚を刺激した。
ここは「17歳の勃起」と名づけられた花園。
生温い汗が飛び散り、青臭い息吹が満ちるこの花園には、若々しい生命のが満ち溢れていた。
青春の喜びと悲しみ、挫折と寂寥を孕みながら花園は今日もまた終わり無き一日を迎える。
永遠と思える静寂の中で、彼らもまた無言のまま己の若さを漲らせる。
誰も見ることなく、誰にも振り返られることないまま、春風の中でただただ虚しく。
そこには失われた純情があった。
満たされない悲しみに溢れていた。
膨れた肉茎の節々に流れる朝露は、彼らの涙なのか?
青春の虚しさとはかなさを伝える、彼らの無言の訴えなのか?
多くの夢と挫折を孕んだまま咲き乱れるちんぽたち。
今日もまた吹き荒む春風の中で仄暗い空を虚ろな目で見つめ続けていた。
- 3 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 05:09:46
- そんな折であった。花園をかき乱す闖入者たちが訪れた。
一糸纏わぬあられもない姿のめしべたち。
亜麻色の長い髪をなびかせた蕾たち。
春の乙女たちだ。
乙女たち舞い踊るたびに乳房は豊かに揺らいだ。
乙女たちの新鮮で柔らかな肉が軽やかに弾んだ。
滑るような白い素肌が、ちんぽたちに眩しい。
薫り立つような薔薇色の微笑みで、乙女たちは語り合う。
未熟な乳房や瑞々しい尻の放つ薄桃色の芳香。
甘酸っぱい吐息が、花園にかつてない彩を与える。
ちんぽたちは一斉にわななき、その鎌首を大きくもたげた。
するとどうであろう。
突然、乙女たちは呻いた。
愛の季節の訪れを告げる疼痛が乙女たちを目覚めさせたのだ。。
若草のような恥毛に包まれた薄桃色の花弁。
その控えめな割れ目から、乙女たちは一筋の血潮を流した。
鮮やかな一筋の血潮は閉ざされた白い腿を流れ、地面に雫を垂らす。
勢いを増して咲き誇るちんぽたちに、その雫が飛び散る。
ああっ!
- 4 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 05:10:28
- だが乙女たちは花園の中で踊りつづける。
華やかに、軽やかに、艶やかに。
そう、この乙女たちこそ咲き誇る春の女王たちなのだ。
柔肌から真珠のような汗を流し、花弁から真紅の血潮が滴らせ、
それでも乙女たちは薄桃色の頬に笑顔を浮かべたまま、可憐に踊り続けた。
乙女たちの白い脚は、花園に咲く無垢な茎たちを無遠慮に踏みしめる。
脚の下で虐げられ、ちんぽたちはそれでもなお逞しく立ち上がろうともがいた。
傷だらけの純情と求めえぬ愛情を探して。
永遠の愛と無限の悦びを勝ち取るために。
乙女たちに、己の全てを委ねるために。
最後に彼らは乙女たちの微笑みに向け、力強く我が身を震わせ一瞬の悦びとともに果てた。
赤黒い肉茎を弾けさせ、己の持つ生命の迸りを惜しみなく吐き出し、搾り出したのだ。
そのただひと時のために、彼らは全てを賭けた。
彼らはゆっくりと萎れてゆく。
崩れ落ちるように大地に倒れる。
霞む陽射しの中、呆然とする思考の中でもなお、その視線は乙女たちを追う。
視界の中で踊り狂う乙女たちの甘い香を思い、柔らかな肉体を夢見ながら。
そして再び乙女たちを待つのだ。
永遠に繰り返される、苦行と快楽の輪廻の中で。
乙女たちに己の無辜の愛が受け入れられる、その時まで。(了)
- 5 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 06:02:18
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- 6 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 07:45:28
- 『私のほしいもの全て』
翼をください 風に乗り、空を翔る翼を私にください
厚き雲を抜ける翼を
七色の虹を越える翼を
太陽と月と星の世界へ
遥かなる銀河の高みへ
音を超え、光すらも超越し 私の存在すら超えてしまう
そんな私になりたい そんな翼がほしい
*
剣をください 肉を切り、骨を断つ剣を私にください
敵を切り斃す剣を
死地を切り開く剣を
勇者たちの戦いの世界へ
輝かしい栄光の高みへ
時代を越え、英雄として語り継がれ 神々の御許に祀られ称えられる
そんな私になりたい そんな剣がほしい
*
愛をください 睦み合い、微笑みを交わす愛をください
若き肌を重ねる愛を
肉の喜びを分かち合う愛を
二人だけの愛の淵へ
他の誰もが知らない秘密の花園へ
情を超え、精神までも融合し 互いの存在すら溶け合う
そんな二人になりたい そんな愛がほしい
*
うんこをください 茶褐色の、くさいにおいのうんこをください
太く逞しい一本糞を
未消化のコーン交じりの糞を
迫り来る便意の苦しみの只中へ
肛門が千切れるような脱糞の痛みへ
便器を超え、屎尿とともに溢れ出て トイレ全体を糞塗れにしてしまう
そんなうんこをしたい そんなうんこがほしい (了)
- 7 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 07:48:10
- / / / \
/ 〃ノ /{ ヘ
i レ' / 人 、 ヽ
l / / //ノ ヽ\ ヘ.\
| '" / /'"厂``ヽ ヽ\\ ',` ー-
. '. / | i / ,.=-、、 \-ミ ヽ .
Vr‐、|从/ 仏:::::} ,._`ヽ ', i}
{ 'ヽ ヘ:{ 弋ン /:::}', ) } リ
. r‐─へ、 :. ` {::ノノ /从ノjノ
 ̄ ̄/ /|ヽュ、 , ,ハノノ
_,ノ /j」 マ\ ー- ノ ´
,. ..二三  ̄ -─/ ノ| 丶. . ´
/ / -─ ´ __,ノ `ッ-r≦.. __ ノ)
/ ヽ 〉、 / l | \
l ノ〈 ヽ _/--―ノ / ヽ
| _f=ニヘ、_,r==一'´ Y ',
', l /⌒ヽヽニ=--- 、\ヽ j
V ``ー '´ ̄`ヽ ヽ! /
'、:: ヽ| ,′
lヽ 、 :o: ! !
l } ヽ、 | |
l/ l |
_,. '´ ,| !
__ _,rァT´ /ハ |
,. -一7 /´ /ノ| ノ ハ{ !
- 8 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 08:34:10
- 『私の祈り、私の罪』
仄暗い闇の中で、千明さまはゆっくりと微笑んだ。
両手両脚を手錠で拘束されて床に転がされた私は、その千明さまの無辜な笑顔に慄然とする。
月明かりが差し込む無機質な部屋…静寂の中に潜むはち切れそうな緊張感が、私の鼓動をさらに激しく高鳴らせる。
千明さまは天使のような微笑のまま、手にするものを頭上に掲げて見せた。
それは一本の巨大な張型だった。
亀頭の形状や肉茎に浮き出る血管に至るまでグロテスクまでにリアルに再現された巨大な張型。
薄暗い月明かりの中でそれは、鈍い光を放ちながら悠然と揺らめいている。
千明さまはまるでアルテミス。
美しい裸体が月明かりの中で妖しく輝く。
私は罪深きアクタイオン。
自ら犯した罪のため、自らの剣で今、私は貫かれる。
「うぎゃーっ!」
私は絶叫した。
肛門はメリメリと音を立て、括約筋が引き千切れる嫌な感触が伝わる。
激痛に貫かれた私は、歯を食いしばり泣きながら耐えた。
これは私に与えられし罰だ!
私の犯した涜神行為は今、非情な美の女神の手によって裁かれるのだ。
太ももに生温い物が流れる。そう、それは私自身の流した血だ。
引き裂かれた肛門から流れ出る血は、まさしく私の穢れだった。
私は泣いた。
泣き叫んだ。
その声は星々に届いただろうか?
私の祈りは?
千明さまは微笑みながら張型をグリグリとかき回し、さらに私の肛門の奥深くへとねじ込んだ。
- 9 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 08:35:01
- 『神との邂逅』
千明さまは突然、便意を催され、私の目の前でおもむろにパンティーを脱ぎ去った。
縛られたまま床に転がされた私に、千明さまは無造作に美しい尻を向けられる。
窓から差し込む月明かりの中で、その肌は神々しいほどに白く艶やかだ。
その美しい御姿のまま千明さまは、白い絨毯の上に大量の糞を垂れ流された。
私の目の前に。
静謐とした、無機質な白い部屋。
他に誰もいない、たった二人だけの空間。
そう、ここは神の住まう領域なのだ。
すると突然、千明さまは美しい瞳を私に向けられた。
おびえる私の両目を覗き込み、残虐な微笑みを見せた千明さまは、この私めに尊い御言葉を賜ってくださった。
「ほら御覧、大地が育みし生命はわが命の糧となり、そして今、再び大地に戻るのよ…」
毛足の長い白の絨毯の上で、汁気たっぷりの糞が湯気を上げ、香ばしい匂いを放つ。
淡い春の夜の月明かりの中で、黒々とした大便が鈍い光を放った。
そうだ、それは生命の神秘を内包した神々しいまでの輝きだ!
それだけではない、これこそが千明さまが賜った、新たな生命を生み出す輪廻への兆しなのだ!
私は泣いた。
泣きながら跪き、その糞を直にむさぼり喰った。
香ばしい臭気が鼻を突き、その刺激によってさらに涙が流れる。
既に激しく勃起した私は、千明さまが嘲笑って見下ろす中で、軽く呻き声を上げながら糞を食い続けた。
止め処なく流れる熱い涙を拭うことさえ忘れ、ただもう一心不乱に。
かつて千明さまの一部だった糞。
千明さまの肉体を構成し、千明さまの内臓で消化された排泄物。
これは千明さまなのだ。千明さまそのものなのだ!
私は心の中で叫んだ。嬉しかった。
かつて千明さまだった一部が、今私の中に入り、私の一部となるのだ。
その瞬間、私は遂に神との邂逅を果たした。(了)
- 10 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 08:36:22
- / \
// /, イ l 、 ヽ
// // ! l| ヽ ! ヽ
// / 〃 」_ | ! |\ ! l !
!│ | |/´ | !ヽ ! ヽ ̄、丶、 ! | |
!| | l '| __,,二ヽ.! \ ! -ヽ \ | | !
|l |ヽヽl //:: r` 丶、\ヽ , ̄=、 \ l / |
|! ! lヘ-'、 ヽ:::::7 `'│::::<`ヽ 7 /、| |
. / ト| .| `` ー ̄ , ヽー'_ トイ- | │ !
. / , -r'/ ̄ヽ、 ` ,´-、/_ |./| |
/ |,〃 ′ ヒj | y /'ト、 |
/ ,l 丶、 ⌒ , 'ァ / | |ヽ| !
/ /ヽ 丶、 / ´ ! /ヽ |
'/ \ \ / / \|
/ |!丶、 | ̄ ! / | 丶、
/ !! r/` | | -イ | | /ヽ
′ \ || /ヽ、 / ! / ヽ! ! / !
| \ !/ \ /| /! / ヽ | / |
- 11 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 09:35:54
- 『変身』
@
…ふと起きてみると、私はなぜか便器そのものになっていた。
狭い大便用の個室の中、浄水槽と配水管で壁と床につながれた私の肉体は、
どういうわけか堅い陶器に変化し、仄暗い蛍光灯の明かりの下で鈍く輝いている。
(な、なんだよコレ…どうして俺が便器になっているんだよ!)
私は焦った。しかし身体は動かない。
すると、
「ガチャ…」
突然、トイレの扉が開く音がした。
(誰か来る!)
私はとっさに身構えた。しかし身体は動かない。
焦る私をよそに、コツコツコツと足音が近づいてくる。
私がいる個室の扉がゆっくりと開いた。
そこには体重100kgはあろうかという脂性のデブが仁王立ちしていた。
(ま、まさかっ!)
そう、そのまさかである。そのむさ苦しい脂デブは糞を垂れに来たのだ。
(やめろっ!やめてくれぇっ!)
私は叫んだ。無論その声は誰にも届かない。
私の恐怖をよそに、目の前の脂デブはスラックスのベルトを外しシミだらけのブリーフとともに引きずり降ろした。
私の目の前には恥垢だらけの包茎チンコが突き出される。
「ふう〜、ヤバイぜ。漏れそうだ」
どう見ても死にかけた豚にしか見えない脂デブはそう呟いた。そしてぼりぼりと尻を掻きながら後ろを向く。
(やめろっ! 頼むからやめてくれっ!)
私は叫ぶ。
しかし、私の叫びは言葉にはならない。
静寂に包まれた大便用の個室の中で、弛んだ腹をさらけ出したデブの苦しげな呻き声だけが虚しく響いた。
恐怖に震える私の目の前で、押し寄せる便意に耐えかねるようにいそいそとブリーフを引き降ろす脂デブ。
今度は私の目の前に、方々にケツ毛の生えたイボだらけの汚いケツが突き出された。
そのデブの汚いケツは、大きく開かれた私の口にドッカリと乗っかってきた。
- 12 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 09:36:27
- A
(むぐう〜っ!んむむ〜っ!)
私は言葉にならない叫びを発した。しかしその瞬間、
「ブビーッ!」
と屁が私の口の中に充満する。
あまりの臭気に私は失神しかける。
何故自分がこのような過酷な仕打ちを受けなければならないのか、私は自らの運命を呪った。
…いよいよ真の恐怖がやってきた。
イボだらけの尻の肉の奥に鎮座する浅黒い肛門が大きく開かれ、そこから巨大な一本糞が先端を覗かせた。
それは、メリメリとイヤな音を立てて肛門から搾り出されてゆく。
私はもがいた。そして神に祈った。
しかし運命は無情にも私の想像した最悪の事態へと突き進んで行った…。
「…ふう〜。たっぷり出たなあ。昨日ギョーザ食ったから糞も相当クセエな!」
脂デブはそう言って、大きく溜め息をついた。
糞をくわえ込んだまま半狂乱になっている私の口に、アンモニア臭たっぷりの尿がジョロジョロと垂れ流される。
その後、脂デブはトイレットペーパーで自分の肛門を拭い、それらを再び私の口の中に放り込んだ。
立ち上がったデブは、大きく伸びをし、脱糞後の爽快感に浸っていた。
その傍らで泣き叫ぶ私の存在などまるで気づかず、満足そうに微笑む。
ふと、脂デブは私の方へ振り返った。 自らがひねり出した排泄物を一瞥し顔を顰める。
そのまま乱暴に便器の蓋を閉じてレバーを動かし、中身を全て私の胃へと流し込んだ。
私は発狂した。しかしその叫びを聞いたものは誰もいなかった…。 (了)
- 13 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 09:37:56
- /,.:'´ /: : : ; ': : : : : :.:;: : : : : :ハ;:ィ=!:.|'": : :i; `ヽ: : : : : : iヽ: :゙:、"; : :';":': : : ; ': : : l ヽ
/.:;' ,!:; : ,.' : : : : : :.:.;': : : : : ',ィ'/:.:i:ノ: : : : :i ヾ:、: : : : !;:i: : :!:_;.ィ´ ̄`ヽ:.': : ;' :ノ l
i:/ l,:': :;' : : : : : : ::;': : : : : 〃 ! ;': : : :_;,;.:.!__,. !ハ: : : :,! `!:.:,! / r'´:. \ヽ.: :/ |
!i ,': : ;': : : : : : : :;': : : : : :,' !ノヽ:;イ"び ̄`ヾゝ i: : :/ .|:/ ゞ⌒ヽ | l:;:.`'⌒:ー:-‐:'⌒: :..
i! ,': : ;': : : : : : : :;'-=、: : :,' /! i;'|::...iJ ,リ´ !: :/ 〃 、 / ' ,! ':;.;.;_:_:': : :; ':;イ: : :..
ゝ i : :ハ: : : : : : : :; :`ヾ:、:,' ,! ゝ:..ノ ノ" ノ'" ノ iJ l `゙'゙/.:/_!_:.:..
!.: :| !: : : : ; : ;: : ;: : : i:、_ -‐ '" _ノ /;:'  ̄ ̄
.l: :| i: : : : '; ; : ;, : : :.: )ひ、 : j:. /:,:'
l.:i ゙、: : : ト、; :゙、: : :ト、:.゙:J " " J .: !.:,' u
゙:、 ヽ: : :!ヽ: :i\.:゙、`‐゙/ i:l
ゝ ヾ: i ヽ! ヾ:、/ ゙:、
゙:j 〈 u ヽ
,.. -‐ ' `ヽ
,. -‐ "´ `!,..-─-:、 J .::: :
,.. -‐ "´ ̄ ̄二``ヽ、 /:;;;:... .:ヽ ,.:::-─-、:. :
:.\:.. ,..-‐'"´_ u 、 /、:;;;::.. .::;;;} / ::. \:. :
..::;;;;:`ヽ、/ ̄`ヾ´ \ _ `/.:;;;: ...:::;;;:テ'ヽ、 : / ::.. \ :. ,. '
...::;;;:`ヽ、. );;,. ヾ `ヾ:;;;;;:.. ゙.;;ー:ァ'´ `J:‐'´ ::...._ ヽ : ,. '
..::;;;゙ヾr‐-:、 |:、 l;、;.:;;::.. ..:;;;/_,...::--────--.、.._:、 `ヾ:. ..:: '
.:;;ゝ ` ー':.、`;ー;'ミ彡';;;::... ,.':-‐、:;;;::.. ..::;;;`:ヽ "
..::;;;:`:.ー-:、. `ヾ、:彡ミ:、;;;:'" >;;;::.. .:;;;:ヽ
.:;( ̄ ̄``ー-- 、.._ \. \ミ:' /´.:;;;::... .:;;;;;;l ヽ
.:;;:ゝ、.._ `ヽ、..:\ \ー─--:..、..::;;;;::.. .:;;;:l ヽ
..::;;;:``:.:‐-:.、._ ``"、 `ヽ、.__ ゙ヽ:;;;::.. .:;;;:l ゙、
- 14 名前:1@CLIE ◆GodOnnFcO. :2009/01/17(土) 13:54:06 ?2BP(101)
- >>1は愛知のおちんちん大好き女?
- 15 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 17:49:42
- 『今までありがとう』
@
「今までありがとう…」
県大会の準々決勝で敗北した後、ロッカールームで監督は僕らにそう言った。
いつもは厳しい監督のその言葉に、僕たちは驚いた。普段は一切感情を表に出さない人だったからだ。
試合に負けて号泣する僕らを見守りながら、監督は遂にラグビー以外の言葉を僕らにかけてきたのだ。
僕らは泣くのを止めた。ハッとして監督の方を向いた。
窓から差し込む夕陽で朱に染まったロッカールームが静寂に包まれる。
そんな中で女子マネージャーのすすり泣く声だけがかすかに響く。
監督はもう一度僕たちを眺め回した。
一人ひとりの目をしっかり見据えて、僕たちの心の中を掬い取るようにジッと見つめてくる。
普段だったら絶対に目を合わせられないほど怖いのだが、今日は違った。
真っ直ぐ見つめる監督の視線に、真正面から堂々と答えた。縋るのではなく、頼るのでもない。
全てを出し切り、堂々と戦った僕らにはやましいところなど何も無い。
監督に対し、今は一人前の男として対峙できる、それが今の僕らだった。
最後の学年の、たった数試合…それだけの経験でも、我々は少年から大人になったのだ。
今日で最後…今日がみんなと一緒に戦う最後の日だ。
かつて初戦敗退の常連であったしがない県立高校のラグビー部員である僕らは、遂に準々決勝にまでたどり着いた。
そして今日、そこで県きっての強豪校と真正面からぶつかり、華々しく散華したのだ。
堂々とぶつかり、挫けることなく、逃げることもなく戦った末に…。
悔しかった、これで終わりだと思うと悲しかった。
だがチームメイトの誰もが逃げずに戦ったことが、何時しか僕らの中で誇りとなっていた。
だが今は、時にはその厳格な指導に怒り、憎みさえしたその監督の目を、堂々と見返すことができた。
尊敬と、感謝の念を持って、逃げることも無く正々堂々と。
監督は僕らの姿を見て、納得したように少し微笑んだ。
最後にもう一度、監督は僕ら全員に向かって言った。
「キミ達は今日まで良く戦った。今までありがとう…」
それが監督の姿を見た最後の日だった。
- 16 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 17:50:45
- A
…取引先から帰社して直ぐに、事務の女子社員から電話があったことを知らされた。
電話を掛けてきたのは高校時代の同級生、牧村だった。
僕は自分のデスクに着くと、直ぐに受話器を手に取り牧村に連絡をとった。
数回のコールで牧村は出た。何か忙しい物音が響く中、牧村は挨拶もそこそこに言った。
「…監督が亡くなったぞ」
監督の名前を聞くのは久しぶりだった。
あまりに唐突にその名前を耳にしたため一瞬混乱した。
一度、「誰が?」と牧村に聞き返してしまったほどだ。
それほど高校時代は遠くなっていたのだ。
精密機器メーカーの営業職に就職し、日々多くの仕事に忙殺される毎日。
もはや高校時代の思い出は、遠き夢の話のように非現実的な出来事になっていた。
牧村の話を聞きながら、僕は電話口で呆然としてしまった。
目の前の納品スケジュール表を意味も無く見つめながら、僕の想いは一気に高校時代に引き戻された。
…ラグビー部の仲間達とグラウンドで泥まみれになって楕円のボールを追いかけて走り続けたあの日々。
監督はグラウンドの隅で、厳しい目で僕たちの汗を流す姿を見守っていた。
怠慢なプレイに対しては容赦なく檄が飛び、常に勇敢さとチャレンジ精神を奨励し続けた。
決して広くない県立高校のグラウンドで、夕陽を浴びて駆け抜ける僕ら。
酷暑の夏も、北風吹き荒ぶ真冬でも、いつもグラウンドの隅から僕らを見つめ続けた監督。
汗と泥の匂いが、僕の中で甦っていた…。
「…おい、聴いているのか?」
電話口で牧村が言った。僕ははっとして我に返った。
「…あ、ああスマン。あまりに突然のことでショックを受けてしまって」
僕はハッとし、あわてて牧村にそう言い訳した。
そして通夜が今晩行われること、葬儀は明後日に監督の自宅で催されることを聞き、電話を切った。
――監督の死。
終業時間が迫りあわただしくなった会社のオフィスで僕は、窓の外の沈む夕日をジッと見続けていた。
- 17 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 17:52:04
- B
監督は僕たちが3年生部員として試合に出場したのを最後に我々の通った高校の監督の座を辞した。
ラグビー指導者としてキャリアを閉じるため、監督自身の故郷である隣の岡山県の田舎にある高校に移籍したのだ。
僕らが部活を引退することとなったあの日の試合が監督と会う最後の日だったのだ。
監督はあの試合後、事務整理などを済ますと直ぐに引き払ってしまった。
少し冷たい、初めはそう思った。
監督の家庭の事情が逼迫していたということは、後に顧問の教師に告げられた。
老いた母親の介護の必要もあり、大会終了後には監督を辞して引っ越す予定であったと。
監督はその後、赴任した岡山県の高校を県内のそれなりの強豪に育てあげ、それを最後に監督業を引退したという。
僕は大学に進学した後、そうした監督の噂は耳にしていた。
だが何時しか社会に出て仕事に追われるようになるにつれ、かつての泥まみれの青春時代を振り返らなくなっていた。
あれから10年。
もう、それだけの時間が経過してしまったことに僕は驚いていた。
- 18 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 17:56:33
- C
「…よう内藤、お前少し頭が薄くなったんじゃないか?」
僕は牧村、それと川村と千葉の4人で岡山県の監督の実家に辿り着いた。
門前でキャプテンだった内藤が僕たち東京組を出迎えてくれた。
内藤は地元の老舗旅館の御曹司であり、今はそこで役員をしている。
ちなみに妻は高校当時マネージャーをやっていた靖子だ。
「うるせえなっ!いずれお前らも抜けてくるぞ!」
内藤は薄くなった頭頂部を手で覆い隠しながら少し笑った。
このようにかつてのラグビー部員同士が会うのは久しぶりであった。
故郷ではないこの地で、このような機会に再開するのは不思議な感じだが、とにかく懐かしさでいっぱいだった。
「で、俺達の代は何人くらい来るんだ?」
僕は内藤に尋ねた。内藤は懐から手帳を取り出すと、
「えっと、真田と遠藤は少し遅れる。貝塚も、来てるのは三原と谷口と原。他はさすがに無理らしい…みんな仕事あるし」
と、軽く苦笑いしながら言う。
「オレたちだってしてるぜ?」
牧村はそう言い返した。途端、みんなでクスクス笑った。
それが不謹慎だと気付き、何とか笑いを抑える。
「結局、全員集まるのは無理だったか…」
高校時代、チーム一の俊足ウイングだった千葉が言う。
彼はその後に建築を志し、現在は中堅の建設会社に務めている。
「まあ、そう言うなよ。とりあえず記帳を済ませろ。それから監督に会って来いよ」
内藤にそう言われ、僕らは順に記帳を済ませ、家の中に入った。
家は地元の古くからの農家らしく、母屋の他に東屋や穀倉がある広いものだった。
中庭の隅には白黒のブチの雑種犬が鎖につながれたまま眠っていた。
僕らは母屋へ向かって歩いた。
玄関に入ると近隣の農家の人達やラグビー関係者らしき人たちが客間に集っていた。
意外にも大人数であった。監督は人望あったんだな、と改めて思った。
集った関係者たちは、おのおのなにやら雑談をしながら仕出し弁当をつまんだりビールをあおったりしている。
僕らは何気に一礼して部屋を通り抜け、監督が眠る居間へと向かった。
- 19 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 18:04:45
- D
「父の教え子の方々ですね?」
呼び止められて僕らは立ち止まった。
声のする方へと振り返った。そこには監督に良く似た初老の男性が立ってお辞儀をしていた。
僕らは振り返り礼をし、おのおの簡単な自己紹介をした。
男性はやはり監督の息子さんで、今回の葬儀の喪主を務めているという。
「…広島の高校の方でしたか。そうですか。わざわざ遠いところを有り難うございます。」
監督の息子さんは僕らに丁寧にお辞儀をした。
「では、父に会ってやってください」
そう言って息子さんは僕らを居間へ入るように促してくれた。僕らは廊下を抜け、祭壇のある居間に入った。
遺影は相変わらずの強面であった。が、僕らの高校の監督であった頃に比べ少し老け、白髪も増えていた。
何故かカメラ目線ではなく僕らの左後方をジッと睨みつけるように写されている、かなり変わった遺影だった。
真正面から睨みつけられたら、結構怖いもんな、と僕はそのとき思った。
一方でお棺の中の監督の面は青白く、完全に精気を失って目を閉じていた。
引き締まった表情しか思い出に無かったせいか、その死に顔には少し胸が疼いた。
僕らは遺影の前に正座し、順に焼香をして手を合わせた。
- 20 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 18:16:09
- E
葬儀の会場を辞した後、かつてのラグビー部仲間数人で岡山市に出た。
夕食を兼ねて駅近くの小料理店に入り酒を飲む。弔い酒だ。
…何時しか酒に酔いしれた僕らの心は、いつの間にか高校時代のグラウンドに飛んでいた。
西日が照りつけるグラウンドで楕円のボールを追いかけていたあの日々。
甲高い叫び声を上げてチームメイトに向けてタックルを仕掛け、モールからボールを出してはまた走る。
時折監督が鋭くホイッスルを鳴らしてプレイを止める。
各選手たちに必要な指示を次々に伝え、息つく間も無く再び開始のホイッスルが響く。
僕らは無我夢中でボールを追いかけ走った。
膝は擦り剥け、筋肉は悲鳴を上げる。
決して楽な練習ではなかったが、なんの迷いも無く一心不乱に物事に立ち向かったのはあの日々が最後だった。
そして何時の間に僕らは鍛えられていた。
たとえ敵わない相手であっても勇敢に立ち向かえる強さを身につけていた。
そう、監督との最後の試合…あの時僕らは負けた。
しかしチームメイトの誰もが逃げず、倒れても倒れても立ち上がり、ボールに向かって駆け出した。
「今までありがとう」
監督はあの日の試合の後、ロッカールームで僕らに言った。
あの時もまばゆいばかりの夕日が窓から照りつけていた。
僕らは監督の前で散々泣いた。
泣きながら監督の目を見つめた。
そんな僕ら監督はもう一度僕らに「ありがとう」と言った。
何故、監督が僕らにそう言ったのか、あの時は分からなかったが、今なら分かる。
監督も僕らと戦っていたじゃないか、共に戦い抜いた戦友に感謝するのは当然じゃないか。
そして今度は僕らが言う。
「監督、今までありがとう」(了)
- 21 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 18:26:03
- レ':| ,' |' '__z=ニ,二、―――く:`ヽ_r=、__ ヽ、 l l
\! ! .!/ /へ':.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.:.\ー-、:.:\ : -―ァ
ノ , | /:|:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:.:.:.:.:`ー-.、:.\:.\:.:| : /
/ ' //:.:.:.j:.:.:.:.:.:_j:.:.:.:.:.:.:.:.:X_,.-=< ̄ ̄`` ヽ、:\ : / レ l l
:,' ,. イ/:.:.:.:/,.二乙-―‐Z二ニ‐'´ ̄ ̄´ `ヽ、! : -―ァ
: i u /:.:.:/:.:.:.:Z/ 、、 \ : /
: | j:.:.:.:/|:.:./ ` ヽ ヽ. : / l
; | r':|:.:./:.:!〃 `U ヽ : / レ
l l : '. `フ|:.:!:.:.:.:/' ヽ ヽ :
-―ァ : | .|:.:|:.|:.:.:./ '. '. :
/ :ヽ|:.:|:.|:.:./ '. '. :
| レ .: |:.:|:|:./| | i :
l l : |:.:|:.K:.! ! | :
-―ァ : |:.:|:.:.:.:i iヽ、 ! :
/ ; |:.:.|:._,. | /,:.:.:.:>――‐‐ '. :
l l ;ムイヒ__! i //:.,.'´ '. :
| レ .`ーj:.:.|:.:.! U ! ,.イ人,' '. :
':ヽ:|:.:.:'. `u' ,. '⌒ヽ.! '. :
',..⌒.ヽ -‐''"´ ヽ | :
- 22 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 18:31:26
- 『前原圭一の最期〜「ひぐらしのなく頃に」をヤフー動画で一話分(無料)だけ見て、後は適当にウィキで調べて〜』
@
前原圭一が園崎家御用達の食堂の扉を開けると…そこはまるで魔窟だった。
「いらっしゃい圭一くん、なんにします?」
メイド服を着込み、店員になりすました竜崎レナが圭一に声を掛けてくる。
どういうことだろうか、レナの手には何故か巨大なナタが握られている。
ナタの鋭く砥がれた切っ先からは鮮血が滴り落ち、レナの服の所々を真っ赤に染めていた。
「レナ。一体おまえ、こんなところで何をやって…?」
「ぎゃあーっ!」
圭一が質問の言葉を言い終わらないうちに、店の奥から人間のものとは思えない絶叫がした。
同時にドガッドガッと重いものを叩きつける音が響く。
怒鳴りつける声、悲鳴、それらが交互に圭一の耳を貫いた。
「レナ…今のは一体何だっ?!向こうで何が行われているんだっ?!」
圭一は怯えながらレナに尋ねる。
だがレナは一度、圭一を睨みつけただけで質問を無視した。
そしてすぐに嘘くさい笑顔を作る。
「お騒がせして申し訳ございませんニダ…あっ、申し訳ございません。今、仕込みを行ってスミダ…行っておりますので」
そういいながらレナは圭一を奥のテーブルへと誘う。
圭一は躊躇した。床には何のものとも区別のつかない血や肉片、それに臓物が散らばっている。
それらの間を這うように丸々と太ったゴキブリが蠢き、大量の蝿がブンブン唸りを上げて飛び交う。
「足元にご注意くださいニダ…あっ、ご注意くださいね、ケイちゃん。散らかっててゴメンねスミダ」
レナは丁寧な口調で言った。しかしその言葉の裏には圭一を脅迫するような強い意志が感じられた。
(絶対にヤバイ、レナといい、最近の雛見沢村まともじゃないよ…どうしよう、逃げようか?)
圭一は思った。このままではマズイ、先ほど聞こえた悲鳴だって間違いなく人間のものだ。
ふと視線を感じ、圭一は恐る恐る入り口の方を振り返った。
するとそこには、いつの間にか魅音と詩音が立ちはだかり、圭一の方を見ながらニヤニヤと笑っていた。
「…圭一くん、どうしたの?」
と、突然背後からレナが圭一に声を掛けた。
ハッとして向き直る圭一。するとレナは手にした巨大なナタを掲げて圭一の目の前でギラつかせた。
研ぎ澄まされた刃に鮮やかな赤い血が伝い、圭一のすぐ目の前でゆっくりと刀身を流れる。
「ひいっ!」
圭一は思わず叫び、後ずさった。
- 23 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 18:35:46
- A
「…どうぞ圭一くん、こちらの席へ」
おびえる圭一を嘲るような笑顔を浮かべ、レナは椅子の一つを引いて圭一に座るように促した。
圭一は真っ青な顔でレナの言うとおりにその席に座る。
(ただ事じゃない、明らかにレナの目は異世界にブッ飛んでいる。)
圭一の足は震える。逃げるタイミングを喪失した今、圭一はもはやレナの言われるがままだった。
再び顔を上げると、入り口前に立ちはだかる魅音と詩音と目が合った。
彼女らは一様に目をキラキラと輝かせ、圭一を睨みつけながら嘲笑していた。
(殺される!)
圭一はとっさに思った。まるで猛獣の群れの中に放り込まれた子羊のような、そんな気分だった。
テーブルの上にも細かな肉片が散らばり、気味が悪いほど腹が膨れたゴキブリがモサモサと這い回っている。
「バンッ!」
突然、何者かの手がそのゴキブリを叩き潰す。
とっさのことに驚き、圭一は思わず身体をビクつかせる。
そこにはいつの間にか傍に来ていたレナがしゃがみこみ、圭一の顔を覗きこんでいた…焦点の定まらぬ目で。
「…なんにする、圭一くん?」
レナはそう言い、狂人のように歪んだ表情を浮かべ、笑った。
開かれたレナの口から黄色く尖った乱杭歯が覗き、キムチ臭い息と共に吐き気を催す腐敗臭が漂う
「あ、あのレナ、一体これは何のマネ…」
「A定食ですね!」
レナは圭一の発言を強引に遮り、厨房に向かって圭一には理解不能のハングルで何かを怒鳴りつけた。
すると厨房から猛獣の遠吠えのような声が響き、それと同時に入り口に立ちはだかる魅音と詩音が、
「ウリナラマンセー!」と声を揃えて叫ぶ。
圭一はもはや生きた心地がしなかった。
…悪夢のような数分間、圭一はテーブルの上を這い回るゴキブリを眺めて過ごした。
時折圭一の頬に蝿が止まる。圭一それを払おうとせずに黙って椅子の上で佇んでいた。
そんな圭一の様子を見ながら、入り口を塞ぐ店員たちはゲタゲタと笑い声を上げてはしゃいでいた。
「…お待たせしました圭一くん。A定食だよ」
そういうとレナはトレーを圭一の目の前に叩きつけるように置いた。
その料理を見た瞬間、圭一は意識を失った。
トレーに並ぶ皿には、火で炙られた北条沙都子の生首と手足が、煮込まれた臓物と共に盛り付けられていた…。
- 24 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 18:38:14
- B
…意識を取り戻した圭一は、何故か大きな台の上に全裸にされて寝かされていた。
「ここは、ここはどこだ?」
圭一はボーッとする頭を軽く振って思った。
天井には裸電球がゆっくりと揺れている。
その周りを丸々と太った銀バエが飛び交っている。
(…の、喉が渇いた。水)
圭一は起き上がろうとした。が、
(?!)
起き上がろうとしても起き上がれない。
なんと両手両脚がテーブルの四隅に鎖で括りつけられていた。
「ようやく起きたニダね…」
背後から声を掛けられた。圭一はギクッとしてそちらに顔を向ける。
そこにはレナと魅音と詩音がならび、圭一ことを見下ろしていた。みな一様にニヤニヤと笑っている。
「…こ、コレは一体、どういうことなんだ魅音、それに詩音もっ?」
圭一はオズオズと尋ねた。すると彼女らは突然ゲラゲラと笑い出した。
(な、なんなんだよ一体…)
圭一は何のことか理解できず、ただ黙って彼らのことを見るしかなかった。
「チョッパリ、いやケイちゃん。お前はこれからウリたちの晩飯だ…美味しく召し上がってやるから感謝するニダ!」
魅音の一人がそういうと、一同がドッと笑い出した。
レナはテーブルをバンバン平手で叩き、詩音は脚で床をドンドンと踏み鳴らしながら。
床の上を這い回るゴキブリが数匹、詩音の足で踏み殺された。
圭一は唖然とした。耳にした言葉が信じられなかった。
- 25 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 18:48:46
- C
「…ジャリッ、ジャリッ」
厨房の奥のほうから何者かが近づいてくる物音がした。
するとレナは騒ぎをやめて立ち上がり、
「ウリナラマンセー!」
と声を揃えて叫んだ。
その声に応えるように、厨房の奥からウーッ、と、なにかの唸り声が響いた。
圭一は足音の方を見る。まるで獰猛な獣のような気配が、確かに向こうから近づいてくる。
恐怖のあまり、圭一はもはや体の震えを抑えることなどできなくなっていた。
気づいたら失禁しており、寝かせられている調理台の上に糞便の生暖かい感触が流れるのを感じた。
「あらあらケイちゃん…こんなおいたしちゃってダメねえ!」
魅音が圭一を見下ろし、ゲラゲラと笑う。
「ケイちゃん、罰として麻酔なしで解体するんで、よろしくね!」
詩音は圭一の剥き出しのペニスを指先で弾きながら、魅音と共に大笑いする。
…すると厨房と部屋を隔てる暖簾が捲くれ、遂にその者が現れた。
身長2メートル以上ある…それはかつて古手梨花であったバケモノだった。
手には巨大な黒い刃が填められた巨大な鍬…あの古手神社に祀られていた御神体、が握られている。
「…アニョハセオー」
梨花ちゃんの全身盛り上がった筋肉で覆われ、なめしたような素肌には気味が悪いほどに血管が浮き出ている。
おそらくは入江研究所で打たれたドーピングの影響なのだろう、アゴにはビッシリと髭が生えている。
もはや可憐で清純な少女の面影などどこにもなく、血走った目は完全に狂気の域に達していた。
「り、梨花ちゃん…?」
圭一は梨花に向かって呟いた。
しかし梨花は口元からヨダレを垂れ流し、うれしそうに圭一の肉体を睨みつけている。
唯一梨花ちゃんらしさを残す真っ直ぐな黒髪だけが、吊るされた裸電球の輝きを反射し、つややかに輝いた。
「梨花ちゃん、ほら、このブタが今年の生贄だよ!」
「オヤシロ様に捧げるにはちょっと物足りないけどね。警視庁公安部に目をつけられてたんでゴメンね!」
魅音と詩音は少し申し訳なさそうに、薬物で巨大化した梨花に謝って見せた。
しかしその表情は、これから行われる儀式への喜びで満ち溢れている。
- 26 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 18:52:57
- D
「ゴメンね圭一くん。私達が喰屍鬼だってこと、圭一くんに教えるの忘れてたね。」
レナはそういうと、圭一のペニスを握りしめた。
完全に萎縮した圭一ペニスを、レナはか細い指でオモチャのように玩ぶ。
冷たい指先の感触が圭一の亀頭を這い、恐怖の中で圭一は思わず感じてしまった。
「気持ち良い?ねえ圭一くん…」
レナは甘えたような声で、圭一に尋ねる。
「レ、レナ。そんな…そんなことは止めるんだっ!」
少し恥じらいを感じながら、圭一は理性でレナに訴えた。
すると突然レナは表情を一変させ、圭一の勃起しかけたペニス口にくわえこむと、そのまま牙で食いちぎった。
「ぎゃああっ!」
股間から大量に血を垂れ流し、調理台の上で大暴れする圭一。
「ダメだよレナ、いきなり食べ始めちゃ…ちゃんと美味しく料理してあげないと、生贄になるケイちゃんに失礼だよ」
魅音がレナを諌めると、レナは口に咥えたペニスの破片をペッと床に吐き出し、
「ゴメンみぃちゃん、私、もう我慢できなくて。えへっ!」
と、可愛らしい笑顔を作ってみせた。
股間に走る激痛で意識が飛びそうな圭一は、涙で滲む目でそのレナの表情を見つめる。
雛見沢村に来て間もなく知り合ったあのころのレナ…そのときの表情と何ら変わらないピュアな笑顔。
あのころの無垢な笑顔のまま、彼女は今圭一を殺して食おうとしているのだ。
(こんな残酷なことって無いよな…。)
圭一の目から滂沱の涙があふれ、頬を伝い落ちた。
「そうね、そろそろ私達もお腹が空いてきたよ、ね、おネエ」
詩音がそういうと、魅音はうなずく。
「じゃあ、梨花ちゃんお願い…一気に殺っちゃって」
「やめろ、やめてくれっ!俺、死にたくないよっ!」
圭一は叫んだ。喉が引き千切れるほどの大声で叫んだ。
ふと見ると周りには雛見沢村の村民たちが勢ぞろいしている。
皆一様に血走った目をしておりで圭一を睨みつけて興奮していた。
その中には、圭一の父と母もいる。
二人とも口元からヨダレを垂れ流し、凶暴な目付きで調理台の上の自分の息子を眺めていた。
「みんな可笑しいよっ、どうしちゃったんだよっ!なあ、正気に戻ってくれよ…父さん、母さん…それにレナもっ!」
圭一の叫ぶ。だがその叫びも、集った村人達の嘲笑の中で掻き消えてゆく。
「ウリイイッ!」
空を劈くような奇声を上げ、古手梨花は鍬を振り上げた。
「やめろーっ!」
大声で叫ぶ圭一。
その圭一のどてっ腹に向かって、梨花ちゃんは迷うことなく一気に鍬を食い込ませた…。
- 27 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 18:55:17
- E
…30分後、圭一の肉体は完全に解体された。
内蔵は綺麗に抜き取られて壁のフックに吊るされた。
後でこれでソーセージを作るのだ。
両手両脚はそれぞれ胴体から切り離され、さらに肘と膝で切り分けられた。
特に肝はオヤシロ様と古手梨花の大好物であり、丁寧に処理され大なべで塩茹でにされた。
胴体から切り離された頭は、頭蓋骨に円状に穴を開けられ、露わになった脳髄にシオとコショウが振られた。
これは生のままマッコリの付け合せにされるのだ。
そして数時間後、雛見沢村の村人たちは圭一の肉体を綺麗に平らげた。
残った骨は大鍋で煮込まれ、スープの材料になった。(了)
- 28 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 18:59:58
- / '゙ /'ニ'ヽ, / /
/ | i).ト-' / /
l ' l´ / /
ヽ. ヾ、 / /
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ノ .,ィ / __,,..、--―::''''"::::::::::::::::::::::::::::::::! ./ /
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/ //,、-‐=;ドヾ;‐ミ;‐ミヾ、‐ミ、ヽ,'、 ̄ ノ _,....」_::::|::'::::::::::::::::ト、':、 /
./ / ///ニ-''li| ヽ ` .\ ,.イ :'´ \::::::::::::::::::::l:::',:゙、 \〈
/ .l / /'二Zヾ;、 ,.--、 .〉 / ヽ:::::::::::::::::l;:::::'、'、 ├‐―''"
| l, //,r'ニ二_` l, ,. ' /./ / ハ::::::::::::::::l::::::::ヾ;、 l,
| //r'ニ-―-、,_ ‐' '´ ./'ヽ, ' レ':::::::::::::ノ::::::::::::::::\l-―‐''゙´
l, ./,r=--、.,_ ;i, /r‐''''l ,/:::::::::::::/::::::::::::::::::::::::{
゙、 _ ミ''ー- 、_ヾ;:、_ ,、イ^"゙'ヽ,| >:、..,,,.イ:/::::::::;;/''''"''''ー;ァ‐''゙^ト、
_,>,.r:',. 、, `ヽ-=ニrzイ彡-''"`゙ .! .i /:::::::::ノr:<-_;ラ‐''゙´ \
/r'/.,イ \,. ゙ヽ.、..,,、-=ニrヘ''ーミ;.、 ゙、 ヾ7::フ::::::/ ヾ;'´ \
:'′'/ l i ヽ;、ヾ;ミ;.、ヾ''く´ヽ;ヾ,.゙'i }. \ Y::::/ ヽ、, \
!:l l. l .、 l, 、\ヾ:、ヽ, !l.| ヽ、 /::::ハ ヽ ヽ
!| ', l, ', l, l \、,_ l ト, .| | \ /:::/ ヽ, \ ヽ
{ ヽ l | !l | l. l l.| l, .! \':::;r' ヽ \ \
!.| / | l.l l:j '゙ | / ヾ \ \ ヽ
j | ./ / ノ ノ/ \ \ \ ヽ
_ノ / ´ \ \ \
ー''´ \ ヽ ヽ、
- 29 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 19:52:01
- (1/5)
『尾崎豊物語1 15の夜、愛の目覚め・編』
「け、見城さん。…それは一体、何?」
ある春の夜、汗ばむような熱気に包まれた薄暗いシティホテルの一室で、尾崎豊は全裸でベッドの上に横たわっていた。
両手首と両足首はそれぞれローブで拘束され、不安そうな尾崎豊は傍らに座る見城を見上げる。
うっすらと汗ばむ見城の裸体は、ホテルの間接照明の仄暗い光の中で力強く蠢く。
浅黒い肌、鍛え抜かれ盛り上がった強靭な筋肉.
その威圧感を目の当たりにした尾崎豊は、自分の胸の鼓動が高鳴るのを感じた。
見城徹は尾崎の問いに答えなかった。
無言のままベッドサイドのテーブルに向き合い尾崎にはあえて目もくれない。
テーブルのガラス天板の上に小皿を取り出した。そしてその中にオリーブオイルを注ぐ。
尾崎豊の視線を背中に感じつつ、それをあえて無視することで、嗜虐的な喜びを覚えていた。
額の伝う汗を右手で拭いながら、背後から聞こえる尾崎豊の押さえたような吐息を聞く。
背中で尾崎豊の焦燥を感じる。見城徹は唇の端を僅かに上げて意地悪く笑った。――そう、それでいい。
ルイ・ヴィトンのレザーハンドバッグからパラフィン紙に包まれた薬を取り出す。
それを先ほどの小皿に、こぼれないように丁寧に中身のパウダーを落とす。
パウダーを全て小皿に入れた見城は、そのオイルを人差し指で丁寧に攪拌し始めた。
静寂の中で、尾崎の高鳴る息吹と、見城の鼻息だけが、嫌に大きく響く。
不意に見城徹は尾崎豊に向き直った。
虚を突かれ、動揺の表情を隠せない尾崎に向かって、見城は熱い視線を注ぐ。
同時に蕩けるような優しい笑顔を尾崎に見せた。
- 30 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 19:53:30
- (2/5)
「さあ、尾崎。こっちにお尻を向けてごらん?…ほら」
躊躇する尾崎。
予想はしていた。しかし今、その予想が現実のものとなり、尾崎の中に迷いが生じた。
見城の視線が痛い。その熱い視線から逃れようと、尾崎は思わず顔を背け、ベッドシーツの中に埋める。
見城は大きく溜め息を付いた。尾崎の身体に圧し掛かると、強靭な両腕で尾崎の腰を持ち上げる。
強張る尾崎を無視し、強引にうつ伏せさせると、そのまま尾崎の小振りな尻を自分の方に向けさせた。
「あっ、んんっ!」
言葉にならない短いうめきを上げる尾崎豊。僅かに抵抗を試みるものの、見城徹の力強い腕力でそれが許されない。
尻を大きく突上げた姿勢で尾崎は、ベッドシーツの端を少し噛んだ。
見城徹の視線を尻に感じる。尻の肌がチリチリと焼けるようだ。
そして何故だろう、目にはうっすら涙が浮かぶ。
「大丈夫だよ尾崎。これはね、気持ちよくなる薬なんだよ…すぐに」
不安と緊張で打ち震える尾崎を見下ろした見城は、いたわるような口調で尾崎に語りかけた。
同時に尾崎の臀部全体を、なぞるような指使いで撫で回す。
見城は小皿から指先でオイルを掬い取り、その指先を尾崎の肛門の滑るように挿入した。
「け、見城さんっ!な、何をするんですっ!」
突然、肛門に鋭い痛みを覚えた尾崎は、弾けるように腰を振った。
しかしその腰を見城は素早く抱え、抵抗を制する。
「大丈夫だよ尾崎。す〜ぐに気持ちよくなるからね〜…」
見城の指先が、尾崎豊の肛門をかき回し、オイルをたっぷりと肛門の内壁に塗りこめた…。
- 31 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 19:54:44
- (3/5)
…部屋中にギシギシとベッドスプリングが軋む音が響く。
それに混じって尾崎豊の短い悲鳴と、見城徹の野太いうめきが交錯する。
見城徹の膝の上に抱きかかえられた尾崎豊は、下から激しく突上げる衝撃に耐えかね、泣きながら見城に縋りつく。
見城徹の肩の筋肉が、尾崎自身を貫くたびに尾崎の腕の中で硬直し、痙攣する。
尾崎豊の耳元に、見城徹の生温い吐息が吐きかけられる。
鼓膜を揺さぶられるような野太いうめき声は、さらに尾崎豊の性感を高めてゆく。
貫かれた肛門は見城徹の灼熱の肉棒にかき回され引き千切れそうだ。
「あ、ああっ!ああっ!け、見城さんっ!」
「どうだい尾崎、気持ちいいかい尾崎?す、凄いだろ、このクスリ!」
痺れるような快感が肛門から吹き上がり、脊髄を通って脳天まで昇り詰める。
尾崎豊の思考は混乱の極みで、さまざまな感情やイメージが物凄いスピードで渦巻く。
電撃のような快感の波が幾度も尾崎を襲い、気づけば尾崎自身のペニスも隆々と勃起し射精していた。
尾崎豊の放った精液は、見城徹の分厚い胸板や盛り上がった腹筋の上に飛び散り、ゆっくりと流れる。
「おまえを本物にしてやるからなっ!尾崎っ!おまえを永遠の存在にしてやるからなっ!」
「け、見城さんっ!」
「おまえは俺のモノだっ!尾崎、おまえを本物に…お、尾崎ィィッ!」
尾崎豊の直腸に熱いものが迸った…。
- 32 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 19:59:36
- (4/5)
激しい情交、そして幾度も押し寄せる快感の波…尾崎豊はベッドの上でまどろんでいた。
薄暗いホテルの部屋は、先ほどまでとは打って変わって静寂に包まれている。
エアコンの温度設定が若干高めなのか、春先にも関わらず汗ばむような熱気が尾崎豊の肌を包む。
思考を集中できない。見城さんから貰ったあのクスリの影響なのだろうか?
彼の横で見城徹は野太い鼾をかいて寝ている。尾崎は見城の横顔を見つめた。
見城徹…ついさっき、あれほど激しく自分を求めてくれた男。
その圧倒的なパワーと、男性的な荒々しい精力に、尾崎豊は完全に圧倒されてしまっていた。
今までの人生の中で、あれほどまでに他人に求められたことは無かった。
そのことが、尾崎豊の中のプライドを突き動かした。
歪んでいる、確かにそうだ。
しかしこれほどまでに濃厚な人間関係がかつてあっただろうか?
禁断の愛に包まれた尾崎の中で、今、自分への確信が芽生えつつあった。
(俺は、俺は見城さんを信じるっ!)
尾崎はいつしか心の中で叫んでいた。
…これから自分はどうなってしまうのだろう?本当の自分、あるべき姿とは?
思春期の尾崎を苛め続けてきた疑問の数々…。
そんなものはライブステージの上で繰り広げられる歓喜と熱狂に比べれば、とてもちっぽけな物思えた。
(考えるな、感じろ!感じ取るんだ尾崎っ!)
見城さんは、そう言って送り出してくれた。
ステージの上で自らを曝け出し絶叫するあの瞬間こそ本当の自分姿なのか…。
そう、見城さんは自分の悩みを真摯に受け止め、あるべき自分の姿を提示してくれた。
そして抱きとめてくれたのだ。
- 33 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 20:05:58
- (5/5)
突然、肛門に鋭い痛みが走った。
「うんっ!」
痛みに耐えかねた尾崎は、思わず短く悲鳴を上げた。
直腸の奥の方から、何かが流れてくる感触がする。
便が洩れ出て来たのか、と一瞬頭を過ぎる。
尾崎はすこし慌てて腰を浮かせ、自分の肛門に指先をあてがった。
ヌルリとした粘液質の感触。
痛みを覚えつつ、それを指先で掬い取り、目の前に持ってきた。
僅かに生臭い。赤い自身の血の他に、見城から吐き出された灼熱の精気が粘つくように絡まって いる。
尾崎は暫くそれを眺めた…。
――これが見城さん自身。
そう尾崎は心で呟く。
見城に向き直った。
目を瞑り深い眠りの世界にいる見城。
先ほどの獰猛な獣のように自分を支配しようとしていた見城を思い出し、尾崎は思わず赤面した。
指先の、自身と血と見城の精液が入り混じって桃色に染まった粘液をもう一度眺めた。
そしておもむろにそれを自分の口に運んで舐めた。
少し苦い味がした。(了)
- 34 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 20:16:03
- /`ヽ_
| /< \
| /: : :.{ ヽ
________人__ / . : : : : ! l
 ̄ ̄`Y´  ̄ / : : : : :│ l
| / :.: : : : : :| l
 ̄ ̄ `ヽ、 │ /: : : : : : :/| l
ヘ: : : : : : :\ /: : : : : / !: : : : : . l
ヽ: : : : : : :.\ /: : : : / ヽ: : : : : . . l
: :}: : : : : : : : :\ __ _,l: : : :/ \: : : : : . . !
ヽ: : : : : : : : : :\ , '´ /´ |: : :/-、 \: : : : : . . l
. :! ̄ `ヽ、: : : : :\ / 二二ニニ上-く ヽ \: : : : : .l
. :| >, 、: :.>/ `ヽ} \ \: : : :l
. :| _// {// ヽ \ \ \ \__j
. :! ∠/ / / :| }! l ヽ 丶 ヽ=-
. : : : :/ / / / | / | ハ斗ヽ‐┼ ', |ヽヘ
: : :/ j イ ! :l | __..⊥j / |/ _ヽム. | | | ∧ │
:/ | | l iイヽ :/j/|/ ィテ7ヾ}i|:.リ│}│ │
. |/! l:ハ | ィ≠テミ V、:::j レ゙ |/V i|
ヽ! |ヽ!\|{ハイ:::::} , `ー" / / | __ _∧___
ヽl| 小 トヘ. ゞ'´ 'イ /j/  ̄ ̄∨ ̄
| {ハヘ ' ’ /j/∨ |!
ヽ. W゙ヽ{`ト ..__ ,.ィ1/'´ |
\{ ` \rト、__/`l |
/{ r{ }ュ }〉ー- ..__
_,. イヽ!___厂ヽ__j′ ̄ `ヽ
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l , -─- 、/ !
- 35 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 20:22:46
- (1/5)
『尾崎豊物語2 15の夜、愛の地獄・編』
…バー「オルフェ」のドアを開けると、そこは肉の洪水だった。
一糸纏わぬ男女の肉体が複雑に絡みあいのた打ち回っている。
部屋の方々で歓喜の呻きが上がるたびに、その肉の氾濫はわななく。
「…な、なんですかこれ!どういうことなんです?須藤さん!」
尾崎は見城と須藤の方を振り向いて言った。そのまま絶句してしまった。
そこには全裸の須藤と見城が立っていたのだ。
全裸の須藤は股間からは仮性包茎のペニスが勃起させている。
一方、見城の手には、黒々とした巨大なペニバンが握られていた。
バーの薄暗い照明の中でそれは、不気味に鈍い光を放っていた。
「な、一体どういうことなんです?貴方達はいったい、何なんですか!」
「尾崎、こういうことであよ。見ればわかるよね」
須藤は尾崎の目をジッと見つめながらそう言い、ニヤリと笑った。
「ふ、ふざけないでください!こんなこと最低ですっ!ボク、こんなのもうイヤなんですっ!」
尾崎は叫んだ。
すると突然、バーの中で絡み合っていた無数の男女の動きが止まった。
嘗めるような視線が尾崎に注がれる。尾崎はその視線が自分の肉体を這うのを強く感じた…耐えられないほどに。
「貴方がそんな人だとは思いませんでした!そこをどいてください!僕、帰りますっ!」
しかし須藤も見城も動かない。尾崎の目を見つめたままニヤニヤ笑う。
――おかしい、何かが。
- 36 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 20:23:55
- (2/5)
突然、尾崎は背後から抱きすくめられた…見城徹だった。
筋肉の盛り上がった図太い腕で、尾崎の肉体を抱きしめると、いきなりその手を制服の裾に差し入れた。
そのまま尾崎の乳首を指先で探る。
「なあ尾崎、そんなこと言わないで、一緒に楽しもうぜ」
見城は尾崎の耳元で囁いた。熱く甘い吐息を尾崎の耳へと吹きかける。
思わずゾクッと体が反応してしまう尾崎。
抵抗しようとしたが、見城の指先は既に尾崎の乳首を玩ぶ。
もう一方の手は尾崎のブリーフの中に侵入し、股間を探る。
その指先が尾崎のペニスをつまむと、慣れた手つきでペニスをしごき始めた。
「何するんですか、止めてください!」
尾崎は抵抗する。しかし見城の指先の動きに反応してしまう自分を抑えることが出来なかった。
見城の指先が蠢くたびに身体は熱くなり、力が入らない。
「大丈夫だよい尾崎…俺に任せろよ」
見城が再び囁いた。
ふと前を見ると、目の前に須藤が立っていた。
熱い視線で尾崎を見つめ、須藤はゆっくりと顔を尾崎に近づける。
人差し指で尾崎の顎を上に向けると、その唇に強引にキスをしようとした。
「ん、止めてください!」
尾崎は顔を背ける。
しかし須藤は尾崎の顔を自分に向けさせると唇を重ね、一気に舌を挿入させてきた。
須藤の舌は尾崎の上唇から歯茎を這い、門歯の間に割り込もうとする。少しタバコ臭い息が尾崎の口腔の中を満たした。
「尾崎、もっとリラックスしろよ。本当のお前の姿を、俺達がわからせてやるよ…」
見城は尾崎のペニスを鷲掴みにし、力強く握った。その中指が尾崎の亀頭の包皮をめくる。
見城指が敏感なカリを直に刺激した瞬間、尾崎は自分が勃起してゆくのを感じた。
カウンター席の脇に設けられた簡易ステージの上で、尾崎は須藤のペニスをしゃぶらされた。
密集した須藤の陰毛が尾崎の鼻先をくすぐり、塩気のある汗の匂いが尾崎の鼻腔を満たす。
- 37 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 20:35:09
- (3/5)
(…息苦しい)
尾崎は思った。喉奥まで侵入した須藤の亀頭が尾崎のディープスロートを塞ぐ。吐き気が尾崎を襲う。
しかし須藤は容赦せず尾崎を責めた。
腰を前後にグラインドさせ、両手で尾崎の頭を掴み股間にグイグイと押しつける。
尾崎の口の中で須藤の陰茎が怒張し、あふれ出しそうだった。
その陰茎の熱さが、尾崎の本心とは裏腹に尾崎の中に眠る本能を昂ぶらせた。
「ああっ、尾崎凄いよっ!豊の舌がボクのチンコを這い回って…ああっいいっ、もうイキそうだよ!」
須藤が喘いだ。するとバーに集う客達から歓声が上がる。
(…見られている!)
尾崎は思った。バーの客達の視線が自分の裸と、陰茎を咥え込む自分の口元に注がれているのを強く感じた。
須藤の陰茎は益々熱く怒張し、尾崎の口の中で痙攣を始める。
「お、尾崎っ!俺もうダメだっ…うっ、ああっ!」
須藤は一際大きな喘ぎ声を上げると陰茎を大きく痙攣させ、尾崎の喉の奥に向かって大量の精液を吐き出した。
熱い精液が尾崎の喉から鼻腔まで達し、一瞬息が詰まった。
「ゲホッ、ゴホッ!」
と、尾崎はむせた。
その瞬間、バーの客達がワッと大声を上げた。
尾崎はその喧騒の中で一人蹲り、喉の奥から溢れる大量の精液を口から手に吐き戻した。
(…身体が言うことを利かない)
尾崎はボーッとする頭でそう思った。
「尾崎、本番はこれからだよ…」
うずくまる尾崎に向かって、見城が声を掛けてきた。思わず振り返る尾崎。
その目に飛び込んできたのは巨大なバイブレーターをかざす見城の姿だった。
見城の目から放たれる強い視線を感じた尾崎は、本能的に身をすくめた。
見城の目には、紛れも無い狂気が宿っていた。
「大丈夫だよ尾崎。いきなりで刺激が強かったみたいだが、こんなのすぐ慣れるさ」
見城は尾崎の傍にしゃがんだ。尾崎をうつ伏せにさせると、腹の下に手を差し入れ尻を大きく上に向かせた。
抵抗する尾崎。しかし見城の力は強く、消耗しきった今の尾崎ではどうすることもできなかった。
- 38 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 20:36:33
- (4/5)
見城は小皿の中にオリーブオイルを注いだ。その様子を息絶え絶えのなかで見つめる尾崎。
尾崎の視線に気付いた見城は振り向くと、尾崎に向かって微笑んだ。
「大丈夫だって。これは、とても気持ちよくなる薬だよ…この間もこれ、使ったじゃないか」
見城はそう言うと、傍らのハンドバッグから白い粉の入った小袋を取り出した。
その端を少し破ると、先ほどの小皿の中にサラサラと流し込み、それを薬指で優しくかき混ぜた。
「さあ尾崎、こっちにお尻を向けてごらん?」
見城は言った。尾崎は躊躇する。うつ伏せの姿勢のまま尾崎は動かずにいた。
すると見城は強引に尾崎の腰を引き寄せ、尻を持ち上げた。その尻をバーの客達に見せ付ける。
バーの客達は溜め息交じりでその尻を眺めた。尾崎の形の良い尻が、バーの照明の中で白く輝いた。
「…ひぎいっ!」
いきなり肛門に刺激が走り、尾崎は悲鳴を上げた。
見城の指先が尾崎の肛門に侵入してきたのだ。
先ほどのオイルで濡れた指は、事のほかスムースに尾崎の肛門に突き刺さる。
尾崎はそのショックで思わず逃げようとするが、見城の腕で腰を抱えられて、それは叶わない。
見城の指先が尾崎の肛門の中でゆっくりと這い回る。
指先の薬が直腸内部の粘膜に塗りつけられてゆく。
バーの客たちが再びざわめきだした。
しかしその声は尾崎には遠くから響いてくるようにしか聞こえなかった…既にクスリが回ってきたのだ。
クスリが尾崎を覚醒させ、陶酔の世界に堕ちてしまったようだ。
意識はあるものの自分の身体が自分のものではないような、そんな気持ちだった。
身体のアチラコチラが熱く脈打っている。
精神は混濁し、目の前の風景が突如輝きだした。
様々な思考やイメージが駆け巡る。
肛門は熱く締まり、それとともに勃起したペニスが股間で脈打っている。
「そろそろだな…」
見城は呟いた。尾崎を見つめる見城の目は…まるでモノを見るように冷ややかに醒めていた。
- 39 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 20:37:43
- (5/5)
尾崎はバーの客達の視線を感じた。
(…みんなに見られている)
そう思うと顔が真っ赤になった。激しい羞恥が尾崎の感情を昂ぶらせる。
「…尾崎、また勃起してきたな」
見城が笑った。
事実その通りだった。尾崎の思いとは裏腹に、身体は素直に羞恥プレイに反応している。
尾崎は遂に泣き出した。今までの自分が崩れてゆく…そう思うともはや溢れ出る感情を抑えることが出来なかった。
壇上で四つん這いにされた尾崎を、見城は背後からバイブレーターで責める。
巨大なバイブレーターが尾崎の肛門を刺し貫き、直腸の奥まで深く沈む。
「ああっ!あがあっ!あひいっ!」
尾崎は大声を上げて悶えた。全身を大きく震わせ、髪の毛を振り乱して暴れる。
見城のバイブレーターが突き出される度に、尾崎の若き肉体は大きくうねる。
バーの客達の興奮は最高潮に達した。見城の調教が終われば尾崎の肉体は彼らに捧げられるのだ。
今や遅しと待ち侘びる彼らの目は血走り、鼻息は荒い。
「尾崎…もう一度頼むよ。これから長い付き合いじゃないか。もう一度君の口で俺をイカせてくれ」
突然須藤が声を掛けてきた。
須藤は壇上で喘ぐ尾崎に近づくと、髪の毛を掴んで尾崎の顔を持ち上げた。
快楽と苦痛に歪んだ尾崎の顔は紅潮し、汗ばんだ額に後れ毛が張り付いている。
須藤は尾崎の頬を掴み口を開けさせると、既に回復し隆々と勃起した陰茎をその中にねじ込んだ。
「…ゴフッ!」
いきなり喉を亀頭で刺激され尾崎は咳き込んだ。
しかしすぐに須藤の陰茎にしゃぶりつくとそれを舌で舐め回し、亀頭を思いっきり刺激した。
数分後、尾崎は叫びながら絶頂に達した。床の上に大量の精液を放ち、痙攣する尾崎。
それと同時に須藤も陰茎を痙攣させ、尾崎の口の中へ本日2回目の射精をした。
その様子を満足気に見つめた見城は、尾崎の肛門からバイブレーターを抜き去った。
黒いシリコンラバーでコーティングされたそれは、尾崎の肛門からの出血で血まみれだった。(了)
- 40 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 20:40:16
- _,. --─- ,_
-''テ''´ _ ヽ
,r'ァ' ,r// , , `!
´ ' /,'/_ィ,イ ! | | ヽ
l1,l ハ.、`|/| /トィ._| |
〃 l lュ} ', -、.V/ / |
. l| l ' 5iツ ノ ハ|
ヽトlヽ` /,.-シイ″
`¨仁'-'ユ、
,r=ニ.ヽ、 l
_,.. イ ヽ`、 ヽ
f-r'/| l | |
| !′| | |___{
. {|_」 | ,L. -¬リ
く ィ | l l
〕. | | |
/ィ′| | ヽノ
/ ,// | | ヽ
`¨./ | | `、
| | | l、
,ハ l ノ _,. -.- 〉
/,└- .」 ム‐ ´ ヽ'
`ソ ト--イ _,.-,〉
`ヽ、__ ヽシ__,..,.-‐' ̄
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l l. ヽ
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/ン´ l.ノ / /
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- 41 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 20:51:09
- (1/3)
『尾崎豊物語3 灼熱のゲイボーイ・編』
「出来ないよ須藤さん!俺…俺、こんな所じゃとても無理ですっ!」
バックステージで尾崎豊は叫んだ。
周囲のスタッフの視線も気に留めず、泣き出しそうなヒステリックな声でプロデューサーの須藤に喚き散らしす尾崎。
「尾崎、お前なら出来る!聞こえるだろ、あの大きな歓声を!あれはみんな、お前のことを求めて叫んでいるんだ!」
須藤は緊張に打ち震える尾崎豊の肩に手を置き、尾崎に向かって諭すように叫んだ。
骨柄の大きいしなやかな尾崎の肢体が、今は弱った小鳥のように弱々しく打ち震えている。
須藤はその尾崎の首筋に視線を落とした。
生白い素肌の上に、うっすらと浮かび上がる汗…尾崎豊の若く瑞々しい肉に、思わず熱いものを覚えた。
「でも…須藤さん」
「いいから舞台に上がれ!そして、お前の全てをさらけ出すんだっ!」
――尾崎は真性のマゾ気質だ。馬鹿騒ぎして興奮する連中の目線に晒せば、尾崎は必ずこれに感応する。
尾崎豊は須藤に縋るような目を向けた。
しかし須藤はその視線を冷たく無視した。
尾崎自身に責任を持たせる、そうした決然とした意思表明であった。
尾崎はなおも不安そうな表情のままだった。
そんな尾崎豊に、背を向けたまま無視を決め込んだ須藤は、スタッフに威圧的な視線を送る。
(尾崎を甘やかせるな!奴は必ずやり遂げる。だから一切手出しはするな!)
スタッフ達は須藤の意思を察し、おのおのスタンバイする。
その喧騒の中で、尾崎豊は只一人、立ち竦んでいた。
押し寄せる緊張、プレッシャー…今までの尾崎の人生で、かつて無かったものだ。
尾崎豊は一度目を瞑った。
しばらくそのまま瞑目する。
そして意を決したように立ち上がると、ステージに向かって駆け出していった。
「よし、これでいい…」
ステージに向かう尾崎の後ろ姿…尾崎豊の肉感的な尻を見つめながら須藤は一人呟いた。
- 42 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 20:52:02
- (2/3)
…灼熱のステージ。その地獄こそが尾崎豊にとって、快楽の坩堝であった。
激しく攻め立てる観客の視線が彼、尾崎豊を昂ぶらせた。
全身を刺し貫く無数の熱視線。
あまりの法悦に彼の肉体は電気が走ったように敏感に反応した。
毛細血管まで充満するアドレナリンが筋繊維と皮膚の汗腺を焦げ付かせる。
地鳴りのようなバスドラの咆哮、強烈にファズの掛かったハムバッカーの分厚いギターサウンドのサスティーン。
その暴虐で官能的なビートが、彼をまだ見ぬ世界まで昇華させてゆく…。
尾崎豊は叫ぶ。すると狂気に達した観客達がその叫びに応える。
尾崎豊が俯く。その憂いを感じた観客が、虚ろな溜め息を漏らす。
観客は尾崎のありとあらゆる挙動に反応し、尾崎自身を崇拝し求めていた。
彼らにとって尾崎は神であった。
尾崎の苦悶の表情に畏怖をおぼえ、尾崎の歓喜の叫びで躁的熱狂に陥り、尾崎の微笑みに陶酔の涙を流すのだ。
(俺はこの愚衆を支配している!)
そう尾崎は悟った。
(俺こそがこの憐れな迷える子羊を真理の道へ誘うことが出来るんだ!)
愛欲の地獄の果てに尾崎豊の見たものは、尾崎自身の感得した原始の神の姿であった。
シャーマンと化した尾崎はステージの上でさらに激しく絶叫しのた打ち回った。
- 43 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 21:53:33
- (3/3)
「尾崎は遂に開花したな…」
ステージの裾で須藤は呟いた。その目には慈愛と、そして悶々とした暗い嫉妬の炎が満ちていた。
見城によってマゾヒストの本質を悟らされた尾崎…。
それは須藤には決して成せない肉の掟による支配であった。
尾崎を肉感の下僕として組み伏せ、捻じ伏せる…それは筋肉過剰のナルシスト、見城徹の独壇場であった。
しかし須藤はステージ上の尾崎を見て悟った。
――尾崎の真の才能を開花させることが出来るのは俺だ。
握り締める拳に、汗がにじむ。
――尾崎豊という男を、俗世の地獄の業火の中で打ち据えて、狂乱の域で弾けさせることが出来るのは俺だけだ。
プロデューサーなんて職業は、しょせんサディストじゃなきゃ出来やしない、そう須藤は思っていた。
尾崎をとことん叱り飛ばし、追い詰め、捻じ伏せ、押し潰し、精神も人格もブチ壊す。
そこからこの男の中に眠る何かを搾り採らなければならないのだ。
そういう意味で尾崎は最高の素材といえた。
衝動を掻き立てるドラムスのビート、腹の奥までズンッと響く情熱のサウンド。
尾崎を崇め慕う青少年達の官能をブロウアップさせる音楽の力…その中で尾崎を躍らせることが出来るのは俺だけだ。
――俺こそが尾崎を真のカリスマに仕立ててみせる!俺こそが…、俺こそが!
そう呟く須藤の股間ははち切れんばかりに勃起していた。(了)
- 44 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 21:54:35
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- 45 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 23:21:04
- (1/4)
『尾崎豊物語4 ヘテロ・魔女の誘惑・編』
「尾崎さん。服を脱いで、早くこっちに来て…」
「えっ、ええっ!あっ…」
尾崎はうろたえていた。
ベッドの端に座る繁美はブラウスの胸元を大きくはだけ、胸元を寄せて乳房の谷間をやや強調して見せる。
足を組み替え、腰を大きくくねらせシナを作り、尾崎豊に攻撃的な熱い視線を注ぐ。
尾崎の目線が自分の胸元から腿に注がれているのを充分に感得した繁美は、少し微笑んでみせた。
ただしその目は上目遣いに睨めつけるように鋭く、尾崎を捉え離さない。
「早くっ!尾崎さんっ!…女に恥をかかせるつもりなの?」
繁美は少し懇願するような表情を浮かべた。もちろん演技だ。
「で…でも。僕…あの、ええっと…」」
尾崎は繁美を前に戸惑いを見せた。頬が上気したように赤く染まり、目線は中途半端に彷徨う。
(可愛い!私が教えてあげるわ、尾崎君!)
繁美はベッドの上から身を乗り出し、尾崎の腕を乱暴に掴み、強引にベッドに引き寄せた。
尾崎は繁美の上に倒れこみ、のしかかる。
高まる鼓動、頬をつたう汗、荒々しい吐息、緊張のあまり表情が硬ばってり、尾崎は繁美から目線を逸らす。
しかし繁美は尾崎の顔を両手で挟み、強引に自分に向けさせた。
いきなり尾崎の唇に自分の唇を押し付ける。
「むんっ!んんんっ!…むうんんっ!…んん〜」
尾崎は驚き、唇を繁美から離そうとする。刹那、繁美の舌が尾崎の唇を割り、口腔のなかに侵入してきた。
同時に、繁美の右腕が尾崎の股間を鷲掴みにする。
「あっ、 あああっっ! 繁美さん!」
尾崎の股間は、はち切れんばかりに硬直し、熱く脈動していた。
「うふっ! カワイイ! 貴方は何もしなくていいの! 私がリードしてあげるから!」
そういって尾崎の右手を、自分の乳房にあてがった。
熱い夜が始まる。
- 46 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 23:21:46
- (2/4)
繁美は尾崎を仰向けにすると、尾崎の上着の裾から両手を入れた。掌が尾崎のわき腹から胸へと這うように動く。
指先が尾崎の乳首を探り当てた瞬間、尾崎の上体がわずかに反応する。
繁美は微笑みながらゆっくり尾崎のTシャツをはだけた。指先は乳首の周辺を焦らすように這わせ、
唇を尾崎のへそに近づけ、唇をあてがい吸った。
「し、繁美さん…」
繁美は尾崎の言葉を無視した。
尾崎の若いオスの体臭に自分の中のメスが激しく感応しているのが分かった。
子宮の辺りに熱が帯びてゆく。経血の流れる痛みにも似た本能的な疼きがヴァギナとアヌスを引き絞っていく。
(この男を…尾崎豊を絞りつくしてやるわっ!)
繁美は湧き上がる喜びに耐えかねるように尾崎のジーンズのファスナーを引きおろした。
既に欲求ではち切れんばかりに隆起した肉棒がそこにあった。
ジーンズとブリーフに締め付けられ窮屈そうに収まった尾崎の肉茎は弾けるように飛び出し、起立した。
その逞しさに一瞬驚き、そしてうっとりするようにソレを眺める繁美。
灼熱を放つ赤みを帯びたその肉棒は、尾崎の鼓動に呼応するようにビクンッビクンッと敏感に脈打つ。
尾崎は恥ずかしそうに顔を背ける。
繁美はゆっくりと尾崎の肉茎に頬を寄せ、口唇を亀頭に触れさせた。その瞬間、
「ぅあうっ!」
尾崎は反応して頭を大きく振った。
肉茎がわずかに揺らぎ、繁美の唇を軽く打つ。
しかし繁美は動ずることなく、口唇と舌を軽く撫で付け、肉茎に這わせた。
- 47 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 23:22:21
- (3/4)
(…茎と裏筋を中心に、始めは焦らす。)
それはかつて繁美を調教した黒服の男から仕込まれたテクだ。
(男の快楽は果てる一瞬に掛かっている。湧き上がる興奮を刺激と上手く同調して高めてゆかねばならない)
黒服の男がかつて耳元で囁いた言葉だ。
(…そう、タイミングが問題なんだよ、繁美。)
一瞬、繁美の脳裏に、かつて自分の肉体を通り過ぎていった男達の愛撫の記憶が過ぎった。
スプリングが軋む音を立てて繁美の肉体は手馴れた男達の腰の下で激しく弾み、
腰が砕けるような衝撃の中で何度も何度も昇天した、あの若き日の、バブリーな夜の記憶…。
(そういえば、あの男が私の”女”を開発してくれたっけ、名前は何だったかな?)
繁美は少し笑った。
…笑いながら尾崎を上目遣いで見た。
尾崎は既に快楽に溺れているのが分かった。
焦らしに耐えかねているように腰のあたりをもぞもぞと動かしている。
「繁美さん!ぼ、僕…ボクは、もう…」
ほとんどすすり泣きに近い尾崎の声が聞こえる。
- 48 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 23:22:56
- (4/4)
繁美の舌はゆっくり尾崎の肉茎を登ってゆき、亀頭に達した。
赤紫色に充血した尾崎のカリは、今にも爆発しそうにに脈動を続ける。
尿道も、それ自体呼吸しているように、わずかに開閉を繰り返している。
繁美は微笑んだ。既に自分が尾崎を支配しているのを感じた。
尾崎豊の激しい喘ぎを耳で捕らえながらさらにもう一度微笑み、目の前で痙攣する尾崎の茎に舌をあてがう。
そのまま滑るように口腔全体で肉茎を包み込んだ。
「あうっ!!」
その瞬間、尾崎の叫びと共に、繁美の口腔に生臭い粘液が迸った。
思った以上に多量の精液が迸り、繁美は一瞬唸った。
「むんっ!んむんっ!」
尾崎豊の放った熱く苦い粘液を口一杯に受け止める。
さらに舌を肉茎の裏筋に這わせ、尾崎の尿道内の残滓を全てしごき出す。
肉茎は繁美の口の中でなおも熱く脈打つ。
繁美の舌が這い回る度に、刺激に耐えかねた尾崎はうめき声を上げる。
(たまらない。最高。この男を吸い尽くしてやる。)
繁美の下半身は燃え上がっていた。愛液が花弁を伝い、密度の濃い叢や大腿の肌を滴っていた。
「豊…ズルいわ。貴方だけ勝手に…」
繁美は身を起こし尾崎を見下ろした。わずかな軽蔑と、この男を支配している歓喜に溢れた表情で。
そして口一杯に溜まった尾崎自身の欲情の雫を掌に吐き出し、尾崎の胸に塗り込めた。
尾崎の胸板は興奮のためか激しく上下動を繰り返す。
「今度は私の番…。私もイかせてくれない?貴方のやり方で…」
そう呟くと、尾崎の上に圧し掛かり、尾崎の唇に自身の唇を重ね、舌を滑り込ませた。(了)
- 49 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 23:35:48
- . / .: / .:.:.:.:.: /.:.:.:. ;イ.:.:.: j:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..::\.:.:.:.:.:.:.:.:\ .:.:.|.:.:.:.:.:. |.:.:.:.:.:.:ヽ
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,′ l .:.:.l :.:.:.:.:.:.: j:.:. / |:.:. | ヽ .:l\.:.:.:.:.:.:.| \.:.:.:.:.:.:.',:!.:.:.:.:.:. |:l:.:.:.:.:.:. ト ヽ、
l :/| :.:.:| :.:.:.:.:. /|:.:/ !:.: |. ヽ:{ \.:.:.:.:| \ .:.:.:.l|.:.:.:.:.: i |.:.l:.:.:.:.:.:.| `ーゝ
| / ! :.| l::.:.:.:.:.l V l:.:.l \ >┼ ── \‐:.! .:.:.:.:. i |.:.:.l.:.:.:.:.:|
レ' l l l:.:.:.´丁 j ̄ ̄ `ヽ{ \´ >l _ -==r 、│.:.:.:.:. i |.:.:.:|:.∧:.l
l |ハ ヽ .:.:.:|〃チ不テミ、ヽ ァ彳゚ア千.ハヾ}! :.:.:.:. i |ヽ:.:|/ V
ヽ .|i.: ヽ\:.:lヾハ_j::::::::ハ | _j:::::::::} j " |.:.:.:.:.: i | }j:|
\∧:.:l \ヽl う、:::イi| 'う、:::::イ./ j :.:.:.:.: / レ':/リ
ヽヽ|:.:.:. \l. _ヽ辷_リ ゞ 辷=' l.:.:.:.:. / ∧/
/::/ l:.:.:.:.: 小 , ,'.:.:.:.:./ /
/::/ l:.:.:.:.:.:.lハ /.:.:.:.,イ ∧
_, -、 /::/__,ム:.:.:.:.:.l::.:lゝ − , イ.:.:.:./ j/ }
ー-、厂 ̄了::::/:: ̄::::::::::::∧ :.:.:.:l:.:| 丶、 / /.:.:. /∨ l
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{{:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:.:.:l:| ヘヽ|l /:`irー-r<. /:/ / |
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/::/  ̄ `ー‐一ヘ__jレ∧ \ ,,-‐'´ |
/::/ / ∧ ヽ >ー'´ │
- 50 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 23:48:32
- (1/5)
『尾崎豊物語5 自我との邂逅・編』
見城さんに連れてこられた地下パーティーは、まさに修羅場だった。
黒檀の重い扉を開いた瞬間、生臭く湿った淫靡な匂いが、尾崎の鼻腔を優しくくすぐる。
薄暗い部屋の方々から、押し殺したような無数の人々の息吹が立ち昇り、女性のすすり泣く声も聞こえる。
「さあ尾崎、我々も入ろうよ…」
尾崎の背中を軽く押し、見城は中へ入るように促す。
見城の手の感触…尾崎を抱きすくめ、息苦しいほどの熱き抱擁で包んでくれる見城の逞しい手。
そこから伝わる体温は、尾崎の身体の奥で蠢く欲情の炎を揺るがす。尾崎は生唾をゴクリと飲み下した。
「見城さん、ここは一体?」
少し不安げな声で尾崎は尋ねる。見城は無言だ。
暗がりに目が慣れると、松明に照らし出された部屋の様子がわかった。
多くの生白い肉体の洪水が、床の方々で波を打っている。
逞しい腕、豊満な尻、丸みを帯びた臀部が、開かれた両足の間で激しく上下する。
長い髪の女性が、過剰な筋肉に覆われた男の腰にすがりつき、その股間の図太い肉棒をくわえ込んでいる。
また黒いボンテージに身を包んだ逞しい男二人が抱きしめあい、互いの肉体をまさぐりながら唇を求め合っている。
「尾崎、我々もこの中に入ろう…分かち合うんだ」
声を掛ける見城の方を、尾崎は振り返る。するとそこには、すでに衣類を脱ぎ去り裸になった見城が立っていた。
射すくめるような目で尾崎を見つめる見城…その視線の熱さに、尾崎は一瞬たじろぐ。
しかし尾崎は目線を逸らせなかった。見城の股間にそそり立つ巨大な肉茎が、脈打つように尾崎の前で痙攣する。
そう、尾崎の菊門を優しく貫いたあの肉茎…尾崎はあの日の夜の記憶を思い出し、思わず頬が火照るのを感じた。
- 51 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 23:50:46
- (2/5)
「ねえお兄さん、なかなか男前じゃない?」
立ち竦む尾崎に何者かが抱きついてきた。そのまま尾崎の耳たぶを舌でやさしく舐める。
甘く、生温い息吹が尾崎のうなじを這う。尾崎の上腕に、たわわに膨らんだ女の乳房が押し付けられる。
「えっ、う、うわっ!」
尾崎は驚き、一瞬身を強張らせた。するとその女は、耳元で優しく微笑みながらささやいた。
「大丈夫よボウヤ、私達が優しく導いてあげるから、うふっ!」
そのまま女の手はゆっくりと尾崎の胸元を這う。ブレザーの制服のボタンをたくみの外し、尾崎の胸の素肌を撫でる。
女の指先が、尾崎の素肌に触れる…尾崎の乳首を指先で軽く転がし、同時に尾崎のうなじを嘗め回す。
「ああっ…ボク、あのっ!」
たじろぐ尾崎の目の前に、見城か近付く。優しげな見城の目線が、不安げな尾崎の心に光を投げかける。
「大丈夫だよ尾崎、もう君は我々の仲間なんだからな」
そういって微笑む見城は、そのまま尾崎の制服のベルトを外す。
緩んだズボンの裾から、女は巧みに手を滑り込ませて尾崎の尻を直に触る。
硬く貼った尾崎の尻の肉を分けるように指先が進み、尾崎のアナルを探る。
「ああっ、ダメです止めてくださいっ!そんな所…」
「何を言ってるんだ尾崎、臆したのかい?」
見城は尾崎を諌めた。その瞬間、女の指先は尾崎のアナルを探りあて、迷うことなくその中へと侵入した。
- 52 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/17(土) 23:52:51
- (3/5)
「ひ、ひぐうっ!」
尾崎は身体を弾ませるように反応する。
昨晩、見城によって貫かれたアナルの傷に鋭い痛みが走り、尾崎の脊椎を駆け上った。
「あら?このボウヤはまだなのかしら…?」
「いや、彼は既に貫通式を済ませているんだが、まだ不慣れでね」
尾崎のすぐそばで買わされる言葉…四つの手が尾崎の若き肉体を愛撫するなかで、それは呪文のように響く。
女の指先が尾崎の前立腺を探りあて、そこを圧迫する。勃起を促しているのだ。
見城は尾崎のズボンとブリーフを引き摺り下ろし、尾崎の下半身を丸裸にした。
「尾崎、かわいいな尾崎、もう勃起しているじゃないか?」
「あら、このボウヤは中々元気ねえ」
もはや抵抗が出来ないほどに感じてしまった尾崎は、少し恥らうように両脚をすぼめる。
しかし見城の逞しい両腕がそれを許さなかった。
より大きく押し広げられた尾崎の両脚…そこから天に向かって反り立つように、若き尾崎の肉茎が現れる。
「まあ…逞しい」
女は感嘆の声を上げる。そして空いたもう一方の手で、尾崎のペニスを軽く掴み、そのままゆっくりをスラストさせた。
「ああっ!ダメですもうっ!お、お願いですうっ!」
叫ぶ尾崎。
気づくと部屋中にいた多くの人間の視線が、全て尾崎に集まっている。
熱く、なおかつ鋭い多くの視線が、尾崎のそそりたつ肉茎や、痙攣する臀部に集まる。
その視線に尾崎はさらに昂ぶり、敏感になってゆく。
- 53 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/18(日) 00:16:56
- (4/5)
「尾崎、ではそろそろ禊を済まそうか…なっ?」
見城は下から尾崎を見上げる。
悦びに満ちた見城の微笑みに慄然とする尾崎…しかし何故だろう、心のどこかでそれを期待している自分もいる。
「ほら、はやくやってあげなさい見城さん。この子、このままフィニッシュしちゃうわよ」
クスッと微笑みながら女は囁く。
女の左手は尾崎の肉茎を優しく掴み、指先で亀頭を撫でる。
時折女の指先が尿道をしごくたびに、尾崎は絶頂に達しそうになる。
「そうだな、これ以上焦らしたら、尾崎はすねちゃうかもしれないしな」
周りの人間達が少し笑う…尾崎のあられもない痴態を見て、喜んでいるのだ。
「はうっ!」
尾崎は叫んだ。見城の口が尾崎の肉茎をくわえ込んだのだ。
そのまま激しく肉茎を吸い込む見城…尾崎の亀頭が見城の喉の奥へと侵入し、食道に近い辺りまで達する。
見城は喉の奥をしごきながら、尾崎のペニスを激しく刺激する。
「ダメです見城さんっ! ああっ!」
抵抗を始める尾崎…しかしいつのまにそばに来ていた屈強な男たちによって尾崎は押さえ込まれていた。
ニヤニヤと笑いながら尾崎を押さえつけるむくつけき男たち。
「待ってろよ尾崎くん、次は我々が君を導くからな」
「そうだぜ尾崎くん、君は今、我々の仲間達の関心を全て集めてるんだよ、ははっ!」
- 54 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/18(日) 00:19:13
- (5/5)
「私もお手伝いしなくちゃね、尾崎くん。これからもよろしくね!」
そう囁いた女は、もう一度尾崎のアナルに深々と指先を突っ込んだ…さらに深く。
その中で暴れる指先は、尾崎の本性を暴きだすかのようだ。
甲高い悲鳴を上げながら愛撫に翻弄される尾崎。
その尾崎の美しき痴態を眺めながら交わい、自慰を始める周囲の者たち。
上り詰める尾崎は、薄暗い部屋の彼方で未知の輝きを見た。
荒ぶる魂の行き着く先、めくるめく快楽の上り詰めたその先に、一筋の光明を見出していた。
今、尾崎の肉体を汚す巧みな愛撫の中で、尾崎の精神は自分を縛り付ける全てから解き放たれていった。
「ああっ!うわああぅ!」
かつて無い絶叫とともに、尾崎は大量の精液を放った。
その精液を一滴も残さず飲み干す見城の目の前で、尾崎は失神した。
本当の自分にたどり着けた気がした。(了)
- 55 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/18(日) 00:21:20
- -、
_ /_⊥_
_ --‐-―  ̄  ̄¬ ナ二_ 了ー‐-
∠´ / 冫 /
/ / / 〈イイイ/ _
/ / / l l l }イイイ―
. / / / l l l l 丶 ゙、 {"""〜ヘ
// ,′ ,′ l |、 l ハ ト ヽ_ _ ‐′ 冫
/イ /l l ハ |ヽ l / 、 lヽ |¬´ //
. /´ / / ! ハ ハ l ヽ ヽ / ヽl l l \ _ _ イ|
/〃 l ハ l_ ヽ| \ヽ' _ -亠‐┼‐‐- ! |  ̄ / |
|/l∧ ヒT ¨「 ``! ゝニ V l | 小 ハ |
′ヽ ヽ l _,r=ミ、 クf千卞ヽ、l | l ヽノ l lヾ、
ヽ」ハ バ:.::::l l::.:::::::j ./l /ニ、 l /l/
. ヽ ハ 辷j 辷:::ソ l ハ } /// ′
ヾハ ´ ,  ̄ l !_/ 〃イ′
lハ l 「////′
l |ヽ、 ` イ /ハl/
!.|l/` 、_ _ < / /ハl/
ヽ| _->T ´_ -‐/ /爿
| ̄テ¬ ̄ // |
___ />/ __ --―¬、
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/ // ヽ /´  ̄ヽ
/ /´ ヽ / ',
/ / Y i l
- 56 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/18(日) 00:40:22
- (1/3)
『尾崎豊物語6 音のない部屋・編』
「う、うぐうっ!」
思わぬ激しい突き上げに、尾崎は思わず唸ってしまった。
尾崎は全日空ホテルのスィートルームにある男との密会に来ていた。
相手はイベント興行の利権を持つ業界の大物で、ハゲて腹の迫り出した初老の男だ。
尾崎のことを気に入ってくれ、密会の回数も今日で10回近い。
少し高めの温度に設定された空調の部屋の中で、尾崎はその男の腹の下で怒張したペニスをくわえて舌で刺激する。
今回も丁寧に洗浄した男のアナルに中指を差込み、そこから押し付けるように前立腺を刺激してやる。
すると衰えた男の生殖器に活力が漲り、尾崎の口の中から溢れんばかりに怒張してゆく。
還暦近いのに大したおっさんだな、と尾崎は思った。
「頼む。もっと舌を丁寧に…そう、丁寧に裏筋をなぞってくれ、ああっ!」
男は尾崎の愛撫で何度も喘ぎ、そのたびに尾崎の顔を股間に無理矢理埋めようとする。
尾崎の鼻腔の中に男の陰毛の先端が入り込み、何度も咳き込んでしまう。
徐々に男の興奮が高まってきたようだ。
口の中の男根が見る間に膨張し、喉の奥深くに侵入しようと暴れた。
- 57 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/18(日) 00:41:15
- (2/3)
尾崎は手で男の腰を押し返そうとするが、興奮した男はそんなことお構いなしに尾崎を攻め立てる。
男のむさ苦しい体臭にげんなりしながら、尾崎は一度男を満足させるべきだと考えた。
前立腺を刺激する中指をさらに直腸の奥まで差し入れる。そして指の腹全体を用いて男の直腸内をなめす。
同時に奥歯を用いて男の亀頭を刺激する…この男は舌全体で亀頭を包んでやると、そうとう感じることは承知してる。
「うがああっ!はあっ!」
男は部屋中に響き渡るような大声で吠え、ものの数秒で絶頂に達した。
同時に尾崎の口の中に、ことのほか大量の精液を流し込む。
男はそのままベッドに倒れこんだ。
尾崎は男の体を避けるようにしてベッドサイドに移動し、エチケットペーパーの中に男の残滓を吐き出す。
喉の奥の不快感…自分が穢れていく嫌な感じが、尾崎を身震いさせた。
(今日一日付き合うだけで、また郡山でのライブ興行権が入るんだ。)
心の中で尾崎はそう呟いた。
男はしばらく荒々しく呼吸していたが、その手が尾崎の股間に伸びる。
醜い男…だが今の尾崎はこのような男の愛撫でも勃起できるし、アナルにも射精できる。
そう、少しの我慢、それが尾崎を開発した見城さんからの教えだ。
男の節くれた手のひらでペニスを玩ばれながら、尾崎はマルボロメンソールに火をつけ、大きく一服した。
タバコの中に仕込まれている例のクスリが燃焼し、尾崎の脳髄をチリチリと刺激してゆく…。
- 58 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/18(日) 00:42:13
- (3/3)
男の手コキに任せ、ペニスを勃起させながら尾崎はテレビを付けた。
どうでもよいバラエティー番組や、くだらないトーク番組をすっ飛ばして、尾崎はニュース映像を探す。
何のことは無い、このくだらない雰囲気の中で正気を保てる何かがほしかっただけだ。
勃起した尾崎のペニスを男は口でくわえた。ネチャネチャと粘液質の音を立て、尾崎のペニスを必死にバキュームする。
同時に自分のペニスをしごいているようだ。
普段は威張り散らす傲岸な男…その実態は、容姿の整ったゲイボーイに対する羨望と嫉妬に狂った、ただのホモだ。
尾崎は自分の亀頭にざらついた感触を感じ取りながら、チャンネルを変えてゆく。
十分後に射精してやろう、そう思った瞬間、テレビの映像に目が留まった。
歌番組で自分が歌っている映像が流れた。
ステージのスポットライトの中で、着流したTシャツ姿の自分が絶叫している。
額に流れる汗もぬぐわぬまま目をつぶり、少し鼻に掛かった声で。
尾崎はその自分の姿に見惚れた。
多くの観客たちの視線の中で、昂ぶる自分を抑えかねるように苦悶する自分の姿。。
曲がクライマックスに向かう中で、尾崎は自分のペニスが怒張してゆくのを感じた。
ホモのおっさんの愛撫ではなく、自ら惚れこんだ自分自身の虚像に興奮したのだ。
尾崎は目を閉じる…アコギで奏でられる15の夜、過ぎ去りし過去の幻影…。
「う、うぐっ!」
数分後、尾崎は射精した。大喜びで自分の精液を飲み干す男をよそに、尾崎は極彩色の夢を見ていた。
覚醒剤…魔のクスリ。(了)
- 59 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/18(日) 00:53:59
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二 ______:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ、
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`丶 :::::::::::: l l∧ l ∧ 代う::::ハヽ \{ イう:::: ハヾl │ `7ー、_:::::::::::::::::::::::::::::::
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\:::::::::_/ ̄|∧ ∧ ゞー‐' ゞ- ' _/レ /_∧ /  ̄ ̄ ̄
 ̄ |ヽ>l.∧ ' /::::\ / / 〃
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_ノ::::::::::::::::∨\> 、 , イ'::::::::::::::::::::: ̄\
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ヽ ::::::::::::::::::: ヽ_/ _| |\{/::::::::::::::::::::::::::::/
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- 60 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/18(日) 03:03:28
- 『尾崎豊物語7 もう、お前しか見えないよ…』
「愛が欲しいか、尾崎」
太陽神アポロンに扮した見城は、尾崎に問いかけた。
「は、はい見城さん…いや、アポロン様!貴方の深い愛が欲しくてたまりません!」
ちんこのあたりを手でいじりながら尾崎は答えた。
見城はその尾崎の答えを聞くと、声を立てないように意地悪く笑った。
「そうか、では尾崎よ。そこでオナニーしながらうんこを漏らすのだ…」
見城は厳格な口調で語りかける。
(えっ?)
躊躇する尾崎。
(そんな恥ずかしいこと、この「オルフェ」でもさらせないよ!)
しかし尾崎の逡巡を見抜いた見城は、少し怒りを帯びた口調で語った。
「何を躊躇しているんだ尾崎!愛を見失って彷徨うファンたちのために、貴様は何でもできると言ってたではないか!」
見城の声は怒気を帯びている。
「脱糞オナニーで得られる法悦…それこそニュータイプの高度な精神ステージを開拓する修行の一環なのだぞ尾崎!」
見城は尾崎ににじり寄る。怯える尾崎を睨みつける見城の目は見開かれ、血走っている。
「貴様は若きファンたちに、新たなパラダイムを呈示すると約束したではないか!嘘を付いたのか!」
見城は尾崎を殴りつけんばかりに迫った。尾崎はガタガタ震えだす。
そして尾崎の脳裏には、自分を慕うファンたちの笑顔が浮かんだ。
尾崎を慕い、尾崎のことを「天才」「教祖」「神の子」と崇拝し、祈りを捧げてくれたファン達。
オウム真理教という地上の天国で修行をしながら、世界革命を夢見て地下室で爆弾を作っている敬虔な尾崎信者たち。
(彼らに愛を注げるのは俺だけだ!彼らに革命のパラダイムを示せるのは、この尾崎豊だけだ!)
尾崎は涙した。
気づくと尾崎の股間は勃起していた。同時に激しい便意が肛門を虐める。
尾崎はスクッと立ち上がると、右手でちんこを握り締めてこすり始めた…
「うおおおーっ!」
バー「オルフェ」に集う業界人のマニア達は湧いた。
その客たちの熱視線を浴びながら、尾崎は昂ぶってゆく。
その客たちの歓声は、尾崎の情動を激しく揺さぶる。
大音響で響き渡る16ビートに煽られ、尾崎は観客の目の前で股間を広げてながらのたうちまわる。
観客席では、業界人のお偉いさんが、枕営業の若手アイドルの下半身を攻め立てる。
いつの間にか壇上に上がった見城が、尾崎の尻に鞭を振り下ろす。
手にした巨大な浣腸器で、尾崎の肛門を貫く。
(ああっ!最高だ!)
尾崎がそう呟いた瞬間、肛門から客席に向かって勢い良く液便が噴出した。
同時に大量の精液を放った尾崎は、客席からの喝采の中でゆっくりと気絶した。(了)
- 61 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/18(日) 03:06:40
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,' l | ! / /l ィ l ト、!
| ! ', | |/´7ー!メ l / ! !l
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j.イ ! 、トヘ| | `ー′ ヽ'_ , 、
/´l ヽ ヽニ`,! | // >,、_
ヽ !\ T| | .ィ′ n ./ // /l、_
ヽ \ | ', i | f' `Y /.' / / / /.!ソ
ヽ | ハ、 ヽ|、 ! ____ ノ l| '′ ´ ', '
'イ!イ ヽ!!´ リ { ,'
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,' ヽ、 - 、ヽ !! l
,' ヽ `、 1! |
,' l ヽ,-, j | l
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l_r -' _ >、 ヽ′ l
ヽr -'´ \ ヽ /
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- 62 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/18(日) 03:09:44
- (1/4)
『尾崎豊物語8 スワンソング、絶望の月・編』
「繁美、お前じゃダメなんだ!繁美、お前じゃあ…お前じゃあダメなんだよっ!」
尾崎は絶叫しながら繁美を殴りつけた。
「なにするの痛い、あなたっ!やめてっ、殴らないでぇっ!」
しかし尾崎豊は振り上げた拳を繁美に向かって何度も打ち付けた。
頭や肩、こめかみと、次から次へと続く打撃の嵐に、繁美は身を屈め小さく悲鳴を上げることしか出来ない。
「あなた、いったい私が何したっていうのっ!あなた痛いっ、やめてっ!」
「繁美ぃ、お前じゃぁ!繁美ぃお前じゃあっ…!ダメなんだよぉ!」
尾崎の表情は鬼気迫り、吊り上った三白眼は憤怒の念を放つ。
怒りに歪んだその双眸は、足元でうずくまる繁美を睨みつける。
打撃はまるで容赦なく、時に殺意すら感じられた。
そこには繁美の存在を絶対否定するような非情さがあった。
一撃ごとに繁美は自身の肉体が軋むのを感じた。男と女では力の差は歴然としている。
何も出来ず蹲ったままの繁美は恐怖のあまり全身が硬直する。
今はただひたすら耐えるしかない…しかしそれももう限界に近づいていた。
そして思わず面を上げたときに、尾崎のフック掛かった打撃が額と鼻先を削ぎ取るように捉えた。
一瞬、意識が飛ぶ。
鼻の奥から脳髄にかけてきな臭さが立ち昇る。
視界は揺れ、何かフィルターがかかったように周囲の音が奇妙にこもる。
繁美は遂に床に倒れた。
冷たいフローリングの床の感触が、繁美の頬に伝わる。そして視界の端で、自分が流した鼻血が滴るのを捕らえた。
腫れあがった瞼が視界を奪い、鼻の奥からさらに生暖かい血が伝う。痺れるような痛みが鼻腔を伝い思考を奪う。
(…私は一体何故こんなところにいるの?どうしてこんな目に遭わなければならないの?)
繁美は自身を見失いかけていた。その中でも尾崎の怒号が響く…。
(そうだ、今私は…私は尾崎に殴られているんだ。)
ふと我を取り戻した、まさにその瞬間であった。
「繁美っお前じゃあっ、母さんの代わりにはなれないんだあ〜!」
一際大きく振りかぶった渾身の一撃が繁美の顎を真っ直ぐ捉え、そのまま繁美は昏倒し意識を失った。
- 63 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/18(日) 03:10:21
- (2/4)
…尾崎の体の重みと、、恥部を貫く鈍痛を感じ取り、繁美は目を覚ました。
尾崎が今、自分の肉体を犯している。
すでに着衣は全て剥ぎ取られ全裸であった。
春先の肌寒さが繁美の意識を徐々に現実世界へと引き戻す。
体が全く動かない。
尾崎に組み伏せられているからだけではなく、尾崎の身勝手な愛撫に抵抗する余力が失われていた。
尾崎によって殴られた箇所が軋むように痛みを訴え、合唱した。
(まだ生きている…)
繁美は薄目を開け天井を見上げ思った。
尾崎の呻き声と繁美の股間に腰をひたすら打ちつけ続ける乾いた音だけが仄暗い月明かりの包む部屋を虚しく響く。
既に繁美の意識のなかには尾崎の存在は無かった。
尾崎という存在は、今はただ自身の肉体を蹂躙する物理的な存在に過ぎない。
- 64 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/18(日) 03:11:07
- (3/4)
(私は間違っていた…?)
繁美は今、たとえようもない戦慄とともに、自分への疑義を抱いた。
かつて愛した男、無邪気で繊細で、それでいて自尊心の塊で、鋭さとナイーブさを持ち合わせた男。
そこに自分はほれ込み、そして契りを結んだ…上手く御せる、そういう自信があった、はずだった。
(甘かったのか…?)
いや、そうではない。
繁美の考えていた以上に、この世の中には如何ともし難い衝動的な狂気が存在していたのだ。
誰よりも愛されたいと願い、さまよう男は、同時に誰よりも嫉妬を抱く危うい男であった。
狂気の声の渦巻くなかで、尾崎は他者への絶対的な依存と絶対的な支配を求めた。いつしか舞い上がり、理性を失う。
狂気と暴力をもって、他者を拘束しようとする。そして怒り狂い、泣き叫ぶ…そして今夜も。
彼を見出し、売り出した見城、須藤という男達を失ったいま、彼は真実の自分と向き合わざるを得なかった。
そこで、虚像をみた。そしてそれ以外何も見出せなかった…それが尾崎豊という男だ。
嘘と虚勢を叫び続け、遂に現実という障壁に立ち向かわなかった男は今、崩れそうな自我を狂気と暴力、
そして覚醒剤の陶酔の中で逃避し、泣き叫んでいる。
文字通り、破滅に向かって…。
- 65 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/18(日) 05:04:40
- (4/4)
今、尾崎は自分の乳房を口に含み、激しくしゃぶりついている…何かをブツブツ呟きながら。
「母さん…どうしてなの?母さん。…どうして僕を置いていったの、母さん?」
尾崎の肉体は汗ばみ、生臭い呼吸は激しくなる。
うめき声を上げながら尾崎は徐々に昂ぶりを見せる。
繁美は泣いた。それは彼のためではなかった。
ただ、自分でもわからない溢れ出る感情が、繁美の理性の堤を音も無く崩してゆく。
溢れ出た感情は、ただ虚しく、冷たかった。
「母さんっ!」
尾崎はそう叫んだ。同時に一瞬、激しく痙攣し、体を弾ませた。
その後、硬直した体から力が抜け、崩れるようにゆっくりと繁美に体を預けた。
繁美の子宮に、熱い迸りが注ぎ込まれる。
しかしその感触は、繁美の肉体を沸かせることはなかった。
尾崎豊が果て、眠り落ちる姿を繁美は醒めた目で見続けた。
肉体の痛み、窓から差し込む月の明かりだけが、今の繁美にとって確かな現実だった。(了)
- 66 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/18(日) 05:06:41
- r‐ヘ、_,.ィ'´ ̄ミ<辷rヘ_
,x<ン_,ィ彡r‐'´: ̄`:.ヽ:/ >マ_]
/ //:./:./: : : : :ヽ:ヽ: :| //YV
ヽ /:i:.:/: :{: :!:.ト、: : l: :.|、:丁「 V | |!
∧イ:从ト、∧ {.:| \ト、リ:∨:.| ! ! {ゝ
| :!.川:.:ャ‐-、 ` -―十l! └¬-|_|
|. リト!Vl、ヶ=ミ 彳斤ト:.:イ: イ!:.リ
| | !l:.:ゝ{以 ヒ-ツ:./:|)从リ
`ヽ/ リ!:.lハ、 ' __ イ:./レ (\
/⌒Yl/ト `'_ イ:l/,r¬ \ヽf'^Yヽ.
____/:.:.:.:.:/___,.f孑¬frく ⊂ニ二、 ヘノ┘Y.}
/ r‐':.:.:./ _,|.イ / ,爪辷」ト、/___/ ./\
rvヘノ`二ミr'/^^'<.,__| }___/! (/ └ヘ \
__,.く / ー‐'Y´ ``^ー| |, ,.._ ヽ. \
. / 〈_ ' {了:ァーx.,, | |/´ | |`' 、. \ ヽ
. / /レヘ_r' |;';';刋≫≪ァ-、_ | | | | `゙' ‐ 、., ___ ,ノ
ヽ.__,. '′ l!;';刋≫≪}〉;'/;';';'| | | |
/ ';';チリ≫≪}〉';';';';/.| | |_,_」
/ ,/;';チソ≫≪}〉;';';';/ | |
/ ,.. ィァ‐;¬'=ミチソ≫≪}〉;';';';' | |
/ , ィ¬';';'\/;'_;'_;'_◎;/'ソ≫≪}}〉≧=、 | |
___ ,. ≪;';';||;';';';';';';'||;';';';/ィ彳;ハく⌒リイT;◎;';'ヽ|__,」
〈 ヽ;';';';';'¨|ト===;◎;'xt少'´/;';/|イ;';'ト、;'|ト、;';';';'/\
ム 寸;';';';||';';';';'/x{少'';';';';';';ィj_.:{|;';';';';K〉;'||;';\/;';';';';ヽ
ヽ∧ ヽ ';'||; /x少';';';';';';';';';ィj :_.:{|;';';';';K〉;'||;';'/ ̄ ̄ ̄\
ヽ\ ヽ||/_少;';';';';';';';';';';'ィj :_ :_{|;';';';';K〉;◎;';';';';';';';';';';';'//\
\\ \{';';';';';'/;';';';ィj_:_ .:_ :.{|;';';';';K〉;'||;'`ー====≦=='ヘ
ヽ \ `ー-〈';';';ィj _:_ : _: _:{|;';';';';K〉;'||;';';';';';';';/';';';';';';';';';';'>ァ
\_`ー-、._ >'>x_: _: _: _:.{|;';';';';K〉;'||;';';';';/;';';';';';';';';';';/_/>
`ヽ.__ト、./____.'′! ! 》__!_:K〉;'||;';∠ '⌒´ ̄ ̄ _ノ/
- 67 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/18(日) 05:29:41
- 『尾崎豊物語9 俺は馬鹿と呼ばれているか?・編』
@
尾崎豊は、妻が語った過去の男遍歴を知り憤慨した。
「パンツを全部捨てろ繁美!昔の男の匂いが染み付いている!」
顔を真っ赤にして繁美を罵倒する尾崎豊に、繁美は恐怖を隠せない。
ステージで歌い、叫んでいても、世の中は変わらない。
熱狂する若者達も、自分のライブが終われば再び、現実社会と向き合う生活に戻ってゆく。
虚しい興奮、己の力の無力さ…尾崎の叫びはただ、堅牢で頑強な社会の壁に反響し、掻き消えてゆく。
そう、全ては汚い大人達の支配する薄汚れた社会システムが悪いのだ。
そんな尾崎の怒りは、鉄拳となって繁美にぶつけられる。
鼻血を垂れ流し、床の上で横たわる繁美に向かって、尚も拳を振り下ろす。
「汚い大人なんか、信用できないっ!」
怒りに震えながら尾崎はそう叫ぶ。そんな尾崎の股間は、なぜか隆々と勃起していた…。
しかし、覚醒剤で酩酊状態に陥った尾崎に、さらなる恐怖が襲い掛かった…それは繁美の反撃だった。
繁美は尾崎の目の前でスカートをたくし上げ、履いているパンティーを自ら脱ぎ去る。
そのまま立ち上がった繁美は、侮蔑に満ちた目で尾崎を睨みつける。
思わぬ反撃に虚を突かれ、尾崎は一瞬怯む。
その怯んだ表情を軽く一瞥して微笑み、繁美は手に掴んだパンティーを尾崎の顔面に押し付けた。
「豊、貴方が欲しいのは、これでしょう!?」
繁美は少し嘲りの混じった声で叫んだ。
床にへたり込んだ尾崎の様子を、悪戯な目で見上げた繁美は、意地悪く笑った。
そのまま繁美は素早く尾崎の股間に縋りつくと、尾崎の隆起したペニスを口に含む。
「あ、あうっ!」
いきなりの快感に、可愛らしい喘ぎ声を上げる尾崎。
そんな尾崎の反応を感じ取りながら、繁美は尾崎のペニスを喉の奥まで深々とくわえ込む。
舌で茎の裏筋をなぞり、尿道の辺りを喉奥でバキュームしながら亀頭のカリを刺激する。
微妙な部分に触れるたびに、尾崎は何度も反応し、溜め息交じりの喘ぎ声で応ずる…繁美は笑った。
(所詮、尾崎なんて只のセックス人形、私のテクさえあれば、こんな単純な男なんて、簡単に支配できるわ)
繁美の舌先が尾崎の亀頭全体を包み込み、裏筋をこすり上げる頃、既に尾崎は一発目の放精を終えた。
同時に、尾崎の熱い肉茎から放たれた生臭い精液が、繁美の口腔に大量に注ぎ込まれた…。
- 68 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/18(日) 05:30:35
- A
…繁美の抜群なフェラテクで、精も根も尽き果てた尾崎豊は床の上で仰向けに横たわっていた。
何故だろう、涙が止まらない。
薄暗い部屋の真ん中で、尾崎は天井を見上げたまますすり泣いていた。
差し込む夕陽が尾崎を照らす。
同時にさらけ出した尾崎の萎びたちんこを映し出す。
繁美の唾液と尾崎の精液で濡れそぼったそれは、乾きかけてカピカピになりつつあった。
…台所で繁美は夕飯の支度を始める。
もちろん全裸にエプロンという、とても素敵な格好で。
それは尾崎豊を誘っているのだ。
尾崎豊という男を試しているのだ。
仰向けに横たわりながら、尾崎はゆっくりと台所に視線を移す。
後姿の繁美は、鼻歌を歌いながら料理を続けていた。
背中で結ばれたエプロンのヒモ、その舌には柔らかな尻が覘く。
柔らかそうな、生白い尻の肉が、差し込む西日に照らされて紅に染まっていた。
それはとてつもなく美しく、淫靡であった。
尾崎は自分のちんこが、徐々に回復しつつあることに気づいた。
(穢れている!汚れている!)
尾崎は尚も煩悶する。
しかし今や、天井にむかってそそり立つように回復したペニスは、溢れる精力を解き放つ先を求め、打ち震えていた。
自分がどんどん穢れてゆく、そういう恐怖の中で尾崎は、薄汚れた本能にもまた支配されていることを知った。
腐った街を支配する汚い大人達…そういう一人に自分もまた、なってしまったのだ、そう納得した。
だがそれを受け入れられるほど、尾崎豊はまともではなかった。
- 69 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/18(日) 05:32:27
- B
尾崎は立ち上がった。
いきなり立ち上がったせいか、一瞬目眩がしてよろける。
床に手を突き、身を起こし、ソファーにもたれながら立ち上がった。
台所を見る…灯された蛍光灯の明かりの下で、繁美の背中は白く滑らかに輝く。
後ろに束ねられた黒髪の間から覗く生白いうなじ、そこに後れ毛が絡まり独特の色気を放つ。
尾崎は足音を立てずに、ゆっくりと繁美に歩み寄る。
なおも鼻歌を歌い続ける繁美は気づいていないようだ。
脇の下の辺りで、わずかにはだけたエプロンの裾から、小振りだが丸みを帯びた乳房が見えた。
そして薄茶色の乳首もまた、その姿を現す。
尾崎はゴクリと生唾を飲み込んだ。
(あの乳房を、散々嬲った男が他にいるのか…!)
突如、尾崎豊の心に嫉妬の炎が燃え上がった。
繁美の過去の男関係を知り、激怒した心。
自分以外に、この繁美の柔らかな肉体を玩んで、快楽を貪った奴がこの世にいる…それが尾崎の嫉妬を煽る。
拳を握り締める尾崎、だが、ハッと我に返る。
勃起したちんこが内腿にこすれる。
その感触が、尾崎に痺れるような快感をもたらす。
すでにカウパー氏腺液が亀頭の先端を湿らせている。
尾崎自身が求めているのは、まさしくそれだった。
「…繁美」
尾崎は静かに声を掛ける。
繁美は一瞬、動きを止める。
だが、何も喋らない。
僅か2メートル程の二人の距離を、静寂が支配する。
- 70 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/18(日) 06:29:31
- C
繁美は尾崎の足音を察し、包丁を持つ手を止めてゆっくりと振り返った。
そして全裸のまま呆然と立ち尽くす尾崎の姿を一瞥する。
繁美を見返す尾崎…勃起した股間を隠そうともせず、縋るような哀れな目で尾崎は繁美を見つめ続ける。
勃起した尾崎のペニスを一瞥し、繁美は鼻で「フンッ!」と軽く笑った。
そのまま、やれやれといった感じで首を軽く振る。
ほんの数歩の距離に立つ二人の間には、無限の距離が広がっていた。
蛍光灯の明かりが煌々と照りつけるなか、二人はただ無言で立ち竦んだ。
全裸で勃起したままの尾崎豊と、裸エプロンの裾から乳房をはみ出させた繁美。
尾崎はそのまま、ゆっくりと繁美の前にひざまずいた。
嘲るように見下ろす視線を感じながら、尾崎は自分の勃起したままのペニスを手でつかむ。
繁美は呼応するように、キッチンテーブルの端に腰を掛ける。
そして尾崎に見せ付けるように、エプロンの端を両手でつまみ上げ、両脚を広げて自分の秘部をさらした。
尾崎は血走った目で、開かれた繁美の股間を注視した。
繁美の、肉の張った白い太ももの奥には、黒々とした陰毛が密集している。
下腹の迫り出し、陰になっているその部分に、赤黒く充血した陰核が僅かに覗く。
包皮に覆われたそれは、一部を露出させ、僅かに差し込む蛍光灯の明かりの中でヌメリと光った。
生い茂る茂みの中から現れた陰裂は、下に行くに従って徐々に幅を増す。
両縁を囲む陰唇部分は肉が盛り上がり、湿り気を帯びた秘肉の周りでグロテスクに張り付く。
その奥に、あの快楽の蜜壺があった。
尾崎は血走った目で、そこを見つめながら右手をしごいた。
繁美のサディスティックな視線を感じながら茎をこすりあげた。
繁美が高笑いする声を上から聞きながら亀頭を指先で刺激した。
数分後、キッチンのフローリングの床の上に向かって尾崎は射精した…泣きながら。
日が、暮れてゆく…。(了)
- 71 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/18(日) 06:31:01
- _/ \ // ∠-‐''丁 ̄ ̄ ̄ \ム ヽ
ー=ニ ァ / /, / 、 `ヽ. ヽ,/ー/ / ,イ | ! ヽヽ ハ ヽrz_ム
/ , 〃 / /' │ :lヽ ハ V/ / /│ ハ | ! l i| |_} \
. / / // / / │ :| ! i| l ヽ { / l ! '. |ヽ :|│ i| | l、 >
/ イ l | │ j ∧ l |\ i| │ \ ア `ヽVi ヽ l >弋!ヽ| | | lヽ<|
l/ | | l ∧ ハ l '. ハ j ヽ i| │ } ̄ !ィ≠kト、 ヽ X ァ示k i| リj│ l |
││ l|│ナ下/-ヽ | ヾ /_ム'― 弋| │ ! j |{i.f:::ハ` \´f_::::バj〉 ム「| ∨ |
j. │ |i V ,ィテ圷、ヽ ∨ ィチ示k l: ト W |!_r';_リ r';;_/ リ /´}.|: l
ヽ | ハ` Vf:::::i} Vf:::::i} Y| ム N ハ ' / /_ノ j ,' jl
ヽ |ヘ i l ゝー' `ー'' ハ! ,) }i|.| {小 v== ‐ァ / //  ̄ / リ
`l ヽム ' /:/ ルイ八 | \ `ー'´ / // / イ/
', |ヘ、 ‐ ィ' / / il ヽ |ヽ >、 __ , </ // //〃
ヽ lヽ >,、 イ/7 / ヾ、 \ !_ ゝ‐< _| // /7 /'/〃
\! V厶|>ー <レ_'/ // r ''7´\ /< _ / /〃∠≧<
r‐-(^>'´/ノ L、ヽr/7、_ / / // ,/== \/ /ノ´  ̄ヽ
r‐f'Y´| j-' | ___._ | `じ/ ,゙>ヘ/_ / // f/"⌒ヾ∨ // / ヽ
r‐ヘ_jJノ¨´ |´ _` ー<| 'ー '(_r'´_, l| { { / / // / |
- 72 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/18(日) 07:46:32
- (1/4)
『尾崎豊物語10 終章、春の夜の夢・編』
「俺は、俺は…見城さんの愛がなくちゃダメなんだ!」
ベッドの上で悶えながら、尾崎は絶叫した。
「…もう一度、僕を調教してくれよ! もう一度、もう一度だけでいいから!」
尾崎豊は愛が欲しかった。愛されたかった。
すでに二十代も半ばを越えた尾崎。
もう、かつてのように若者の代弁者なんて子供だましも通用しなくなっていた。
未だに彼を慕うのは、妄想から醒めない一部の狂ったファンとオウムの若手信者ぐらいだ。
見城と須藤が作り上げてくれた”十代のカリスマ”という虚像は、既に遠い過去の栄光に成り下がっていた。
尾崎豊は孤独だった。
「俺は…もしかして騙されていたのか?見城さん、須藤さん!俺のことを愛していてくれたんじゃなかったのか?」
尾崎はそう呟き、すぐに自らの言葉を否定してみせた。
そんなはずは無い、決してそんなことはない、と、自分自身に無理矢理言い聞かせる。
「まさか、俺の事を躍らせて、金儲けしてただけなのか?そんな…まさか…俺は信じない!」
しかし一度心に浮かんだ疑念は、尾崎の心をかき乱してゆく。
尾崎の脳裏で、どす黒い物がどろどろと渦巻いた。
…自分自身を前面に剥き出して疾走したあの熱狂のステージ。
魂が求めるままに叫び怒鳴ると、客席の愚衆共はそれに合わせ狂ったように熱狂し喚き涙を流した。
自分を崇め、激しく求め、完全に上気した表情で自分を見つめていたあの無数の羨望の視線。
あの身を貫く視線と、自らの狂気との狭間で、自分は何度も弾け、昇天したのだ。
(もう一度、もう一度あそこに立ちたい。あの場所で俺は燃え上がりたいんだ!)
尾崎はすすり泣き始めた。悔しかった。悲しかった。
いったい俺は何処へ行くのか?押し潰されそうな不安が尾崎を包む。
- 73 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/18(日) 07:48:54
- (2/4)
そんな時、彼は思い出したのだった。
かつて自分を売り出し、自分を世間知らずの青少年のヒーローに仕立ててくれた見城徹の存在を。
見城が自分を激しく求めたあの夜…尾崎はそのとき、本当の自分の居場所を見つけた気がした。
全てを委ね、一生この人に付いてゆく、あのホテルのベッドの上で、尾崎は確かに心に誓ったのだ。
まだ華奢な尾崎の肉体を蹂躙し、支配したあの強烈な愛撫。
汗ばんだ白い素肌の上を、無造作に這い回った図太い指。
その野蛮な愛撫の記憶が、尾崎の官能を焼き焦がしてゆく。
生臭い息吹と、膨れ上がった筋肉の中で見た極彩色の夢。
脊髄を貫く未知の快感に酔いしれ、溺れたあの若き日の熱情…。
「ああっ、見城さんっ!」
たまらなくなった尾崎は、ジーンズの生地の上から己の肉茎を撫でて刺激し始める。
「…俺、もう一度頑張るからさ。もうワガママばかり言わないよ。俺どうしたらいいかわからないんだ!」
ジーンズのファスナーを開き、その中に右手を差し込む。
既に熱く膨れ上がった己の肉茎を、指先で力強く揉みしだく。
そう、見城がかつてそうしてくれたように…。
「見城さん、お願いだ!もう一度、もう一度!俺のことを愛してくれ!」
少し腰を屈め、ジーンズを膝のあたりまでぎこちなく下ろし、蹴飛ばすようにして脱ぎ払う。
それを手で掴むと、床の上に放り投げ、そのまま尾崎は再びベッドの上に身を投げ出した。
ベッドの上で下半身を晒す尾崎は、暫く天井を見詰めていた。
股間の男根は隆々と勃起し、力強く起立し天井に首を向けたまま硬直している。
そう、かつて繁美がその逞しさに感嘆の溜め息を上げたあの肉茎だ。
しかし今、尾崎を奮い立たせているのは、見城徹への熱き思い、それだけだった。
尾崎は身を起こすと、おもむろに覚醒剤の粉末を指先に乗せた。
四つん這いになり両足を開くと、注意深く指先を自分の肛門に差し込む。
- 74 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/18(日) 07:51:33
- (3/4)
一瞬、尾崎の脳裏に「商業主義」という言葉が過ぎった。
(…まさか俺は見城さんと須藤さんの操り人形だったのか?)
そう考え、またすぐに否定した。いや、そんなはずはない!と力強く自分に言い聞かせた。
指先は肛門からゆっくりと直腸の粘膜を分け入った。
括約筋の圧力にビクつきながら恐る恐る奥へと進む。
指先に乗せられたクスリのパウダーが擦られ、腸管に塗り込められてゆく。
じわりと、熱い刺激が下腹部に広がってゆくのを感じる。
指が中ほどまで進入する頃、肛門の縁の辺りに痛みを覚えた。
古傷…見城さんに初斬された時以来弱くなっている部分だ。
見城さんが残していった傷。そのことが尾崎を昂ぶらせる。
気付くと尾崎は今にも射精しそうだった。
その亀頭は赤黒く充血し、痙攣を始めている。
「け、見城さん!」
尾崎は思わず呟いた。
悔しかった。
だが、自分は見城や須藤に抱かれて、ようやく立ち上がることができるのだと理解した。
自分の力のみで、自分自身だけで己の人生を切り開く…そんなこと虚構に過ぎない。
かつてあれほどに憎み、激しく反抗した存在…しかし、それあってこそ、己もまた立つことができるのだ。
結局自分もまた、そのような存在の中にいる一人の人間でしかないのだ。
己の叫んだ全ての言葉が、空虚な戯れ言でしかなかった…それは恐るべき真実だ。
だが彷徨い戸惑う心のどこかで、その残酷な事実を受け入れ始めていた。
それももう、遅い。
(商業主義、それとも愛?)
だがなおも、尾崎の思考は巡る…。
- 75 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/18(日) 07:52:10
- (4/4)
突然、肛門から脳天に突き抜けるような衝撃が走った。
あまりの衝撃に尾崎はその場に卒倒した。
頭蓋のなかで何かが爆発した。全身が喜びに激しくふるえる。
壁に拳や蹴りを無造作に叩き込む。拳の皮は擦り剥け血が流れだしたが全く気付かない。
目が血走って視界が朱に染まる。ゾクゾクするような快感が体の奥から吹き上がる。
頭の中で何かが爆発してように今までの思考が吹き飛んだ。
押し寄せる快感の波に耐えるかのようにのた打ち回った。
――体が熱い。燃えるように熱い。
そのまま大きく海老反って、両手両足を激しくバタつかせた。
勃起したペニスは遂に射精を開始した。
その瞬間、見城の愛を取り戻せた気がした。
だがなおも尾崎豊は激しく燃え上がってゆく。
体の芯から、マグマのように熱い奔流が溢れ、噴出してゆく。
スポットライトの中で踊り狂う自分がいた。
歓声が絶叫と入り混じって鼓膜を揺るがす。
暗い夜の帳が自分を呼んでいる。
その帳の向こうに、全ての自由が限りなく広がっている。
全てを脱ぎ捨てた尾崎豊は、いつしか扉を蹴り破り、ついには夜の街の中を駆け出していた。
血走った目を見開き、流れる汗も、涎も、拭わぬまま春風の中を駆け抜けた。
今なら、本当の自分に辿り着けそうな、そんな気がした。
限りなき無償の慈愛に包まれた、煌めくばかりの美しい果て。
「母さん!!」
そう叫ぶと、尾崎は目前に広がる無限のシャングリラに我が身を投げ出した…。
翌日、致死量の2倍の覚醒剤を打った状態で倒れ伏している尾崎豊が発見された。
直ちに病院に搬送されたが、救命の甲斐も虚しく間もなく死亡が確認された。 享年26歳。
(尾崎豊物語 終わり)
- 76 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/18(日) 07:53:34
- -、
\ /⌒ー‐‐-、
{^ \ / く \
\ \ / ヽ \
', ヽ / / \ ヽ
} }´ ̄ `ヽ/ / .\ l
ト、 l_ / .∧ ヽ、__ │
| ヽ/ \ー/⌒ヽ、', `ヽJ
ヽ. !'´ / / ヘV ヘ ヽ \
: ∧ │ jl │/l…ーヘ l | ヽ
/ |`トJ l{ |_!_{ iレzュ!、 l: !ヾ}
i |ミl jイテ丈ヽ /,ィァk}イ/Nl j/
l iNヽ{ 代i汀 jヒ;/'/! l|
/| l ^ヘ`ー'' i `´厶 八
:/i | l l ト,、 ー ' /、:/ ∧ ヽ
ハ ヽ\小 > -イ⌒∨ 人 `! ト、
ノ 人 l ゝ { ゙̄く人__} Vハl ヽ
/ ヽi ヽ \/| \/ :リ l
| l  ̄ ヽ_ j
| i: | / `く _ __
| i: i 丶 / ハ ノ( `ニ=ー- 、
l i: /-―‐‐-、 ヽ. / i } ,/{ >} 、>‐、ヽ\ヽ‐-
! ! ∧ \}/ // /了 \_ヽ \}_j J 丶、
ヽ ヽ { i ^ ー-イ</ ヽ `´ \ _
l lハ.ヽ / ヘ _ __\ \ ∠_  ̄ヽ___
i :| ノ! V\ ー '´ \ \ __ -一'´ `ー─‐ -、 \
i | :| :/ \\ \ \ -‐ ´ ̄ ̄ ̄ ̄ \
/ ` | { \\ ヽ、 _、 ヽ、 ___/ _,. -=ニ¬ー-、 ,ィ=<
{ ‐-、〉 ヽ ___ ヽ \ )' 、 `ー'´ _ - '´  ̄ ̄ ̄ ̄`\丶
〉´/`ヽX \ヽ、 / ` ‐- ._ _ - '´ __
く/ \\_か、‐==-、 _ >、`ヽ _ -‐'´ ` ‐- _ _, -‐ ´ _ -─‐  ̄ ̄ ` ー-
ー\_ヽ_>、)`ー’、__ ) ) )ミ)`ー==ニ¨_ ̄ ` ー 、_ ,. <── ¨ ̄
 ̄ ̄ ̄  ̄ ――‐ ――― ¨ ̄ ̄ ̄ ̄ `ヽ、 __, - '´
- 77 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/18(日) 19:24:08
- 『尾崎豊物語・番外編1 尾崎豊42の夜、過ぎ去った栄光・編』
@
尾崎豊は目覚めた。
周りの仲間達がまだ寝静まっている午前2時、尾崎はボロボロの毛布を肌蹴てムクリと起き上がる。
今日は水曜日、アルミ缶の収集作業に出かけねばオマンマ食い上げだ。
「うーん」
大きく深呼吸し、両手を伸ばして身体をほぐす。
傍らに置いてあったペットボトルの残りをグイッと飲み干して青テントから這い出る。
まだ肌寒い早春の風が吹き抜けた。尾崎は思わずブルッと震え、シミだらけのダウンジャケットの襟を正した。
水道の蛇口を捻り、薄汚れた顔をジャブジャブと洗い、薄汚れたタオルで顔で丁寧に顔を拭く。
端正だった目鼻立ちが僅かに残るその容貌は、転落した人生の苦悩が残酷に刻まれている。
髪の生え際が後退し、広がった額を少し気にする尾崎。
顔を洗い終えると植え込みに向かった。
シミだらけのジーンズのファスナーを下ろし、浅黒く萎びたペニスを引っ張り出す。
そのまま強烈なアンモニア臭のする小便を、植え込みの中にジョロジョロと垂れ流した。
「クソッ!」
尾崎は毒づいた。小便が軌道を逸れて靴とジーンズの裾を汚したためだ。
「なんてこった…2週間前に洗濯したばかりなのに」
尾崎は溜め息をつくと、近くに落ちていた古雑誌を拾い、ジーンズの濡れた部分を拭った。
「さあ、今日もアルミ缶を一杯拾うぞ!」
尾崎はそう声にだすと、青テントに掛けておいたズタ袋を担いで夜の新宿の街に出向いた。
不夜城の副都心、新宿のビル群は摩天楼の名にふさわしい威容で新宿中央公園を取り囲む。
尾崎豊はその真っ只中に最下層民の一人として地べたを這い回る生活を今日も続けていた。
かつての栄光など、まるで無かったかのように…。
- 78 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/18(日) 19:25:03
- A
尾崎は早足で東口ルミネ歓楽街に向かい、そこのゴミ集積所でアルミ缶を漁る。
週明け間もないこの日は、それほどゴミは多く出ない。
とはいえさすがに新宿である。ゴミ集積所には溢れんばかりのゴミや産業廃棄物が山積されていた。
酔客も疎らな通りで尾崎は、迷うことなくゴミの山に近付くとそこで屈む。
アルミ缶専用の廃棄カゴには、尾崎の予想したとおりに大量のアルミ缶があった…思わず笑顔を見せる尾崎。
尾崎は自ら持参したキャンバス地の業務用の荷袋(もちろん植木屋からの盗品)にアルミ缶を全て放り込む。
原材料費の値上がりで、相場は最近高騰気味だ…尾崎は今日の取り分を8000円ほどと予想した。
一仕事終えた尾崎は、各店舗から出された東京都指定ゴミ袋や水色のポリ容器などを丁寧に開け、中を調べる。
「どれ…今日も拾いものあるかな?」
手を突っ込んだ瞬間、さらに数匹のゴキブリがワラワラと逃げてゆく。
目指すは惣菜店が廃棄した賞味期限切れの弁当だ。
手付かずのまま、丸々一食分の食事にありつけるのは、今の尾崎にとっては大変有り難い。
10分後、惣菜店の破棄した海苔弁当とポテトサラダ、それと蟹カマを添えたサラダを発見した。
尾崎は喜んだ。そのまま路上に座り込み、それらを貪り喰う。
ゴミ捨て場にゴミを捨てに来たチェーン店の従業員が、人間のクズを見るような目で尾崎を見る。
しかし尾崎は気にも留めなかった。今はただ、空腹を満たすことだけが尾崎の唯一の楽しみであった。
- 79 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/18(日) 19:25:53
- B
一通り残飯を平らげると、尾崎は再びゴミ漁りを始めた。
するとゴミの山の奥から、30センチはあろうかという巨大な男根バイブレーターが発掘された。
「ああっ…こ、これは」
尾崎の脳裏に、若き日のあの熱い夜の思い出が過ぎった。
若く美しかったあの頃…15の夜、本当の自分と邂逅したあの春の夜。
そう、あの逞しい男の腕に抱かれ、何度も上り詰めた。
身体が引き裂かれるような激痛…しかし何時しかそれも喩えようもない快楽へと変わってゆく。
激しく自分を求め、愛してくれた男たちは、ステージ上で叫ぶ自分を求めるあの観客たち以上に、自分を変えてくれた。
寵愛と崇拝を一身に受けたあの頃…多くの視線が刺さり、逞しい肉根が貫く。
何度も昇天し、意識を失うほどの快感の中で震えていた、若く熱い日々…。
――ああ、もう一度…もう一度あの頃にもどれたら!
尾崎は立ち竦んだ。
ネオンの消えかけた新宿の繁華街で、たった一人取り残された尾崎。
まだ寒さの残る春風が、皺の刻まれた尾崎の頬を撫でる…かつて見城さんが愛撫してくれたように。
その生々しい感触を思い浮かべ、久しぶりに股間が熱くなるのを感じた。
手にした黒い巨大バイブレーター…アナルが疼痛する、何故だ?
――俺は、本当の自分にたどり着けたのか?
都会の夜は、答えてはくれなかった。
- 80 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/18(日) 19:26:29
- C
西戸山の公園通りで収集業者にアルミ缶を引き渡す。
受け取った代金は、尾崎の予想を外れ5500円ほどであった。
それを大事に懐にしまい込んだ尾崎は、上着の裾にしまったバイブレーターにもう一度触れた。
その固い感触を指先でなぞり、少し微笑んだ。
そのまま尾崎は再び新宿中央公園の青テントに戻っていった…すこし軽い足取りで。
尾崎豊、42の夜は更けてゆく…。(了)
- 81 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/18(日) 19:43:36
- /`:ー=、二 ..ー...、
「 ̄ ̄ ̄:.`ヽ:..:..:...:.\:.:.:.:.:.\
__j\:...:ヽ:.ヽ:...:...:..:ヽ:...:.:.ヽ、-、:ハ
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ハ:...トヘト:...:l、:.,.lLA:A:.ト:|:...:ト|_:.:イ:丶ヽ
,小:.ヽ:ヽ ヽ:|ヘ:.「l「_⊥.!_:.:...l|:__:/:.:.:.lハ:|
/:...:.ト:./´:ヽ | ーチィて::ル'l...:.!⌒}l:..:.小 }
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lハ{ヽト.:ト.代:z〉 ´ !:|..:..|:.:...|/:.:.:.:|:..l
|! __rヘヽハ´ ` _._-ノ ノイ:...:!:.l...!:.:.:.:.:.| l..l
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r‐くヽ ヽ_´r 爪::|: : : :/ /....:.:/ト/|..l.!..:.! ///_`ハ l:...l
/ 丶三_7 jl: l::! : : l /./:.:.イ:|': ハ:.l,〉:.V∠ _ {:ハl....l
/ ‐ ´/ ハ:l::l: : :レ':.イ:.,/,.|:|: : : >Vヽ:ヽ |: : l l:...l
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j / /ハ. ヽ、: |ノリ{{/: /.'/ / /:.:.:.| l....l
/ / イ:.:.:.:.,| ヽ、! /ニ‐:/ / /:.:.:.:.:.l |.:|
{ ノ/:..:..:.:lノ _...-┴Lェ≦..、 イ .イ:.|:...:|:...l |..|
∧ _.. イ /..:./:.:l{ ヽ:_:.-ァナト、:.:.:/ / / /:.ハ:..:|:...:l |...:|
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ィ≦_∠:ィ/: : : :/:./: : : : : : : : :ハ:! : |: : : : : :Y /_イ' jハ_{ト-
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- 82 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/18(日) 19:56:25
- 『尾崎豊物語・番外編2 忘れな草 forget me not・編』
@
「バカじゃないの、あんた…」
かつての妻、繁美に真正面から面罵された尾崎豊は衝撃を受けた。
六本木の交差点、人だかりの中で迷惑そうに尾崎から目を背ける繁美。
40を超えたとはとても思えない洗練されたスタイルは、かつて尾崎に殴打され続けた過去などなかったかのようだ。
際どく切り詰められたスカートから覗く脚のラインは、そこいらの小娘など太刀打ちできないほどの色気が漂う。
幸せの只中に生きる女…今の繁美は間違いなく勝利者だった。
その目の前で崩れ落ち、膝をつく尾崎。
通行人たちはその光景を好奇の目で見つめる。
繁美の連れの長身の優男は、尾崎を警戒しながら近寄る。
その様子を横目に見た繁美は、口元に僅かな苦笑いを浮かべて男を制する。
こんな冴えない男など、もはや何の危険もないのよ、と言わんばかりに。
そのまま繁美の肩を優しく抱いたその男は、路上で震える尾崎を嘲笑うように見下ろした。
同時に路肩に止めてあるベンツ600LSから近寄る運転手に手で合図し、そのまま待つように促す。
「な、何て言ったの、繁美?」
尾崎はもう一度尋ねる。
その声は恐怖に震えていた。
すると繁美はウェーブの掛かった長い前髪を手でかき上げながら尾崎に向き直り、再び言った。
「バカって言ったの…それに超キモい」
尾崎を見つめる繁美の目は、まるで道端に落ちている犬の糞を見るそれだ。
動揺を隠せない尾崎は、繁美の目の前でオロオロとするばかりだった。
周囲の野次馬の指すような目線の中で、尾崎は震えながらうな垂れる。
そんな尾崎の哀れな姿に対して繁美は意地悪くニヤリと笑った。
「二度とあたしの前に姿見せないでくれる、豊。もう私達はなんの関係もないの」
そう言い放つと繁美は、尾崎の足元にペッと唾を吐きだし、待たせてあったベンツの後部座席に乗り込んだ。
そのまま尾崎など一瞥にもせず、ベンツはしなやかな発進する。
ショックのあまり尾崎はその場で固まった。
遠ざかるベンツの姿を、呆けたような目で追う。
信号が青に変わった。
通行人たちは半ば憐れみ、半ば嘲るような目で尾崎を見下ろしながら横断歩道を渡ってゆく。
都会の喧騒が、尾崎の耳の中で残酷に響く。
- 83 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/18(日) 19:57:01
- A
そのまま尾崎は泣いた。そのまま泣き崩れた。地面に蹲り、オイオイと号泣した。
仕事を失い、尾羽打ち枯らした今の尾崎はすでに限界に達している。
誰も自分を愛してくれない。
多くの聴衆の喝采と崇拝を受けたかつての姿は、今の尾崎にはどこにもなかった。
(どうして…どうして誰も俺を愛してくれないんだ!)
アスファルトに突っ伏しながら尾崎の心は叫んだ。
――大都会のコンクリートの中で埋もれそうな…そして忘れ去られてしまった俺は…
「俺は…忘れな草」
尾崎は小声で呟いた。
その声も、都会の喧騒の中に掻き消えてゆく。
尾崎は尚も泣きつづけた。
大都会の只中で、たった一人で。
…泣きながら、ふと、目の前を見た。
その目線の先、アスファルトの表面には、繁美が吐き出した唾がこびり付いていた。
少し乾きかけたそれは、アスファルトを僅かに黒く滲ませている。
尾崎はゆっくりとそこまで這い寄った。
繁美の唾液、繁美の分身…それは尾崎自身が失ってしまった愛の欠片だ。
尾崎の心臓の鼓動は高鳴る。同時に、若き日の思い出が脳裏を過ぎる。
巧みな舌技で尾崎を翻弄してくれた繁美の愛撫…あの熱き愛撫を、どれだけ経験しただろうか?
繁美の柔らかな肉感…吸い付くような肌に、なんど尾崎は埋もれただろうか?
尾崎の股間は熱を帯びてゆく。
尾崎は地面に顔を近づけた。
口を空け、舌を伸ばす。その舌先はゆっくりと繁美の唾液に向かって伸ばされてゆく…。
通行人の怪訝な視線を浴びる中で、尾崎はそのままアスファルトにキスをした。
夢中で繁美の唾液を舐めた。そのまま音を立ててすすった。
愛を取り戻せた気がした。(了)
- 84 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/18(日) 20:00:14
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ヽト、:.ヽ _, | l `ヽ:::::::∠_ `ミ==== 彡人 ´ ̄
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- 85 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/18(日) 20:27:07
- 『尾崎豊物語・番外編3 本当の自分、たどり着いた真実・編』
@
はっとして目が覚めた尾崎豊42歳。周りを見るといつもの四畳半のアパートだった。
「お、俺は夢でも見ていたのか?」
尾崎はボーッとする頭で考えた。昨晩、灼熱のロックステージで熱く燃え滾ったあの自分は一体…?
壁掛け時計は午前6時50分を差している。
建て付けの悪い曇りガラスから、薄暗い朝日がさしこみ、尾崎の頬を優しく撫でる。
遠くからかすかに車のエンジン音が響く。
「…そうか」尾崎は呟いた。
「あれは全部、夢だったんだ」
尾崎は起き上がって着替えを始めた。
「さて、今日も仕事だ、今まで遊んでた分、ちゃんと取り戻さなくちゃな」
ボロアパートの扉を開き、尾崎はまだ寒さの残る早春の風に身を震わせながらバス停に向かう。
向かう先は西川口配送センター。
覚醒剤での逮捕歴、その後の転落と浮浪生活の挙句、よくやくみとめられた生活保護申請。
役所から斡旋されたアパートで住所を手に入れることができ、ハローワークでようやくありついた派遣仕事。
かつての若者のカリスマは、社会の底辺で彷徨うワーキングプアに落ちぶれていた…。
尾崎はいつも通りタイムカードを通してロッカールームに向かった。
作業着に着替え、倉庫前の納入業者用トラック待機エリアに集合する配送ライン作業員達。
その群れの中に笑顔の尾崎豊がいた。尾崎豊、42歳の青春だ。
ライン長が2〜3分ほど注意事項を伝達する。
散会を告げられると共に、ライン工たちは各部署へと散ってゆく。
始業のベルが鳴ると共にコンベアが稼動しだす。
それと共に積載されたダンボール箱がそれぞれのラインへと流入してゆく。
尾崎は笑顔で作業を始めた。ちなみに時給は700円だ。
尾崎はこの西川口配送センターの建物をパンデモニウムと名づけていた。
そう、大人達が作り上げた社会システムを体現したような、システマティックで効率重視の巨大機械。
長距離運送用10トントラックのことをドラゴンと呼び、配送用2トントラックの事をモンスターと呼んでいた。
さらに配送所の仕分け作業員のことをドワーフと呼び、トラックドライバーのことを竜使いと呼んでいた。
全てシステムの奴隷…彼らは支配され、隷属させられ、酷使され、搾取されるだけの存在。
かつて自分が敵視し、反抗したあの社会の犠牲者たちだ。
そして尾崎豊は、周りから電波さんと呼ばれていた。
- 86 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/18(日) 20:28:08
- A
「俺、妖精と話せるんだ…」
尾崎は同じラインに並んで仕事をするフリーター崩れに自慢げに言った。
「へえ、本当かよ…」
周りの連中は面倒臭そうに答えた。そのままいそいそと荷物積載作業の戻る。
生産調整で毎日ラインに並ぶ単純労働作業員の数が入れ替わるこの配送センター。
そんな職場環境で、一々こんな電波と親しくしようとする奴はいなかった。
孤独を募らせる尾崎…あの灼熱のステージでは、多くの若者達が自分を崇拝してくれた。
しかしここで働く派遣労働者たちはどうだ?
みな精気のない澱んだ目をして、押し黙ったままだ。
(世の中のルールが悪いんだ!)
そう尾崎は悟った。
(権力にすがりつく醜い大人たちが、こうした若者たちの個性や才能を押し潰しているんだ!許せない!)
尾崎は怒りに震えた。
「おいっ、そこっ!サボってないでちゃんと仕事しろーっ!」
遠くからライン長が怒鳴る声が聞こえる…。
…休憩時間、尾崎は中庭でパック牛乳を飲みながら彼だけに見える妖精と話をした。
「ライン長がお前のケツを狙っているぞ尾崎!アイツはホモだからな。お前のケツを眺めてうっとりとしてたぜ!」
妖精は尾崎の耳元で囁くと、悪戯っぽくニヤリと笑った。
「…な、何だって!ゆ、許せない、あの野郎!」
尾崎は怒りに震え、立ち上がった。
傍らに落ちていた鉄パイプを掴んだ。
…一時間後、尾崎はライン長を鉄パイプで殴り重傷を負わせた。
一方尾崎は周りの工員達に取り押さえられながら
「妖精が教えてくれたんだ!妖精がボクに教えてくれたんだよ!」
と、半狂乱になって叫んでいた。
警察病院で、尾崎豊は境界性人格障害と診断された。
それが今の尾崎豊(42歳)の真実だった。 (了)
- 87 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/18(日) 20:29:21
- ,ィ-ァ
_,_-―_{ヽ{ /{
_∠z=- 、 :`ヽ ヽfZY⌒>
__ . -.':/ . ..-.―\: `「フ笊弋_フ
「|'!!! /: :_:/ / : : : : :: >\: ヽリミ.┴、 / 〉
| !||| /‐ 7: //: : : :\z∠:_:_斗: :.トミ、二リ__ノノ
r‐、.! ヽ /: : :|′ヽ:\:/`ー/f筰ミ.ヽ: :V\-く二_ク
`ヽ` \ /:.,.ィ小: : :{>ー ̄' ヾZ:ツ !: :!:: : :「 ̄
`ー- 、 ` ー ._ |〃 |:.ト:ヽ´ト、__.‐_ }: :|: : :.|
\ `丶.ヽ ヽ:.下、{i⌒ '_ ノヽ ハ:.ト:.ヽ:{
\ _>{/\:.ヽ. ` ー' / |:小:}{ \
` ‐- ミ.ー个::/::.:.:..::下ァ不´ 从}:小、
` |::ハ::::l从:{く_{{___.斗´メ、
ヽ>、{| {>'-if ̄ー/:.:/ `¨ ヽ、
{:..:..:.ヽ:く, - j:L...ノ:.:./ \
ヽ: . . :=、 ̄ : :/ - 、 \
/_ー : :、: : : . .:{´ / ` - . ` ー- 、 ,v7
/  ̄`ヽ:、:_,: : :>' `ヽ、 \ ///}
′ \: / \ \ /} //|
ト、 | / `丶、 ` 7 .{- ノ
l: ヽ. ノ | / .イ `¨廴ノ/
l. :.ハ / j { /: :{
\-ヽ:{ :V ヽ /: :/
ヽヽ:7、 ∨: ノ-――ァ
`ハ:.丶.. __ .. -‐ :てッイ-― ´
.′ ヽ、: : : : : : :._. -==イ
i ヽ: : : : / ト、
| ヽ: :{′ ∨ , ==、、
| 7、 、 /⌒ヽ. ヽ
| | ヽ ヽ ノ - ' \l!
| | >. ヽ / く 〉、
l | / ヽ ヽ. / / \_{{/ヘ
l l > ヽ. / . `マjトミ}
i ! / ヽ 〈 / `´
l ! / 丶 i /
. { / \ /
ヽ / \ .′
ヽ. ノ 丶 ノ
 ̄  ̄
- 88 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/18(日) 21:13:31
- 『X JAPAN物語 神の乱心 〜尾崎ファンと並ぶキチガイ揃いのXファンを想ひて〜 』
@
「なんということだ!」
TOSHIは驚愕した。
今日まで自分の熱き思いが目の前の聴衆に伝わったと思っていた…しかし彼らは裏切った。
彼らが欲していたのは安っぽい熱狂と、安っぽい感動、そして身勝手な自己陶酔であった。
発狂したように歓声を上げる愚衆を前にカリスマは涙した。
マイクスタンドにもたれかかり肩を震わせながら嗚咽した。
HIDEのギターはコーラスとフェイザー掛かったディストージョンサウンドを響かせ、PATAのリードが空間を切り裂く。
うねるようにラインを刻むTAIJIのベースがグルーヴをあおる。
そして稀代の鬼リーダー、林佳樹はヒステリックに何かを叫び、ツーバスドラムの後ろでのた打ち回る。
…しかし今のTOSHIにとっては、そうした全てが雑音だった。
(穢れてる!汚れてる!堕落している!)
心の中でTOSHIは叫んだ。結局みんな俺の苦悩をわかってくれなかったのだ。それが悲しかった。悔しかった。
ギターソロが終わり曲はサビに突入した。しかしTOSHIは俯いたままだ。
聴衆は彼を求めた。彼の甲高い絶叫を求めた。メンバーはTOSHIの発狂したようなパフォーマンスを促す。
「早く歌えよコラッ!とっとと歌え!…早くしねえとあとで肛門をアロンアルファで接着しちまうぞ!」
後ろのドラムセットから林佳樹が痺れを切らし、怒り狂ってTOSHIを怒鳴りつけた。
TOSHIは稀代のナルシスト・林佳樹の怒鳴り声を耳にしてハッと我に返った。
ご主人様たる林佳樹の巧みな調教によりマゾ奴隷として開発されたTOSHI。
そんな彼にとって林佳樹の命令は絶対であり、神の声に等しい。
TOSHIは顔を上げた。そしてマイクに向かった。
怯えたような表情で林佳樹の方を振り返る…そこでは林佳樹は既に般若のような形相でカリスマを睨みつけていた。
サディスト特有の酷薄な林佳樹の視線とかち合ったTOSHI…一瞬肛門がキュッと締まるような恐怖を覚えた。
しかし同時にそれは、彼にとって喩えようもない快感でもあったのだが。
- 89 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/18(日) 21:14:34
- A
TOSHIは林佳樹の視線から逃げるように観客の方へと向き直った。
ここに集う哀れな信者は、バケモノ顎男ことカリスマ出山の金切り声を求めてはいない。
彼らはヴィジュアル系サディストの林佳樹や窒息オナニー男HIDEが作り出した虚構を求めている。
愚衆を安っぽく熱狂させ金を吸い上げる、ただそれだけのナルシストショーステージ…。
そう、TOSHIはX JAPANの中では単なる張子だったのだ。
商業資本主義の奏でる悪魔の歌を歌っていただけ…ただそれだけの存在だったのだ。
今日、それに気付いてしまった。
(何ということだ!何という…)
彼の中で何か崩れた。
当初、歓喜の絶叫を上げる観客たちの声が、徐々に戸惑いを見せはじめる。
そしてそれは不安げなざわめきに変わり、東京ドームにさざ波のように広がってゆく。
徐々に状況がつかめたのだろうか、客席のアチラコチラで散発的に悲鳴が上がる。
「何やってるんだTOSHI!俺たちの求めるのはX JAPANの歌なんだ!そんなことやめてくれっ!」
信者たちが叫んだ。殆ど恐怖と言ってもよい叫びだ。
彼ら無辜の平民が崇め奉る御子…彼ら信者の神が、今まさに崩れ去ろうとしている!
愚衆のカリスマこと出山利三は観客席全体を見渡した後、ゆっくりと微笑んだ。
それは何か突き抜けたような、躁的な狂気に満ちた不気味な笑顔だった。
今までステージ上で殆ど笑ったことなど無かった彼が、今日、巨大な顎を大きく開いて笑った。
再び彼は後ろを向き、観客に背を向けた。
同時に皮パンのベルトをカチャカチャと外して腰をかがめてしゃがみこむ。
客席にイボだらけの汚いケツを向けると全身全霊の力を込めて踏ん張り始める。
観客の絶叫、林佳樹の怒号…それらが渦巻く中でTOSHIは唸り声を上げ始める。
そしてその混沌がクライマックスに達した瞬間、スポットライトの集中するステージ中央に巨大な大便を垂れ流した。
…黒ずんだ見事な一本糞は、カクテルライトの煌めく中で妖しく黒光りした。(了)
- 90 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/18(日) 21:16:12
- _,.-ァ―、
.. -ァ‐ 千/ ´l / |-、
/ / | l || i{ イ} ヘ ヽ、
,/ _,ハ. ト斗l士トlヽト、ニ} ヽ\
}、`三 ハ{トィVr示ミト` _V リ !| !. l
_ 小.Y´/ !| `迯j{ ` rミ}イ リ ハ }
_ .. ―  ̄ イ /レ/ / { 叉ソイjノ /′
.. -‐  ̄ / //イ /! |、\ 、 _ 个 、
, ´ _. ― / // {{ | ハ{ ト{ ー- - `ハ 、_`ー_、
/ _. - ¨ / / ハヽ|小ーヽ ,イ、 \_ `
/ . - / , ‐/ rz‐{. ヽト 、 r‐┬ヘ \ー ´ ̄
/ , - ´ _ _ ― ´ . ´ / /- ヽ ー- \_\ /、 \  ̄
,/ , .. ― . - ´ _. ´ /.イ `\  ̄ ̄ ` ー-ミー ___ .. ィ´
/' / ̄ . - ´ _.. - ´ ,.ィ' / / ト`ー、--┬、_ー_-ヽ、 ―=---‐ァ´
. // / / // l / l ` 弋=ミ-、 ヽ.r代‐、ヽ.ー=---‐_´
/ィ/ / / / / / }ノ ∨ \ `ーミ‐ヾ. ヽ\ヽ  ̄´
// / / / ,イ / / } ノ ` ―-、\{!. ト. _リ--z___
/ / ,/ / / { l7ヽ _} /ノイ \`ヽ!∨ ´ _. --―`ヽ
/ イ /′ / 〉、! リ / rー、| l! _.∠ -=、
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. l / / // / イ { ! / /`ヽ ー-ァjr'、イ´.. -―`ヽ
′l / l l! / | l | ハ | / ト ,∠ -ィfー‐´┬/ A弋´
| | ,′! .|! . | | | ハ l |ハ ヽ._ ノ.. -‐┴' 了¨ 7 /‐!}ヽ.ヽ--_--__ _
! l | !| l ! ! ∨ | | 、 /フ´ /´ | / { `l \\ ̄ ー ミ`丶
ヽ.| l | l | | | / l ヽ/ l { l ! `ー\ __\
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ヽ | l | ! ト、 ハ | 7 l \ ヽ.ヽ ト、_ ヽ.___ヽ、
ヽ ヽ ヽ. ヽ!∨/ | ∨ | `ヽ! `ヽ \ `ヽ
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- 91 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/18(日) 21:46:03
- 『X JAPAN物語 悪魔の目覚め』
@
「…今我々人類には危機が迫っているんです!あ…悪魔が甦り人類への復讐を成そうとしているんです!」
記者会見の席でカリスマは涙ながらに絶叫した。
「皆さん気付いてください!このままじゃ人類は滅亡して…滅亡してしまうんですっ!」
TOSHIはもはや昂ぶる感情を抑えることは出来ない。
椅子から立ち上がり拳を振り上げ、ただでさえ甲高い声をさらに張り上げて怒鳴り続けた。
(今、本当に人類の危機が迫っている!)
大宇宙の創造主から受け取った電波メッセージ…TOSHIは地球に迫る危機に慄然とした。
悪魔が目覚めたら、この世界から子供達の笑顔が消えてしまう、そう思うとTOSHIはいてもたってもいられなかった。
今此処で皆に知らせなければ!そういった使命感がTOSHIをさらに奮い立たせた。
「お願いです記者の皆さん!僕の…僕の言っていることをちゃんと聞いてください!」
拳でテーブルを思い切り殴りつけ、搾り出すように叫んだ。
「皆さんの手で世の中の人にこの危機を知らしめてください!」
…会見場に集まった記者たちは唖然として言葉を失った。
静まり返る会見場の中でTOSHIはただ一人が狂ったように泣き叫んでいる。
その常軌を逸した姿を前に彼らは何を質問すべきか言葉が見つからなかった。
(…くそっ!何やってんだよ出山!)
林佳樹は不機嫌そうに小声で呟く。
(貴様のせいで今日の東京ドーム黒ミサ…いや、ライブが台無しになったってのに。ふざけやがって!)
泣き叫ぶカリスマの横で、林佳樹は怒りに燃えた一瞥をカリスマに向けるとギリリと歯を食いしばる。
そして林佳樹はそれっきり黙りこくり、記者会見が終わるまで遂に一言も言葉を発しなかった。
会見がうやむやのまま終了すると、TOSHIはマネージャーに抱きかかえられるようにして会見場を後にした。
絶叫し泣き疲れて、もはや足腰が立たなくなっていたのだ。
マネージャーの方もTOSHIを支えながら困ったような表情をしている。
メンバー達も呆れたような顔をし、首を振りながら席を立った。
PATAはHIDEと目線を交わすと少し苦笑いした。
HIDEもそれに答えるように悲しそうに笑い返した。そして2人は並んで控え室に向かった。
- 92 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/18(日) 21:46:50
- A
…記者たちも皆出て行き、照明も落とされた人気のない会見場で、林佳樹は一人座っていた。
少し俯き加減にテーブルに向かっている林佳樹。
その肩は怒りで震え、食いしばった歯は上唇を裂き、口角から血が滴っていた。握り締めた拳は力んで震えている。
「あ、あの野郎!よくも俺の黒ミサを…黒ミサを台無しにしやがったなっ!絶対に…絶対に許せねえ!」
そういうと林佳樹は拳を大きく振り上げて、思いっきり机に振り下ろした。
「ズバキィッ!」
黒檀のテーブルの天板が真っ二つに砕けた。
人気の無い会見場の中でその破壊音はことさら大きく響く。
「…どうしたんですか佳樹さん!今、物凄い音がし、ええっ!」
物音に気づいたスタッフの一人が戻って駆けつけてきた。
そして砕けたテーブルの前で立ちすくむ佳樹の姿を見て仰天する。
「…いや、別に何も。大丈夫だよ。…なんか急にテーブルが壊れてしまって…」
「でも佳樹さん、右手から血が出てま…あ、えあっ!」
佳樹の右の拳から血が滴っていた。しかしスタッフが驚いたのはそれだけではなかった。
佳樹の右拳の傷口から流れている血の色が…青色だったのだ。
「えっ…う、うあっ」
「…見たな。」
佳樹は驚くスタッフを睨みつけた。怒りとも喜びともつかない凄まじい笑顔だった。
人間ではない! スタッフは本能でそう思った。
佳樹の目は野獣のそれのように黄金色一色に輝き、大きく耳元まで裂けた口元から、
まるでサーベルタイガーの様な長い牙がギラリと光った。
(…サーベルタイガーって、HIDEさんのバンドだったよな…)
恐怖に震えるこのような状況でスタッフな何故かそんなことを思った。
思った瞬間、すでに7〜8メートルの距離を一気に跳んだ佳樹の長い爪がスタッフの肩口に深々と食い込んでいた。
凄まじい激痛!しかし 叫び声が上がる前にすでに佳樹の巨大な犬歯がスタッフの喉を食い破った。
スタッフが人生最後に見た光景は、会見場の壁の鏡に映る佳樹の真の姿だった。
間接照明の明かりの中での佳樹の姿は…巨大な黒い翼を背中、毛むくじゃらのヤギのような蹴爪を持つ下半身、
尻から伸びる先端が矢印のように尖った長く黒い尻尾、そして佳樹の顔は…まさしく伝説の悪魔そのものだった。
- 93 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/18(日) 21:47:28
- B
「佳樹さん!遅かったですね、何やってたんです?今、TOSHIさんが控え室で大変なんです!」
ツアーマネージャーが血相変えて佳樹に話しかけてきた。
「どうしたんだい?」
佳樹は落ち着いたまま、笑顔でツアーマネに向き直る。
「TOSHIさんが控え室で踊り狂いながらウンチを漏らしているんです。何を言っても上の空で…一体どうしたんでしょう?」
ツアーマネージャーは佳樹に縋るような顔をした。
…控え室の様子は惨憺たるモノだった。
下半身丸出しのTOSHIが、なにやら呪文めいた奇声を上げて踊り狂っている。
部屋中のあちらこちらに屎尿や糞が散らばり、悪臭が充満する部屋でただ一人TOSHIだけが笑っている。
HIDEもPATAもTAIJIもなす術が無く、少し離れた場所から固唾を呑んで見守っている。
ツアースタッフたちはオロオロするばかりで、糞尿塗れの控え室で右往左往していた。
その様子を見た林佳樹は微笑んだ。
(…確かにカリスマは何かに気付いたのかも知れない。しかし一体それが何なのかまで気付くアタマは無い。)
佳樹はスタッフたちを押しのけるように控え室に入った。
TOSHIはそれに気づいていないようだ。相変わらず甲高い声で喚きながら、自分の体に自分の糞を塗り手繰る。
(本能的な恐怖感がカリスマを追い詰めて狂わせ、自分も何してよいのか分からず悶え苦しんでいるんだろう。)
糞塗れのTOSHIの姿に佳樹は顔を顰めた。しかしTOSHIも、その恐怖の存在が何なのか理解していないようだ。
「ふんっ、まあいい…」
佳樹は呟いた。コイツがこのままならば今のところ、俺の計画には何の支障も無いな、放っておこう。
そう思ってニヤリと微笑んだ佳樹は控え室の中へと入って行った。
床中に散らばる大便を踏まないように注意しながらTOSHIに近づくと、踊り叫ぶカリスマに向かって大声で一喝した。
「出山ぁっ!何なんだこの有様はぁっ!後でキッチリ御仕置きしてやるからなぁっ!覚悟しとけっ!」
するとTOSHIはビクッと反応した。そして動きを止めると怯えたように身を竦め、涙ぐんだ目で佳樹の方を見上げた。
そのまま床にへたり込んで突っ伏し、シクシクとすすり泣きを始める。
(…やはり。まだ俺のマゾ調教は出山に効いているらしいな)
自分の足元で泣き崩れるTOSHIの哀れな姿を、氷のように冷たい目で見下ろす林佳樹。
(俺の黒ミサのために当分張子になって頑張ってもらうぜ!まだまだお前には利用価値があるからな…ふふふっ)
林佳樹は微笑んだ。一喝でTOSHIを黙らせた佳樹にスタッフたちが驚いている中で。
そして遂には声を出して笑った。腹の底から高らかに笑った。(了)
- 94 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/18(日) 21:51:17
- |〃、 ii 川 ヾ レ'/::::::::::〃爪::::::川::::::::||:::ヽ::::i::::::::::::i!\ \::::::::::
ノ ,/ |! i|| iiハ | //::i:::::::::||:::| |i:|:::||!i::::::::::|i::::ヽ:::::|!:::::::::||:::\ \::::::
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i i!i | | | i/ / | / ii | |ト、i:|!:::!゙!::|::::| ゙i ゙、ヾ'、 ゙、‐|、i:::::::::||:::::::|::::::::::::::::::ヽ:::
/i/|ii!//|!/!i/´i/ .|i |/ノi\i!゙、:iヽ|:::| ヽ 'i ! ヾi |'!ヽ::::||::::::/:::::::::::::::::::::ヽ
i i 川i!ハ/" _! | │川 ヾ:ii ゙'∨ | ゙ヾiヽヽ;||:::::i':::::::::::::::::::::::::
ノ ノ/リ,,,,,,二三テ=''" ヽノル |ノノヽヾ ノ 、,,,ノ,、 iヽ:::||:::::i'::::::::::::::::::::::::::::
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i i ゙! ん、,,ノ,__,,,r'' /:::::::/::::::/::::::::::::/:::://
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ヾ!トl ゙iU i | //::::::/::::::/::::::/:::/:::::i!::::::
iiミ! ハ i ° ゙、 //::::://::::/::::::/:::::/::::i::::ii::
i!ヾ!i ゙、! , ' |゙ヽ......,.,.,.,,,///://::://::::/::::://::::i::::リ::
!ヽヾi i゙、 ___,,,/ レWノ'レi/、//::/:://:/:::/::/:::ハ:i |::
、、iヾミヽ ヾ''~川リ i i゙、 " ∨ノ / i/::///:/ .|:i i:::
! | i ヾ、゙、 ヽ、!i i|ヾ ゙、゙、゙、 /i ,ニニ--..,,/ |! !ノ::
ヾ ! ヾ、ヽ ゙ヽi |!iヾ、ヽヽヽ ,,!r''~ `~゙'''''ヽ、
- 95 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/19(月) 00:51:29
- 『十文字タケルの戦い 〜十文字タケル、最大の危機』
@
(…クソッ!!小学生だと思って甘く見てたぜ!)
正義のヒーロー・十文字タケルは、小学生4年生・香苗ちゃんを目の前に驚愕していた。
まさかこんな小娘・香苗ちゃんにこれ程のオーラルテクがあるとは思ってもみなかったのだ。
すでに彼女の抜群のフェラで3度も絶頂に至り、たっぷりの精液を放出してしまった十文字タケル。
今回の敵は手ごわかった。
見た目はガキ。しかもキュートな猫耳。確実にローティーン。
正義の味方にしてロリロリな十文字タケルのストライクゾーンだ。
だが小学4年生香苗ちゃんは、そのあどけない見た目とは裏腹にとんでもないフェラテクの使い手。
――まさか魔王ペロポンテは、俺の弱点をわかった上で香苗ちゃんを送り込んできたのか!
このままではまずい。
だが…
「ぐ、があっ!」
けたたましい叫び声とともに、十文字タケルは遂に4回目の放精を許してしまった。
あまりの快感に身体を打ち震わせながら、肉茎から大量の精液を吐き出す。
香苗ちゃんは放出された十文字の精を口の中で受け取り、それを美味しそうに飲み込んで微笑んだ。
また口から溢れた精液を指先で丁寧にぬぐい、それもまた舌で舐めとってみせた。
(何て…何て小娘なんだ。この俺がこんな娘に翻弄されてしまうなんて!)
キャッキャとはしゃぐ香苗ちゃんの目の前で、正義の味方・十文字タケルは力なく崩れ落ちた。
「どう、おにいさん。もうこうさんする?」
香苗ちゃんは十文字タケルを見下ろしながら、嬉しそうに微笑んだ。
百戦錬磨の男根を手玉にしたとは思えないほど、あどけない笑顔だ。
「このままでは、この小娘に精気を全て吸い取られて死んでしまう…どうしたらいいんだ?」
香苗ちゃんのピュアな笑顔に、十文字タケルは戦慄を覚えた。
しかし、再び肉茎をくわえ込んだ香苗ちゃんのフェラテクに、ビンビン反応してゆく自分を抑えることはできなかった。
- 96 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/19(月) 00:52:31
- A
…めくるめく快感の中で十文字タケルは、今まで戦った数多くの敵たちのことを思った。
世界征服を企む魔王ペロポンテたちが送り込んだ数々の美女…いや魔物たち。
抜群の乳房を持ちエレーヌ、究極のヒップをフリフリさせたマリアンヌ、フィンガーテクでは他の追随を許さないマリア。
数多くのセクシーな美女、じゃなくて、凶悪な敵たちの甘いテク、じゃなくて攻撃。
そんな数々の試練で、どれほど十文字タケルは法悦に浸った、じゃなくて苦しめられたことか…。
そうした苦境を乗り越え、十文字タケルはこの地球を守り続けてきたのだ。
――そうだ、俺こと正義の味方・十文字タケルこそ、この美しい世界を守る救世主なのだ!
挫けそうな十文字タケルのペニ…じゃなくて心に、再び正義の炎が燃え上がった。
射精寸前まで勃起しきったペニスを抜き払うと、十文字タケルはそのまま小学四年生香苗ちゃんの上にのしかかる。
そして、突然のことに驚愕する小娘を睨みつけ、十文字タケルは叫んだ。
「お前のような小娘に俺が屈すると思ったのか!」
叫びながら香苗ちゃんのワンピースを破り、パンティーを千切り取った。
「キャアッ!」
恐怖のあまり悲鳴を上げる香苗ちゃんを、十文字タケルは血走った目で睨みつけ、床に押し倒す。
鼻息は荒く、口元からはヨダレが溢れ、もちろん股間はビンビン。
「大人をなめるなよ小娘!本当の男の凄さを、この俺様がお前に教えてやるわ!」
周囲に響き渡る大声で叫んだ十文字タケルは悲鳴を上げる香苗ちゃんの両脚を押し広げた。
まだ未成熟で、恥毛も生えていないヴァギナが露わになる。
蛍光灯の光の下でそれは、僅かに潤みながら息づいているようだ。
「フフンッ、フェラはプロ級だが、ここはまだ未開発のようだな小娘…この十文字タケルが初めての男になってやろうか?」
正義の味方らしからぬ歪んだ微笑を浮かべる十文字タケル。
久しぶりのロリ、それと散々放精し疲弊した十文字タケルは、普段の冷静さを失ってしまっていた。
「キャーッ!誰か助けてーっ!」
香苗ちゃんは恐怖のあまり泣き叫んだ。
しかしその叫びも普段の冷静さを失った十文字タケルには届かない。
それどころか彼の中に眠る卑猥な蛮性を呼び起こしただけだった。
殆ど隆起していない香苗ちゃんの乳房を、十文字タケルの無骨な手が掴んだ。
初々しい乳房が汚らしい手の中で、無残にその形を崩す…なんて残酷な!
大暴れする香苗ちゃんの身体を押さえつけて、十文字タケルは豆粒のような乳首を舌で玩んだ。
素晴らしい味だった…十文字タケルの中のロリータの本性がさらに燃え上がる。
大きく押し広げられた香苗ちゃんの股間を指先でまさぐりながら、十文字タケルは爆発しそうな己のペニスを掴んだ。
指先でヴァギナを押し広げると、まるで穢れを知らない香苗ちゃんの花弁が十文字タケルの前に晒された。
――いよいよ…俺はこの娘を!
- 97 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/19(月) 00:53:09
- B
「待て!動くな貴様!」
挿入寸前の十文字タケルの背後から、突然怒鳴り声が響いた。
同時に多くの足音が部屋に突入し、正義の味方・十文字タケルの周囲を取り囲む。
警官達だった。
「な…なぁっ!」
十文字タケルは正義のヒーローにあるまじきうめき声を上げる。
床で十文字タケルに組み伏せられ泣き叫ぶ香苗ちゃん。
香苗ちゃんの裸体の上にのしかかり、勃起したペニスを握り締める十文字タケルの姿…。
これはもう、誰がどう見たって、幼女に対する強制わいせつの現行犯である。
…憤りで震える警官達の中から、トレンチコート姿の初老の刑事が歩み出て十文字タケルの目の前に立ちはだかった。
その目付きは凄まじい憎悪と嫌悪に満ちている…当たり前だ。
「きさま…きさまは獣か!こんな年端も行かぬ娘を無理矢理っ!」
そういって大きく振りかぶった刑事は、その拳を十文字タケルの顔面に叩き込んだ。
凄まじい衝撃が十文字タケルを襲う。
吹き飛ばされ壁に激突したその瞬間、十文字タケルはあっけなく気絶した。
同時に射精したペニスは、十文字タケル床に倒れ伏したのち、もう一度大きく痙攣し、再び精液を迸らせた…。
- 98 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/19(月) 00:53:49
- C
…一方、悪の宮殿のベッドの上では、魔王ペロポンテが香苗ちゃんのヴァギナを犯しながらほくそ笑んでいた。
「これで、十文字タケルの奴も終わりだな…なあ、香苗?」
魔王ペロポンテは人間離れした巨大な男根で、香苗ちゃんの敏感なヴァギナを大きくえぐり返す。
そう、香苗ちゃんは、選び抜かれた地獄の美少女戦士だったのだ。
十文字タケルの唯一の弱点、ロリータコンプレックスを突くために数万人の美少女の中からより抜かれたが彼女だ。
「ああっ!もっと私を貫いてください、魔王ペロポンテさまっ!」
悲鳴のような嬌声を上げてペロポンテの肩に縋りついた香苗ちゃんは、その直後、痙攣しながら絶頂に達した。
「ふふ…邪魔者は全て消えたぜ。これで全てが上手くゆく」
再び魔王ペロポンテの愛撫を求めて抱きつく香苗ちゃん。
そんな愛くるしい香苗ちゃんを面倒くさそうに抱きかかえ、魔王ペロポンテは笑った。
「ほれ香苗、これがご褒美だぞ…どうだ?ん?」
逞しい腰を思い切り突上げる魔王ペロポンテ…その魔王ペロポンテの腰の上で、香苗ちゃんは弾かれたように喘ぐ。
巧みな愛撫に肢体をわななかせ、快感に酔いしれる香苗ちゃん。
その初々しい肉体を犯しながら、魔王ペロポンテは高らかに笑った。 (了)
- 99 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/19(月) 00:55:15
- _,、-、- _,===ミミ、 __ , --、, _
,-'"´ , -'´ ゛_( >ー/ ヽ、ヽ、 _,_ -ーニ二
'゛ / _,、_-=三三=( /" ヽ ヽ◯ 三二−−_
/ _ -'´//´ / ! ! ヽ〇--__
/ / // / / , | | ! ヽ ヽ ヽ ̄ ̄ ̄ニニ
v / ! / / //~!ト、 ト、 ', ヽ ', ', ',
!´ | / / // ヽト、ヽヽ ヽ ヽ ', ', |
レ'| / イ/二ニY!、、ヽ__ト、ト、ヽ ! ! !
/´!!、!! /レイノトヽ_,ヾ、,ーヽト、! ! イ/
r' ヽ!レ'! 'r-ツ、 ´ 'rー',トヽイ /
| 、 // | 、  ̄"'´/トr'"
,_r-/´ム_ ! // イ /ト、 ー - / |!
t/ r'/ー' `/,' !,'k./ ヽ、 イ,!,!,!
/´ ´ ,r' ! ! ! ヽ ` - ' イ ///
_, - 、 , ' Y !| ""ー-- イ/" ヽ
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z'´ r'´ / / i , /
f三 __/ レ' / ヽ ヽ -、 |
フ_,'´ / / /ヽ、_ ヽ_.... -イ/⌒', |
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- 100 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/19(月) 01:33:12
- 『最後の願い』
@
工業団地街は今、午後一時を過ぎを迎えた。
中天の眩い太陽に照り付けられた三嶽重工の生産ラインに、時刻を告げるサイレンが高らかに響き渡た。
昼食を終えてくつろいでいた数多くの工員たちが、それを合図にいそいそと各ラインへと戻ってゆく。
ある者は咥えタバコで、また別のある者は仲間の工員達と冗談を飛ばしながら。
それはこの街の日常の風景であり、極々当たり前のいつもの日常であった…。
人影が消えてゆき、それと入れ替わるように、機械部品等を運ぶ大型トラックが散発的に行き交い始めた。
工場ラインが動き出すのに呼応するように、トラックは各工場の工廠に出入りし、また走り去る。
そんな忙しい尼子地区産業道路から逸れた小さなわき道に、一台の小型トラックが路肩に駐車した。
明るいイエローの荷台にはジュラルミンの荷箱が積載されていた、配送用のトラックのようだ。
車体には可愛らしい犬の親子のイラストが描かれ、その絵の横に 『中島運輸株式会社』とペイントされている。
そのトラックの運転席には、一人の初老の男がステアリングにすがり付いていた。
額は汗ばみ、手は震え、血走った目は大きく見開かれている。
「…安心してください。こうやってあなたが命を張ることで、娘さんは助かるんですよ」
初老の男の隣、小型トラックの狭い助手席には大柄の工員服の男が座っている。
工員服の男は、大柄な肉体を窮屈そうに動かし、運転席の男の肩に手を乗せた。
「田村さん、あなたももう末期がんで長くないんです。せめて娘さんだけでも救ってあげるのもいいんじゃないですか?」
田村、と呼ばれた運転席の男は怯えきった目で助手席の工員服の男を見返した。
頬や首筋の辺りの肉は落ち窪み、顔は土気色に染まっている。
おそらく循環器系の癌の末期なのであろうか、黄疸の浮き出た顔が痛々しい。
死相の浮き出た田村の顔はしかし緊張で引きつり、血走った目で工員服の方を見つめ返した。
しばし無言のまま、二人は見つめあう。
工員服の男もその視線を見返し、顔に大きな笑みを浮かべてみせた。
わざとらしい、どこか傲然とした笑顔…しかしその視線は刺すように鋭いまま、強張った田村を見つめ続ける。
田村の額に汗が浮き上がり、それが落ち窪んだ頬をゆっくりと伝い落ちた。
カーエアコンの温度は低めに設定されているにも関わらず、車内は陽射しのせいで蒸すように暑い。
「生命保険の受け取りの名義はちゃんと娘さんになってますよ、田村さん」
工員服の男は胸のポケットから、三嶽グループの関連企業である三嶽生命保険組合の書類を取り出す。
それを広げると、指先で保険金受給者の名前欄を指差した。
そこには田村の娘、田村京子の名前が書かれている。
被保険者には自分の名前が書かれてあり、死亡時の保険金支給額は最大1億円。
「だがね、牧村さん。本当に自己扱いで処理されるのか?そう処理されなければ、私は何のためにこんなことを…」
牧村とは、工員服の男の偽名だ。もちろん田村には本名など告げてはいない。
- 101 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/19(月) 01:35:43
- A
心配そうな田村の言葉を遮り、牧村は窮屈そうに身を乗り出した。
少し目を瞑り、田村の肩を軽く叩く。肉の落ちきった肩の感触が牧村の手に伝わった。
「なに、事故調査なんぞ幾らでも誤魔化せるんですよ。何せ『三嶽生保』は三嶽グループの出資会社なんですから。」
牧村はそう言うと、緊張する田村の横顔を見つめる。
「…安心してください田村さん。全ては一瞬で終わることです。」
彼らの乗る小型トラックの目の前を大型トラックが走り抜けていった。
巨大な貨物台には大型工作機械が積載され、サスペンションの軋む音がギシギシと響き渡る。
トラックが通り過ぎ、騒音が止むのを待って、牧村は言葉を続けた。
「娘さんの心疾患は可哀想だと思います。まだお若いのに。だけど手術すれば助かりますよ…必ずね」
そういうと牧村は書類を鞄にしまいこみ、腕時計で時間を確認した。
「それに田村さん。あなたが頑張れば、娘さんの今後のための資産を残してあげることが出来るんですよ」
牧村は振り返るとそう言い、田村の肩を叩いた…。
…田村の顔色は冴えない。
田村はC型肝炎に感染し、肝臓がんを発症、検診で発覚した時点で既に全身に転移し末期である、ということだった。
さらに先天性の心疾患を患う娘の京子の治療費のために、多くの借金もかさんでいた。
近年の業績不振の煽りを受け、三嶽重工の関連下請け会社は窮屈な経営を強いられている。
そんな中、田村の勤めていた阿保製作所は、信金と三嶽銀行から融資の見返りに大幅なリストラを突きつけられた。
田村はその際に早期退職制度の適用を申請し、つい三ヶ月前に退職。
が、その退職金も治療費やそのた借財の抵当のために、殆ど底をつきかけていた。
もはや生きる気力など、残っていなかった。
己の肉体を蝕む病魔が、強靭であった田村の精神をも侵し、崩れそうであった。
唯一、残された娘だけが、田村の精神をギリギリのところで支えてた。
…そんな折に今回の話が舞い込んできたのだ。
命を張れば、借金を全額チャラにした上に、褒章金と生面保険料を娘のために残せる、と。
――娘が助かる。
そう思った田村は、迷うことなくこの話に乗った…。
- 102 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/19(月) 01:36:32
- B
「…しっかりしなさい、田村さん。大丈夫。娘さんは助かります。手術の見込みも今回のお金でなんとかなりましたし」
牧村は励ますように言った。
田村はハンドルに突っ伏した。
(もう、京子には会えない。しかしこれで、京子は助かる…)
目頭が熱くなる…今まで誰にも見せなかった涙が、何故こんな時に溢れてくるのだろうか、と田村は訝った。
肉の落ちて細くなった肩が震える…こんな妖しげな男の前で泣くなんて、こんな弱い自分が情けなかった。
そんな田村の背中を、冷めた目で牧村は見下ろす。
牧村にとって、田村など道具に過ぎない…こんな"仕事"など、何度も彼は行ってきたのだ。
「じゃあ、田村さんここでお別れです。ご冥福をお祈りします。あと、娘さんの快気も…」
牧村はトラックのロックを外すと、窮屈そうにそこから出た。
軽く伸びをした牧村は、それから一度もトラックを振り返ることなく足早に産業道路の方へ歩み去って行った…。
…ついに田村は一人になった。
田村の人生は今日、尽きる。
今日の午後四時に、田村は尼崎市北部にある住宅街の中にある佼成会傘下工藤組の組長宅へと特攻をするのだ。
田村が今乗っているトラックの荷台には、実に2トンもの軍用爆薬が積み込まれている。
田村はその時間に、在宅することが確認されている工藤道隆組長を爆殺するのだ…無論田村もろとも。
…田村は懐からウォレットケースを取り出した。亡き妻が生前に誕生祝いとして送ってくれたものだ。
その中にある家族写真を取り出して眺めた。
娘の京子が中学校に入学した日に自宅前で撮影したスナップ。
隣人に頼んでカメラのシャッターを切ってもらったものだ。
そこには田村自身と、3年前に病死した妻、そしてまだ幼さが残る京子が笑顔で写っていた。
その写真の中で、春先の柔らかな陽光を浴び、3人は心から微笑んでいる。
田村はその写真を取り出し、指先でなぞった。
そのまま泣いた。慟哭した。もはや戻らないあの幸せな日々を思って泣いた。
この写真が写されたまさにこの時こそ、かれの46年の人生の中で最高に幸せな瞬間だった。
――娘の京子だけは守ってやりたい。
それが全てを失ってしまった田村の最後の願いだった。
- 103 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/19(月) 01:37:15
- C
…それから約2時間後の午後四時、小型トラックは工業団地内の産業道路をゆっくりと走りぬけた。
県道に突き当たると、それを右折して北上する。私鉄の車両基地を抜け、繁華街を通り過ぎると住宅街に入った。
新開発地域にはいわゆる分譲住宅が多いが、その先に広がるエリアは古くからの旧家が多い。
その中で一際大きい屋敷が工藤組長の邸宅だ。
何度も下見を繰り返して完全にルートを憶えていたため、田村は迷うことなくトラックを進めた。
既に涙は乾いている。
憔悴しきったさきほどまでの表情は一変し、肝臓がん患者特有の黄ばんだ顔の中で双眸だけはギラギラ輝いていた。
恐怖心を克服したのではない。大量のモルヒネを服用することで彼自身が狂気に踏み込んだのだ。
既に彼の思考の中には娘の姿は無かった。純粋な狂気、殺意。それだけだった。
…初めに異変に気付いたのは工藤組組長宅の屋上で監視役をしていた組員だった。
見慣れぬトラックが不自然なほど速いスピードでこちらに向かってきたのが見えたのだ。
閑静な高級住宅街の中で、不自然なほどにトラックのエンジン音が唸りを上げる。
異常を感じた監視役は直ぐに無線機で門番のガードに連絡した。
1〜2分後には10名を越える組員が武装を終え、所定の警備位置につく。
おのおの組から支給された小銃やサブマシンガンを携えそれぞれ自分の担当部署で警戒態勢をとる。
高杜市周辺の利権を巡り、弘済会系の組織や朝鮮系の愚連隊組織の襲撃に備えていたものだ。
一人の組員が門から出て、道路をこちらに向かってくるトラックの前方に立ちはだかり停止の合図をした。
しかしトラックは停止せず、それどころかさらに速度を増した。
全く止まる気配を見せず、工藤組長の屋敷に向かう坂道を迷いなく突き進んでくる。
危機を察した組員は逃げようとするも、トラックはまるで虫ケラのようにその組員を踏み潰した。
「撃てぇっ!」
警備の組員の掛け声と共に一斉射撃が開始された。
閑静な住宅街にフルオートの甲高い銃声が轟いた。
銃弾は運転手とエンジンを狙い、トラックの前面に集中する。
トラックは特攻用に前面が強化されていた。
防弾ガラスが張られグリル周りには3cm厚の鉄板が張られており、そう簡単に破られるはずがない。
暗殺を確実なものとする為に牧村の所属する組織はそこまで準備したのだ。
だが遂には7.62mm小銃弾の集中砲火で防弾ガラスは破られた。
突き抜けたフルメタルジャケットは田村の胸元に何発も食い込み、腸を滅茶苦茶に引き裂いた。
「うらあぁー!」
田村は叫んだ。この世の全てに対してあらん限りの憎悪をぶつけるように。
さらに田村はアクセルを踏み込んだ。床板を踏み抜くほどに強く。
加速したトラックは、門前の詰所から逃げ出す組員たちを次から次へと踏み潰してゆく。
トラックは詰所を吹き飛ばし、鋳鉄製の巨大な門を突き破り、広大な庭を駆け抜けた。
逃げ惑う組員たちを吹き飛ばしながら、車体はついに屋敷の中へ突っ込んだ。
- 104 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/19(月) 01:37:58
- D
…運転席の田村は30発近い小銃弾を受け、肉体は殆ど引き千切れていた。
しかし驚くべきことに、まだ田村は生きていた。
ハンドルから顔を起こすと、生まれてから一度もしたことの無いような凄まじい笑顔で笑う。
もはや何も映さない瞳は、まるでそれ自体が輝きを放っているように爛々と光った。
口から血反吐を吐き出しながら大声で怒鳴る田村。
その田村に向かって、生き残った組員たちはさらに銃弾を浴びせる。
全く迷いなどなかった。後悔など微塵もない。ただ今は殺意、それだけが田村の全てだった。
田村はもう一度凄まじい笑顔で笑うと、ステアリングに仕込まれた起爆スイッチに拳をたたきつけた。
その瞬間、大音響とともに屋敷は吹き飛んだ…。
周囲100mにわたって住宅街は崩壊し、死者は実に40名を越えた。
無論その死者の中には、工藤組組長の工藤道隆も含まれていた。
もっとも、残された僅か数本の歯の治療跡で確認されてやっと判別したほど工藤は粉々に吹き飛ばされていたが。
また警察発表や報道では、特攻役を務めたの田村の名前は出なかった。
その存在を初めから隠蔽されていた上に、肉体は証拠も残らないほど完全に粉々になったからである…。
…一方、骨肉腫と診断され愛知県豊田市内の病院で入院していた田村京子は、父親の爆死に先立つ2日前、
父親が奉職していた阿保製作所の親会社三嶽グループ系列の病院に転院していた。
田村京子の心疾患は、確かに正しい処置を行えば快気可能なものであった。
田村が命を賭して得るその金で、田村京子の命を救うことは可能であったのだ。
田村京子は主治医による診察の際、自らの心臓手術について同意をした。
既に保護者である父の同意書類も用意されていたため、京子は迷い無く、手術同意書のサインをした。
それが田村京子にとって死刑宣告書であることなど、彼女には知る由も無かった。
田村京子が手術室に運び込まれ、全身麻酔処置を施された頃に、直ぐ隣の別の手術室に2人の患者が入室した。
一人は末期の腎臓障害を持つ三嶽重工の幹部、もう一人は肝硬変になった地元選出の衆議院議員だった。
京子を含めた3人は同時に手術を開始した…。
…数時間後、三嶽重工の幹部は生体腎移植手術に成功し、衆議院議員は生体肝移植手術に成功した。
彼らに臓器を提供した田村京子はその場で密かに殺害、解体され、遺体は濃硫酸で溶解された。
同時に田村京子の入院記録もカルテも全て消去され、既に某筋から手が回り、戸籍も完全に抹消された。
…また、例の工員服の男「牧村」にも”仕事”の報酬が支払われた。
数日後、彼の持つ法人口座の一つに、三嶽生保から田村幸一の保険金総額1億円が振り込まれたのだ。(了)
- 105 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/19(月) 03:16:08
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ノj |_:::::::::::::::::::〉 く_ヾ'i,ヽ __/ __ ー-、_,ノ トv' ̄ゝ⌒ニ= )コニゝ ̄
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- 106 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/19(月) 04:03:05
- 『ローズマリーの覚醒 〜ファンタジースレにあった作品を勝手に変えて書いてみた話』
@
「ローズマリーよ…後ほど私の執務室に来るように。わかったね?」
リシティア国王イルハトーブは、ローズマリーに目線を送りもせず、冷酷な口調でそう命じた。
「…はい。分かりましたお父様」
冷めかけたスープの皿に目線を落とし、ローズマリーは小さな声で答えた。
嫌な予感がする、彼女の小さな胸は不安で高鳴る。
その日の食事は殆ど味がしなかった…。
…夕食後、厩舎の干草の山の中で、ローズマリー姫は庭師のペーターと抱き合っていた。
ペーターは近隣のスヴォラルトガ村出身の鮮卑族の男で、その一族の男たちの例に漏れず大変な巨根の持ち主だ。
ローズマリーはペーターの股間に虚立するその巨大な肉の茎に、一心不乱にしゃぶりつく。
最近になってからローズマリーは妙に身体が疼き、その湧き上がる欲情を抑えかねていた。
年頃なのだろうか…子宮の奥底が疼くような、火照るような、そんな暗澹たる欲情がローズマリーを苛める。
「…ああ姫様、そんなに激しくなされたらこのペーターはもう我慢できなくなってしまいますだ!」
下半身をさらけ出し、仰向けになったペーターは、干草の上でうめく。
そんなペーターの反応を楽しむかのようにローズマリーは微笑み、その巨大な肉茎の下を這わせ、頬ずりする。
棍棒のように巨大なその灼熱の鉄槌は、握り締めるローズマリーの手に余るほどに野太い。
そのローズマリーの白い指先の間で、ペーターのそれはまるで別の生き物のように脈動し、暴れる。
「なによ、もうちょっと我慢なさいっ!アンタったらこんなでかいものぶら下げているのに何よっ!」
ローズマリーはそう言い、ペーターを口に含んだ。そのまま喉奥まで一気に挿入し、口をすぼめてバキュームする。
「ああっ!姫様ダメですだっ!不肖私ペーターはもう、堪え切れません!」
ペーターは悲鳴に近い声を上げる。腰を大きくうねらせ、押し寄せる快感に耐えようと必死のようだ。
(ええっ、もうイッちゃうの…なによ、だらしない!)
ローズマリーは少し落胆した。このあとペーターの巨大なもので子宮をかき回してもらうつもりだったのだ。
(父王に呼ばれてただでさえイラついてんのに、こんなんじゃ私のストレスは解消できないわよっ!)
面倒臭くなったローズマリーは、舌でペーターの亀頭を包み込むと、思いっきりこすってやった。
その瞬間、ペーターは情けない喘ぎ声を漏らしながら、絶頂に達する。
大量の粘液がローズマリーの口腔内に満ち溢れ、か細い喉に流れ込んだ。
肉体労働で鍛えぬいたペーターのそれは、軟弱な貴族の子弟たちのとは比較にならないほどに濃厚で生臭さかった。
ローズマリー姫は立ち上がった。着衣の乱れを直し、ドレスの方々に着いた干し藁を手で叩き落とす。
そして干草の上で激しく喘ぐペーターを見下ろし、厳然とした命令口調で怒鳴りつけた。
「アンタだらしなさすぎるわよっ!城内一の巨大なイチモツの持ち主だって侍女長から聞いて楽しみにしてたのにさっ!」
ローズマリーはだらしなく萎縮したペーターのそれを手で掴むと、思い切り引っ張る。
ひいっ、と悲鳴を上げて痛がるペーターを睨みつけるローズマリー。
「今度来る時までにちゃんとテクを身に着けておきなさいっ!さもないと宦官にしちゃうわよっ!」
シクシクとすすり泣くペーターを一蹴りすると、そのまま踵を返して厩舎から出てゆくローズマリー。
これから父王の執務室に行くことを思うと、気が重かった…。
- 107 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/19(月) 04:07:36
- A
「お父様…入ります」
重厚な黒檀の扉を数度ノックし、おずおずと声を掛けるローズマリー。
父は苦手、ローズマリーは幼少の頃からそうであった。
国王でもある父が自分を見つめる目線には、親子の慈愛とは別に何か不可思議な念が含まれているように思えた。
暗澹たる、漆黒の輝き…その父の目線に潜む思いを、ローズマリーは常に恐れていた
(帝王学?それともまた何か別の謎?)
侍女たちや王宮学習院に集う貴族の子弟たちに聞いても評判の良い父王イルハトーブ。
だが、果たして本当に父王はそのような存在なのであろうか?
「入りたまえ」
扉の向こうから、くぐもったような父の声が聞こえた。
ローズマリーは口に溜まった唾を飲み込み、鋳鉄製の思いドアノブを掴んだ。
…ドアを開けると、そこは肉の洪水だった。
一糸纏わぬ男女の肉体が複雑に絡みあいのた打ち回っている。
部屋の方々で歓喜の呻きが上がるたびに、その肉の氾濫はわななく…闇のサバトだ。
「…な、なんですかこれ!どういうことなんです?お父様っ!」
ローズマリーはそう叫び、そのまま絶句してしまった。
そこには全裸の父王イルハトーブが立っていた。
その横には同じく全裸の忠臣たるグラン・ド・バザール伯爵…一体何故?
全裸のグラン・ド・バザール伯爵は股間からは仮性包茎のペニスが勃起させている。
一方、父王イルハトーブの手には、黒々とした巨大なディルドが握られていた。
執務室を照らす松明の明かりの中でそれは、不気味に鈍い光を放っていた。
「な、一体どういうことなんですかお父様っ?それに貴方達はいったい、何なんですかっ!」
床中で全裸になって戯れる若き男女…互いの肉を求め激しく情を交わしあう彼らの姿にローズマリーは慄然とする。
「ローズマリー姫、こういうことなのですよ。見ればお分かりでしょう?」
グラン・ド・バザール伯爵はローズマリーの目をジッと見つめながらそう言い、ニヤリと笑った。
「ふ、ふざけないでバザール伯!こんなこと最低ですわっ!私、こんなの許せませんっ!」
神聖なるリシティア王国の王宮の中で、こんな背徳的な振る舞いが行われているなんて、とローズマリーは憤った。
「フフンッ!」
ローズマリーの驚愕を察したかのように、突然国王イルハトーブが笑った。
その声が響き渡った途端、部屋の中で絡み合っていた無数の男女の動きが止まる。
彼らの嘗めるような視線がローズマリーに注がれる。
ローズマリーはその視線が、自分の肉体を這うのを強く感じた…耐えられないほどに。
「お、お父様がそんな人だとは思いませんでした!私、もう帰りますっ!」
しかし父王イルハトーブもグラン・ド・バザール伯爵も動かない。
ローズマリー姫を見つめたままニヤニヤ笑う。
――おかしい、ここは何かが狂っている!
- 108 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/19(月) 04:11:39
- B
突然、ローズマリー姫は背後から抱きすくめられた…父王イルハトーブだった。
筋肉の盛り上がった図太い腕でローズマリーの肉体を抱きしめると、その手をドレスの裾に差し入れた。
そのままローズマリーの乳首を指先で探る。
「なあローズマリーや、そんなこと言うものでないぞ。一緒に楽しむのが王家のもののたしなみなのだぞ?」
父王イルハトーブはそうローズマリーの耳元で囁く。
と、同時に熱く甘い吐息をローズマリーの耳へと吹きかける。
ローズマリーは思わずゾクッと体が反応してしまった。
父王イルハトーブの指先はローズマリーの小振りな乳房を揉みしだき、玩び始めていた。
その節くれだった指の荒々しい感触が、ローズマリーの何かを刺激してゆく。
さらに父王の逞しい手はローズマリーのパンティ中に侵入し、秘所を探る。
その太い指先がローズマリーの花弁を探りあてると、巧みな指さばきでクレヴァスを愛撫し始めた。
「な、何をなさるのですお父様っ、こ、こんなこと止めてください!」
ローズマリーはなおも抵抗する。
しかし父王の指先の動きに反応してしまう自分を抑えることが出来なかった。
実の父の指先が自らの肉体に触れるたびに身体は熱くなり、力が入らない。
「大丈夫だよローズマリー…この父に任せなさい」
父王はそう囁くと、ローズマリーの尻の穴の中に中指を滑り込ませた。
…ふと前を見ると、目の前にはグラン・ド・バザール伯爵が立っていた。
普段の忠臣っぷりからは打って変わって、欲情に燃える熱い視線でローズマリーを見つめている。
父王の愛撫で上気したローズマリーの姿を少し嘲笑うように微笑み、伯爵はゆっくりとローズマリーの顔を覗き込む。
父とは異なり文官出身の彼らしい繊細な指先で、ローズマリーの細いあごを軽く持ち上げた。
抵抗できないまま上を向かされたローズマリー…伯爵は姫の可憐なその唇に強引にキスをしようとする。
「ん、止めなさいっ、無礼者っ!」
ローズマリーは顔を背けた。
しかし伯爵は強引に唇を重ねると、ローズマリーの口の中に一気に舌を挿入させてきた。
伯爵の舌はローズマリーの上唇から歯茎を這い、門歯の間に割り込もうとする。
少し葉巻臭い息がローズマリーの口腔の中を満たした。
「ローズマリーよ、もっとリラックスしたまえ。本当のお前の姿を、この父たちがわからせてやるからな…」
父王イルハトーブはローズマリーのシルクパンティーを掴むと、引き千切るように毟り取った。
パンティーを床の放り捨てると、今度はたくみにローズマリーのクリトリスを探りあて、その包皮をめくる。
さらされた小さな肉芽を父王の指先が刺激した瞬間、ローズマリーは子宮の奥が熱を帯びてゆくのを感じた。
- 109 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/19(月) 04:12:47
- C
執務室の奥にあるサバトのための部屋で、ローズマリー姫はグラン・ド・バザール伯の男根をしゃぶらされていた。
密集したバザール伯の陰毛がローズマリーの鼻先をくすぐり、塩気のある汗の匂いが鼻腔を満たす。
(…息苦しい)
ローズマリーは思った。喉奥まで侵入したバザール伯の亀頭が吐き気を呼び起こす。
しかしバザール伯は容赦せずローズマリー姫を責めた。
腰を前後にグラインドさせ、両手でローズマリーの頭を掴み股間にグイグイと押しつける。
ローズマリーの口の中でバザール伯の陰茎が怒張し、あふれ出しそうだ。
その陰茎の熱さが、ローズマリーの思いとは裏腹に中に眠る本能を昂ぶらせた。
「ああっ、ローズマリー様、素晴らしい!姫の舌が私のチンコを這い回って…ああっいいっ、もうイキそうです姫様っ!」
バザール伯が喘いだ。その伯爵の喘ぎに反応するかのように、サバトに集う美男美女達が歓声を上げる。
(…見られている!)
ローズマリーは思った。
サバトに集った客達の視線が、自分の裸と陰茎を咥え込む自分の口元に注がれているのを強く感じた。
「ひ、姫様っ!私もうダメだっ…うっ、ああっ!」
バザール伯爵は一際大きな喘ぎ声を上げると、姫の喉の奥に向かって大量の精液を吐き出した。
熱い精液がローズマリーの喉から鼻腔まで達し、一瞬息が詰まった。
「ゲホッ、ゴホッ!」
と、ローズマリーはむせた。と、その瞬間であった。サバトの客達がワッと大声を上げた。
ローズマリーはその喧騒の中で一人蹲り、喉の奥から溢れる大量の精液を口から手に吐き戻した。
(…身体が言うことを利かない)
ローズマリーの頭はボーッとする。思考が集中できない。
「ローズマリーよ、本番はこれからだぞ…」
うずくまるローズマリー姫に向かって、父王イルハトーブが声を掛けてきた。
虚ろな目で、父である国王を見上げるローズマリー…そして息を呑んだ。
その目に飛び込んできたのは、見たことも無いほどに巨大なペニスを勃起させた父の姿だった。
父の目から放たれるあの視線を感じたローズマリーは、本能的に身をすくめた。
父王の目には、紛れも無い狂気が宿っていた。
ドス黒い輝き…幼少のころから時折感じた、あの魔性の目だった。
「大丈夫だよローズマリー。いきなりで刺激が強かったみたいだが、こんなのすぐ慣れるさ」
父王はローズマリーの傍にしゃがんだ。
ローズマリーを四つん這いにさせると、彼女の小さな尻を抱え込み客席の方に向かせる。
「ん、いやっ!」
抵抗するローズマリー。しかし父王の腕力は強く、消耗しきったローズマリーはもはや抗することなど出来なかった。
サバトの客達は溜め息交じりで姫の美尻を眺める。
ローズマリー姫の形の良い尻は、松明の明かりの中で白く輝いた。
- 110 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/19(月) 04:13:39
- D
「…ひぎいっ!」
いきなりヴァギナに激痛が走り、ローズマリーは悲鳴を上げた。
父王イルハトーブの巨大なペニスが侵入してきたのだ。
激痛で悲鳴を上げるローズマリーをよそに、父王イルハトーブは無遠慮に攻め立てる。
苦痛のあまり逃げだそうとよするも、父王イルハトーブは図太い腕で腰を抱え、それを許さない。
「うぐっ、ひぐうっ!」
ローズマリーは泣き出した。
苦痛だけではない、恥辱…王家の娘として生まれた気高い彼女のプライドが、無残に砕け散った瞬間だった。
好奇と欲情の視線の中で、ローズマリは自分ではない何かに堕落していく、そんな感じがした。
父王イルハトーブの肉茎がローズマリーの膣の中を暴れる。
その先端はローズマリーの子宮を突上げ、ローズマリーのか細い肉体を刺し貫く。
サバトの客たちは再び沸く。もはや歓声といっても良いほどにざわめき、騒げだす。
しかしローズマリーにはその声が遠くから響いてくるようにしか聞こえなかった。
だが、恥辱と激痛がローズマリーを苛める中で、彼女自身はいつしかメスとして覚醒していた。
荒々しく乳房を揉み、子宮の奥に叩きつけるように攻め立てる実の父親の愛撫。
その激しい情欲の狂乱の中で、ローズマリーは何時しか快楽を見出していた。
身を引き裂くような痛みも、いつの間にかローズマリーを熱く濡らす肉の掟に変わっている。
ローズマリーの身体の上で激しく溜め息を漏らす父の息吹もまた、愛おしく思える。
身体のアチラコチラが熱く脈打ち、脳裏に様々な思考やイメージが駆け巡る
ローズマリーの頑なな心は、めくるめく快楽の前に崩れてゆき、目の前の風景が突如輝きだしたように思えた。
ヴァギナは熱く締まり、それとともに膣の奥からあふれ出す愛液がしたペニスが股間を熱く湿らせてゆく。
「そろそろだな…」
ローズマリーを見つめる父王イルハトーブの目は…まるでモノを見るように冷ややかに醒めていた。
何時しかローズマリーは、父王の愛撫を欲し、自ら腰をうねらせて父のペニスを誘う。
羞恥心をかなぐり捨てメスの本能を剥き出しに快感を貪る姫の姿は、輝かんばかりに美しかった。
そんなローズマリーの様子を一瞥し、王は今日始めて笑顔を作った。
娘を抱いたまま、父王イルハトーブは耳元で囁く。
「…ローズマリーよ。我ら王家の血、すなわち我ら魔王ペロポンテの血族の末裔…その血を受け継ぐ御子を授けよう」
ローズマリーの肉体を抱え上げ、その白い肢体を存分の蹂躙する。
「そなたの母はわが妹。そう、魔王ペロポンテの血筋は常に純血でなければならぬのだよローズマリー」
その言葉の意味を図りかねるローズマリー…しかし押し寄せる快楽は、彼女の思考を奪う。
ローズマリーの膣の中で、父王の肉茎はなおも膨張してゆく。
熱き脈動を感じ取りながら、ローズマリーはこの父王の子を欲する自分に気づいた。
――これは運命?
「そうだよローズマリー。そなたはこれから男児を産むのだ、そしてその弟王と契りを結び、次なる王を産むのだぞ」
そのローズマリーの思いを察したかのように、父王イルハトーブは再び告げた。
…数分後、父王は野太い呻き声を上げ、実の娘たるローズマリーの子宮の中に放精した。
奔流のような熱い液体がローズマリーの子宮に満ち溢れ、その一部が膣を伝って流れ出す。
「あ…ああっ」
仰向けのまま目を瞑るローズマリー…快感の余韻に浸ったその表情は、神々しいまでに美しかった。
子宮の中で渦巻く父の放った精液…その熱さが、ローズマリーに喩えようも無い喜びをもたらした…。
- 111 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/19(月) 06:03:51
- E
「姫様…もう一度お願いいたします。最後にもう一度姫の口で…」
突然グラン・ド・バザール伯爵が声を掛けてきた。
バザール伯は壇上で喘ぐローズマリーに近づくと、髪の毛を掴んでローズマリーの顔を持ち上げた。
父の愛撫の酔いしれたローズマリーの顔は紅潮し、汗ばんだ額に後れ毛が張り付いている。
「ローズマリーよ。今のうちに臣下の人間どもの精を喰らっておくがよいぞ」
父はそう語る。意味を図りかねて父を見やるローズマリーに、父は返した。
「…今夜此処に集った者たちは、そなたのための生贄なのだからな」
そういうと、バザール伯のペニスをくわえ込むよう、ローズマリーを促した。
誘われるままにローズマリーは口を開け、既に回復し隆々と勃起したバザール伯の陰茎をくわえ込んだ。
そしてバザール伯の精を吸い出さんと、その肉茎をしゃぶり上げ、刺激してゆく。
「おおっ、姫様素晴らしいですぞっ!ぜひとも私めの精と命を姫様の糧にしていただきとうございます!」
バザール伯の陰茎を舐め回し、亀頭を思いっきり刺激する…飢えたようなローズマリー。
「丁寧に快感を与えてやるのだぞローズマリー…伯のそなたへの忠義をありがたく思うのだ」
父王はそういいながら、サバトに集う若者の中から飛び切り美しい娘を抱え上げ、それを犯した。
散々その美しい肉体を蹂躙し娘を絶頂に導くと、突然王はその娘を絞め殺す。
そのままその場でその肉体を引き裂いて喰らい始めた。
そう、バザール伯と若者達は、王家の血筋の糧となるべく自ら命を差し出した生贄たちだ。
魔王ペロポンテの血脈の永遠の繁栄のために、その身も心も全て捧げる頼もしき臣民たち…。
…何時しかローズマリーは、バザール伯を縊り殺し、その血肉を喰らっていた。
腸を引きずり出し、肝を食いちぎり、その血を啜る。
父と共にローズマリーは、残りの生贄たちの精を吸い尽くし、肉を喰らう。
ついにローズマリーは魔王ペロポンテの血に目覚めたのだ。
今宵の父との交わりで、将来自分の夫となる弟王を身ごもったことを悟ったローズマリー。
その若き母の肉体は今、激しく人の肉を欲している。
(後で庭師のペーターも喰らってやろうかしら?)
ローズマリーはそう思い、血まみれの唇を歪めた。
神を恐れぬ悪魔の狂宴…それこそがリシティア王国の王家に秘められた謎だったのだ。
(紅薔薇の姫とシュバリエ 別篇 終わり)
- 112 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/19(月) 06:04:47
- ,. -‐- 、_
,. -ァ'⌒ ̄`ヽ _,. -─ァヘ / ヾ、
/ ,. -─ _,ノ.._ヽ,. _ィ '' / /|!、/ /iヽ、 |i
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. ,イ' // .::::/:::::::! ./ / / ,イ! l:|Lリレ/ィリ l iト j!
/ i / .::::::./:::::::::;: レ〃/ 〃 .:/ ,イ| ll j! マl!l | ハ /
,' | .::: ,':::::::::::;rj/ l l : : :jl:: _,.レ!H-、|i | 〉 l l /
| ! :: ::::::::::://i ,! l ::.:::| !:::ノl,.=ト、| :::|i | _,.//.:〃::::!.:::|l
l l : ::::::::::リ/l ,ハ ,r, ::::|ハr「:ハノl ヽ ! ヽ _ノヽァソ::::/::/:リ
レ ! ::::::;イ/ !/ ! {ヽ、 i リ{o:::リ /じ} /:::/:ソ::ノ
! i ::::::し! l/ \_,.ヾ  ̄ {ソ'ソ/_//
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i ,.ィ / ..:::/: .::::::/ ..:::::// \ _,.. ィi:::!:|
ゝ、_ _,// / ..::〃::::::::/ ..:::::; '/! ヽ:::::::l::::トl
. ヽ ニ -ァ / ..:::,' i::::::::/ ..::::;r' ./ |l ';::::::l ハヽ、
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{i ,' .:::〃:::::レ' .:/:::::::: ! |l \ ヽ、 リ
ゝ| .:::i :::::;r ./.::::::::::/l |_! ',. ', ヾ、
ヽ ::l:: ::/ / ..::::::::::/:::| ! ヽ、 '、 ', ヽ
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ヽV 〃 .: :::::/::::::::::レ _,. -─ '' '' ヽ V
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! |i : l::::::::::::::l:リ /! ヽ.__ ノ |! ',
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. ! ヽ ヽ_,,..-''",,;;;;;;;; ̄'''''ー--,,,,_ ~'- V// / ヽ
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(;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ `'''''ー-∠_:;;;;;;;;;;/,;;;;;;;;;;l;;;;;;;;;;;l /__ |!;; /-、_|'´
\;;;;;;;;;;;/ ,r'`、;;ノ,;;;;;;;;;;;;;l,;;;;;;;;;;;l! ヽr ニ`ー'- ._|
\;::;,' / \;;;;;;;;;;;/,;;;;;;;;;;;;l /  ̄ ̄
`ハ ,' `ー-、;;;;;;;;;;;;;;;;;;V ヽ
{ \. ! \;;;;;;;;;;;;;; ト--=j
! `ヽ、 __ゝ `ー-、;;;;;;;「 ̄
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! ', !
- 113 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/19(月) 06:53:49
- 『ドラえもん のび太のサンポールとムトウハップ』
おつむが悪くて困ってしまったのび太くん。
今日もテストは零点でした。
ジャイアンが馬鹿にします。
スネ夫がヘラヘラ笑います。
静香ちゃんが気持ち悪いといいます。
のび太くんは泣きながらお家に帰りました。
ドラえもん、僕悔しいよ。
皆を殺したいから何か武器を出してよ。
困ったドラえもんは渋々武器を出してあげました。
サ●ポールとム●ウハップ!密室で混ぜると死ぬぜ。
だけど自分でガスを吸っちゃダメだよと、ドラえもんは注意します。
しかしのび太くんは聞いていません。
さっそく試してみると言って、お風呂場へ行きます。
ニコニコしながらサン●ールを洗面器に注ぎます。
そこにムトウハ●プを放り込むと、あら不思議。
のび太くんは一瞬にして意識が無くなってしまいました。
数時間後、発見されたのび太くんは。
全身緑色に染まっていました。
ヘモグロビンの中の鉄分が硫化水素と反応して、硫化鉄になってしまったからです。
ドラえもんは少し悲しい顔をしました。
でも、ここで死んだ方がのび太くんは幸せだったのかも、と思いました。
このまま生きていても、のび太くんは碌なことにならないだろうと…。 (了)
- 114 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/19(月) 06:55:17
- ‐-、 ヽ
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,..-‐./:;.:'..:.:/::.、::、:、:! `ヽ
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l ヽ',l:l ヽ:lリゝヾ:!,lノノ::.:ノ
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- 115 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/19(月) 07:18:06
- 『ドラえもん のび太は今日もダメダメでした』
@
富士見小学校の5年4組の教室で、野比のび太はしずかちゃんのスカートから伸びる腿を眺めオナニーしていた。
今まで担任の加藤先生にオナニーを何度も注意されたのだが、そこはのび太だ。
加藤の鬼のような目を巧みに盗んで、机の下でこそこそとオナニーを続ける。
小学五年生にしてはかなり大きいおちんちんを半ズボンの裾から引っ張り出し、汗ばんだ手で握り締める。
舐めるような視線でしずかちゃんの脚線美を睨みつけ、のび太は一心不乱の右手を上下させた。
のび太の頭の中では様々な妄想が駆け巡る…。
のび太に組み伏せられ、のび太のおちんちんをねじ込まれたしずかちゃん。
腰を突き出すたびに、しずかちゃんは可愛らしい喘ぎ声を漏らす。
熱く濡れたしずかちゃんの蜜壺が、のび太の茎に絡みつき…ああっ!
――今はオナニーで我慢してやるけど、いつかしずかちゃんをどこかに連れ込んで…ウッシッシッ!
のび太は笑った。笑いながらもオナニーの手は休めない。
「そこ、野比!何笑ってるんだ!」
突然、加藤先生が怒鳴った。
成績は最悪、授業態度も集中を欠き、隙あらば女児を眺めてエヘラエヘラとしているのび太。
特殊任務を帯びた未来の世界のネコ型ロボットの要請で、仕方なくこの屑みたいな生徒を受け入れたのだが…。
加藤先生は溜め息をついた。
「きゃあ!」「やだ、のび太くんきもーい!」「先生、のび太くんがおちんちん出していじくってます!」
生徒達はのび太を指差し、露骨にいやな顔をした。女子生徒の中には悲鳴を上げて目を逸らす者もいる。
…そんな中にしずかちゃんもいた。しずかちゃんは隣の女友達とひそひそと何か話している。
すると、のび太の姿が視界に入ったのか、しずかちゃんは一言「キモイ…」と呟いた。
その瞬間、机の下でちんこを握るのび太の手に、力がこもる。
――しっ、しずかちゃん、そんな冷たい視線で見つめないで…いや、もっと見つめてくれ、そしてボクを蔑んでくれ!
「ああっ!」
しずかちゃんの嫌悪の視線に耐えられず、のび太は情けない叫びとともに果てた。
同時に、逞しく怒張したのび太のちんぽから、勢いよく精液が迸る。
その精液が、事もあろうにしずかちゃん…ではなく、加藤先生の髭面に思いっきり降りかかった。
「…のび太、き、貴様ぁっ!」
加藤先生は体を震わせながら、のび太を睨みつけた。
「ひいいっ!」
のび太はちんぽを丸出しにしながら、その場で座りしょんべんをもらす。
他の生徒達がのび太を「変態!」「虫けら以下!」「サイテー!」と叫ぶ中、
のび太は加藤先生のフルスイングのパンチで吹き飛ばされ、教室の壁に激突して気絶した。
崩れ落ちて気絶する刹那、しずかちゃんのスカートからパンティーがちょろっと見えた。
そのことに悦びを感じ、床に倒れて意識を失う寸前にのび太は僅かに微笑んだ。
実に気持ち悪い笑顔だった。
- 116 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/19(月) 07:40:43
- A
…その後、罰としてのび太は職員室で折檻されることになった。
教師達に竹刀で30分近く殴られたのび太は、職員室の床の上に血まみれで倒れている。
何本もの骨がへし折れ、裂傷や打撲傷が全身に広がる。
「ドラえもん…助けてドラえもん」
もはや泣くこともできないのび太は、床の上で痛みに呻いた。
そんなのび太を見下ろす鬼教師たち。
「ドラえもん助けてだと?おまえは人の助けなきゃ生きていけんのか…この屑が!」
学年主任の鋤川先生がのび太の腹を蹴り上げる。鋤川は空手部の顧問でもあり、都大会の常連だ。
その凄まじい蹴りの連続に、のび太の肉体が数十センチも宙に浮く。
「ゲホッ!」
のび太は嘔吐した。床一面に散らばる嘔吐物。
汚らわしいものが、聖なる職場であるこの職員室に散乱した。
…それを見た瞬間、職員室の空気が張り詰めた。
今まで談笑に興じていた教員たちは、緊張した面持ちでのび太の方を見た。
その目付きは憎悪と嫌悪に満ち、殺気を帯びている…。
「おう、コラ!のび太、ちゃんと掃除せいやっ!」
突然、高村先生が怒鳴った、と同時に、のび太の顔面を蹴飛ばす。
するとのび太の口の中で数本の乱杭歯が砕け、血飛沫とともに吹き飛ぶ。
(このままじゃ、殺されちゃうよ…早く助けてよドラえもん!)
のび太は歯の破片を吐き出すと、泣きながら起き上がった。
怯えながらも、すぐ傍にあった雑巾とバケツを取ろうとする。
するとどうしたことか、突然、川口先生がのび太を殴りつけた。
「あ?お前何やってるんだよ…この雑巾とバケツは職員専用なんだよ!」
川口先生はさらにもう一度のび太を殴り、そしてバケツと雑巾を取り上げた。
(ど、どういうこと…?)
のび太は困惑する。もう痛みと恐怖で何もわからない。
「これはお前が食べた物だろ…食べ物を粗末にしちゃいかんだろのび太」
加藤先生が笑いながらそう言う。
担任である加藤先生は、日ごろからのび太の面倒を見なければならない立場だ。
そのせいか教師達の中で一番のび太を憎み、忌み嫌っていた。
加藤先生はしゃがみこんで、のび太の血まみれの顔を覗き込む。
「ちゃんと食べて掃除するんだよ…わかったかっ!このオナニー野郎!」
そう言って手にしていたパイプ椅子でのび太を殴りつける。
- 117 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/19(月) 07:42:19
- B
…床の上の嘔吐物を泣きながら食べるのび太。
「モタモタすんなよ!次の授業が始まっちまうじゃんかよっ!」
教師たちがのび太の尻を足蹴にする。
実は美人揃いのこの小学校の女教師たち。
密かにのび太がオナニーのおかずにしていた美也子先生も、のび太の姿を見て大笑いしている。
色香ムンムンの京子先生にいたっては、ピンヒールのかかとでのび太の尻を蹴り付け、唾を吐きかけた。
その瞬間、のび太は勃起してしまった。
自分の嘔吐物を舌で掬い取りながら嚥下するのび太。
教師達はそんなのび太の姿を嘲笑いながら、次の授業のための準備を始めている。
京子先生が床に吐き捨てた唾を口にした。
その瞬間、白ブリーフの中で勃起したおちんちんが思い切り射精する。
一瞬、快感のあまり腰を痙攣させるのび太。
まずい、見つかったか?と思ったが、教師達は気づかなかったようだ。
京子先生の唾は、歯槽膿漏の味がした。
――早く歯医者さんに行ったほうがいいですよ、京子先生。
と、のび太は心の中で思った。
そう思った瞬間、加藤先生が振り下ろした金属バットで頭を割られ、のび太はそのまま失神した。(了)
- 118 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/19(月) 07:45:25
- __,. -,‐ ─ ‐- 、
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__/ .:, '. : : : : : : : . : : :/ Y!
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「: .:!::..: ..: ハ.| 、_j_`ヽ:.:/ヽ:.: |
もうやだこのおじさん |:. |::..:..;ムィ'リ __. V,.イ.:.:. !
|.: :.|:: ,イ,.-‐ '´ ィ'.ノイ:.:.:!
j: : :ヽ,.-'、ヽj,)` _,.、 , '´¨`丶、j
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/ / j/ く不ゝ ,' , |
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{ , ィ,.イ `¨`′ くフ¨´T,ノ
`ー'´ゝ' / , | |
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_.. -‐ァ、, -ァ…-、,. ‐ ¨ ``ー、,. -<´二 ‐-、 ハ |
/´ く「 / / ,. -─- ニュ__ - 、 {. | _j
ゝ._.. -‐'¨`ーゝ、_ __,.. -┤ }  ̄¨ ‐'ヾヘ`丶、
 ̄ ヽ.._____,j.. -─- 、(_( \
`ヽ._ ノノ
- 119 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/19(月) 12:47:27
- 『ドラえもん のび太の中年悲哀歌〜42の夜・1』
@
のび太は目覚めた。
周りの仲間達がまだ寝静まっている午前2時、のび太はボロボロの毛布を肌蹴てムクリと起き上がる。
今日は水曜日、アルミ缶の収集作業に出かけねばオマンマ食い上げだ。
「うーん」
大きく深呼吸し、両手を伸ばして身体をほぐすのび太。
寒さの残る夜風が、衰えの見え始めたのび太の肉体には堪える。
傍らに置いてあったペットボトルの中身をグイッと飲み干したのび太は、ズルズルと青テントから這い出た。
公園の水道の蛇口を捻り、レンズの欠けた眼鏡を外すと薄汚れた顔をジャブジャブと洗う。
薄汚れたタオルで顔で丁寧に顔を拭くと、転落した彼の人生の苦悩が刻まれた顔が現れた。
もはや若さの見られない、一人の草臥れた中年男が、そこにいる。
髪の生え際が後退し、広がった額を少し気にするのび太。
手櫛で髪を撫で付けると、大きくくしゃみをし、手鼻で鼻水を器用に地面に吐き出した。
顔を洗い終えると植え込みに向かい、ファスナーを下ろして浅黒く萎びたペニスを引っ張り出す。
そのまま強烈なアンモニア臭のする小便を、植え込みの中にジョロジョロと垂れ流した。
「クソッ!」
のび太は毒づいた。小便が軌道を逸れて靴とジーンズの裾を汚したためだ。
「なんてこった…2週間前に洗濯したばかりなのに」
のび太は溜め息をつくと、近くに落ちていた古雑誌を拾い、ジーンズの濡れた裾を拭った。
周囲の浮浪者たちがのび太を怒鳴りつけた。
そんな彼らに卑屈に謝りながら、のび太はいそいそと出かける準備を始める。
…もう、誰も彼を助けてなどはくれない。
のび太を救うドラえもんは遠き過去の存在であり、また遥か遠い未来の存在でしかない。
今、ここに居るのは、野比のび太という42歳のくたびれた中年男だけだ。
「さあ、今日もアルミ缶を一杯拾うぞ!」
のび太はそう独り言で呟くと、青テントに掛けておいたズタ袋を担いで夜の新宿の街に出向いた。
不夜城の副都心、新宿のビル群は摩天楼の名にふさわしい威容で新宿中央公園を取り囲む。
のび太はその真っ只中に最下層民の一人として地べたを這い回る生活を今日も続けていた。
かつての幸せな少年時代など、まるで無かったかのように…。
- 120 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/19(月) 12:48:48
- A
早足で東口ルミネ歓楽街に向かい、そこのゴミ集積所でアルミ缶を漁る。
週明け間もないこの日の夜では、それほど多くのゴミは期待できない。
とはいえさすがに新宿である。ゴミ集積所には溢れんばかりのゴミや産業廃棄物が山積されていた。
酔客も疎らになった通りでのび太は、迷うことなくゴミの山に近付くとそこでしゃがんだ。
アルミ缶専用の廃棄カゴには、のび太の予想したとおりに大量のアルミ缶があった。
のび太は自ら持参したキャンバス地の業務用の荷袋(もちろん植木屋からの盗品)にアルミ缶を全て放り込む。
原材料費の値上がりで、相場は最近高騰気味だ…のび太は今日の取り分を7000円ほどと予想した。
一仕事終えたのび太は、各店舗から出された東京都指定ゴミ袋や水色のポリ容器などを丁寧に開け、中を調べる。
「どれ…今日も拾いものあるかな?」
手を突っ込んだ瞬間、数匹のゴキブリがワラワラと逃げてゆく。
目指すは惣菜店が廃棄した賞味期限切れの弁当だ。
手付かずのまま、丸々一食分の食事にありつけるのは、今ののび太にとっては大変有り難い。
…10分後、惣菜店の破棄した海苔弁当とポテトサラダ、それと蟹カマを添えたサラダを発見した。
のび太は喜んだ。そのまま路上に座り込み、それらを貪り喰う。
ゴミ捨て場にゴミを捨てに来たチェーン店の従業員が、人間のクズを見るような目でのび太を見る。
しかしのび太は気にも留めなかった。今はただ、空腹を満たすことだけがのび太の関心事だ。
一通り残飯を平らげると、のび太は再びゴミ漁りを始める。
するとゴミの山の奥から、UFOキャッチャーの景品であるドラえもんの人形が発掘された。
「ああっ…こ、これは!」
のび太は叫びながらそれを手に取った。両手で大事そうにそれを抱え、その場でしゃがみこむ。
青と白の体色の生地は、ソースやタレで薄汚れ所々に茶色いシミが浮かんでいる。
背中と左腕の部分の縫製は裂け、中身のスポンジが少しはみ出てきていた。
のび太の脳裏に、小学生時代のあの幸せだった日々の思い出が過ぎった。
学校から帰り二階の自室に駆け込むと、そこにはいつもドラえもんがいた。
満面に浮かべた優しげな笑顔で、のび太を迎え入れてくれたドラえもん。
ともに笑い、泣き、時には喧嘩もした…ずっと一緒だと、そう思っていた。
のび太の手に力がこもる。人形はのび太の手の中で形を歪め、ドラえもんの笑顔が悲しげに歪んだ。
(ああ、もう一度…もう一度あの頃にもどれたら!)
のび太はしゃがんだまま、暫し無言…ゆっくりと涙が頬を伝った。
ネオンの消えかけた新宿の繁華街で、たった一人取り残されたのび太。
まだ寒さの残る春風が、皺の刻まれたのび太の頬を撫でる。
(もう一度、ドラえもんに会えるかな?)
都会の夜は、答えてはくれなかった。
- 121 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/19(月) 12:49:54
- B
西戸山の公園通りで収集業者にアルミ缶を引き渡す。
受け取った代金は、のび太の予想を外れ4500円ほどであった。
それを大事に懐にしまい込んだのび太は、上着の懐にしまったドラえもん人形にもう一度触れた。
その布地の感触を指先でなぞり、嬉しそうに少し微笑む。
そのままのび太は再び新宿中央公園の青テントに戻っていった…すこし軽い足取りで。
野比のび太、42の夜は更けてゆく…。(了)
- 122 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/19(月) 12:51:29
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- 123 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/19(月) 14:02:50
- 『ドラえもん のび太の中年悲哀曲〜42の夜・2』
@
「バカじゃないの、あんた…」
六本木の交差点の人だかりの中で、しずかちゃんはそう言って迷惑そうにのび太から目を背けた。
「えっ…?」
かつてのガールフレンド、しずかちゃんに真正面から面罵され、のび太は衝撃を受けた。
40を超えたとはとても思えないスタイルは、かつてのび太と付き合っていたとは信じられないほどに洗練されている。
際どく切り詰められたスカートから伸びる脚線美は、そこいらの小娘など太刀打ちできない大人の色香を放っていた。
幸せの只中に生きる女…今のしずかちゃんは間違いなく勝利者だった。
その目の前で崩れ落ち、膝をつくのび太。
通行人たちはその光景を好奇の目で見つめる。
しずかちゃんの連れの長身の優男は、しずかちゃんの傍に身を寄せてのび太を警戒するように睨み付ける。
それを見たしずかちゃんは僅かに苦笑いを浮かべ、男を軽く手で制した。
もはやのび太のような男に、何かできるだけの度胸も根性もない、そう見切ったような笑いだ。
それを察したその美男子の男もまた、路上で震えるのび太を嘲笑うように見下ろした。
路肩に止めてあるベンツ600LSの運転手に向かって、少し待つように手で合図する。
「…な、何て言ったの、しずかちゃん?」
のび太はもう一度尋ねる。その声は恐怖に震えていた。
するとしずかちゃんはウェーブの掛かった長い前髪を手でかき上げながらのび太に向き直り、再び言った。
「バカって言ったのよ…それに超キモい」
のび太を見つめるしずかちゃんの目は、まるで道端に落ちている犬の糞を見るそれだ。
動揺を隠せないのび太は、しずかちゃんの目の前でオロオロとするばかりだった。
周囲の野次馬の指すような目線の中で、のび太は震えながらうな垂れる。
そんなのび太の哀れな姿に対してしずかちゃんは意地悪くニヤリと笑った。
「二度とあたしの前に姿見せないでくれる、のび太さん。もう私達はなんの関係もないの」
そう言い放つとしずかちゃんは、足元にペッと唾を吐きだし、待たせてあったベンツの後部座席に乗り込んだ。
…遠ざかるベンツの姿を、のび太は呆けたような目で追う。
交差点を足早にわたる通行人が、邪魔そうにのび太を睨みつける。
だが、そんな視線に気づくことなく、のび太は涙ぐんだ目で、消え去ったしずかちゃんのベンツを追っていた。
都会の喧騒が、のび太の耳の中で残酷に響く。
- 124 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/19(月) 14:05:16
- A
そのままのび太は泣いた。泣き崩れた。地面に蹲り、オイオイと号泣した。
仕事を失い、尾羽打ち枯らした今ののび太の精神は、すでに限界に達している。
もはや誰も自分を愛してくれない。
彼を助けてくれるドラえもんも、もうどこにもいない。
「ドラえもん…助けてドラえもん」
のび太は小声で呟いた。
だがその声も、都会の喧騒の中に掻き消えてゆく。
のび太は尚も泣きつづけた。
大都会の只中で、たった一人で。
…泣きながら、ふと、目の前を見た。
アスファルトの表面に、しずかちゃんが吐き出した唾がこびり付いていた。
少し乾きかけたそれは、アスファルトを僅かに黒く滲ませている。
のび太は四つん這いになり、はゆっくりとそこまで這い寄った。
しずかちゃんの唾液。しずかちゃんの分身…それはのび太自身が失ってしまった愛の欠片だ。
遠く過ぎ去ってしまった輝かしい少年時代の、かすかに残された雫だ。
のび太の心臓の鼓動は高鳴る。
同時に、若き日の思い出が脳裏を過ぎる。
放課後、しずかちゃんと過ごした甘酸っぱいあの日々。
まばゆい陽射しの中で共に笑い、励ましあい、仄かな恋心を抱いたあのせつない少年の日。
(あの熱き情熱の疼きを、もう一度取り戻せるだろうか?)
のび太の股間は熱を帯びてゆく。
のび太は地面に顔を近づけた。
口を空け、舌を伸ばす。その舌先はゆっくりとしずかちゃんの残したの唾液に向かって伸ばされてゆく…。
通行人の怪訝な視線を浴びる中で、のび太はそのままアスファルトにキスをした。
夢中でしずかちゃんの唾液を舐めた。そのまま音を立ててすすった。
しずかちゃんの愛を取り戻せた気がした。(了)
- 125 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/19(月) 14:06:19
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- 126 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/19(月) 19:01:40
- 『ドラえもん のび太の罪と罰』
@
〜第一章 しずかちゃんの夜〜
…富士見町の繁華街の外れで、一人客引きをする少女がいた。
呂律の回らない口調で、道行くサラリーマンを必死に客引きをしている。
焦点の定まらない視線や、ふらつく足取りを見れば、彼女が普通でないことはすぐに分かる。
肉の削げ落ちた頬、落ち窪んだ眼窩、年のわりに乾燥した素肌など、明らかに薬物中毒の症状が見られる。
「お客さん、2時間1万円でどうですか?お兄さん?」
サラリーマン風の男は、その少女の危なっかしい様子を見るなり、足早に立ち去った。
追いすがろうと少女は駆け出した。だが、足がもつれて倒れる。
「えへっ!今日は中々お客さん付いてくれないな?」
彼女はあのしずかちゃんのなれの果てだった。
そこには日本中の少年達を熱くさせたパンチラヒロインの面影はない。
今はただ、行きずりの客を相手に小銭を稼ぐヨタカに過ぎない。
彼女を今の悲惨な境遇に貶めたのは、あののび太である。
…甘言を用いてしずかちゃんをその気にさせ、散々その若き肉体を玩んだのはあののび太だった。
その後、ジャイアンやスネ夫から金を取ってしずかちゃんを抱かせたのび太。
さらにしずかちゃんをシャブ漬けにして、知り合いの経営するソープに飛ばしたのだ。
その稼ぎまでも巻き上げたのび太は、身も心もボロボロになって客が付かなくなるとしずかちゃんをあっさり捨てた。
愛する人に捨てられてしまったしずかちゃんは、精神を病み、たびたび自殺未遂事件を引き起こすようになる。
つい先日も硫化水素を用いた自殺を試み、危ういところを出来杉くんに救われたばかりなのだ…。
…別の労務者風の男にしずかちゃんは歩み寄り、声を掛ける。
その労務者風の男はまとわりつくしずかちゃんを軽くいなし、近くにいた売人に声を掛けた。
一見遊び人風の売人と言葉を交わし、男は覚醒剤を購入した。
この辺りでの覚醒剤の価格は、グラム単位で2万円程であり、最近は相場が落ち着いている。
少しくしゃくしゃになった福沢諭吉を5枚ほど売人に渡すと、その労務者風の男は再び歩き出した。
しずかちゃんはフラフラとした足取りで、その労務者風の男の後を追った。
「のび太さん、のび太さんなんでしょ?私、しずかよ」
覚醒剤の影響ですっかり肉の削げた頬に、無理矢理笑顔を浮かべて男の肩にもたれかかる。
その労務者はすこし面倒くさそうな表情をした。
が、仕方がないな、といった感じでしずかちゃんの腰に手を回した。
そのまま二人は近くのラブホテルに入る。
今夜は、この男が彼女の「のび太くん」になるのだ。
ただのスレた娼婦に成り下がったかつての国民的ヒロインは、誰とも分からぬ男と今夜もセックスをする。
僅かな金と、我が身を滅ぼす覚醒剤のために…。
- 127 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/19(月) 19:03:42
- A
〜第二章 ドラえもん のび太のもはやこれまで〜
「ジャイアンがいじめるよぉ」
今日ものび太くんが泣きながら懇願するので、ドラえもんは仕方なく不思議なポケットに手を入れた。
少し困り顔で、しぶしぶポケットを探るドラえもん。
その姿を見て、のび太くんは今回も泣き落としが上手くいった、とほくそ笑んだ。
困ったときにはドラえもん、それがのび太のルールだ。
今日、のび太くんはジャイアンの店の権利書を奪って登記の名義を書き換えてしまったのだ。
さらに甘言を用いてジャイ子を騙し、ジャイアンを連帯保証人にしてブラック金融から多額の金を引き出してもいた。
現在、激怒したジャイアンは、血眼になってのび太の行方を捜している。発見されるのは時間の問題だ。
とりあえず換金した3000万円ほどの現金と無記名債券の束を手にし、のび太は今、高飛びしようとしていた。
行き先はルクセンブルグ…そこは裏金パラダイスだ。
この火傷しそうなブラックマネーを信託投資にぶち込むと、国営銀行がきれいさっぱりクリーニングしてくれる。
その上がりでモナコのカジノで豪遊し、パリの赤線でパリジェンヌを買いまくって枯れるまでセックスする予定だ。
――ほとぼりが冷めるまで、ザーメン放出しまくりだな…。
のび太の期待と股間はパンパンに膨らんでゆく。
え、しずかちゃん、誰それ?
ああ、こないだ無理矢理堕胎させて借金のカタにソープに売り払ったあの淫乱娘か!
もう俺はあんなロリ娘なんぞ興味ないって、冗談よせよ。
俺はこれからパツ金巨乳のパリ娘とシャンパンセックスする男だぜ。
あんな小娘なんぞシャブ漬けにして花電車芸で温泉ストリップ周りでもさせてろっての。
それよりドラえもん、はやく秘密道具出してくれよ。
何モタモタやっているんだよ。早くしないとジャイアンが俺を殺しに来るんだよ。
下手すりゃ極東会も俺を消しに動き出してるかもしれないんだよ。
そうイラつくのび太の目の前で、ドラえもんはまるで焦らすかのようにモタモタとポケットをまさぐり続ける。
痺れを切らしたのび太は、遂にドラえもんに向かって大声で怒鳴りつけた。
「もう何やってるんだよドラえもん。僕のことが大事じゃないのかい?!」
同時にのび太はスーツの裾を少し広げ、胸ポケットに突っ込んだ札束を少しチラつかせた。
報酬だぜ、そう匂わせたつもりだ。
人間もネコ型ロボットも所詮は金で動く、のび太はそう確信していた。
もちろんのび太はそんな金を渡すつもりなどない。
秘密道具を出し次第ドラえもんは殺す、その積もりであった。
「あ、あった!」
遂にドラえもんが叫んだ。
「ほんと、ドラえもんありがとう!」
感謝の言葉を述べつつも、のび太は胸の奥のホルスターに吊った拳銃に手をやる。
ドラえもんが秘密道具を出した瞬間に、ドラえもんを射殺するつもりだ。
興奮するのび太の目の前で、ドラえもんはゆっくりと秘密道具を取り出した。
「ちゃちゃちゃ!レミントンM870ショットガン!」
ドラえもんの手に握られているのは、強力な殺傷力を誇るポンプアクションの黒光りする凶器だ。
- 128 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/19(月) 19:04:28
- B
のび太の表情が一瞬、緩んだ。
追いつめられた今、血路を切り開く確かな相棒としてこれほどふさわしい道具はない。
――ドラえもん、ありがとうよ。
そうほくそ笑みながら、のび太はドラえもんの握るショットガンに、ゆっくりと手を伸ばした…。
…だが、その瞬間だった。
ドラえもんは手にしたショットガンを素早く構えると、その銃口をのび太に向けた。
「えっ?」
咄嗟のことに、唖然とするのび太。
「…な、なんだようドラえもん?どうしてボクに銃口を向けるんだよ?」
のび太は拳銃を掴んだ手を止めた。
怯えた表情でドラえもんの顔を見返す。
そこにはいたのは、いつものドラえもんではなかった。
朗らかな笑顔を浮かべ、のび太を優しく見守ってくれたあのドラえもんの面影など、何処にもなかった。
…鬼畜、そんな言葉がお似合いの一匹の野獣がそこにいた。
「ド、ドラえもん?」
驚愕するのび太。
そんなのび太をドラえもんは殺意に満ちた目で睨みつける。
「のび太、貴様が3000万の現金と総額一億の債券を持ってることはお見通しなんだよ…それをとっとと出しなっ!」
ドラ声でのび太に怒鳴りつけると、ポンプアクションで散弾をチェンバー内に装填する。
「それにな、のび太、お前がケイマン諸島の口座に合計1億5000万の隠し資産を作ってることも知ってるんだ。」
銃口をのび太の頬に押し付け、ドラえもんはさらに睨みつける。
その目は本気だ…引き金に掛かったドラえもんの指が、力んで震えている。
「…な、何かの誤解だよ、ドラえもん」
のび太は混乱し、考えがまとまらない…何か考えねば、何か言わなければ!
「…しかもその金は、スネ夫の親父を騙して会社から横領させたペーパーカンパニーの運営資金だろ?」
スネ夫…会計士まで消して完全に書類操作したはず…一体どこから漏れたんだ?
「なあ、のび太観念しろよ…昨日自殺未遂を引き起こし意識不明の重態に陥ったしずかちゃんのためにもなっ!」
ドラえもんはショットガンの銃口でのび太の鼻先を殴りつけた。
同時に素早い動きで、のび太の懐にあった拳銃を引っ張りだす。
「こんなちゃちい拳銃で俺を殺そうってのか?俺は未来のネコ型ロボットだぜ、全身防弾なんだよ馬鹿!」
せせら笑うドラえもんの目の前で、のび太は呆気にとられていた。
―それよりも、しずかちゃんが自殺したって本当か?
デブ社長が経営する新風俗に、マゾ調教済みのしずかちゃんを売り飛ばす契約が脳裏を過ぎった。
国民的ヒロインの脱糞マゾプレイをいたく気に入った変態社長だ。
あのエロオヤジからは既に前金をしこたま貰ってある。
―あのヤンキー上がりもまた極東組の盃だ。不義理は直ちにタマに関わる…ヤバい!
のび太の額に冷や汗が浮かぶ。
そんなのび太の表情を冷たく見下ろしながら、ドラえもんは金の詰まったバッグを取り上げた。
- 129 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/19(月) 19:05:15
- C
「ジャイアン、全部済んだぜ。入ってこいよ」
ドラえもんが廊下の方に向かって声を掛けた。
――ジャイアン?ジャイアンだと!
扉がゆっくりと開く…。薄暗い廊下に人影が映し出される。
その人影を部屋の中からの明かりが照らし、その容貌を明らかにした。
そこにはジャイアンがいた。
顔が赤銅色に染め、憤怒の眼でのび太を睨みつけるジャイアンが立ちはだかっていた。
その手には釘バット。
野球チームのスラッガーであるジャイアンは、野球の流儀に乗っ取りのび太を始末しに来たのだ。
「のび太、よくも…よくも貴様!」
ジャイアンがのび太に歩み寄る…。
一瞬、のび太の脳裏に幸せだった小学校時代の思い出が浮かんだ。
学校の放課後に空き地に集まり、草野球をして遊んだあの幸せな日々。
空き地にはジャイアン、スネ夫、出来杉君たちがいた。
みんなのび太の方を見て笑っている。
「のび太さ〜ん、早くぅ!」
しずかちゃんの声がする。
眩い夏の日差しを浴びて、満面の微笑みを浮かべてのび太に手を振っている。
二度と返らない、少年の夏…。
それがのび太の最後のイメージだった。
のび太は少し笑った。
その瞬間、頭蓋骨が砕ける音を聞いたような気がした。
記憶はそこで途切れた。
そのままのび太は真っ暗な世界へ落ちていった…。
- 130 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/19(月) 19:22:53
- D
〜第二章 のび太の煉獄の魂〜
1.しずかちゃん
退院後、ラブホで客のペニスをくわえているとき、しずかちゃんの携帯が鳴った。
忙しいのになによ、と慌てて電話に出たしずかちゃんは、そこで信じられない事実を聞かされた。
「えっ?のび太さんが……生きてるですって?」
しずかちゃんはショックのあまりそのまま携帯を落とす。
客が少し不審そうな顔をするが、そのまましずかちゃんの股間をまさぐりつづけようとした。
普段淫乱のしずかちゃんの股間も今日は何故か乾いたままだ。
そんないやらしく絡みつく客を足蹴にすると、しずかちゃんは服を着てラブホを飛び出した。
通りに出ると、通りかかったタクシーを呼び止めて乗り込み、病院へと向かう。
「あの男、あののび太が生きてるなんて、そんな!」
タクシーの中で悔しさのあまり泣き出すしずかちゃん。
彼女の人生をボロボロにした憎き男、野比のび太。憎んでも憎みきれないあの男。
しかし彼女の操を奪い、彼女を大人の女にした男でもある。
愛憎交じりの激しい感情が、しずかちゃんの心のなかでせめぎ合う。
「いっそ、私の手でのび太さんを…」
しずかちゃんはタクシーの中で呟いた
2.ジャイアン
「えっ?のび太の野郎が生きてるって!」
ジャイアンは受話器を握りながら、愕然とした。
剛田青果店を追い出されて家族で四畳半に引っ越したジャイアン一家。
さきほどまで暴れまくっていた借金取りのチンピラに殴られ、傷口に絆創膏を張りながらその電話を受けた。
「そうだよジャイアン、サツ関係の知り合いに聞いたらあいつ生きてるってさ!」
スネ夫の声は震えている。
のび太に騙されたスネ夫のパパは会社の資金を不正融資したのだ。
業務上横領に問われたスネ夫のパパは悩み苦しんだ挙句、会社のビルから飛び降りて自殺してしまたのだ。
「だって、俺アイツの頭蓋骨を叩きわって殺したんだぜ!」
ジャイアンの声も震えだした。
「死んだの確認したのかよジャイアン!俺がやるって自信満々に言ってたじゃん!」
スネ夫は泣き叫んだ。魂の叫びだ。全てを失った男の絶望がその叫び声に詰まっている。
「わ、悪かったよスネ夫。とにかく今すぐに病院に行くよ!」
ジャイアンは電話を切った。
ジャイアンは振り返ると、脳溢血で倒れた父、ノイローゼで寝込んでいる母を見た…みな憔悴しきっている。
ジャイ子の遺影を見る…のび太の「結婚してやるよ」という甘言に騙され店の権利書を渡し、自殺したジャイ子…。
ジャイアンの目に涙が溢れた。
そのまま駆け出すようにアパートを飛び出したジャイアンは、全力で病院に向かった。
「なぜアイツは生きているんだ?俺は確かにアイツの脳味噌が飛び出たのを見たのに!」
- 131 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/19(月) 19:52:42
- E
3.パパとママ
生まれたときは天使のように可愛い赤ちゃんだった。
あの日、すくすくと伸びやかに育って欲しいと、その赤子に「のび太」と名づけた。
二人はその記憶が甦り、目頭が熱くなった。
あの時の玉のような笑顔、あの可愛かったのび太が…どうしてこんなことに。
もはや極東組の手が回り、のび太は逃げようもない、という話をドラえもんから聞かされた。
しかものび太は幼馴染達に手をかけ、彼らを騙して売り飛ばしたのだという。
何度も自殺未遂を起こし、街娼に落ちぶれたというしずかちゃん…パパとママに気持ちは揺れた。
そこに飛び込んできたのがジャイ子ちゃんの投身自殺の一報だった。
また去年、スネ夫のパパの会社を潰したのも、のび太のせいだという。
このままでは、のび太は悪魔になってしまう。
「もう、あの子を殺すしか…」
ママの一言に、パパは無言だった。
目線を合わせずに素直に頷いた。
二人は、ドラえもんとジャイアンから持ち込まれたのび太殺害計画に同意したのだ。
愛息のび太のこれ以上の堕落を食い止めるために。
愛息のび太の穢れた魂を救済するために。
そして今日、死んだと思ったのび太が生きているという。
――何故だ? どうして? 今生き返っても、なにもいいことなんかないんだぞ、のび太。
相反する親心同士が二人の中で渦巻く。
息子が生きているという喜びと、何故ここで死ななかったのかという気持ち。
二人はタクシーで病院に向かう間も、終始無言だった。
- 132 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/19(月) 19:53:53
- F
4.病院に集った共犯者たち。
病院のベッドで眠るのび太を、ドラえもんやパパやママが虚ろな目で見下ろしていた。
その背後でジャイアンとスネ夫としずかちゃんが、澱んだ瞳でのび太を見ている。
看護婦の格好をしたドラミちゃんを引き連れて、ドクター出来杉くんがのび太を診察を終えた。
「のび太くんは、助かったみたいですよ」
出来杉先生が言うと、病室中の空気に緊張感が張り詰める。
「?」
その空気を察した出来杉先生は不審に思った。
(息子さんが助かったというのに、なんでこの人たちはこんなに暗いんだろう?)
出来杉先生は首をかしげながら診察道具を仕舞い、回診を終え出て行った。
…取り残されたレギュラーメンバーたちは、昏々と眠るのび太を見下ろしながら溜め息をついた。
「どうして生きてるんだよジャイアン。極東会の仕業に見せかけて頭骨を叩き割ったって言ってたじゃないか!」
スネ夫は椅子から立ち上がると、困惑顔で立ち竦むジャイアンに向かって詰め寄った。
ジャイアンは申し訳なさそうに、スネ夫から目を逸らす。
「仕方がねーだろ。あの時のび太は脳味噌をぶちまけてたから、てっきりもう死んだんだと思ったんだよ…」
目を逸らしたままで、ジャイアンは少し戸惑いながらも言い返した。
だが突然、ジャイアンはスネ夫に向き直った。
「俺だって妹が死んだんだぞスネ夫!何で生きてるのかコッチが聞きたいくらいなんだよっ!」
自分の胸倉を掴むスネ夫の手を払って、ジャイアンは怒鳴った。
「私だって…」
しずかちゃんが語りだした。
「私だってのび太くんに犯されて孕まされて、殺したいほど憎いんだよ。ジャイアンさんに任せたのにどうして!」
しずかちゃんは両手で顔を覆うと、声を上げて泣き出した。
子宮全摘出したしずかちゃんは、もう一生子供を産めない身体だ。
そう、それも全てのび太のせいだ。
- 133 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/19(月) 19:55:59
- G
…病室の扉の傍で、ドラえもん一人だけが無言で立ち尽くしていた。
未来の世界において、大変重要な影響力を持つことになる野比のび太という少年の存在。
その少年を矯正し、指導することで、後の時代の方向性を正してゆく。
野比のび太という少年を保護、教育、育成するための特定監視指導員。
未来の世界から派遣されたドラえもんの、それが本当の任務だ。
だが、今回のこの事態は、ドラえもんの任務が失敗してしまったことを意味する。
小学校時代、内気でシャイでひ弱な少年であったのび太。
のび太が中学に入った時、ドラえもんは厳しく鍛えることにした…逞しい真の男にすべく。
のび太とは大の親友であり、それ以上に心通い合う仲だ。
だからこそ、いつまでも甘えさせては駄目だと、心を鬼にしてのび太を厳しく指導監督したのだ。
ドラえもんがのび太に課したのは、未来の世界の航空宇宙軍海兵隊向けの肉体プログラムだ。
どんな困難にも屈しない、強靭な精神と肉体を持つ海兵隊魂を、のび太に叩き込んだのだ。
そのせいか、幼少時とは別人のような強さを持つ青年に育っていったのび太。
中高時代は、学校でも文武両道に秀でた優秀な学生となり、周囲からの期待と評価は高まっていった。
もう安心だ…これでのび太くんは、未来の世界に有益な仕事を為してくれるだろう。
ドラえもんは、 自らの任務達成の喜びを越えて、のび太という存在を誇りに思った…そう、あの頃は、まだ。
だがまさか、のび太の中にこれほどの悪意が眠っているとは、ドラえもんも予想だにしていなかった。
心優しく、大人しくて繊細だったあののび太に、ここまでの蛮性が潜んでいようとは…。
時が経ち、のび太は日に日に横暴になっていった。
己の能力を過信し、周囲を見下し、好き放題な行動を振舞う。
結果、周囲の人間達に牙を剥く、凶悪な一匹のケダモノに堕したのび太。
彼は飽くことなく暴走し続け、破滅に向かってまっしぐらに突き進んでいった…多くの人間を犠牲にしながら。
のび太のこれ以上の破滅を止め、その穢れた魂を救い出すためには、もう命を絶つしかなかったのだ。
そう、我々友達の手で…。
- 134 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/19(月) 20:15:49
- H
「…で、どうするよ?今なら誰も見てないよ」
スネ夫はみんなに向かって言う。
どこか冷めた声だ。
視線もまた暗い。
しかしその瞳の奥には、何か決意をした、そのような色が見えた。
「どういうことだよスネ夫?」
普段は卑屈なスネ夫、そんな彼とは思えない威圧的な口調に、ジャイアンは少し戸惑っている。
スネ夫はそんなジャイアンを見つめ、病室全体を見渡し、静かな声で言った。
「だからさ、いまここでのび太の生命維持装置をちょっといじればさ、わかるだろ?」
スネ夫の思わぬアイデアに、病室内の空気が一変した。
ハッとしたような表情を浮かべ、互いに顔を見合わせる。
様々な思いが錯綜している。
しかし今のスネ夫の言葉は、そんな彼らに一つの道筋を示した。
みんながスネ夫を見つめる、誰もが。
戸惑いつつ、何かに縋るような目で…。
その視線を受けとったスネ夫は、意を決したように無言で頷いてみせた…。
…スネ夫の手が、生命維持装置のスイッチに伸びてゆく。
シンと静まり返る病室で、生命維持装置の立てる小さな機械音が、やけに大きく響いた。
その様子を全員が固唾を呑んで見守っている…祈るような、そんな目付きで。
が、スネ夫の手がスイッチに触れようとしたそのときだった。
突然のび太が反応した。
「助けて…」
呼吸器の隙間からかすかに漏れる声は、確かにそう言っていた。
「…助けてドラえもん。今度は真面目に生きるからさ。」
その声にはっとなり動きを止めるスネ夫。
部屋の空気も止まった。
ベッドで眠るのび太の目から、涙が一筋流れ出る。
その涙はゆっくりと頬を伝い、そのまま鬢の辺りに流れ落ちた。
「どうしたんだよスネ夫、早く切ってしまえよ!」
戸惑いを見せながらも、ジャイアンが叫ぶ。
しかしスネ夫は動かない、いや、動けなかった。
散々自分達を騙し、多くの人間を苦しめたそののび太が、今、目の前に横たわっている。
殺したいほど憎んだその男は、今は誰よりも無力だ。
生命維持装置のスイッチを少し動かせば、のび太は確実に死ぬ。
元々瀕死の重傷だったのだから、殺人とバレる可能性も薄い。
――しかし、しかし!
- 135 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/19(月) 20:16:50
- I
「止めて!」
緊張した空気を打ち破るように、しずかちゃんが叫んだ。
「のび太さんを殺さないで!私の愛する人を殺さないでっ!」
泣き叫びながら、しずかちゃんはのび太に縋りつく。
「のび太さん生きて、お願いっ!そしてもう一度私を抱きしめて!…私、あなたを本当に愛しているのよ!」
静かな病室の中で、しずかちゃんの泣き声が響き渡った。
病室の隅で、のび太の母もすすり泣きを始める。
スネ夫は一度目を瞑り、生命維持装置のスイッチからゆっくりと指先を離した。
もう、迷いは無かった。
確かに彼は父の仇である。
しずかちゃんの人生を破壊し、ジャイアンの妹を死に追いやり、家庭を滅茶苦茶にした罪深き男だ。
だが、彼には生きてその罪を償ってもらおう、そう思った。
もう一度、のび太の言葉を信じてやろう…それが友情じゃないか。
ふと見ると、ドラえもんが涙を流していた。
ネコ型ロボットにも、涙腺があるんだな…そんなどうでもいいことをスネ夫は思い、ドラえもんに微笑み返した。
…その後のび太は無事に一命をとりとめる。
これから、のび太の贖罪の日々が始まるのだ。 (了)
- 136 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/01/19(月) 20:19:43
- _______
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- 137 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/02/18(水) 14:20:52
- 『無題』
さっきまで肛門にウスターソースの空きボトルを出し入れして遊んでいたら
奥まで入って出てこなくなっちまった。
思いっきりウンコしたら出てくるかな?
でも、結構痛そうだな。
なんか思いっきり締め付けた時に中でボトルが割れたみたいで、
尖がったところが肛門の中をぷすぷす刺すし。
どうしよう?
なんか良い知恵無い?
さっきまで尿道にストローを出し入れして遊んでいたら
奥まで入って出てこなくなっちまった。
思いっきりションベンしたら出てくるかな?
でも、結構痛そうだな。
なんか思いっきり捻じ込んだ時に中でストローが割れたみたいで、
尖がったところが尿道の中をぷすぷす刺すし。
どうしよう?
なんか良い知恵無い?
- 138 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/02/18(水) 14:22:51
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|: : : : |: : :.:|」_{:_:{: : {{ : /: :/ |: /: : :|: : | たべちゃうぞー
| : /⊃: :_|⌒ヾ八从/j∠ j/: :/: j : ,'
lxくヽ_ト._V }ゞ , v- _ '´ ̄’ハ/:|:/: / ,ヘ-、
|ヘJノ 人.( ノ ""イ:} l乂:/ /゙)ヘし〉
∧ |:.:.ヽ> -r'-‐ '´: |人} / } ハJ
/: :〉 ∧: : ヽ /  ̄`\:|: : | / ノ /
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>‐'´: : : /: : : ハ ノ'〈: 八
/: : : : : : /: : : /:い ',: : ヽ
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ヽ: : \: : : : : : :| ,' /: : : : : :/
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- 139 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/02/18(水) 14:23:45
- 『死んだスレに捧げるバラード』
笑い声は絶えて久しく、ただ寒風が吹き荒ぶのみ。
荒れ果てた大地の乾いた砂に枯れ草がたなびく。
そう、ここは死んだスレ。
死の影に呑まれて全ての希望を失った場所だ。
かつて栄華を誇った絢爛豪華な王朝物語も、今はその色を失い語る者はいない。
失われた夢の中で屍となった数多くの戦士たちが、誰にも思い出されることなく荒野に埋もれる。
仄かに甘い潤いを孕んだ早春の息吹は再び頬を撫でてくれるのであろうか?
一陣の春風が暗雲を薙ぎ払いまばゆい陽射しをまた見ることはあるのだろうか?
麗しい春の女神たちは、また再び彼らに微笑みを見せてくれるのだろうか?
そう、全ては闇の中だ。
狂おしく吠える北風の只中に、白雪を踏みしめて孤独な男たちが彷徨い歩く。
落ち窪んだ目は輝きを取り戻すことの無いまま、薄暗い虚空をただ見つめるだけだ。
神を失って久しいこのスレで、彼らには救いは訪れない。
それでもただ歩み続けるしかないのだ。
それが彼らの犯した罪の果てであり、彼らに等しく課された罰なのだ。
何処に向かっているのか、誰が迎え入れてくれるのか、そんなことを彼らは知らない。
身を切るような寒さの中、ボロボロのローブに身を包む痩せた男たちは道なき道を進んでゆく。
己のペニスを握り締めながら。
なぜか勃起したまま永遠に萎えない己の欲情を抱えながら。
いつか思いきり女神のまんこに中出しするその日まで。(了)
- 140 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/02/18(水) 14:28:01
- ___
,. '´ `´ ̄`丶、
/ / ヽ \
/ / ヽ ! ヽ ヽ
/ / | !| ヽ l | | l !
/ / !|| | ! | l | !| ! ! ! ! !
/// ! ! ! !| ! |l| !|| | ! | | | | || |
/// | |_,|斗十l|ト、||ハ/十トl、! ! || l
/// ! '´N ,r=ミ、ヽlリ ,r|/=リ|/! !l ヽヽ
//l !l ヘ | 〈 トッj:} トッj:} 〉j// ! ゙、\
// || | lヽ! ゞ=' ゞ=' // / | ! ゙、ヽ!
l/ | ヽ l| |ヘ::::::::::: ' :::::-=彳/ / /リヽ }
ヽ ヽ!Vヽl`ト,、 ‘’ ,. '´l/\,rく l/
/´/〈 ` ーr '´ ! rく/、 \
/ ヽ 〉、 / l | \
l ノ〈 ヽ _/--―ノ / ヽ
| _f=ニヘ、_,r==一'´ Y ',
', l /⌒ヽヽニ=--- 、\ヽ j
V ``ー '´ ̄`ヽ ヽ! /
'、:: ヽ| ,′
lヽ 、 :o: ! !
l } ヽ、 | |
l/ l |
_,. '´ ,| !
__ _,rァT´ /ハ |
,. -一7 /´ /ノ| ノ ハ{ !
'´ ̄//_,.- j j l ヘ l、ヘ |ヽ
‐?7´ _/ノ j' ヽ jヽ \___j__}ヽ
_,. -‐// / \ /、}、 `ヽ--‐ァ'´
´ ,.イ { / ` ー- 、___,.lヽ\` ̄´ /
/ ヽヽ / / /! ,!-―‐- 、!V ヽ\`ー'〉
- 141 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/02/18(水) 14:29:39
- 『未来の僕らへの贈り物』
ぼくの声は聞こえるかい?
ぼくの歌は届いているかい?
果てしない希望の果に
まだ見ぬ未来への期待と不安の中で
そんなまばゆい光の中で
僕らは思い切りうんこをしてやるんだ
そう、思いっきり
真っ黒な一本糞をひねり出してやるんだ
- 142 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/02/18(水) 14:58:38
-
,. -‐ ''''"¨´  ̄ ̄`` ¨¨'''¬ー- 、
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/ __ __ _ ヽ、
l ,. -‐''"´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ̄``丶、 \
! /:./.:/,.:.:./.:.;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、 ヽ
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ヽ、|/ |:.:.l.:.:lイ丁`ハl.:.:「l ̄l`ヽ:.:l:.:|.:.:.:.:.:|.:.:l l
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/.:.:./.:.:l l:込、 iァ=┐ _,/ .:.:/ .:! .:l::l ̄
/.:.:./l.:.:.l.:l:ト=|:l> _ー' ,.ィl´/.:.:./.:|.:.|.:.:l::|
/ :.://l.:.:.l.:l/7┴┴‐' ̄ {j/.:.;.イ:l.:l.:.|.:.:l::|
/ :.://,ム.:.:l"{ { ヽ -―//./\l.:l.:.|.:.:l::|
__ _厶-‐'" ヽ:!/ \___ _/ _/ } :! :|.:.:|::|
_r‐┤ \. - ''´ ,.-┴―- 、__,,. -‐''"´ ,イ:.:l.:.|.:.:|::|
. 」 | ', |、\ _,. ┤ ,. ,. イ :l.:.:l:.:|.:.:|::|
〈 ヽ\人_j `┴=エ工. -‐゙し1 / ,. _____ ,. ‐个ァ′l :.:l:.:|.:.:|::|
. `ー'7′ \ └{_/l_/´ /!.:| | .: .:.|.:.:|::l
. ,' \ | ヽ、ヽ /.:!.:l :| | .: .:.|.:.:l/
i \ ` ー--=| \ \/:,.'-'-'‐ー┴‐ ┴〈
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. l `7…―‐! ヽ ∨/:/:/ l\. /
| ヽ. / j ', \ ヽ'ノ ノ/〉 /
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l | ヽ \ヽ. //
. ! 、 l \ ヽ∨く
l ヽl ,>、 l、 `ー‐-- 、
l l / \ !` ー-、 \
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. / ! l ,' \ l i ',
. / Λ l i | \ | ! !
.,,_ / \ ', l l `¨フ | |
\{ `丶、 ',. l l / j _ |
`ヽ、 '、 ! l / '´ \/
 ̄`ヽ ! レ′
- 143 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/03/14(土) 00:53:29
- 『雨の日 〜 世界の終わりへ』
もう終わりだね。
そう、今日まで頑張ってきたけど、それももう終わり。
間もなくここの核融合炉は溶解し、この施設は大爆発を始めるよ。
もう助からないんだ。
エネルギープラントの大爆発で、周囲半径100キロくらいは死の世界になる。
数百年から、果ては数万年先まで、放射能に汚染された土壌が、そこに広がるだけ。
僕は手にしたサブマシンガンをテーブルの上に置いた。
部屋中には先ほどまで必死の抵抗を続けたエネルギープラントの職員たちが血まみれで倒れている。
抵抗しなければ、彼らをここまで痛みつけてなかったのに。楽に死なせてやっていたのに。
命令どおり原子炉の制御棒を抜いて暴走させれば、仕事も早く済んでたのに。
馬鹿な奴らだ。
けたたましい警報が鳴り響き、モニターには危険を告げる文字が点滅する。
明らかに上昇した炉心温度は、もはや停められない。
ウラニウム235の核融合反応は臨界を越え、大量の中性子をばら撒きながら周囲のイエローケーキを焼く。
純粋に満たされたプールに、不気味なチェレンコフ光の輝きが映える。
破滅の光だ。
あと少しで世界は滅ぶんだ。
僕はふと、警備用モニターに目をやった。
降りしきる雨の中、危険を察知した軍関係者が、施設に殺到しているのが見える。
特殊部隊員を満載しているであろう武装ヘリが、施設の上空を飛び回っているのが見える。
もう遅いのに。
僕らの同士が彼らに対し、持ち込んだ機関砲で応戦している。
武装トラックの一つが炎上をはじめる。
そんな虚しい光景を呆然と眺めながら、僕はタバコに火をつけた。
喉をチリチリと刺激する煙を心地よく味わいながら、僕は笑った。
楽しいからではない、そうではないのだ。
核反応が完全に制御不能になり、モニターには総員退去を命じる表示が出た。
だからどうした、いまさら外に出てももう遅い。
全ての保障システムを破壊し、通信回線も破壊した。
唯一、政府安全保障室への回線だけが生きている。
今頃、政府は恐慌状態だろう。
僕はそのままウイスキーを取り出し、同志である美弥子に飲ませた。
彼女は先ほどの銃撃戦で腹を撃たれ、間もなく死ぬ。
だが愛する女の死を目の前にしても、悲しみは出てこない。
むしろ幸せすら感じる。
僕だって同じだんだから。
あと30分もあれば、僕も彼女とともに、この世から消滅するのだから。
数百万人の人間たちとともに。
- 144 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/03/14(土) 00:54:14
- 美弥子が事切れるのを見た僕は、そのウイスキーボトルに口を付けた。
彼女の口紅が僅かに付着するウイスキーボトル。
何度も唇を重ね、何度も僕のペニスを愛撫してくれた美弥子の唇だ。
僕はそのボトルの口に、最後の口づけをした。
そのまま中身を思い切り煽った。
焼けるような刺激が喉に流入する。
僕は少しむせながらも、その火傷しそうな琥珀色の液体を胃袋に流し込んだ。
少し涙目のまま、五月蝿く警報を鳴らすモニターに向かって乾杯と一言。
もう終わりだね。
施設内に特殊部隊員たちが突入したようだ。
遠くからだが銃声が聞こえる。
サブマシンガンではなく、明らかにカービン銃の音だ。
甲高いその銃声は、ここが核施設であることを忘れているようだ。
どちらにせよ、もうそんなこと言ってられないのだけど。
僕はもう一度サブマシンガンを手に取った。
美弥子の死体から、サブマシンガンの予備弾倉と手榴弾を取る。
最後の戦いかもしれない。
もしかしたら、世界を破滅に導く盛大な花火を見られないのかもしれない。
それが少し残念に思えた。
無線機からリーダーの村上が呼びかける声がする。
直後、その無線機のスピーカーから村上の絶叫が響き、同時に容赦のない銃声がした。
村上も一足先に、永遠の世界へ旅立ったようだ。
まもなくここにも来る。
もう遅いのに。
もう停められないのに。
管制室の廊下で同志が、軍の兵士たちと撃ちあいをしている。
炉心の融解を告げるメッセージか表示された。
間もなく爆発が起こる。
もう終わりだ。
僕はモニターを見た。
雨に打たれながら、装甲車や軍用車が佇むその光景。
その光景が、僕が見た最後の映像だった。
直後、凄まじい光と熱線が僕を包み、その一瞬で僕はこの世から消滅した。
最初に放たれた大量の中性子線で、おそらくこの地域数百メートルの人間は即死する。
そのすぐ後に放たれる放射能の熱線が数十秒、辺りを焼き払う。
さらに巨大なエネルギーが一気に放たれ、この地域は全て破壊しつくされる。
最後に、大量の放射能を含有した雨が空から降り注ぎ、大地を穢してゆく。
僕もその一部となって、大地を穢してゆくつもりだ(了)
- 145 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/03/14(土) 00:57:15
- ,..-―- ._
,r< / ̄ ̄ ̄/ ̄`ヽ.
____/ ̄ '"´ ̄ ̄ ̄ ̄``'く / 〉
/'´ ̄ ̄/ \ / /
ト、 /:.:.: : : :, ::/ :l| ∨ /⌒;
,r{人__,/:.:.:.: :., :::/ ::/ : :八 ハ ∧::. ハ: V`ーく
///|\/:.:.:.,.::/ ::/ ::/| : ,'| | } ハ::. |: |ハ ハ
/ //.{ト、_|:.:.:/.:,' ::/ ::/レ' // . ト,ハ、_| l:. |: l: |||| |
| ,/く丁}人} / ::j :::|,.ィ'´ |// |/ |リ `'W /:.:|||| |
|//{ |/レr|/{ : :|イ / ' ,ィf行_八/:.: 八j「| |
| { ∧: :/辷∨l/,r=== ヒl以 八_>く「|_,ハ リ
∧ ∨ / / ̄ヽ'' ; '''' l /!!: : 〉|」/ j/
∧ ∨|/j/ ハ、 { ̄`¨ヽ .イ/ lト、/ :|
/ ::∨ ' ,' ∧Y} V/j/レ小/\|
/ , ::,' l |:: \ V_ ∨:八
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/ ::| :: | レ'l l:: :: :: {___ヽ} _} } ┌ \::ハ
| ::ト、| |: l l:: :: / /∧`T=く._ } ::ハ
人 ::| \_ | :: l l:: / / :: :ハ. | /` ー┤::| l
ト、 |:: : l V /:: :: : ::} l ト、___/|:.:.l|
\ /:: ::.ハ. l /:: :: :: ::/|,' }/イり
_/:: :: :: ∧ } /:: :: :: ::/ .l/ |
_____ ...':´ :: :: :: :: /::∧ /:: :: :: :: {! / ,'
/ ___ `丶、 ,.r< : : : : :: :: :: :: :: /::ハ /:: :: :: ::.:,イ { /
. ,イ / `丶、_)rく :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: / /:: :::¨´:: ::/:: ::.:/ ∨ /
{ | | ,.r<:: :: :: :: :: :: :: :: ::. ::. ::./:: :: :: :: :: :: /::: :: ::/ ∧ /
l| | /'"´ ̄``ヽ、:: :: :: :: :: ::/:: :: :: :: :: :: :: / : :: ::/ `ーく
八! ',. , ′ ヽ.::、:: ::.::./:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :::!
. ヽ \ / ∨:` .、: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::,'
\,/ lハ:: :: `:..、:: :: :: :: :: :: :: :: :: /
,' |:l| :: :: : : \ :: :: :: :: :: :: :: ,'
├―――x、 |:リ:: :: :: :: :: ::\ :: :: :: : : : {
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. /:: :: :: :: :: :: :: :: : ヽ. |:: :/:: :/ ,.斗-- .
. ,' :: :: :: :: :: :: :: :: : : : ヘ lrくr<´ , '´ :: :: :: :: :: ` 、
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l:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: : ∨ ::/ , ' :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: : \
l:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: : /`¨{ /:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::.\
- 146 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/09/29(火) 17:54:21
-
('A`)ノ ♪くまの子みていた
ノ( ヘヘ
('A`) かく ('A`) れん
∨) (∨
(( ))
ヽ('A`)ノ ぼっ♪
( ) ゛
゛/ω\
('A` ) ♪おしりを出した子
(⊃⌒*⌒⊂)
/__ノωヽ__
__[警]
( ) ('A`)
( )Vノ )
| | ω|
- 147 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/10/10(土) 18:02:53
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- 148 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/10/10(土) 18:37:26
-
_| ̄|○ < I can fly!
\ へ
/○ |_
_|
○
く
\/
○
○|_| ̄
○/
\ へ
○
| ̄
 ̄|
○
/\
>
_| ̄|○
|_ ・;∵..
_|・;∵..・;∵..
______________________○___
- 149 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/10/15(木) 17:33:58
- 『ヘイドレクからのメッセージ』
私は今から十年前の7歳の時に、UFOに拉致されました。
そのまま私はアンドロメダ大星雲に連れ去られました。
そこで私はアンドロメダ星人たちに告げられたのです。今、地球は危機にある、と。
美しい地球を狙う宇宙大魔王が、宇宙のあちこちの惑星文明を滅ぼし、地球に向かいつつあると。
私は超能力に目覚めました。そう、宇宙大魔王と、彼が率いる悪魔軍団と戦うために。
このうつくしい地球を守り、子供達の笑顔を曇らさないために。
みなさんの中に来るべき最終戦争を戦う運命の戦士の方はいらっしゃいますか?
宇宙大魔王と戦う超能力をお持ちの方はいらっしゃいますか?
私とともに宇宙大魔王と戦いましょう!!
ちなみに私の超能力は、勃起した己のちんこに一度も触れることなくオルガスムスに達し、射精することです。
- 150 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2009/10/16(金) 01:23:59
- 『コピペより』
あるところに仲の良い三兄弟がいました。
ある日、三人は山に出かけましたが山で道に迷ってしまい、三人は途方に暮れていました。
しかし運良く明かりの付いた家を見つけたのです。
その家にはお婆さんと若い娘が暮らしていました。
三人はお婆さんに一晩泊めて欲しいと頼みました。
するとお婆さんは、「娘に手を出さないなら泊めてやる。」と言いました。「もし、手を出したなら殺す。と言われました。
しかし三人は我慢できずに娘に手を出してしまったのです。
お婆さんは怒り狂って三人を殺すと言いました。三人は必死に許して欲しいと頼みました。
あまりに必死で頼むのでお婆さんはこう言いました。
「山からそれぞれ 一つ果物を採って来たら許してやろう。」三人は喜んで山に出かけました。
最初に戻って来たのは長男でした。長男はブドウを採って来ました。お婆さんは、
「それを黙ってお尻の穴 に入れたら許してやる。」と言いました。
長男はブドウを一粒尻の穴に入れて許してもらいました。
次に次男がリンゴを採って帰って来ました。次男も同じように尻の穴に必死にリンゴを入れようとしました。
しかし、あと少しというところでプッと吹き出してしまいリンゴを入れることが出来ませんでした。
男はお婆さんに殺されてしまいました。
次男は死んで閻魔大王様の前にいました。
大王様が次男に、「あと、もう少しでリンゴが入るところだったのに、どうして吹き出してしまったのだ?」と聞きました。
すると次男はこう言いました。
「もう、入りそうになった時ふと、外を見たんです。そしたら弟が誇らしげにスイカを抱えて来てたのです!」
- 151 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2010/01/26(火) 20:10:02
- / '゙ /'ニ'ヽ, / /
/ | i).ト-' / /
l ' l´ / /
ヽ. ヾ、 / /
,r '´ ̄`゙''ー .、_ ヽ,._,.:-‐'‐‐-- .、_ ./ /
ノ .,ィ / __,,..、--―::''''"::::::::::::::::::::::::::::::::! ./ /
__,,,..、--ァ‐'.∠、‐シ !_,r:'´_;;;;;、、、;;;;;;_::::::::::::::::::::::::::::::::::i _,,../ /
,.、;'ニ-;ニ-‐二 ̄ ̄三三ニ''ーl;r'´ `^ヽ、 `゙''ヽ、;:::::::::::::::::::::|`゙'v'___ /
/ ,、r:'´_,:r'ニ三三三_ニー- 、,__ `ヽ、 ヽ、 \;::::::::i::::j:::::::::ヾ;ヽ,': /
/ //,、-‐=;ドヾ;‐ミ;‐ミヾ、‐ミ、ヽ,'、 ̄ ノ _,....」_::::|::'::::::::::::::::ト、':、 /
./ / ///ニ-''li| ヽ ` .\ ,.イ :'´ \::::::::::::::::::::l:::',:゙、 \〈
/ .l / /'二Zヾ;、 ,.--、 .〉 / ヽ:::::::::::::::::l;:::::'、'、 ├‐―''"
| l, //,r'ニ二_` l, ,. ' /./ / ハ::::::::::::::::l::::::::ヾ;、 l,
| //r'ニ-―-、,_ ‐' '´ ./'ヽ, ' レ':::::::::::::ノ::::::::::::::::\l-―‐''゙´
l, ./,r=--、.,_ ;i, /r‐''''l ,/:::::::::::::/::::::::::::::::::::::::{
゙、 _ ミ''ー- 、_ヾ;:、_ ,、イ^"゙'ヽ,| >:、..,,,.イ:/::::::::;;/''''"''''ー;ァ‐''゙^ト、
_,>,.r:',. 、, `ヽ-=ニrzイ彡-''"`゙ .! .i /:::::::::ノr:<-_;ラ‐''゙´ \
/r'/.,イ \,. ゙ヽ.、..,,、-=ニrヘ''ーミ;.、 ゙、 ヾ7::フ::::::/ ヾ;'´ \
:'′'/ l i ヽ;、ヾ;ミ;.、ヾ''く´ヽ;ヾ,.゙'i }. \ Y::::/ ヽ、, \
!:l l. l .、 l, 、\ヾ:、ヽ, !l.| ヽ、 /::::ハ ヽ ヽ
!| ', l, ', l, l \、,_ l ト, .| | \ /:::/ ヽ, \ ヽ
{ ヽ l | !l | l. l l.| l, .! \':::;r' ヽ \ \
!.| / | l.l l:j '゙ | / ヾ \ \ ヽ
j | ./ / ノ ノ/ \ \ \ ヽ
_ノ / ´ \ \ \
ー''´ \ ヽ ヽ、
- 152 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2010/01/26(火) 20:13:31
- 『X JAPAN物語 Blue Blood 〜 何故、TOSHIこと出山利三は宗教に救いを求めたのか? 』
「…なんということだ!」
X JAPANのリードボーカリスト、出山利三は驚愕した。
今の今まで、自分の熱き思いはファンのみんなに伝わっていたと思っていた…しかしそうではなかったのだ。
彼らが欲していたのは安っぽい熱狂と、安っぽい感動、そして身勝手な自己陶酔であった。
発狂したように歓声を上げる愚衆を前に、カリスマは涙した。
マイクスタンドにもたれかかり肩を震わせながら嗚咽した。
HIDEのギターはコーラスとフェイザー掛かったディストージョンサウンドを響かせ、PATAのリードが空間を切り裂く。
うねるようにラインを刻むTAIJIのベースがグルーヴをあおる。
そして稀代の鬼リーダー、林佳樹はヒステリックに何かを叫び、ツーバスドラムの後ろでのた打ち回る。
…しかし今の出山利三にとっては、そうした全てが雑音だった。
(穢れてる!汚れてる!堕落している!)
心の中で彼は叫んだ。
結局、みんな俺の苦悩をわかってくれなかったのだ。
それが悲しかった。悔しかった。
ギターソロが終わり曲はサビに突入した。しかし出山利三は俯いたままだ。
聴衆は彼を求めた。彼の甲高い絶叫を求めた。
メンバーもまた、出山利三のいつもの発狂パフォーマンスを促す。
「早く歌えっ!とっとと歌え!…早くしねえとあとで肛門にベースのネックをねじ込んでグリグリすっぞ、ゴルァ!」
ドラムセットの中から林佳樹がTOSHIを怒鳴りつけた。
その怒号を聞いた瞬間、出山利三はハッと我に返った。
マゾ奴隷の悲しい性だ。
ご主人様たる林佳樹の巧みな調教によりマゾ奴隷として開発された出山利三。
そんな彼にとって林佳樹の命令は絶対であり、神の声に等しい。
出山利三は顔を上げ、怯えたような表情で林佳樹の方を振り返る。
そこでは林佳樹が出山利三を睨みつけていた。般若の如く怒り狂った表情で。
出山はサディスト特有の酷薄な林佳樹の視線を感じた。
幼きころから、出山の肉体と精神を支配し続けた、あの林佳樹の狂気の目。
出山は一瞬、肛門がキュッと締まるような恐怖を覚えた。
…しかし同時にそれは、彼にとって喩えようもない快感でもあったのだが。
- 153 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2010/01/26(火) 20:14:18
- A
出山利三は、林佳樹の視線から逃げるように観客の方へと向き直った。
ここに集う哀れな信者は、バケモノ顎男こと出山利三の愛の言葉を求めているわけではないのだ。
彼らは林佳樹やHIDEの奏でる音の虚構を求めている。
商業音楽に乗せられた、安っぽいナルシシズム。
自己陶酔とフラストレーションの発散に過ぎない、ただのマスターベーション。
数年後、HIDEが本当に首吊り窒息マスターベーションで昇天してしまうのだが、
そんなことは、この時の出山利三には分かるはずもない。
ここに集う愚衆たちを安っぽく熱狂させ、金を吸い上げる、ただそれだけのステージ…。
そうなのだ、彼こと出山利三など、ここでは単なる張子に過ぎなかったのだ。
商業資本主義の奏でる悪魔の歌を歌っていただけ…ただそれだけの安っぽい存在だったのだ。
それを今日、それに気付いてしまった。
(何ということだ!何という…)
彼の中で何か崩れた。
そして彼は、ついに決断した…。
歓喜の絶叫を上げる観客たちの声が、徐々に戸惑いを見せはじめる。
それは不安げなざわめきに変わり、東京ドームにさざ波のように広がってゆく。
出山利三の突然の不審な動き…観客達の違和感が徐々に増してゆく。
状況がつかめたのだろうか、客席のアチコチで散発的に悲鳴が上がる。
「何やってるんだTOSHI!俺たちの求めるのはX JAPANの歌なんだ!そんなことやめてくれっ!」
信者たちが叫んだ。殆ど恐怖と言ってもよい叫びだ。
彼ら無辜の平民が崇め奉る御子…彼ら信者の神が、今まさに崩れ去ろうとしている!
愚衆のカリスマこと出山利三は観客席全体を見渡し、ゆっくりと微笑んだ。
それは何か突き抜けたような、躁的な狂気に満ちた不気味な笑顔だった。
今までステージ上で殆ど笑ったことなど無かった彼が、今日、巨大な顎を大きく開いて笑った。
…再び彼は後ろを向き、観客に背を向けた。
同時に皮パンのベルトをカチャカチャと外して腰をかがめてしゃがみこむ。
客席にイボだらけの汚いケツを向けると全身全霊の力を込めて踏ん張り始める。
観客の絶叫、林佳樹の怒号…それら全てが遥か遠くから聞こえてくる。
混乱と憤りの渦巻く中で、出山利三は唸り声を上げ始める。
その混沌がクライマックスに達した瞬間だった。
スポットライトの集中するステージ中央。
観客たちの怒号と悲鳴。
出山利三は巨大な大便を垂れ流した。
…黒ずんだ見事な一本糞は、カクテルライトの煌めく中で妖しく黒光りした。
- 154 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2010/01/26(火) 20:15:24
- B
「…今我々人類には危機が迫っているんです!あ…悪魔が甦り人類への復讐を成そうとしているんです!」
東京ドームのライブ後の記者会見の席で、出山利三は涙ながらに訴えた。
「皆さん気付いてください!このままじゃ人類は滅亡して…滅亡してしまうんですっ!」
出山は昂ぶる感情を抑えることは出来ない。
椅子から立ち上がり拳を振り上げ、ただでさえ甲高い声をさらに張り上げて怒鳴り続けた。
「今、本当に人類の危機が迫っているんですっ!!」
大宇宙の創造主から受け取った電波メッセージ…。
そう、それはこの美しい地球が破壊され、人類を含め生きとし生けるもの全てが滅亡してしまう恐怖のイメージだ。
その凄まじい悲劇を思い、出山利三は慄然とした。
悪魔が目覚めたら、この世界から子供達の笑顔が消えてしまうのだ。
そう思うとTOSHIはいてもたってもいられなかった。
今此処で皆に知らせなければ!
そういった使命感がTOSHIをさらに奮い立たせる。
「お願いです記者の皆さん!僕の…僕の言っていることをちゃんと聞いてください!」
拳でテーブルを思い切り殴りつけ、搾り出すように叫んだ。
もはや溢れ出る感情を抑えることなどできなかった。
溢れ出る涙を拭おうともせず、出山は最後に一言、大声で叫んだ。
「皆さんの手で世の中の人にこの危機を知らしめてください!」
そう叫んだ後、出山は机に突っ伏し、声を上げて号泣し始めた…。
…会見場に集まった記者たちは唖然として言葉を失った。
静まり返る会見場の中で出山利三は、ただ一人が狂ったように泣き叫んでいる。
その常軌を逸した姿を前に、彼らは何を質問すべきか言葉が見つからなかった。
(…くそっ!何やってんだよ出山!)
林佳樹は不機嫌そうに小声で呟く。
(貴様のせいで今日の東京ドーム黒ミサ…いや、ライブが台無しになったってのに。ふざけやがって!)
泣き叫ぶ出山利三の横で、林佳樹は怒りに震えてた。
憤怒を込めた一瞥をカリスマに向け、ギリリと歯を食いしばる。
しかし、ここで感情を表に出すわけにはゆかない、林佳樹は自らに言い聞かせた。
少し顔を顰め、記者たちから目を逸らす。
その姿勢のまま林佳樹はそれっきり黙りこくった。
そのまま記者会見が終わるまで、林佳樹は遂に一言も言葉を発しなかった…。
…会見がうやむやのまま終了すると、TOSHIはマネージャーに抱きかかえられ会見場を後にした。
散々絶叫し、完全に泣き疲れて、足腰が立たなくなっていたのだ。
マネージャーもTOSHIを支えながら困ったような表情をしている。
メンバー達も呆れたような顔をし、首を振りながら席を立った。
PATAはHIDEと目線を交わすと少し苦笑いした。
HIDEもそれに答えるように悲しそうに笑い返した。そして2人は並んで控え室に向かった…。
- 155 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2010/01/26(火) 20:16:51
- C
…記者たちも皆出て行き、照明も落とされた人気のない会見場。
その薄暗い会見場の雛壇の席に、林佳樹は一人で座っていた。
少し俯き加減にテーブルに向かっている林佳樹。
その肩は怒りで震え、食いしばった歯は上唇を切り裂いて口角から血が滴っていた。
握り締めた拳は怒りで激しく震えている。
「出山の野郎! よくも俺のライブを…黒ミサを台無しにしやがったなっ!」
そういうと林佳樹は、握った拳を大きく振り上げた。
一瞬、林佳樹の目の前に鬼火が浮かんだ。
今まで計画してきた全てが、出山のあのような愚行で全てご破算となってしまったのだ。
「絶対に…絶対に許せねえっ!」
そう叫ぶと、林佳樹は振り上げた拳を机に振り下ろした。
「ズバキィッ!」
物凄い衝撃音が響きわたると共に、黒檀のテーブルの天板が真っ二つに砕けた。
砕かれた机の破片が、リノリウムの床に散乱して甲高い音を立てる。
人気の無い会見場の中でその破壊音はことさら大きく響く…。
「…どうしたんですか佳樹さん!今、物凄い音がし…」
物音に気づいたスタッフの一人が戻って駆けつけてきた。
「ええっ! つ、机が…。 一体、何が起こったんですか佳樹さんっ!?」
砕けたテーブルの前で立ちすくむ佳樹の姿を見て、スタッフは仰天する。
「…いや、別に何も。大丈夫だよ。…なんか急にテーブルが壊れてしまって…」
佳樹は答えた。少し気まずそうに。
「でも佳樹さん、右手から血が出てますけど…あ、あれ?」
佳樹の右の拳から血が滴っていた。
しかしスタッフが驚いたのはそれではなかった。
佳樹の右拳の傷口から流れている血の色が…何と青色だったのだ。
「えっ…う、うあっ」
「…見たな。」
佳樹は驚くスタッフを睨みつけた。
怒りとも喜びともつかない凄まじい笑顔だった。
人間ではない! スタッフは本能でそう思った。佳樹の目は野獣のそれのように黄金色一色に輝く。
大きく耳元まで裂けた佳樹の口元から、まるでサーベルタイガーの様な長い牙がギラリと光った。
(…サーベルタイガーって、HIDEさんのバンドだったよな…)
恐怖に震えるこのような状況でスタッフな何故かそんなことを思った。
思った瞬間、佳樹の長い爪がスタッフの肩口に深々と食い込んでいた。
凄まじい激痛が、スタッフを襲った。しかし 叫び声は上がらなかった。
すでに佳樹の巨大な犬歯がスタッフの喉を食い破っていたからだ。
スタッフが人生最後に見た光景は、会見場の壁の鏡に映る佳樹の真の姿だった。
間接照明の明かりの中での佳樹の姿…。
それは、巨大な黒い翼を背中、毛むくじゃらのヤギのような蹴爪を持つ下半身、
尻から伸びる先端が矢印のように尖った長く黒い尻尾、
佳樹の姿は…まさしく伝説で語られる悪魔の姿そのものだった…。
- 156 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2010/01/26(火) 21:14:23
- D
「…佳樹さん!遅かったですね、何やってたんですっ!?」
ツアーマネージャーが血相変えて佳樹に話しかけてきた。
「どうしたんだい?」
佳樹は落ち着いたまま、笑顔でツアーマネに向き直る。
「TOSHIさんが踊り狂いながらウンチを漏らしているんです。何を言っても上の空で…一体どうしたんでしょう?」
ツアーマネージャーは佳樹に縋るような顔をした…。
…控え室の様子は惨憺たるモノだった。
下半身丸出しの出山利三が、なにやら奇声を上げて踊り狂っている。
わけの分からない、まるで呪文のような言葉を叫びながら。
部屋中のあちらこちらに屎尿や糞が散らばっている。
そんな悪臭が充満する、地獄絵図のような部屋でただ一人出山利三だけが笑っている。
HIDEもPATAもTAIJIもなす術が無く、少し離れた場所から固唾を呑んで見守っている。
ツアースタッフたちはオロオロするばかりで、糞尿塗れの控え室で右往左往していた…。
- 157 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2010/01/26(火) 21:15:10
- E
…その様子を見た林佳樹は微笑んだ。
(…確かにカリスマは何かに気付いたのかも知れない。)
佳樹はスタッフたちを押しのけるように控え室に入った。
出山利三は佳樹が来たことにまだ気づいていないようだ。
相変わらず甲高い声で喚きながら、自分の体に自分の糞を塗りたくっている。
(その正体を分かるアタマは無いが、本能的な恐怖がこいつ追い詰めて、悶え苦しんでいるんだろう。)
糞塗れの出山の姿に佳樹は顔を顰めた。
純粋で、愚か。敏感であるが、無知。出山利三は確かに悪魔の実在を察知しているのだろう。
だが、その存在を認知できるほど、理知的でないのも確かだ。
何せ、悪魔そのものたる俺がここにいるのだから。
「ふんっ、まあいい…」
佳樹は呟いた。
コイツがこのままならば今のところ、俺の計画には何の支障も無い、放っておこう。
そう思ってニヤリと微笑んだ佳樹は控え室の中へと入って行った。
床中に散らばる大便を踏まないように注意しながら出山に近づく。
それにまだ気づかず、出山は尚も踊り叫んでいる。
そんな出山の目の前に仁王立ちした林佳樹は、出山にに向かって大声で一喝した。
「出山ぁっ! 何なんだこの有様はぁっ!」
すると出山利三は、瞬時に動きを止めた。
そのまま怯えたように身を竦め、涙ぐんだ目で佳樹の方を見上げる。
出山の怯え切った目を、佳樹は意識して睨みつける。怒気と、殺気をこめて。
出山は床にへたり込んだ。糞まみれの姿のまま突っ伏し、シクシクとすすり泣きを始めた。
(…やはり。まだ俺のマゾ調教は出山に効いているらしいな)
自分の足元で泣き崩れるTOSHIの哀れな姿を、氷のように冷たい目で見下ろす林佳樹。
(まあ、黒ミサのために当分張子を続けてもらおう。まだまだお前には利用価値があるからな…ふふふっ)
林佳樹は微笑んだ。
一喝で出山を黙らせた佳樹に、スタッフたちが驚愕し沈黙している中で。
「ハハハハッ!アーハハハハッ!」
そして遂には声を出して笑った。腹の底から高らかに笑った。(了)
- 158 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2010/01/31(日) 18:41:12
- / \
// /, イ l 、 ヽ
// // ! l| ヽ ! ヽ
// / 〃 」_ | ! |\ ! l !
!│ | |/´ | !ヽ ! ヽ ̄、丶、 ! | |
!| | l '| __,,二ヽ.! \ ! -ヽ \ | | !
|l |ヽヽl //:: r` 丶、\ヽ , ̄=、 \ l / |
|! ! lヘ-'、 ヽ:::::7 `'│::::<`ヽ 7 /、| |
. / ト| .| `` ー ̄ , ヽー'_ トイ- | │ !
. / , -r'/ ̄ヽ、 ` ,´-、/_ |./| |
/ |,〃 ′ ヒj | y /'ト、 |
/ ,l 丶、 ⌒ , 'ァ / | |ヽ| !
/ /ヽ 丶、 / ´ ! /ヽ |
'/ \ \ / / \|
/ |!丶、 | ̄ ! / | 丶、
/ !! r/` | | -イ | | /ヽ
′ \ || /ヽ、 / ! / ヽ! ! / !
| \ !/ \ /| /! / ヽ | / |
- 159 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2010/01/31(日) 19:05:02
- 『ヘイドレクの信者たち 〜預言者・久美子』
@
私は予言します。今から三日後、地球は滅亡することを!
この穢れきった人類社会は、あと72時間ほどで、全て灰燼に帰します。
そう、私は預言者。だから全ての未来を見通せるのです。
私がこの能力に気づいたのは、忘れもしないおととしか去年…、
いやもしかしたら3年前の、多分夏くらいの出来事です。
英文法と日本史、それと物理Tで赤点をとってしまったあの夕陽が美しい日のことでした。
私はそのとき絶望の淵に立たされていました。
おそらく明日返される古文と数学U、数学Bの点も芳しくないはずで、このままでは留年が決定してしまうと。
好きだった隆司くんが親友の美奈と付き合い始めたのも、ちょうどこの頃です。
隆司君からは、「は、お前が俺のこと好きだって? うげえっ! やめてくれよブス、キモいんだよ!」
と辛い言葉で別れ話を持ちかけられたのです。
おそらくこれは美奈のたくらみです。美奈が隆司を騙しているに違いありません。
隆司くんも私のことを愛しているはずなのに、本当の気持ちを言えなかったのです。
挙句にこんな酷い言葉を隆司くんに吐かせるなんて、美奈は間違いなく魔女です。許せません。
隆司くんとは前世からの運命の人だと、タロットフォーチューン占いでも示されているのに…。
私は夕陽を見に、近くの海岸に行こうと出かけました。
道行く男たちが、私のことをじろじろと見つめて、嘲笑うように笑っていました。
おそらく私をナンパしようとしていたのでしょう。私は隆司くんしか愛していないのに。
私はそんな軽い女じゃないんです。ふざけないでください。
何ですか! その「デブ」とか、「ブス」って言葉は!
私をナンパしようとして失敗した腹いせなんですか!?
全く、最近の人たちは失礼極まりないです。
不愉快な気持ちが湧きあがり、私は少し顔をしかめながら、早足で海岸に向かいました。
…夕陽に照りつけられた海は、眩い黄金を散りばめたように煌めいていました。
ああ、美しい、と私は溜め息を付きました。この地球の偉大さと自分の小ささに慄然とし、思わず体が震えました。
このままでは私は留年してしまうかもしれない。
それに前世からの運命に人である隆司くんが、美奈みたいな女に惑わされて堕落してゆく。
なのに私は何もできない、それがとても悔しくて、気づいたら涙を流していました。
そのときです、私に神の啓示が降りたのは。
ほんの一瞬の出来事でした。まるで雷に打たれたかのごとく、私の背筋に戦慄が走ったのです。
水平線に沈みゆく太陽の輝き、その中から大天使ミカエルさまがツラトゥストラとシヴァを引きつれて現れたのです。
右手には杓、左手には巨大な鬼太鼓を抱え、額には血のように赤いルビーは埋め込まれてます。
まるでアヘン中毒者の如く瞳孔の開ききった双眸から、まるでレーザーのような輝きを放っています。
もちろん3人とも全裸です。
まるで棍棒のような男性特有の…あの、その、恥ずかしくて言えません!
私はたじろぎ、その3人の神たちを見つめながら(主にその股間を)、立ち竦んでしまいました。
すると神々たちは、私に向かってこう言い放ちました。
「大日如来からの言伝がある、貴女は預言者であるぞ!世界滅亡を世の者どもに伝え、警鐘を鳴らすのだ!」
そういうと彼らは消えていきました。
- 160 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2010/01/31(日) 19:05:59
- A
…でも、意味がわかりません。
多分私は預言者なんでしょう。私も前々から自分が特別な人間であることを薄々悟っていました。
でも、本当に預言者としての能力があるなら期末テスト前に教えて欲しかったです。
そして期末テストの答えを予言できるようにしといて欲しかったです。
まったくタイミング最悪です。神って結構気まぐれなんですね。
あと、なんか世界が滅亡の危機に瀕しているとか言ってたけど、それって今更言われてもって感じです。
だって世界が滅亡するなら、今更警鐘をならしたところで運命は変わらないし、黙っていてもいいはずです。
それに美奈みたいな性悪女に、私の隆司くんがかどわかされてしまっているんですよ。
もうこんな世界なんて滅んじゃえばいい、ってそう思いませんか?
…だけどそんな疑問も些細なものでしかありませんでした。
とにかく私は神の啓示を受け、身を震わせるほどの感動の中にいたのです。
ああ、やっぱり私は特別な運命を背負って生まれてきたんだ、ってことが、これで証明されたんですから。
その瞬間でした。
突然、私の脳内に、あるイメージが浮かびました。
家でお母さんが台所に立ち、夕飯のカレーを作っている光景を!
―― まさか、これが予知能力なの?
私は驚き、それを確かめるために急いで家に戻りました。
玄関を開けると、家の中からカレーの香ばしい匂いが漂ってきます。
私は叫びそうになる自分を抑え、台所のドアを開けました。
するとどうでしょう。台所で、お母さんがカレー鍋をぐつぐつと煮込んでいたのです。
「あら、おかえんなさい」
そう能天気に言うお母さんの前で、私は絶句したまま立ち竦んでしまったのです。
「今夜はカレーよ…」
そんなお母さんの声が、まるでどこか遠いところから響いてくるように聞こえました。
―― 本当だ、本当だったんだ! 私は預言者になってしまったんだ!
私は恐れおののき、そして己の運命に驚愕してしまいました。
―― 未来を予知できる能力…それが私に!
- 161 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2010/01/31(日) 19:15:21
- B
…それからというもの、私は預言者として、学校で数々の予言を行いました。
だけど私の預言者のレベルはまだまだ成長段階であるらしく、当たる確率はまだ1割ちょっとってところです。
同級生たちは私を煙たがりました。
おそらく私が彼ら彼女らの不幸な未来を予言すると、恐れていたのでしょう。
もともと友達がすくなかった私の周りには、ついに誰もいなくなりました。
特別な能力を持つ人間というのは、常に孤独な運命に晒されるのです。だから私はめげません。
目の前で美奈が、まるで私に見せ付けるように隆司くんといちゃつくのを見ても、もう恐れません。
私の予言では、隆司くんは来世で私の恋人になり、結婚することが決まっているからです。
…そしてつい先日、私は見たのです。そう、それはこの地球が滅ぶという予知夢でした。
今から三日後の正午、突然千葉県市川市にある環境保全センターの焼却炉から悪魔たちがたくさん出てくるのです。
その日収集された可燃ごみを焼却処分するために、環境保全センターの職員がガスバーナーのスイッチを入れます。
そしてスイッチを入れると同時に、その焼却炉が地獄と繋がってしまうのです。
その瞬間、地獄の業火の如く燃え上がる可燃ごみの中から、見るもおぞましい醜悪な悪魔達が飛び出してきます。
その悪魔達は地上に飛び出し、巨大な黒い翼を広げ、数十万匹もの群れを作って世界中に広がってゆきます。
そして彼らは人間達、生きとし生けるもの全てに襲いかかり、その血肉を喰らうのです。
特に美奈みたいな泥棒猫は、一番気持ち悪い悪魔に、生きながらゆっくりと食べられ、
長時間かけて苦しみながら、泣き叫び許しを請いながら、それでも許されることなく無残に殺されるのです。
私の隆司を奪った罰だから当然です。
ざまあみろ、って感じですよね。
とにかくそうやって世界は滅亡します。人類のみなさん、覚悟はいいですか?
預言者である私がそう言うんだから、多分間違いないと思います。(了)
- 162 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2010/01/31(日) 19:18:49
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- 163 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2010/01/31(日) 19:21:48
- 『ヘイドレクの信者たち 〜アトランティスの女王・真由美』
アトランティスの戦士のみなさん!
そしてアトランティスのエスパー戦士のみなさん!
私と共に最終戦争を戦いませんか?
みなさんの力が必要です!
是非私と一緒に光の戦士団に参加し、悪魔王ポンペロン一族を倒しましょう!!
私は現在、女子高生ですが、これは世を忍ぶ仮の姿でしかありません。
私の正体は、古代アトランティスの王家の末裔、アトランティス王国の王女マハラーヤなのです。
龍族の血を引くアトランティス王家の最後の生き残りとして、アトランティス王国の再興を目指しています。
だけど、この私の正体を周囲の愚衆たちに明かすわけにはゆかないのです。
古代アトランティス王国を滅ぼした悪魔王ポンペロン一族に見つかれば、私の命は危険に晒されるからです。
でも、このままだといずれ彼らに見つかってしまうでしょう。
ついこの間も、中学校の進路指導で、中学教師を名乗る謎の中年男が、
「お前この成績でどうするんだ?来年受験なんだから偏差値37じゃどこにも行けないぞ」と、言いました。
王女である私に対し無礼にも程があると思いました。
そもそも受験なんて王女である私には全く関係ないはずです。
もしかしたらこの中年の冴えない教師を通じて、ポンペロン一族の魔の手が私に迫ってるのかもしれません。
また私の母と名乗る平民の女も、「来年受験なのに漫画ばっかり読んでないの!」と言い、
私の大切にしていた蔵書を全て捨て去りました。
そう、大切にしてた「翼を持つ者」「アリス学園」「スキップビート」など花とゆめコミックス全巻も捨てられたのです!
こんな暴挙、絶対に許せません。もしかしたらこの女も、ポンペロン一族によって洗脳されているのかもしれません。
アトランティス王国が再興された暁には、この女には凄い刑を科すつもりですが…。
とにかく、このままでは危険です。
私はついに決意しました。
そうです、現在に残るアトランティスの戦士たちの末裔に呼びかけようと。
王女マラハーヤである私の下に、聖なるアトランティスの騎士団を再結集させ、この世に蔓延る悪と戦おうと!
今の世の中は穢れ、汚れ、堕落しきってます。
それもこれも全て悪魔王ポンペロン一族の陰謀です。
このままだとこの現代社会も破壊され、悪魔王ポンペロンによる千年王国の支配が始まってしまうかもしれません。
現代社会に残るアトランティスの聖戦士の皆さん、私のところに集ってください!
龍族の方、エスパーの方、そして七色の光を帯びた聖なる戦士のみなさま、お待ちしてます!(了)
- 164 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2010/01/31(日) 20:58:56
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/ / ヽ ! ヽ ヽ
/ / | !| ヽ l | | l !
/ / !|| | ! | l | !| ! ! ! ! !
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/// | |_,|斗十l|ト、||ハ/十トl、! ! || l
/// ! '´N ,r=ミ、ヽlリ ,r|/=リ|/! !l ヽヽ
//l !l ヘ | 〈 トッj:} トッj:} 〉j// ! ゙、\
// || | lヽ! ゞ=' ゞ=' // / | ! ゙、ヽ!
l/ | ヽ l| |ヘ::::::::::: ' :::::-=彳/ / /リヽ }
ヽ ヽ!Vヽl`ト,、 ‘’ ,. '´l/\,rく l/
/´/〈 ` ーr '´ ! rく/、 \
/ ヽ 〉、 / l | \
l ノ〈 ヽ _/--―ノ / ヽ
| _f=ニヘ、_,r==一'´ Y ',
', l /⌒ヽヽニ=--- 、\ヽ j
V ``ー '´ ̄`ヽ ヽ! /
'、:: ヽ| ,′
lヽ 、 :o: ! !
l } ヽ、 | |
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,. -一7 /´ /ノ| ノ ハ{ !
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‐?7´ _/ノ j' ヽ jヽ \___j__}ヽ
_,. -‐// / \ /、}、 `ヽ--‐ァ'´
´ ,.イ { / ` ー- 、___,.lヽ\` ̄´ /
/ ヽヽ / / /! ,!-―‐- 、!V ヽ\`ー'〉
- 165 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2010/02/09(火) 05:00:28
- 【断罪の女神のエレジー】
仄暗い闇の中で、真知子さまはゆっくりと微笑んだ。
両手両脚を手錠で拘束されて床に転がされた私は、その真知子さまの無辜な笑顔に慄然とする。
月明かりが差し込む無機質な部屋…静寂の中に潜むはち切れそうな緊張感が、私の鼓動をさらに激しく高鳴らせる。
真知子さまは天使のような微笑のまま、手にするものを頭上に掲げて見せた。
それは一本の巨大な張型だった。
亀頭の形状や肉茎に浮き出る血管に至るまでグロテスクまでにリアルに再現された巨大な張型。
薄暗い月明かりの中でそれは、鈍い光を放ちながら悠然と揺らめいている。
真知子さまはアルテミス。美しい裸体が月明かりの中で妖しく輝く。
私は罪深きアクタイオン。自ら犯した罪のため、自らの剣で今、私は貫かれる。
「うぎゃーっ!」
私は絶叫した。
肛門はメリメリと音を立て、括約筋が引き千切れる嫌な感触が伝わる。
激痛に貫かれた私は、歯を食いしばり泣きながら耐えた。
これは私に与えられし罰だ!
私の犯した涜神行為は今、非情な美の女神の手によって裁かれるのだ。
太ももに生温い物が流れる。そう、それは私自身の流した血だ。
引き裂かれた肛門から流れ出る血は、まさしく私の穢れだった。
私は泣いた。泣き叫んだ。
その声は星々に届いただろうか?
私の祈りは?
真知子さまは微笑みながら張型をグリグリとかき回し、さらに私の肛門の奥深くへとねじ込んだ。(了)
- 166 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2010/02/09(火) 05:01:53
- 【遍歴、そして神との邂逅】
真知子さまは便意を催すと、おもむろにパンティーを脱ぎ去った。
縛られ、床に転がされた私に、真知子さまは美しい尻を突き出された。
窓から差し込む月明かりの中で、その肌は神々しいほどに白く艶やかだ。
その美しい御姿のまま、真知子さまは大量の糞を垂れ流された。
そう、それは私の目の前に。
静謐とした、無機質な白い部屋。
他に誰もいない、たった二人だけの空間。
そう、ここは神の住まう領域なのだ。
すると突然、真知子さまは美しい瞳を私に向けられた。
おびえる私の両目を覗き込み、残虐な微笑みを見せた真知子さまは、この私めに尊い御言葉を賜ってくださった。
「ほら御覧、大地が育みし生命はわが命の糧となり、そしてまた、再び大地に戻るのよ…」
毛足の長い白の絨毯の上で、汁気たっぷりの糞が湯気を上げ、香ばしい匂いを放つ。
淡い春の夜の月明かりの中で、黒々とした大便が鈍い光を放った。
そうだ、それは生命の神秘を内包した神々しいまでの輝きだ!
それだけではない、これこそが真知子さまが賜った、新たな生命を生み出す輪廻への兆しなのだ!
私は泣いた。泣きながら跪き、その糞を直にむさぼり喰った。
香ばしい臭気が鼻を突き、その刺激によってさらに涙が流れる。
既に激しく勃起した私は、真知子さまが嘲笑って見下ろす中で、軽く呻き声を上げながら糞を食い続けた。
止め処なく流れる熱い涙を拭うことさえ忘れ、ただもう一心不乱に。
かつて真知子さまの一部だった糞。
真知子さまの肉体を構成し、真知子さまの内臓で消化された排泄物。
そう、これは真知子さまなのだ。真知子さまそのものなのだ!
私は心の中で叫んだ。嬉しかった。
かつて真知子さまだった一部が、今私の中に入り、私の一部となるのだ。
その瞬間、私は遂に神との邂逅を果たした。(了)
- 167 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2010/07/03(土) 19:17:28
- , ′/ , '´ i丶. ̄´\
/ / // i | . :::.. ::....ヽ
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{ /,ハ::{ r1::. :iイ i{:{リ〕ヽ }_〉j芥yム::::〉:::|
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Vヘ /./ ヾ!!::::N. ` ー ^′ j^ 、_イイ{小i }!
\_ヽ `ヽ、___ __,,. .::'´ィ/ i|::::!、 ′ ,'川 |:j/} !
_ \ ` ー`ー--__三::::::::/:/ 〃 |.!::ト\ ー_‐ 彳 r' /
, "´ `丶、-- ミー=ニ二¨´:::_;rァァ{ i .{.{ i !、い、ヽ.>、_ ィ´/ イ /!
/ ` :. `丶、 `乙/ィ:/ !|.:.:.:.:.:| U:\_∨ノ_, j { / ,イリ
, :.:.:` ヽ_( Y´.:/ .:.!|:.:/:.l | 〈´ ´ i〃.イ .イル′
. / :. . >'"´ {:::i´ハ:.:.:.:}}':.:.:. ,| , -‐' } ,.ヘヽ、 〈':.;ィ| 卜
′ :. _,、:. . V:}:: .:j/ リ /ム -‐'´ h〈 ∨ ヽ. Vヽ!_ |〈
i r'´ヽ :.^丶._: : :. _:,. -‐‐¬`:::ィヘ / 丶. | ヽ. i }. i:.:.:.:.:.`ヽ:ぃ
| ノ :.、 :. :⌒:´ ̄ :. {. ::::}j :} :.:.!:ヽ. ! ヽ| / |:.:.:.:.:.:. `ヽ)
|. | ! :.:\ヽ :. . `iーy:ヘ. :.i:..ヽ:.:.ヘ l :}/ !:.:.:.:.:. /
l:. . |U :.:.:.ヽ\. . い:} ::} .:.:.:.:.:.、:.:.{ , ヽ {.....:.:.:/:.:.:.. /:.:.:.:.:. /
. l:.:. i l ! :.:.:.:ヽ\:.:.:.:.:.:.:.:._:.:.............{ヽ:}ヘ.:.:._;.. -ヽj:.:′ i:.:.:/:.:.:.:.:.:./{:.:.:.:.: イ
!:.:.. ! ! :.:.:.:.:i:.:.ヽこニ¨了` ̄¨¨1、Y :厂 i:.: .:. l'´-―ァ1i´V:.:}:.:.:.:. /
,:.:.. i , :.:.:.:.:!::.:ィ彡:.:.:.:., 〉ーrヘ l:.: .:!: ! い{::: ノ ヽ:.:. 〃
':.:.:.. | ' :.:.:.:.i::.::.:.:.:.:.:.:.:' い:}::ノ _ |.:. .:.:.!: i {:::Y´:} `ー ′
- 168 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2010/07/03(土) 19:18:21
- 【 アリ と キリギリス 】
アリさんたちは、春も夏も秋もずっと一生懸命働いていました。
キリギリスさんはその間、ずっと遊んでいました。
冬になりました。
食料無くなったキリギリスさんは、とってもおなかが空いてしまいました。
オマケに寒波襲来で寒くて寒くて。
キリギリスさんは、何か分けてもらおうとアリさんたちの家に行きました。
コンコンコン、とドア(童話なのでアリの巣にもドアがあるのだ)を叩くキリギリス。
外はもう吹雪です。凍えてしまいそうな寒さです。おなかもぺこぺこで目眩がします。
がちゃ、とドアが開きました。
「やあ、キリギリスさん、どうしたんだい?」
アリさんたちは笑顔です。
「あの、ボクはおなかぺこぺこなんです。何か分けてくれませんか?」
キリギリスさんは、ひもじそうな声で言いました。
それを聞いたアリさんたちは、とっても困った顔をしました。
だって食料はアリさんたちだけの分が精一杯。
一年中働いてもせいぜいそれだけ溜め込むのがやっとなのです。
税金や年金、保険料その他でいっぱい吸い上げられてしまうのですが、それはまた別のお話し。
「いや、キリギリスさん。ボクたちもやっとなんだ。君に分けてあげる余裕はないんだよ」
アリさんは口調な丁寧であったが、はっきりとキリギリスさんの申し出を拒絶しました。
「そこを何とか! このままじゃボクは死んでしまう!」
キリギリスさんは血走った目で、必死にくいつきます。
「でもねキリギリスさん、君はボクたちが一生懸命働いている間、遊んでたじゃないか。ちゃんと働けばよかったんだよ」
そう言ってドアを閉めようとします。
「待ってください! お願いします! お礼はしますから何か恵んでください!」
キリギリスさんはドアに縋りつき、必死に懇願します。
困ったアリさんたちは顔を見合わせました。
そしてなにやらゴニョゴニョと話し合いをしました。
数分経って、アリさんたちはキリギリスさんに向き直りました。
みんな満面の笑顔です。
「わかったよキリギリスさん。とりあえず中にお入り」
そう言ってアリさんたちは、寒さに震えるキリギリスさんを巣穴に迎え入れました…。
…その日の夜。
アリさんたちの晩餐のテーブルに並んだのは、あのキリギリスさんでした。
キリギリスさんの羽や足、あの美しい歌声を出す喉も丁寧に調理され、
アリさんたちはそれらを心ゆくまで味わいましたとさ。
めでたしめでたし。 (おしまい)
- 169 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2010/07/03(土) 19:19:47
- 〈\ {/、ヽゝ}ソ/ ノ |\ノ、7ヾ_ン
/\ 二二フ / ハ、 ` ー‐ァ^
Lf´/ヽノ 、_,∠ / /、 | `i ー〈
,イ/l/ _」ーr__´_ //_`ト|、|
{/・Xノ´ ハしJT` TJク7| l } |
 ̄| i l i|.::::::: ::::::./| ノ/バ
| iヽ Vト、 _ ,.イ〃 { {
/ i ヾl 个 ー_f \|′ ヽ:、
/_.. -‐く \` ̄|>、 ヽ‐- 、_\
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ハ::::::::::::i::::::::{ ヽ| };| }、 ヽ
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/::::::::::::l ヽ::::::::::::ー-‐::´∨` ー1 i| ソ
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にンヽ{ { \ン、:::::::::::::::::{_/ノ
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ハ:::::::::::::::::::::::::::::/ レ'ー ´ ヽ:::::::|
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- 170 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2010/07/03(土) 20:00:00
- 『恐怖! 金のおちんちんと銀のおちんちん』
【 1 】
「ああっ!」
森の泉に向かってションベンをしてた俺は、思わず悲鳴を上げてしまった。
そう、それは俄かには信じがたいことだった。
小さめでタップリの包皮が被ったかわいいおちんちんから、鼻を刺すような臭い尿を垂れ流していた俺。
ジョボジョボ〜ジョボジョボ〜と小粋な水音を立て、見る見る泉の清らかな水を穢してゆく。
そんな心地よい罪悪感と、膀胱の開放感に、俺は思わず気持ち悪い笑みを浮かべていた。
そのときだった。俺のおちんちんが、突然とれてしまったのだ。
俺の肉体から分離したおちんちんはそのまま泉にポシャン。
見る間に水底に沈んでゆく。
「ああっ! …ああっ!」
俺の声は言葉にならなかった。
泉の底に消えてゆく己のおちんちんを見つめながら、俺は呆然と立ち竦んでしまった。
「ど、どうしよう! ボクのおちんちんが、おちんちんが無くなってしまったよおおっ!」
俺はその場で跪く。だがその股間には自慢のエクスカリバーはもう無い。
これから数多くの美女を刺し貫き(予定)、雌たちの法悦の蜜壺をかき回す(予定)のエクスカリバー。
現在は排尿とオナニー以外の何も役に立たない汚らしいシロモノでも、この俺にとっては大事な相棒。
それが今、泉の底に失われてしまったのだ。
「うわあーっ!」
俺は森中に響き渡る叫び声を上げた。
これから俺はどうやって尿をすればいいのか?
大好きなオナニーはもうできなくなってしまうのか?
そう考えると俺は、溢れ来る悲しみに耐えかね、その場で慟哭した…。
- 171 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2010/07/03(土) 20:01:26
-
【 2 】
…どれくらいの時間が経ったのだろうか。
すでに森は夕日の朱に包まれ、カラスがかぁかぁ啼き、森の鳥達は巣に帰ってゆく。
月は東の空に赤々とした姿を見せ、その傍で宵の明星が煌々と輝いて見せる。
俺は泣き続けていた。
泉の畔でただ一人、おちんちんを失ってしまった悲しみに打ちひしがれて。
そんな時だった。
俺の尿に穢された泉の、その水面が、ゆっくりと揺らぎ始めた。
さざ波が湧き、夕日に染まる水面が沸き立ってゆく。
俺は目を上げた。
その泉の変容を、涙が滲む汚らしい目でジッと見つめる。
するとどうであろう。その泉の中から、一人の美女が現れたのだ。
――泉の女神さまだ。
「…う、うぇ? えへっ?」
突然現れたその美しい女神を見つめながら、俺はわけの分からない声を発した。
女神さまは大変に美しかった。
端正な面立ちに、深い緑の瞳…だが何故だろう? その瞳はどこか怒っているようだった。
その目は泉の畔に佇む俺を見つめる…それはまるで汚物を見るような、軽蔑しきった眼差しだ。
そういえばその表情もどこか強張っている。
「…あなたは、この泉におちんちんを落とした方ですね?」
女神は俺に言った。その声は上品で優しげだったが、どこかキツい。
「…う、えうっ?」
俺は女神を見上げながら驚愕していた。先ほどと同じくわけの分からない音を発するのみ。
女神さま、とっても綺麗だな、こんな女の人とエッチなことしたいな。
でも今、俺はおちんちんを失ってしまった。なんということだ…。
そんなことを呆然と考えていた。
- 172 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2010/07/03(土) 20:36:14
- すると、女神さまは痺れを切らし、今度は怒気を含んだ声で俺に言った。
「おいコラ、ちんこ落としたのテメエだろ? 私の住まいであるこの聖なる泉にションベンした罰当たりはよっ!」
女神さまブチ切れてます。もはや威厳も何もあったもんじゃありません。
かつてアーサー王にエクスカリバー(こっちは本物)を授けたあの時の神々しさと威厳とは、比べものにならないです。
「あ、はい。…あの、その、おちんちんを落としてしまったのは僕です」
俺は女神様(凄い美人)の怒気に押され、反射的に返事した。
長いことアク禁が続いて、すっかり調子が狂ってしまったせいもあるのだろう。
「そうか、面倒くせーから前置き無し! アンタ、落としたちんこを取り戻したいんだろ? あ?」
女神さまは怒鳴りつけるように俺に言う。
「…ったく、冗談じゃないわよ。私のこの神聖な住まいにションベン引っ掛け、汚ねーちんこまで捨てやがってよっ!」
女神様は何かブツブツとぼやいている。俺のせいか? 俺が悪いのか?
「いや、あの…ちんちんは捨てたんじゃないんです。何故か突然、取れてしまったんです」
俺は弁明した。すると女神様は俺を睨みつけ、
「それが罰なんだよ馬鹿。ったく、よりにもよってあんな汚らしいものまで泉に落っことしやがってよ…」
女神さまはマジでキレていた。俺はどうしていいかわからなかった。
すると女神様は、
「ったく。 で、アンタの落としたちんちんは以下の三つのうちどれだよ?」
と言い捨て、なにやらゴソゴソと取り出し始めた。
ん? まさか、と俺は思った。
三つのちんちんのうち落としたのはどれ?って、
これはまさしくイソップ童話の金の斧、銀の斧の話じゃないか!
ということは、ここで俺が、自分のおちんちんを正直に指し示せば、
金のちんちんと銀のちんちんまでもを手に入れられるのでは?
てか、金のちんちんとか銀のちんちんとか、一体なんだろ?
俺は混乱した。
そんな俺の困惑をよそに、女神は陳列台を水面の上に置き(女神ならではの魔法)、
さらに手袋を填め、長い菜箸しでちんちんをつまみ(顔を思い切り顰めながら)、それらを台の上に並べた。
- 173 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2010/07/03(土) 20:39:27
- 陳列台の上にならんだのは、三つのちんちんだった。
1、金色ラッカーで塗られただけの、勃起時10センチの包茎ちんちん
2、銀色ラッカーで塗られただけの、勃起時10センチの包茎ちんちん
3、ごく普通の、勃起時10センチの包茎ちんちん
「……」
こんなの、どれも同じじゃないか。
俺はどうすればいいんだろう、素直に3番を選ぶべきか?いや、えーと…
「とっとと選びな、この愚図。このあたしの前にこんな汚らしいものを何時までも並べさせんなよ! ボケッ!」
女神様はもたついている俺を怒鳴りつけ、激しくプレッシャーをかける。
その瞬間、俺のマゾッ気はビンビン。
だが、それに答えて勃起するペニスは今、失われているのだ。
俺はさらに混乱し、動揺し、咄嗟にこう答えた。
「3番のちんちんが、ボクのおちんちんですっ!」
と、その瞬間だった。
泉の水面は一斉に輝きを放った(ただの演出であって、別に深い意味はない)。
そして女神さまは、俺に向かって優しく(だけどその奥には明らかに嫌悪がある)声で言った。
「正解です。貴方の正直さを称え、この三つのちんちんを全部上げましょう…って、とっととこのキタネーの持ってけ!」
そういうと女神は、さらに煌々と輝きを放ち、再び湧きたった泉のさざ波の中に消えていった…。
- 174 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2010/07/03(土) 20:40:45
-
【 3 】
「…はっ!」
俺は目覚めた。どうやら今まで気絶していたみたいだ。
俺は身体をゆっくりと起こした。
丸々とした月は既に天空高くに昇り、真上からその輝きを降り注いでいた。
どうやら俺は、森の中で、今までぐっすりおねむだったようだ。
不思議なことに、目の前にあったはずのあの泉はどこかに消えていた。
しかしおちんちんが突然とれて泉に落っこちてしまったような気がしたんだが?
あれは本当にあった出来事なのだろうか?
いや、あれは夢、悪い夢だったんだ。
ちんこが取れて落ちるなんて、何て悪夢だよまったく。
俺はそう一人合点した。
それよりも、寝ている間に膀胱がパンパンになっているようだ。
激しい尿意が、俺を苛める。
俺は慌ててズボンを下ろし、ブリーフパンツを下げた。
そしてちんこをさらけ出し、尿を垂れ流し始めた。
その瞬間だった。
「うわあーっ!」
俺は再び絶叫を上げた。
夜の森の静寂を切り裂くような、凄まじい叫びだった。
俺の股間には、ちょこんと生える小さめのおちんちんが三本。
金色のおちんちんと銀色のおちんちんと普通のおちんちん。
そのおのおのの先端から、月明かりを受けて輝く尿が、綺麗な放物線を描いていたのだ。 (了)
- 175 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2010/07/03(土) 20:42:46
- { : j/: : : : : : : : : : : : ヘ: : : : : : ヘ : . : . :、 '
jj: : : / : : : : : /: : : : : ', : : : : : : ', : : . ヽ l
j/ : / / : /: : {: : : :} : : } \ : } : '. : : . ハ:│
,′/ : !: : : : : _」:{ : ノ : : 「 丁}フ从 ハ : : ヽ}: }│
,′. : : | : : レ'{い{ハ{ : : : }: リ,;ュ=ミxj八: : : j从:|
. ′ : : : { : :│:トx:=ミ八 : : jノ ´'しr心ヾ>: : :ハ: :l|
{ : : { :八: : ト〃し:心 \{ ゙kッ:::リ ノ: :イノ}: :l| だれかこーい
. ', :{ : `ト、 ヽ从`弋:::;ッ ゙‐''" イ : |丿V:|
'八 : { : \: : '. ¨´ . "゛ /: :│: : 'ノ
. 个ー : : | : : ヘ. "゛ r_,. イ : :卜 : : \
. / /: : : ; イ : : :|个 ._ / | : : | \: :\
/ /: : / │: : :|│ `7' ´ !: : :│ ヽ: : ;,
. / /: : : / 丿 : : | l \ // : : : { |: : i}
{〃: : : :! (( : : :`ト、 jノ : : : ) |: : i}
,,″: /: : ,ハ \ : : : :ヽ / : : : イ ィ /〉 : リ
{! : : { : /: ∧ 丶、: : ', /: : ;ノ' ヽ / l/ /フ!′
\ : : : :/: ;ハ /ハ : : ', ヽ } : :/ ∨ / ' リ
ヽ : ,' /:ハ { }ノ : } ゛{ : { { /
( ){ :// : lハ {/:_;.ノ ヾ_,ノ } /
`ー=≠: ,′: :! (( :( ! ' /
/ハ{{ : : : j{ :、 ー=彡 } ノ 人
〃/ : 八 : /{、 :、 \ ノ`-‐ ´ /: : :ヽ、
{{ { : :{ / . -‐ヽ ` ー-‐ ´ /: j八 : : ))
- 176 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2010/07/25(日) 07:13:37
- ',"´: : : : : : : : : : : /
く ほ 気 味 心 ',: : : : : : : : : : : :/ ぜ ま ご 他.
. る ぐ .持 わ 弾. }: : : : : : : : : : : i ん た 飯 人
. わ れ ち い む ├7ァ、:::\\:\| ぜ .味 に の
. ! て. .が で i¨´´ ゙\:ヘ、::\| ん .わ か 不
/ ヘ:ハ'_,::::| 違 .い け 幸
./ ゙´ヘ::| \! う が る を
、 / ',:i ', 。 と
ミ>、_ _,.-'" _;j-‐‐',
ミ≧ `¨゙゙゙\i¨i::,':,':,'| ,.---、 ィ=≠≦',
ミ,.-‐‐- |;:,';;,';,'i ≧≠= ' ,
´ ̄`゙ヽ j::,':,'::,':| / \
-''"´¨ヽ、 l::,':,'::,':l| / `゙ t 、..__ __,,,..-''´
──-、 \_ |::|:,':::|:|| ( ,' i ! ヘ:',:|ノ',:',',',::',',
___ ヽ,_辷>,!:|:|:::|::|', _,,...ヽ__,,,...-‐'''{ ト‐tイ',::',:::',::',',:',:'
\ ゚i¨≒三≧=≒=♀‰、--‐'¨,ニ( / ',',:',:',::',::',::',',:',:
,.-=ニニニニニニ>ミニ三三彡_ラ::ィニ゙才´ / ',:',:',:',::',::',::',:',:
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.}ェh9ュェh9z ⊆ ゞ ヾ彡' ≡≧`゙f ゝ\ /::: ∨::',::::',:',::',',
- 177 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2010/08/12(木) 17:19:47
- 私は予言します。今から三日後、地球は滅亡することを!
この穢れきった人類社会は、あと72時間ほどで、全て灰燼に帰します。
そう、私は預言者。 だから全ての未来を見通せるのです。
私がこの能力に気づいたのは、忘れもしない先月か先々月の…、多分夏くらいの出来事です。
英文法と日本史、それと物理Tで赤点をとってしまったあの夕陽が美しい日のことでした。
私はそのとき絶望の淵に立たされていました。
おそらく明日返される古文と数学U、数学Bの点も芳しくないはずで、このままでは留年が決定してしまうと。
好きだった隆司くんが親友の美奈と付き合い始めたのも、ちょうどこの頃です。
隆司君からは、「は、お前が俺のこと好きだって? うげえっ! やめてくれよブス、キモいんだよ!」
と辛い言葉で別れ話を持ちかけられたのです。
おそらくこれは美奈のたくらみです。美奈が隆司を騙しているに違いありません。
隆司くんも私のことを愛しているはずなのに、本当の気持ちを言えなかったのです。
挙句にこんな酷い言葉を隆司くんに吐かせるなんて、美奈は間違いなく魔女です。許せません。
隆司くんとは前世からの運命の人だと、タロットフォーチューン占いでも示されているのに…。
私は夕陽を見に、近くの海岸に行こうと出かけました。
道行く男たちが、私の容貌をじろじろと見つめて笑っています。
おそらく彼らは私をナンパしようとしていたのでしょう。
私は隆司くんしか愛していないのに。私はそんな軽い女じゃないんです。ふざけないでください。
何ですか! その「何見てんだデブ」とか、「こっち見るな。キモいんだよブス」って言葉は!
私をナンパしようとして失敗した腹いせなんですか!? 全く、最近の人たちは失礼極まりないです。
不愉快な気持ちが湧きあがり、私は少し顔をしかめながら、早足で海岸に向かいました。
…夕陽に照りつけられた海は、眩い黄金を散りばめたように煌めいていました。
ああ、美しい、と私は溜め息を付きました。
この地球の偉大さと自分の小ささに慄然とし、思わず体が震えました。
このままでは私は留年してしまうかもしれない。
それに前世からの運命に人である隆司くんが、美奈みたいな女に惑わされて堕落してゆく。
なのに私は何もできない、それがとても悔しくて、気づいたら涙を流していました。
そんな時でした。私に神の啓示が降りたのは。
ほんの一瞬の出来事でした。まるで雷に打たれたかのごとく、私の背筋に戦慄が走ったのです。
水平線に沈みゆく太陽の輝き、その中から大天使ミカエルさまがツラトゥストラとシヴァを引きつれて現れたのです。
右手には杓、左手には巨大な鬼太鼓を抱え、額には血のように赤いルビーは埋め込まれてます。
まるでアヘン中毒者の如く瞳孔の開ききった双眸から、まるでレーザーのような輝きを放っています。
もちろん3人とも全裸です。
まるで棍棒のような男性特有の…あの、その、恥ずかしくて言えません!
私はたじろぎ、その3人の神たちを見つめながら(主にその股間を)、立ち竦んでしまいました。
すると神々たちは、私に向かってこう言い放ちました。
「大日如来からの言伝がある、貴女は預言者であるぞ!世界滅亡を世の者どもに伝え、警鐘を鳴らすのだ!」
そういうと彼らは消えていきました。
- 178 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2010/08/12(木) 18:09:01
- …でも、意味がわかりません。
多分私は預言者なんでしょう。私も前々から自分が特別な人間であることを薄々悟っていました。
でも、本当に預言者としての能力があるなら期末テスト前に教えて欲しかったです。
そして期末テストの答えを予言できるようにしといて欲しかったです。
まったくタイミング最悪です。神って結構気まぐれなんですね。
あと、なんか世界が滅亡の危機に瀕しているとか言ってたけど、それって今、言われてもって感じです。
だって世界が滅亡するなら、今更警鐘をならしたところで運命は変わらないし、黙っていてもいいはずです。
それに美奈みたいな性悪女に、私の隆司くんがかどわかされてしまっているんですよ。
もうこんな世界なんて滅んじゃえばいい、ってそう思いませんか?
…だけどそんな疑問も些細なものでしかありませんでした。
とにかく私は神の啓示を受け、身を震わせるほどの感動の中にいたのです。
ああ、やっぱり私は特別な運命を背負って生まれてきたんだ、ってことが、これで証明されたんですから。
その瞬間でした。
突然、私の脳内に、あるイメージが浮かびました。
家でお母さんが台所に立ち、夕飯のカレーを作っている光景を!
―― まさか、これが予知能力なの?
私は驚き、それを確かめるために急いで家に戻りました。
玄関を開けると、家の中からカレーの香ばしい匂いが漂ってきます。
私は叫びそうになる自分を抑え、台所のドアを開けました。
するとどうでしょう。台所で、お母さんがカレー鍋をぐつぐつと煮込んでいたのです。
「あら、おかえんなさい」
そう能天気に言うお母さんの前で、私は絶句したまま立ち竦んでしまったのです。
「今夜はカレーよ…」
そんなお母さんの声が、まるでどこか遠いところから響いてくるように聞こえました。
本当だ、本当だったんだ! 私は預言者になってしまったんだ!
私は恐れおののき、そして己の運命に驚愕してしまいました。
未来を予知できる能力…それが私に!
- 179 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2010/08/12(木) 18:23:12
- …それからというもの、私は預言者として、学校で数々の予言を行いました。
だけど私の預言者のレベルはまだまだ成長段階であるらしく、当たる確率はまだ1割ちょっとってところです。
同級生たちは私を煙たがりました。
おそらく私が彼ら彼女らの不幸な未来を予言すると、恐れていたのでしょう。
もともと友達がすくなかった私の周りには、ついに誰もいなくなりました。
特別な能力を持つ人間というのは、常に孤独な運命に晒されるのです。だから私はめげません。
目の前で美奈が、まるで私に見せ付けるように隆司くんといちゃつくのを見ても、もう恐れません。
私の予言では、隆司くんは来世で私の恋人になり、結婚することが決まっているからです。
…そしてつい先日、私は見たのです。
そう、それこそ、この地球が滅ぶという予知夢です。
今から三日後の正午、突然千葉県市川市にある環境保全センターの焼却炉から悪魔たちがたくさん出てくるのです。
その日収集された可燃ごみを焼却処分するために、環境保全センターの職員がガスバーナーのスイッチを入れます。
そしてスイッチを入れると同時に、その焼却炉が地獄と繋がってしまうのです。
その瞬間、地獄の業火の如く燃え上がる可燃ごみの中から、見るもおぞましい醜悪な悪魔達が飛び出してきます。
その悪魔達は地上に飛び出し、巨大な黒い翼を広げ、数十万匹もの群れを作って世界中に広がってゆきます。
そして彼らは人間達、生きとし生けるもの全てに襲いかかり、その血肉を喰らうのです。
特に美奈みたいな泥棒猫は、一番気持ち悪い悪魔に、生きながらゆっくりと食べられ、
長時間かけて苦しみながら、泣き叫び許しを請いながら、それでも許されることなく無残に殺されるのです。
私の隆司を奪った罰だから当然です。
ざまあみろ、って感じですよね。
とにかくそうやって世界は滅亡します。人類のみなさん、覚悟はいいですか?
預言者である私がそう言うんだから、多分間違いないと思います。(了)
- 180 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2010/09/14(火) 04:28:04
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- 181 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2010/09/14(火) 04:29:00
- 『ちんぽの花園』
一面に咲き乱れるたくさんのちんぽ。
これは幻なのか?
それとも悪夢なのか?
ちんぽ一本一本がゆらりと高く首を天にかかげ、香しい白濁液が滴らせる。
生命の息吹を感じさせる香ばしい生臭さが春風に煽られ、私の嗅覚を刺激した。
ここは「17歳の勃起」と名づけられた花園。
生温い汗が飛び散り、青臭い息吹が満ちるこの花園には、若々しい生命のが満ち溢れていた。
青春の喜びと悲しみ、挫折と寂寥を孕みながら花園は今日もまた終わり無き一日を迎える。
永遠と思える静寂の中で、彼らもまた無言のまま己の若さを漲らせる。
誰も見ることなく、誰にも振り返られることないまま、春風の中でただただ虚しく。
そこには失われた純情があった。
満たされない悲しみに溢れていた。
膨れた肉茎の節々に流れる朝露は、彼らの涙なのか?
青春の虚しさとはかなさを伝える、彼らの無言の訴えなのか?
多くの夢と挫折を孕んだまま咲き乱れるちんぽたち。
今日もまた吹き荒む春風の中で仄暗い空を虚ろな目で見つめ続けていた。
そんな折であった。花園をかき乱す闖入者たちが訪れた。
一糸纏わぬあられもない姿のめしべたち。
亜麻色の長い髪をなびかせた蕾たち。
春の乙女たちだ。
乙女たち舞い踊るたびに乳房は豊かに揺らいだ。
乙女たちの新鮮で柔らかな肉が軽やかに弾んだ。
滑るような白い素肌が、ちんぽたちに眩しい。
薫り立つような薔薇色の微笑みで、乙女たちは語り合う。
未熟な乳房や瑞々しい尻の放つ薄桃色の芳香。
甘酸っぱい吐息が、花園にかつてない彩を与える。
ちんぽたちは一斉にわななき、その鎌首を大きくもたげた。
- 182 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2010/09/14(火) 06:01:15
- するとどうであろう。
突然、乙女たちは呻き始めた。
愛の季節の訪れを告げる疼痛が乙女たちを目覚めさせたのだ。。
若草のような恥毛に包まれた薄桃色の花弁。
その控えめな割れ目から、乙女たちは一筋の血潮を流した。
鮮やかな一筋の血潮は閉ざされた白い腿を流れ、地面に雫を垂らす。
勢いを増して咲き誇るちんぽたちに、その雫が飛び散る。
ああっ!
だが乙女たちは花園の中で踊りつづける。華やかに、軽やかに、艶やかに。
そう、この乙女たちこそ咲き誇る春の女王たちなのだ。
柔肌から真珠のような汗を流し、花弁から真紅の血潮が滴らせ、
それでも乙女たちは薄桃色の頬に笑顔を浮かべたまま、可憐に踊り続けた。
乙女たちの白い脚は、花園に咲く無垢な茎たちを無遠慮に踏みしめる。
脚の下で虐げられ、ちんぽたちはそれでもなお逞しく立ち上がろうともがいた。
傷だらけの純情と求めえぬ愛情を探して。
永遠の愛と無限の悦びを勝ち取るために。
乙女たちに、己の全てを委ねるために。
最後に彼らは乙女たちの微笑みに向け、力強く我が身を震わせ一瞬の悦びとともに果てた。
赤黒い肉茎を弾けさせ、己の持つ生命の迸りを惜しみなく吐き出し、搾り出したのだ。
そのただひと時のために、彼らは全てを賭けたのだ。
彼らはゆっくりと萎れてゆく。
崩れ落ちるように大地に倒れる。
霞む陽射しの中、呆然とする思考の中でもなお、その視線は乙女たちを追う。
視界の中で踊り狂う乙女たちの甘い香を思い、柔らかな肉体を夢見ながら。
そして再び乙女たちを待つのだ。
永遠に繰り返される、苦行と快楽の輪廻の中で。
乙女たちに己の無辜の愛を受け入れてもられる、その時まで。(了)
- 183 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2010/09/14(火) 18:08:24
- , ⌒∨:_ ィ二 ─ハ‐:-: 、 V::.:-=ニこ..
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に ニ|´: ::.::{: .:/ ` ̄ ̄ヽ::}: |::.::.::.:: : : !
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ヘ: :::.::|\VL、フ 、 (つイ-::./j: :.::!:{
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ヽ: ::リ l: : : : : : : / /ゝイ
\、 ハ、::._: , ' .::.::.::.::/
j l::.: ./ /.::.::.::/
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V.i /.イ ` \::.::.::.:/ l
ムl.jノ..! ` ┬j j
` ー ' ´ ` ー‐‐‐---‐‐ ' ´
- 184 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2010/09/14(火) 18:10:48
- ド・バザール卿がレイア姫と尼僧を次々と犯し、
恍惚とした表情を浮かべるレイア姫と尼僧の顔面目がけて大量の精液を放った。
どろどろの白濁液を美しい面貌で受け、レイアは頬を垂れる精液を舌先で拭い取った。
「…ああ、素敵です、ド・バザール卿」
快感でまだヒクつく男根にしゃぶりつく尼僧を押しのけ、レイアはド・バザール卿の一物を手で掴んだ。
尿道に残った精液を残らず搾り出そうと、レイアはさらにそれをしごく。
「すばらしいですぞ、レイア殿。それでこそ貴女は王女ですぞ!」
ド・バザール卿はレイアの頭に手を添え、レイアの顔を己の股間にこすり付ける…。
夜はこれからだ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「おおっ!す、すばらしいフェラだよ!レイアちゃんのおフェラはマシシュナルナ国で一番だよおっ!」
勇者ヘイドレクは、ギンギンに勃起する己の股間をしごきながら、草臥れた煎餅布団の中で喘いでいた。
方々がほつれたシミだらけの四畳半の畳の上で、至上至極のエロティックダークファンタジーの夢を見ているのだ。
「ああ、レイアちゃん。君こそ僕のお姫様だよ! ああっ!」
ヘイドレクは黄色いシミが浮かぶブリーフパンツの上から、固くなった仮性包茎ちんこを尚もしごく。
さきほど射精し、生臭い精液を迸らせたにも関わらず、ヘイドレクの童貞ちんこは今日も元気だ。
剣と魔法の中世ダークファンタジー…世紀の凡人ヘイドレクが夢見る見果てぬ世界は、
まるで現実世界のヘイドレクの実生活とかけ離れた壮大なファンタズムを孕みながら、
偏った性欲と醜い自己欺瞞でいつまでも膨張を続ける。
ファンタジー作家として成功する夢…それこそがヘイドレクが学生時代から憧れた、
決してたどり着くことのなどありえい真のファンタジーなのだ。
「ジリリリリリッ!!」
突然、枕元の目覚まし時計がけたたましい音を立てた。
朝6時半を指し示す目覚まし時計の文字盤には、ロリ系美少女の魔法使いキャラが、弾けるような笑顔を見せている。
そう、現実世界の女性がヘイドレクに見せることなどありえない、キラキラした素敵な笑顔だ。
ヘイドレクはその音を聞いた瞬間、ビクッ! と一度体を痙攣させた。
股間で熱く固まった己の一物をしごく右手が、その動きを止める。
- 185 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2010/09/14(火) 18:13:14
- 勇者ヘイドレクは目覚めた。
屈強の肉体と、強靭な精神と、過酷な運命を背負った永遠のダークファンタジー戦士ヘイドレクの目覚めである。
ヘイドレクは皮下脂肪でぶよついた手をさし伸ばし、甲高くベルの音を発する目覚まし時計のスイッチを切った。
眠そうな目を手でこすりながら(先ほど夢精で放った精液の滓が付いてるのは言うまでもない)、
ムクリと上半身を起こし、ヘイドレクは大あくびをした。まだ眠気が吹き飛ばないようだ。
だが、モタモタしてられないぞヘイドレク。今日もこれからお仕事なのだ。
西川口運送センターの派遣作業員として、何だかわからない謎の荷物をトラックに積み込む仕事をしなきゃ駄目なのだ。
「ふぁあああっ!」
再び大あくびをしながらヘイドレクは立ち上がった。
だらしなく弛んだ腹が首元が伸びきっているTシャツから迫り出し、立ち上がると同時にぶよんと弾んだ。
急がなくては、またライン班長にいじめられて給与を減らされる。
これ以上減らされたりしたら生活が成り立たないし、
ここで派遣拒否なんか喰らったら、ファンタジー作家になる前にのたれ死んでしまう。
ヘイドレクはケツをボリボリと掻きながら洗面所に向かう。
洗面器の中にはゴキブリの死体がへばりついていた。
ヘイドレクは顔を顰めながらティッシュペーパーを引っ張り出し、それを包み込む。
それを傍のゴミ箱に捨てた。溢れかえったゴミの山に当たったそれは弾かれ、床に転がる。
鏡を見つめたヘイドレクは20代にしては既に疎らになりかけた髪の毛に手をやる。
少ない派遣工の給料から捻出して買った育毛剤の効果を、無意識に確かめるように頭皮を指先で確認した。
夢の中のヘイドレクは黒々とした剛毛が鬣のように生えているが、
現実世界のヘイドレクの髪の毛はかなり侵食が進み、まるで酸性雨で痛めつけられた森林のようだ。
これじゃ本物のレイアちゃんやマリアちゃんに会ったら嫌われちゃうな。
ヘイドレクはそう思うと、思わずハア〜ッと大きく溜め息を付いた。
歯槽膿漏に罹り、歯肉の腐ったような匂いが、洗面所に充満する。
だがヘイドレクは気づかない。そう、ヘイドレクの体臭や腋臭も、たいして変わらないくらい臭いのだ。
ヘイドレクは蛇口を捻ると、冷たい水を手酌で掬い取り、どう見ても男前には程遠い顔をバシャバシャと洗った。
そのままその辺に引っ掛けてある薄汚れたタオルを取ると、脂ぎったその顔を拭う。
- 186 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2010/09/14(火) 18:15:53
- 今日もまたあの仕事…ライン班長の杉山さんは僕のことをターゲットにしてるし、
同僚のほとんどもまるで僕と話をしてくれないし、もう、やめたいよな…。
またいじめられ、泣かされに行くのだと思うと、ヘイドレクの気は重かった。
夢の中のヘイドレクは、三国無双の勇者であり、時には巨大な剣でドラゴンすらなぎ倒す戦士だ。
だが現実のヘイドレクは、世間で言う「負け組みのキモヲタ」でしかない。
ファンタジーの世界に逃げ込むことでしか、己の卑小なプライドを保てない、そんなクズみたいな男だ。
溢れかえる洗濯物の中から、まだ着れそうな上着を引っ張り出す。
どう見ても雑巾と変わらない、ヨレヨレのシャツを着込んだヘイドレクは、そのまま四畳半の壁に向かう。
そこには、ロリロリな美少女キャラが色鮮やかに描かれたポスターが貼られていた。
肌の露出の多い風変わりな衣装を纏い、乳房とパンチラが強調されたアニメキャラだ。
そう、ヘイドレクのようなクズ同然のキモヲタから小金を巻き上げるための、キャラクターグッズだ。
「おはよう。これから仕事に言ってくるよ。」
ヘイドレクはそう呟き、軽く微笑んだ(物凄く気持ち悪い笑顔で)。
そのままジッとそのポスターのキャラを見つめ、その唇の部分に軽くキスをする。
もし、このアニメキャラに意思があったら、瞬時に全身にジンマシンが沸き立ったことだろう。
ヘイドレクはもう一度満足げに微笑むと、足早に四畳半(便所共同、風呂なし)のアパートを後にした。
西川口の駅前は、通勤通学途中の人ごみで溢れかえっていた。
ヘイドレクはその人波を不器用に抜けながら、(すれ違う人たちが、汚らしいヘイドレクの姿を見て、
思わず顔を顰めていたのは秘密だ)ヘイドレクはバスターミナルに向かう。
駅前ロータリーを足早に歩く女子高生たちの姿が視界に入った。
その制服のスカートの裾の下で、秋の陽射しを浴びた眩い太ももが蠢いている。
ああ、ピチピチじゃないか…。
ヘイドレクは思わず溜め息を付いた。
同時に汚らしいブリーフパンツの中で、小ぶりな包茎ちんこが僅かに疼く。
あんな女子高生とエッチなことをしたいなあ…。
自分がファンタジー作家として成功するのと同じくらいファンタジーな妄想を抱きつつ、
ヘイドレクは仕事先に向かうバスに乗り込んだ。
そう、向かう先に地獄が待っているのも知らずに…。
- 187 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2010/09/14(火) 20:01:16
- //癶: : :|\ : |` ̄}: ; : : :ヽ
| ┌┐ /:イ: / \{ ゝ:! 〈: : : : : : ;ゝ ___/\___
─┤ ┌──┘└┐|/ ':イ ソ'⌒ ヽ: : : : : :! } //\\ 〉
|/⌒ヽ └──┐┌┘ |: ハ /ニゝ r==、 ∨^∨:i|//二二\\ |
/| ノ / -─┘ | |/ ヽ r=、 __"" 〈ハ} / }(// 二二ヽ\) |
つ / / / -―┐ l , ´ /_-― ヽ ソ' | ( (__) ) |
_r爪\ ____ | { __| | ヽ" X ,. -} /i从ゝ ! /`) ┬┬'´ |
,ニ/⌒/⌒ヽ <_:二 ヽr―ァ \ __ | ` 丶∠_-ニ-―ュ_ | / 「匚 コ |
/ /:〃〃:イ:ハ : ト、: : \: \ト /⌒ヽ └┘ ┌┐◎ _ ィ7^ハ /_ ヽ´|(,イ |/イ ト\ |
/ /:〃'/: / || !|:| |ト、:ヽ '; ̄`vへ: | : ト、__ ┌┐┌┘└┐イ 〃 / ヽイ'´ ∨ !. |├ 匚 コ-' ./
{:.川:K/\l! 从}┼十 N ̄:癶._人ヽ ヾ:<. | | └┐┌┘ } /_/ / | | しr‐、トイ /
r彳乂川 /⌒ ⌒ ヽノ |///ト、ハ: \: ヽ) | |. r┘└┐/ r</ /ノ \ | || / !
|// イ.:l { ト} ト:} V Z_ / ハ :ヾミ:ニ< | | { (} 「´/ r┐/⌒ \ /' \○○-―┘
{ {/ y' : . ¨ -' ノ rか∧ \\`  ̄丶, └┘ '┬< /匚 コ┐ \〃 \\\\
ヽ ト : : : ´__ : : : : : ノ'シ'ヽ: \:_\Y }W{ィ 人.. / ┘D ヽ\ ノ! \\\\\
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「 ┼ L ゝー┬r ' ´ // Vリ v/ V 〃 /  ̄ r┐ ┌‐ 〉 \\\\\\\
l └┐ ! { ヽ二ニ´く {/ ヽ _}__/___/(/ 匚 コ┐ .! !. \\\\\\\\
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- 188 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2010/09/14(火) 20:05:27
- 今日私は4289人目の子供を出産した。しかも双子だ。これで男の子が2019人で女の子はえーと…えーと、
4289−2019だから2270人いることになる。 正直全ての子供の名前を覚えるのは不可能であり、
それに今度生まれてきた双子に付ける名前なんてもはや残ってない。さっき夫と一緒に子供の数を数えたら
3902人しかおらず、残りの、えっと残りの4289−3902=387人が何処へ行ったか分からない。
多分どこかで遊んでいるか、飢えて野垂れ死んでるかしてるんだろう。
それだけ食い扶持が減って万々歳というところだ。
だって仕方ないだろう。しがない会社員でしかない夫の給与でこれだけの数の子供を養うなんて不可能に近いのだ。
年長の子供を組織して武装させ、近隣の農家やスーパーマーケット、
穀物倉庫なんかを襲撃して食料を確保したりしなきゃやってられないのだ。最近では銀行なんかを襲ったり、
果ては自衛隊基地や原子力発電所を襲撃して武器や核物質を盗んで横流ししているのは秘密だ。
こうした実績を買われ、年長者の何人かは国際的な傭兵として活躍できるようになり、母親としては喜ばしい限りだ。
現在民主党の皆様が子供手当ての支給を公約に掲げていらっしゃるそうで、これも母親として大変喜ばしい。
何せ子供の数が4289人もいるのだ、一人当たり月額2万6千円であるから、
我が家には総額4289×26000で…えっと、そのね…。
何これ、物凄い金額が入ってくるじゃない! 母親としては大変喜ばしい限りです。
既に何人かの子供はどっか行ったり死んだりしてると思うけど、その分もちゃんと支給していただけるんでしょうね?
え?幼児虐待?そんなことしてません。そんなのできる数じゃないんです。
だって4289人なんですよ?そんなのいちいち引っ叩いてられませんよ。
え?育児放棄?まさかそんなこと言って、私に支給される月額億単位の金を渡さないつもりですか?
もしかしてあなたは、私の金であるところの子供手当てをむしろ取ろうと画策している敵国の工作員か何かですか?
そんなことさせません、許しません。
この金は私がブランド物のバッグや靴を買ったりするために大切に使わせてもらいます。
え?その金は子供のために使う金だって?そうですよ、このお金はちゃんと子供のためになりますよ。
だって子供達も、母親がブランド物のバッグや靴を身に着けて、
エステで磨きぬいた美しい身体の持ち主だったら鼻高々じゃないですか。
そんなこんな言ってる間にも、また陣痛が始まったみたい。
いやーん、また子供が生まれてきちゃうみたい。いつの間にダンナの奴、私の中に子種を仕込んでたのね。
まったくまいっちゃうわ、本当に。
- 189 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2010/09/14(火) 20:06:57
- つい先日生まれた20人目の子は、生まれながらにして全身エメラルドグリーンの鱗に覆われ、
蝙蝠のような翼を持っていた。さらに目は大きく迫り出した主眼二つの間に六つの複眼が並んでいる。
さらに傍から長い触角が生えており、この子が感情を表すたびにフリフリと揺れる。
銀色の髪の毛の間には角が二本生えている。おそらく成長と共に長く伸びるのであろうが、
今は産毛の中に埋もれて一見するだけでは分からない。
さらに胸には三対の脚が合計六本並んでおり、その先にはそれぞれ鋭くとがった鉤爪がギラリと光っている。
身長の1.5倍ほどもある長い尻尾の先には、これまた鋭く尖った毒針が生えており、
時折溢れ出た毒液がピッっと飛び散るのが見える。
実はこの毒針のせいで産婆が一人死んだ。この子を引っ張り出す際に思い切り尻尾の先端を掴んでしまった産婆は、
その瞬間うげえっ、とまるで獣の吠えるような声をあげ、瞬く間に全身が紫色にそまり、身体も気味悪く膨れ上がって、
真っ黒な血を吐き出して死んでしまったのだ。
そんなわが子も今はベビーベッド(バスケットコートほどの広さ)の上ですやすや眠っている。
やはりわが子というのは可愛いものだ。思わずその頬にキスしたくなる衝動に駆られたがやめておいた。
同じようにキスをしようとした私の兄が、その瞬間に目の覚めたこの子にあっという間に食べられてしまったのだ。
まだきちんと生え揃わぬ牙に引き裂かれた兄の断末魔が、今も私の耳から離れない。
産科医によると、生まれて三ヶ月ほどでこの子は口から炎を吐くようになるという。
さらに1年を過ぎるころになると、背中の羽も充分に成長し空を飛べるようになるとのことだ。
空を飛べるようになったら、自分でその辺の人間を捉えて食べるという。なんとも逞しい話だ。
- 190 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2010/09/14(火) 20:11:22
- / / / / / / i' lソ /|仆リi,i ゙i, ヽ i |ヽ i! i i lヘ, i ii l .| \ \ \、 ヽ
/ / /'"/ / /i | / ,,イ ,| |l|| i, | ゙i, | | ゙i, li i i, | |i. |川 / | \、ヽ .\、
// ./// /i' ./ | .l//.l| | || | リ |, 从 ゙| | ヽ |l トヘ |i,ヾ川|//i \\ \,
i' i // /l| /| |/イ| .ハ | || | ii ハ |lリi |/ ゙i, |!i|ヽi. | | ll|川/ノ ヽ\\ リ,
| l / i / { /ソ/| .| |.| ゙| |l || | /| i | リハ |-=‐''i, ||l i i' .| ソ~= ゙i |ヽヽ i, リ,
.| l/ | / .| ,メ‐'| | | | l,| ゙i,ハ .|/ | / | |メ‐| |-='"~}リ|、、| / /l//,ハ i, .|ヽ\i, | i,
||l | i!,,メ~l | i | l, |==|i、 / |/ |// -ノ{::::::::::リ:o:〉} / / /ノ / / /|| ゙i, \i,
|リ i,‐|~ |:ハ | i |.|i,メ==ヾト / リ ゙/- ヽ;;;;;;|;;メ / / / (ソ / i / || ヾ ヽi
ヾ ヽ,| リ i i| | |ハ ヘ、::::oヽ / ノ / // / __/ i"/ |!
ヽ ヽl |、.ハヘヽヽ‐‐' ノイ/ /レ / | i'
iN | ゝ、 ゙、\ /// / / / /l /
l | ヾ ヽ ヽ / / // //l/
ヽ \ 、-─ニフ / /ノ////_
゙ヽ、 \:::ノ ,,,/-‐'''"~ ̄ ̄ ̄-‐'" ̄"'''ヽ、
゙'ヽ 、 ゙'' r'"~ / ゙i,
,,,--‐''''"~~"'‐,-‐''| | / ゙i,
/‐‐、 i |,| ,,,‐'" i
,,,-/,,-'''"ヽ ,,,,-‐''-─'/ | ,,-''/ |
,,-‐'"/-'/┌‐''''/ /ノ ,,-| ,,-'ヽ/ |
/ /-‐入 ./ /''",-'''ヽメ / |
/ノ ノ_,二l///" ,-''"-''"ヽ\ ,,-'" |
//,, /-─l // ,,‐'"''" ゙i ヽ_,,-‐___ | / |
,,-''~ /-‐''/ /‐"~ヽ,,メ=ニ二 ̄ 、 Y ,, |
,,-'~ メ‐''"~| ,,l,,-‐'''"~--──-、,,_゙"''ヽ-、,,_゙''‐-、| / |
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. i / ,,,,/~ ....::::::.:.. \、/ ゙/ヽ、 ヽ. |
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"i, ,,-イ‐/ヽ ___,,,,,-‐':.:.:.:.:.: \、 ノ /ヽ, ノ
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‐'" |// ゙メ、 ,/// ゙、 ∧ソ./} }
\" / /゙''メ、メノ/ \ , ' ヽリ{ |
\/ //゙ノレ' ゙ヽ、 ,,/ ヽY| |
ヽ-"/ / ゙''‐- .......,,,,,, -''" lレ| |
- 191 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2010/09/14(火) 20:23:45
- (1/2)
「私の夢、最後の希望」
もう終わりだね。
そう、今日まで頑張ってきたけど、それももう終わり。
間もなくここの核融合炉は溶解し、この施設は大爆発を始めるよ。
もう助からないんだ。
エネルギープラントの大爆発で、周囲半径100キロくらいは死の世界になる。
数百年から、果ては数万年先まで、放射能に汚染された土壌が、そこに広がるだけ。
僕は手にしたサブマシンガンをテーブルの上に置いた。
部屋中には先ほどまで必死の抵抗を続けたエネルギープラントの職員たちが血まみれで倒れている。
抵抗しなければ、彼らをここまで痛みつけてなかったのに。楽に死なせてやっていたのに。
命令どおり原子炉の制御棒を抜いて暴走させれば、仕事も早く済んでたのに。
馬鹿な奴らだ。
けたたましい警報が鳴り響き、モニターには危険を告げる文字が点滅する。
明らかに上昇した炉心温度は、もはや停められない。
ウラニウム235の核融合反応は臨界を越え、大量の中性子をばら撒きながら周囲のイエローケーキを焼く。
純粋に満たされたプールに、不気味なチェレンコフ光の輝きが映える。
破滅の光だ。
あと少しで世界は滅ぶんだ。
僕はふと、警備用モニターに目をやった。
降りしきる雨の中、危険を察知した軍関係者が、施設に殺到しているのが見える。
特殊部隊員を満載しているであろう武装ヘリが、施設の上空を飛び回っているのが見える。
もう遅いのに。
僕らの同士が彼らに対し、持ち込んだ機関砲で応戦している。
武装トラックの一つが炎上をはじめる。
そんな虚しい光景を呆然と眺めながら、僕はタバコに火をつけた。
喉をチリチリと刺激する煙を心地よく味わいながら、僕は笑った。
楽しいからではない、そうではないのだ。
核反応が完全に制御不能になり、モニターには総員退去を命じる表示が出た。
だからどうした、いまさら外に出てももう遅い。
全ての保障システムを破壊し、通信回線も破壊した。
唯一、政府安全保障室への回線だけが生きている。
今頃、政府は恐慌状態だろう。
僕はそのままウイスキーを取り出し、同志である美弥子に飲ませた。
彼女は先ほどの銃撃戦で腹を撃たれ、間もなく死ぬ。
だが愛する女の死を目の前にしても、悲しみは出てこない。
むしろ幸せすら感じる。
僕だって同じだんだから。
あと30分もあれば、僕も彼女とともに、この世から消滅するのだから。
数百万人の人間たちとともに。
それはとてもとても幸せなことなんだ。
- 192 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2010/09/14(火) 20:26:34
- (2/2)
美弥子が事切れるのを見た僕は、そのウイスキーボトルに口を付けた。
彼女の口紅が僅かに付着するウイスキーボトル。
何度も唇を重ね、何度も僕のペニスを愛撫してくれた美弥子の唇だ。
僕はそのボトルの口に、最後の口づけをした。
そのまま中身を思い切り煽った。
焼けるような刺激が喉に流入する。
僕は少しむせながらも、その火傷しそうな琥珀色の液体を胃袋に流し込んだ。
少し涙目のまま、五月蝿く警報を鳴らすモニターに向かって乾杯と一言。
もう終わりだね。
施設内に特殊部隊員たちが突入したようだ。
遠くからだが銃声が聞こえる。
サブマシンガンではなく、明らかにカービン銃の音だ。
甲高いその銃声は、ここが核施設であることを忘れているようだ。
どちらにせよ、もうそんなこと言ってられないのだけど。
僕はもう一度サブマシンガンを手に取った。
美弥子の死体から、サブマシンガンの予備弾倉と手榴弾を取る。
最後の戦いかもしれない。
もしかしたら、世界を破滅に導く盛大な花火を見られないのかもしれない。
それが少し残念に思えた。
無線機からリーダーの村上が呼びかける声がする。
直後、その無線機のスピーカーから村上の絶叫が響き、同時に容赦のない銃声がした。
村上も一足先に、永遠の世界へ旅立ったようだ。
まもなくここにも来る。
もう遅いのに。
もう停められないのに。
管制室の廊下で同志が、軍の兵士たちと撃ちあいをしている。
炉心の融解を告げるメッセージか表示された。
間もなく爆発が起こる。
もう終わりだ。
僕はモニターを見た。
雨に打たれながら、装甲車や軍用車が佇むその光景。
この目の前で繰り広げられる殺戮の光景が、僕が見る最後の映像となるだろう。
おそらくすぐ後に、凄まじい光と熱線が僕を包み、その一瞬で僕はこの世から消滅するだろう。
最初に放たれた大量の中性子線で、おそらくこの地域数百メートルの人間は即死するのだ。
そのすぐ後に放たれる放射能の熱線が数十秒、辺りを焼き払う。
さらに巨大なエネルギーが一気に放たれ、この地域は全て破壊しつくされる。
最後に、大量の放射能を含有した雨が空から降り注ぎ、大地を穢してゆく。
僕もその一部となって、大地を穢してゆくつもりだ(了)
- 193 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2010/09/14(火) 20:56:14
- /./// / i f!i゙V^! .i i. ゙!, ','.,.! ゙!
i .,゙ !/../ .i !l .i |!~ ~゙! i i. i、.i i !i !
! !i li.i. | |,.fキ┤'! !/~!゙'|'!-| il ! !
i i ! l ! | |V゙,.!,l、 /' rゥ‐、!,l./ ,| |! !
i.l l |,| }、 |./lィ ゙| :|゙ !j゙V /ノ.| ! l
ヾ゙!,!゙!|{゙ギ ゝ‐' , ~゙~"ノィノ .| l !
.l ` `'tキ、 .r─┐ ノ | .|゙! l '.,
/ ./_ゝ'^'く.⌒Y ,ィ,.┴-'ァ ヽ, ヽ ヽ
.ノ, / ゙y彡ミミ、、y'‐'" .|_r /、. ヽ ヽ ヽ
// ,. -'-┤ .ァ‐-`y' ヾ!'''i''~~゙゙゙゙゙''ヽ、ヽ \
// ./ | ム~ヽ/ |、 r‐┤` .ヽ ゙!ヾ、、 ヽ、
/./ ' ,' .| |_j,ノ ノ | ,r 、-┐ | ヽ ヽ.ヽ、
/ // ノ! 、 } |、 r‐--` .| i |ヽ、 ヽ、`.ヽ、
/ ./'/ //゙! ゙y ト!ァ-、,ri'''j-‐'. ト'、 |、. ヽ、 ヽ、 ヽ、
/ // / /.// .! / ん〜ーj__r、ヘ,/ .ト-' .| ヾ、 ヽ、 ヽ、、 ヽ、
/ ./ ./ / ./ // | ./ |'^i,.....,. , ,>.l || | ヽ'、 ヽヽヽ、\
/ ./ / / ./ /,',' | / |、'^-'_ ,'` '-‐/゙!. ヾ |ヽ ヽ'.,\. ヽヽ \ \
./ ./ / / ./ / i.i | / .ト、'、_,ァ'‐‐ヽ,'-' l \ | ヽ ', ', ヽ ヽヽ \ ヽ
/ / ./ l l l|! |.! √ ̄ ~~~! ヽ | ', ! l. ヽ ',.ヽ ヽ.. ',
./ / ,' | .l | .| '., / l .゙ }. l l .l ヽ ! ', '., .',
l / l .i | l | ! |ヽ. ,イ ヽ、 / .! ! ! ', l l. ', .',
.! .l | ', .! ! | l | l`'" | l \__/ .l l .| .l l l l l
| .l l ',.', {. l. ', |. ', j , i、 .|| !.l | .| , j l l .|
|. ! l ヾ、 .! l '., l. ',./ |, ', ノ j // !. | / ノ _,l l .l
!.! ',ー-=、,,,,゙! L,,,_ヽ、 ',. / ゙ ', ,〈 ノ' l .!ノノ-='‐/ ! .!
',.! ', l l ~_ニ=ニf,/_ _,〈_,)--、,=-''''! f~ / / /
. ヾ、 ~''ー-,―-j l <_ =/  ̄~`''''ー-------‐一'''゙゙,.,~ .',ミ ,> .| ! ,. -' ./ノ
\. i'<<ニ~_. └-=二ニフ'、 .l^! ,...., 、-、. l^!//,./',~'''" _j レ<,,_ /
` l,________'j 、..∠∠!. \、,| l// `_,,、',..、/ .'r_<~~ _,,,>''"| '"
r'_∠,,_ ヽ..,,,__| \-,∠--、 -ニ-ァ.'/ l-'''"7 レ-<~
└--‐'" r<! \\~~ .// ト<~ r='-'‐'
`ー! \! / ├'
- 194 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2010/09/14(火) 21:00:52
-
『ちんぽの花園』 ( ※ 一度、過去に出したものを、少し修正 )
一面に咲き乱れるたくさんのちんぽ。
これは幻なのか?
それとも悪夢なのか?
ちんぽ一本一本がゆらりと高く首を天にかかげ、香しい白濁液が滴らせる。
生命の息吹を感じさせる香ばしい生臭さが春風に煽られ、私の嗅覚を刺激した。
ここは『15歳の勃起』と名づけられた花園。
生温い汗が飛び散り、青臭い息吹が満ちるこの花園には、若々しい生命のが満ち溢れていた。
青春の喜びと悲しみ、挫折と寂寥を孕みながら花園は今日もまた終わり無き一日を迎える。
永遠と思える静寂の中で、彼らもまた無言のまま己の若さを漲らせる。
誰も見ることなく、誰にも振り返られることないまま、春風の中でただただ虚しく。
そこには失われた純情があった。
満たされない悲しみに溢れていた。
膨れた肉茎の節々に流れる朝露は、彼らの涙なのか?
青春の虚しさとはかなさを伝える、彼らの無言の訴えなのか?
多くの見果てぬ甘い夢を抱き、咲き乱れるちんぽたち。
今日もまた吹き荒む春風の中で仄暗い空を虚ろな目で見つめ続けていた。
…そんな折であった。花園をかき乱す闖入者たちが訪れた。
一糸纏わぬあられもない姿のめしべたち。
亜麻色の長い髪をなびかせた蕾たち。
春の乙女たちだ。
乙女たち舞い踊るたびに乳房は豊かに揺らいだ。
乙女たちの新鮮で柔らかな肉が軽やかに弾んだ。
滑るような白い素肌が、ちんぽたちに眩しい。
薫り立つような薔薇色の微笑みで、乙女たちは語り合う。
未熟な乳房や瑞々しい尻の放つ薄桃色の芳香。
甘酸っぱい吐息が、花園にかつてない彩を与える。
ちんぽたちは一斉にわななき、その鎌首を大きくもたげた。
- 195 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2010/09/14(火) 21:02:01
- するとどうであろう。
突然、乙女たちは呻いた。
愛の季節の訪れを告げる疼痛が乙女たちを目覚めさせたのだ。。
若草のような恥毛に包まれた薄桃色の花弁。
その控えめな割れ目から、乙女たちは一筋の血潮を流した。
鮮やかな一筋の血潮は閉ざされた白い腿を流れ、地面に雫を垂らす。
勢いを増して咲き誇るちんぽたちに、その雫が飛び散る。
ああっ!
だが乙女たちは花園の中で踊りつづける。
華やかに、軽やかに、艶やかに。
そう、この乙女たちこそ咲き誇る春のニンフたちなのだ。
柔肌から真珠のような汗を流し、花弁から真紅の血潮が滴らせ、
それでも乙女たちは薄桃色の頬に笑顔を浮かべたまま、可憐に踊り続けた。
乙女たちの白い脚は、花園に咲く無垢な茎たちを無遠慮に踏みしめる。
脚の下で虐げられ、ちんぽたちは、それでもなお逞しく立ち上がろうともがいた。
傷だらけの純情と求めえぬ愛情を探して。
永遠の愛と無限の悦びを勝ち取るために。
乙女たちに、己の全てを委ねるために。
最後に彼らは乙女たちの微笑みに頭を向け、力強く我が身を震わせ、一瞬の悦びとともに果てた。
赤黒い肉茎を弾けさせ、己の持つ生命の迸りを惜しみなく吐き出し、搾り出したのだ。
そのただひと時のために、彼らは全てを賭けた。
彼らはゆっくりと萎れてゆく。
崩れ落ちるように大地に倒れる。
霞む陽射しの中、呆然とする思考の中でもなお、その視線は乙女たちを追う。
視界の中で踊り狂う乙女たちの甘い香を思い、柔らかな肉体を夢見ながら。
そして再び乙女たちを待つのだ。
永遠に繰り返される、苦行と快楽の輪廻の中で。
乙女たちに己の無辜の愛が受け入れられる、その時まで。 (了)
- 196 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2010/09/14(火) 21:03:15
- / `丶、
ト、 _/ / ヽ
(⌒⌒) ヽ._ .ィ / { l ヽ \ ,ハ
\/ , -、 l/{ { i 八 ∧ィ⌒ヽ ヽ ',
r‐‐--rx、 (⌒ / i从八 { { ト、 l X=ミヽ| j 〉|
ノ厂j7} マ、`ヽ′ // iヽトト、{ \辷グ ル'l/lノ|
ゝイフニ八 い / / ∠j小. ' :::: / l/l i|
. |仁i::::::ヽ | ,/ /´ /j|ヘ. ` ´ ..ィ / l| { | _,r‐ 、
. 仁i::::::::::j V / i ,}/ ,' ハ} ´ {リ /zく ヽヽ、 ( 八、
. ノイ:::::::ノ、 V } / / ,/ ヽ ノ- { i {ニ{⌒ヽ \ `ヽ/ }ハ
{ス{´/ /∧ ∨>'" / , Vヽ ヽ\__! \ \__ノ }
`フ′/ 〉'"´ ,.ィ=チ`丶、 j/ __rヒ入 ミ=ー `ヽ \ヽ /
´ / / // / /{::jミフ::j`ヽ:::Y、ノヒフ.::::::ス ンーr ‐r=ミ V ヽ、_ . '′
ー=彡' / , / 人}ミj::::} Y´フ´ ̄j:::::::::jミフ::::ノ 「`ヽ ', ヽ
/ / {i,〈 ノヽ:ノー个个ーr'.:::::::::jミフ/ / ) i ハ
. i i |i ゝイ ∠. イ 川j {ー‐-くミi,′ / ___/ ハ }
! i i | | 7ニ厂「`ヽー'.::::::::jミ/ ∠´ / / ≧x、ノ
ノ { | V 、ノ仁/:::::| ヾ::::::::::{ムァ'ア>'" /__〈ィ `ヽ
( ヽ ヽ ヽ イニシ´::::::,′ \:::::彡 '" ,.イアア〈// }
ヽ \ \ \イ.::::::::::/ Y /.:::::::::::::::ゝ--イ\_ノ
\ ヽノハ. \_,ノ:/ l | / ̄`ヽ.:::::::::::::::仁jヽ.__ノ
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- 197 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2011/05/01(日) 20:47:04.43
- まず元ネタ
219 名前: 名無しの青二才 [$50ベリー] 投稿日: 2011/04/18(月) 20:12:30.73 ID:OLi7H5wj
世界の主要都市は戦闘機で爆撃され壊滅状態。
瓦礫の上の機関銃座は残り後少しの弾薬を残し放置されていた。
ボロボロになったジープの運転手はこちらを見ながら見下した表情で見ている。
・・・あの機関銃座で蜂の巣にしてやろうか!?糞野郎が!
カッとなる衝動を抑えてゆっくりとこの数年のことを思い返す。
アメリカの南北分裂、第6次中東戦争、ヨーロッパ内戦。そして、東京都湾上市の抗争。
この数年間で世界は大きく転覆した。
主要国家は紛争内戦で壊滅状態。発展途上国は資源の奪い合いでボロボロ。
かつて世界に危険とみなされた国はこの惨状を高台から見下ろしている。
何でこんなことに…?
誰もが絶望し、誰もが希望を捨てて武器を持って戦いを挑んだ。
そして誰も助からず、誰も助けることはできなかった。
馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。
馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。
馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。
何度も悪魔がささやく。悪魔は人間だ…。
悪魔なんてものは存在しない。
- 198 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2011/05/01(日) 20:48:03.98
- 「・・・あの機関銃座で蜂の巣にしてやろうか!?糞野郎が!」
それは突然だった。授業を受けていたとき、俺は教室中に響き渡るような大声でそう叫んだ。
もちろんこれは俺の意志ではない。俺の頭の中に住み着いているイタズラ好きの妖精が言わせたのだ。
しまったと思ったときにはもう遅かった。今日もまた唐突に俺の脳神経を勝手にいじくりやがったのだから。
「くそ、ふざけるなよ」と、俺は何とかこやつをを抑えようとする。
だが妖精は、してやったりと笑い、俺の脳細胞の迷路の奥へと逃げ込みやがった。
目の前で教室中が静まり返っているのが見える。クラスメイト全員の目が俺に向けられているのがわかる。
そしてみんなが口々に「なにこいつ?」「また中二病?」とささやいているのも分かる。
待ってくれみんな、俺のせいじゃないんだ。俺の頭の中に勝手に住み着いた妖精のせいなんだよ。
俺はそう弁明しようとした。だが出てきた言葉はまたもや俺の意思とは無関係な言葉だった。
「――それに世界の主要都市を戦闘機で爆撃して壊滅状態にしてやろうか!」
もちろんあの妖精に俺の脳神経を勝手にいじくりまわされたからだ。
まだ大学出たての国語の女の教師は、教団の上から心配そうに俺を見ている。
いや正確ではないな。心配というよりも何か気持ち悪い虫を唐突に見つけてしまったときのような顔をしてる。
そりゃそうだろう。俺だって今の俺を傍から見てたらあんたと同じ反応をしてると思うよ。
だけど厄介なのは、その気持ち悪い虫並みに気味の悪いことになってるのが当の俺自身だってことだ。
――ともかく落ち着こう。このままだとまた赤っ恥をかいてしまう。
俺はカッとなる衝動を抑えてゆっくりとここ最近の出来事を思い返した。
だが頑張って思い返そうとしても、頭の中に浮かぶ言葉は、ただ一つだけだった。
「――馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。」
またやりやがった。妖精のやつめ。今度という今度は絶対許さないぞ。
俺は脳神経細胞のロココ的迷宮の中を逃げ惑う妖精のやつを必死に追いかけた。
だがやつは巧みに俺から逃れ、さらに奥へと逃げ込んでゆく。しかも妖精のやつ楽しそうに笑ってやがる。
マジむかつく。ふざけんじゃねえよ。てめえ逃げんなよ。ここは俺の脳味噌の中なんだぞ。
- 199 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2011/05/01(日) 20:49:07.09
- 一方で教室の中の俺は「――馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。――」と、
壊れたレコードのようにエンドレスで言い続けてやがる。
国語の女教師は完全に引いている。何で私の受け持ちの生徒にこんなのがいるわけ?というメッセージが顔に書いてある。
これも俺のせいなのか?俺のせいじゃないだろう。俺の脳の中に勝手に住み着きやがった妖精のやつが全部悪いんだよ。
――それよりも頼むみんな。俺を頭が完全におかしい人を見るような目で見るのはやめてくれ!!
――そうだ。ここ最近のことなのだ。この妖精が勝手に俺の頭の中に住み着いたのは。
ある日突然に俺の脳味噌の中に奇妙な妖精が引っ越してきたのだ。それからというもの俺は散々であった。
半裸で女子更衣室に突入して無期停学処分を喰らったり、体育の時間中に突然校庭の隅で野グソを始めたり、
奇声を上げながら三階の教室の窓から中庭に向かって放尿したり、同級生たちの行き交う廊下でオナニーをしたり、
うちのばあちゃんに近い年齢の女教頭に突然愛の告白をしたり、ついでに結婚を申し込んだり、挙句に断られたり、
ショックで四階の窓から飛び降りようとしたり、でも誰も止めてくれず本当に飛び降りたり、
なのに無傷で校庭に着地してしまったり、なぜかそのまま一匹の美しいアゲハチョウに変身して飛び立ったりしたのだ――本当に。
――え?何を言ってるか全然わからないって?
そんなの俺にだってわからないんだよ。俺にもよく分からないことを君たちに解るように説明しろという方が無理だ。
とにかく俺は今必死なのだ。自分の脳の迷路の中で妖精と鬼ごっこをしながら、
一方で教室でバカの一つおぼえみたいに馬鹿馬鹿言ってる自分を抑えようとしているのだ――察してほしい。
――この際はっきりと言っておこう。それもこれも全て>>219の責任なのだ。
>>219に書かれたたった十数行のレスだけで、せっかくのスレ主のアイデアも全ておじゃんにしてしまったのだから。
だってそうだろう。>>219のレスを読んでしまったら「笑うな」というほうが無理だ。
こんなオモシロ文章など、狙ってもまず書けないだろう。
俺だって結構我慢してきたんだ。これは本当だぜ。結構我慢して笑いを堪えていたんだ。
――だが、ついに>>219に反応してしまった御仁が現れてしまったのだ。
それが>>220だ。>>220もまた>>219のネタを読んで俺以上に敏感に反応してしまったのだろう。
その結果>>220氏の中に悪魔が目覚めてしまった――俺の中に突然妖精が住み着いてしまったように。
つまり>>219の投げつけた爆弾が>>220氏の中に眠っていた悪魔を目覚めさせたと言っても過言ではない。
さらに>>240氏が新たなドラマを勝手に始めてしまったじゃないか。なんだよこれ?意味わかんねえよ。
- 200 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2011/05/01(日) 20:50:51.79
- ――そして俺の中では今問題となっている妖精が暴れまわっている。
今までROMオンリーでたまに適当に読み流してたのに急に堰を切ったように書き出したのもこの妖精のせいだ。
そして今俺は海馬から脳梁を渡り左前頭葉に逃げこんだ妖精をショットガンをぶっ放しながら追い掛け回しているところ。
なのに妖精のやつはすばしっこくて、俺のぶっ放した散弾を全部ひょいひょいよけてあっかんべー。
ブチ切れた俺は「馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。」とわめきながら全力で飛びかかる。よっしゃ捕まえたぞと思いきや、
腕の中にいるのは小学校二年生のときに学校の教室でウンコを我慢していたときの思い出だったり(結局もらしたんだけど)、
ふと見上げると妖精のやつは俺のことを見下した表情で見ている。超むかつく!
「・・・あの機関銃座で蜂の巣にしてやろうか!?糞野郎が!」
俺は怒鳴りつけ再びやつに飛びかかった。すると脳内の神経束にもんどりうって転がり込んでしまう。
もちろん妖精のやつは逃げやがったさ。だけど大変なことに俺の脳の神経が見事に混線してしまいやがった。
――ところで問題だけど、脳の神経回路がグチャグチャに混線してしまったら、どうなると思う?
――はい正解。その通りだよ。もう教室での俺は大変なことになってるんだ。
だがそれをいちいち記す必要を俺は認めない。いや本当に勘弁してくれ。
もうそんなことしたら俺は壊れてしまうかもしれない。
え?もう壊れてるだろうって?いや壊れてないさ。こうなったのも全てあの妖精のせいなんだから。
というよりも妖精を目覚めさせ、俺の脳味噌に送り込む原因となった>>219に責任をとってもらわなきゃならない。
そんなことを俺は考えながら、教室の中でクラスメイトたちの前で服を一枚一枚脱ぎだしていた。
――頼むやめてくれ!俺!なぜそんなに楽しそうに鼻歌を歌いながら色っぽく脱いでゆくんだ?
周りを見ろ!クラスのみんがが全員引いてるぞ。
さっきまで笑っていた田中や高橋や渡辺すら洒落になんねえって顔してるぞ。
おい、よせそれは!なぜパンツに手を掛ける!馬鹿やめろ!パンツを下ろすな!頼むよ俺!
ああっ!何でだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!(暗転)
- 201 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2011/05/01(日) 20:51:41.77
- ――しばらく後、俺は屈強な教師たちに組み伏せられていた。
そのとき俺は全裸だったと思うが、誰かが持ってきた毛布に包まれていたように思う。
毛布の隙間から周りを見ると、俺を見つめるクラスメイトたちがいた。
みんな呆然としている。女子の中には泣いているのもいた。
俺は何とかそこから脱出し、全ては妖精のせいであって俺の責任ではないと弁明しようとした。
だが、体育教師の正岡が俺の顔面を思い切り殴りつけて「いい加減にしろ!この変態め!」と怒鳴りつけた。
なんで?何で俺が変態なんだよふざけるなよ。全部妖精のせいなんだよ!
――そんな俺の目の前に、あの妖精が現れやがった。教室の床に押さえつけられている俺の目と鼻の先に。
羽をパタパタ羽ばたかせながらこっちを見下ろしてニヤニヤ笑ってる。俺は思わず、
「・・・あの機関銃座で蜂の巣にしてやろうか!?糞野郎が!」
と叫んでしまった。よく考えたら教室内に機関銃座などない。
あるのは先ほど射精したばかりの萎びかけた俺のペニスくらいだ。
だが俺の体は教師たちに押さえつけられて身動きが取れない。
それを見越して妖精のやつは俺の鼻先で笑いながらお尻ぺんぺんしたりあっかんべーしたりしている。
この野郎!と俺はもう一度もがくが、もちろん全く身動きが取れない。
まもなく遠くからパトカーのサイレンが聞こえてきた。どうやら学校にやってきたようだ。
周りのクラスメイトたちのざわめきが更に高まる。隣のクラスの連中もやってきているようだ。
すると妖精のやつが俺の耳元にやってきた。俺が身動きできないからって大胆になってやがる。
そして妖精は嘲笑混じりの声で、俺に向かってこうささやいたのである。
「――何度も悪魔がささやく。悪魔は人間だ…。悪魔なんてものは存在しない。」
――????
全然意味わかんねえよ。おい>>219。全部お前のせいだぞ、どうしてくれるんだよ。
かくして俺は全裸に毛布をまとった格好でパトカーに乗せられて学校を後にした。
その後俺は家庭裁判所なる場所に引っ立てられ、精神鑑定とやらを受けることになったのである。
- 202 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2011/05/27(金) 19:55:52.46
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/::/ /:::/ ヽ \::i'", -'"´ヘ. //
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- 203 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2011/05/27(金) 20:05:37.99
- 「あんたも変態だったけど、良い人だな!」
伍長は言った。その声は絶え絶えだ。
敵軍の放つ重砲の音が山間をこだまする。
時折、私達の傍らで砲弾が炸裂し、飛び散った榴散弾の破片が兵士や辺りに生える灌木を引き裂く。
「伍長、死ぬな、死ぬなよっ!」
私は彼を抱え、大声で励ます。伍長は死ぬ。それは明らかだ。それほど彼の受けた傷は深かった。
だが、こんなところで彼を死なすなんて、私には耐えがたかった。
突然、丘の向こうから小銃弾の放たれる音がした。
それと共に、けたたましい軍馬の嘶きが山間に響き渡った。敵軍の騎兵大隊だ。
同時に谷の向こうから、山麓の我らの砦に向けて機関砲が猛攻撃を開始される。
重量のかさむあの機関砲……敵がこの火器を運び上げるのに、今まで時間が掛かったのだろうか?
だが、それらが全て揃った今、もはや敵軍の優位は決定的なものとなった。
この騎兵大隊の突入の意図は見えている。敵軍は我々に対し止めを刺しに来たのだ。
先ほどまで敵軍の突撃を防いでいた砦が、次々と崩壊してゆく。
重砲と機関砲が叩き込まれ、土煙が上がる砦からは、戦友たちの悲鳴と怒号が響いてくる。
塹壕が吹き飛び、共に戦い抜いた戦友たちの肉体が引き千切られてゆく。
今日まで必死に支えてきた戦線が、今ここで遂に崩壊したのだ。
あれほどまで、あれほどまで耐えてきたにも関わらずにだ。
我らがここで耐え抜いてきた堡塁が、敵の圧倒的な火力の前にあっけなく吹き飛ばされてゆく。
私は弱りゆく伍長の体を抱きかかえながら、その光景を呆然と見ていた。全てが終わった、そう思った。
ほぼ同時に友軍部隊が退却を始めた。いや、もはやそれは敗走と言ってよい。
崩れ逝くわが軍の軍勢に対し、敵軍の騎兵部隊が文字通り殺到した。
騎兵砲が炸裂するたびに、逃げ惑う友軍兵士たちが吹き飛ぶのが見える。
それはもはや戦いではなく、一方的な虐殺であった。
今までこの戦線を共に維持してきた戦友たちが、そこで敵兵の銃火の前で次々と斃れてゆく。
「少尉。逃げてください。お、俺になんか構わずに。」
伍長は咳き込みながら、私に言った。
「しゃ、喋るな伍長! 俺たちは絶対に生きて帰るんだっ! 俺も、お前も、そしてみんなもっ!」
私そう叫びながらは伍長の手を握り返した。
大量に失血したせいなのだろうか、伍長の手はまるで死人のそれのように冷たい。
伍長は少し微笑むと、私の手を握り返した。握り返す伍長の握力は弱々しい。
ふと見ると、わが隊の先任大尉が騎馬に跨り、戦線から逃げ去る姿があった。
総崩れになったこの戦線に踏みとどまり、まだ必死に戦っている兵士たちがいるにも関わらずにだ。
退却命令も出さず、撤収のための指揮もとろうとしない。あの先任大尉は友軍兵士を見捨てて逃亡したのだ。
こんなクズのために、我々はここで血を流してきたのか。この伍長も!
伍長がこのような無茶な作戦に身を挺することになったのも、そもそもあの大尉の下らない思いつきなのだ。
伍長の性格や嗜好を知り、ならばとその作戦を私に命じたのも、あのクズのような先任大尉なのだ。
許せない!
「も、もういいですよ少尉。なかなか…悪くない人生でしたよ。」
伍長はそういうと、静かに目を閉じた。それが伍長の最後の言葉となった。
- 204 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2011/05/27(金) 20:08:34.72
- ――数時間後、自軍の砦は完全に崩壊し、敵軍が乗り込んできた。
私は伍長の死体を抱きかかえながらその場にしゃがみこんでいた。
奇跡的にも、私は死んでいなかった。
吹き飛んだ土砂に汚れ、戦友たちの生き血を浴びながらも、私は生き残ってしまったのだ。
まわりには、戦友たちがいた。共に笑い、共に戦い、共に励ましあった若者達。
それが今、無残に引き裂かれた骸となって転がっている。
私の膝の上にも、伍長が眠っていた。
生きていたときと変わらぬ笑顔を浮かべながら、安らかに眠っている。
胸に穿たれた銃創さえなければ、彼は死人には見えなかっただろう。
敵兵たちが砦に乗り込んできた。既に我々中隊が全滅した、と思い込んでいるのだろうか。
警戒心が薄れた敵兵たちは、軽やかな足取りで、まるで散歩でもしているかのように我々の陣地を合歩している。
私はそうした彼らを呆けたような目で見つめていた。
全てが崩壊し、戦友たちや伍長の無益な死を目の当たりにし、私には現実的な感覚が失われてしまったようだ。
ただ、無限無窮の諦観が、私の心の中に満ちていた。
敵兵の一人が私に気づいたようだ。
新任少尉である私は、おそらく占領されたこの陣地で生き残っている唯一の士官であろう。
敵兵たちが群がり、私に立つように言う。異国の言葉であるが、彼らが何を言っているのかくらいは判る。
既に武器を手にしていない私に対し、明らかに警戒心は薄い。
彼らが士官である私に寄せる関心は、私の持っているであろうわが軍の機密情報であろう。
もっとも、任官僅か二年程度の少尉に、一体どれほどの情報価値があるかは疑問だが。
銃を向けられても、私は動かなかった。ただそこにしゃがみこんだまま虚空を見上げていた。
敵兵たちが何かを叫ぶ。だが私は動かなかった。
伍長の死体を抱いたまましゃがみ込んでいる私に、敵兵たちは異様な空気を察したのだろうか?
兵たちは私と伍長を囲み、銃を向けたまま何もしない。
引き金を引けば、私は戦友や伍長たちと同じくヴァルハラの地へ赴くことが出来るというのに。
もはや抜け殻となってしまったこの私に、まだ何かせねばならぬ使命でもあるというのだろうか?
しばらくすると、敵の将官たちがやって来た。
敵軍東部方面軍司令官及び方面軍の高級将校たちであった。
この砦の戦略的価値を彼らも知っていたのであろう、中将クラスを投入して、この地域の制圧に望んでいたのだ。
だとしたら我々は、少なくとも数個師団を相手に戦い抜いていたことになる。
たった一連隊の戦力で、我々は三ヶ月も戦い抜いていたのだ。
中将は豊かな白髭をたたえた、長身痩躯の哲学者のような容貌をしていた。
周囲に連なる参謀連中が並んでいた。軍司令部付き作戦参謀らしく、みな切れ者という感じだ。
数週間に渡って膠着したこの戦線に、火砲集中と騎兵による一気に撃滅する作戦を立案したのは、彼らであろう。
少なくとも敵は本気であったのだ、本気で我らに戦いを挑んできていたのだ。
何故だろう、それが私にとって少し嬉しかった。戦友たちの死も、僅かだが報われたのではないか、と思った。
奇妙な考えであることはわかっている。
だが本気で挑んできた相手と精一杯戦って死んだのだから、それは戦士として幸せなのではないか?
私は少し微笑んだ。そのまま声を出して笑い出した。
なぜか笑いが止まらなかった。伍長の冷たい骸を抱えたまま、私は狂ったように笑い出した。
- 205 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2011/05/27(金) 20:10:01.64
- 敵参謀たちが、奇妙な目で私を見つめているのがわかる。
おそらく私を戦闘で気がふれてしまった経験未熟な若手士官と思ったのだろうか?
彼らのその表情には、どこか憐れみすら浮かんでいる。
そんな彼らの姿すらおかしかった。喩えようもなくおかしかった。
敵方面軍司令官の中将は、そんな私に無防備に歩み寄った。
数多くの戦友を目の前で失い精神の平衡を失ってしまった哀れな若者への憐憫なのだろうか?
敗軍の兵である私に対して、銃火を交えた相手に対する敬意でも表するつもりなのだろうか?
私はこの敵軍の将官を憎んでいるわけではない。
ここが戦場なのは百も承知なのだ。互いに殺しあう敵同士であることも。
この私もまた敵の兵士たちの生命と人生を奪ってきたのだから。
このような場で、このような私に、かくのごとく接するこの敵軍の指揮官は立派な軍人だと思う。
だが、まだ我々は白旗を揚げては居ないのだ。
そう、この砦はまだ、敵軍に降伏を表明したわけではないのだ。
私は、いや、正確には「我々」は、まだ負けていない。
先任大尉が卑怯にも逃亡してしまった今、ここの砦の最高指揮官は、この私なのだ。
この私が降伏しない限り、ここの戦闘は終わっていない。
「あんたも変態だったけど、良い人だな!」
伍長の声が聞こえた。あの言葉。伍長とこの私が、命がけで取り組んだ、特攻挺身作戦。
そうだ、私と伍長の戦いは、まだ終わっちゃいないんだっ!
敵軍中将が私の目の前でしゃがんだ。少し憂いを帯びた優しげな微笑みで、私に何かを語りかけようとする。
その瞬間、私は伍長の死体のズボンをずり下ろした。
何かを察した参謀達が、中将の肩に手を掛け、引き戻そうとする。
敵兵たちが、何かを叫びながら慌てて小銃を私に向ける。
その全ての動きがスローモーション映像の如く、私には見えた。
何事かを絶叫し、小銃を構える敵兵たち。
参謀たちに強引に引っ張られ、そのまま地べたに崩れる中将。
何かの命令を叫びながら、慌て取り乱す参謀たちの表情。
下半身丸出しになった伍長の死体を、うつ伏せにひっくり返す私。
その瞬間、数発の銃声が響いた。同時に、私は笑った。
体の方々に熱い衝撃が突き刺さった。不思議と苦痛はなかった。
「…あんたも変態だったけど、良い人だな!」
伍長の無邪気な笑顔。それがおそらく私の見た最後の記憶だ。
同時に、私は伍長の肛門にねじ込んでおいた爆弾の起爆ピンを引き抜いた。
伍長の肛門の中に突っ込んであった実に5キロもの強化爆薬が砦の中で炸裂した。
私と伍長は、この戦いに勝ったのだ。
- 206 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2011/05/28(土) 05:06:24.50
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- 207 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2011/05/28(土) 05:07:44.00
- 『ちんぽの花園』
一面に咲き乱れるたくさんのちんぽ。 これは幻なのか?それとも悪夢なのか?
ちんぽ一本一本がゆらりと高く首を天にかかげ、香しい白濁液が滴らせる。
生命の息吹を感じさせる香ばしい生臭さが春風に煽られ、私の嗅覚を刺激した。
ここは『15歳の勃起』と名づけられた花園。生温い汗が飛び散り、青臭い息吹が満ちる花園。
青春の喜びと悲しみ、挫折と寂寥を孕みながら花園は今日もまた終わり無き一日を迎える。
永遠と思える静寂の中で、誰も見られることなく、誰にも振り返られることないく、春風の中でただただ虚しく。
そこには失われた純情があった。満たされない悲しみが満ち溢れていた。
膨れた肉茎の節々に流れる朝露は、彼らの涙なのか?青春の虚しさとはかなさを伝える、彼らの無言の訴えなのか?
多くの見果てぬ甘い夢を抱き、咲き乱れるちんぽたち。今日もまた吹き荒む春風の中で仄暗い空を虚ろな目で見つめ続けていた。
そんな折であった。花園をかき乱す闖入者たちが訪れた。
一糸纏わぬあられもない姿のめしべたち。亜麻色の長い髪をなびかせた蕾たち。 春の乙女たちだ。
乙女たち舞い踊るたびに乳房は豊かに揺らいだ。乙女たちの新鮮で柔らかな肉が軽やかに弾んだ。
滑るような白い素肌が、ちんぽたちに眩しい。 薫り立つような薔薇色の微笑みで、乙女たちは語り合う。
未熟な乳房や瑞々しい尻の放つ薄桃色の芳香。甘酸っぱい吐息が、花園にかつてない彩を与える。
ちんぽたちは一斉にわななき、その鎌首を大きくもたげた。
するとどうであろう。突然、乙女たちは呻いた。愛の季節の訪れを告げる疼痛が乙女たちを目覚めさせたのだ。。
若草のような恥毛に包まれた薄桃色の花弁。その控えめな割れ目から、乙女たちは一筋の血潮を流した。
鮮やかな一筋の血潮は閉ざされた白い腿を流れ、地面に雫を垂らす。
勢いを増して咲き誇るちんぽたちに、その血潮の雫が飛び散った。ああっ!
それでも乙女たちは踊りつづける。華やかに、軽やかに、艶やかに。
そう、この乙女たちこそ咲き誇る春のニンフたちなのだ。
柔肌から真珠の汗を流し、花弁から真紅の血潮が滴らせ、桃色の笑顔のまま、可憐に踊り続ける妖精たち。
乙女たちの白い脚は、花園に咲く無垢な茎たちを無遠慮に踏みしめる。
脚の下で虐げられ、ちんぽたちは、それでもなお逞しく立ち上がろうともがく。
傷だらけの純情と求めえぬ愛情を探して。永遠の愛と無限の悦びを勝ち取るために。
乙女たちに、己の全てを委ねるために。
最後に彼らは乙女たちの微笑みに頭を向け、力強く我が身を震わせ、一瞬の悦びとともに果てた。
赤黒い肉茎を弾けさせ、己の持つ生命の迸りを惜しみなく吐き出し、搾り出す。
そのただひと時のために、彼らは全てを賭けたのだ。
そして彼らはゆっくりと萎れてゆく。崩れ落ちるように大地に倒れる。
霞む陽射しの中、呆然とする思考の中でもなお、その視線は乙女たちを追う。
視界の中で踊り狂う乙女たちの甘い香を思い、柔らかな肉体を夢見ながら。
そして再び乙女たちを待つのだ。永遠に繰り返される、苦行と快楽の輪廻の中で。
乙女たちに己の無辜の愛が受け入れられる、その時まで。
- 208 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2011/05/28(土) 17:57:58.32
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- 209 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2011/05/28(土) 18:01:16.68
- ある空域で行方不明になった移民宇宙船の捜索のために出動した宇宙海兵隊の隊員、エクスペンダブルス。
だが、彼らが乗った宇宙戦艦もまた、移民宇宙船が行方不明となったその空域で謎の事故に巻き込まれる。
そして彼らは、未知の惑星にたどり着いた。
その惑星は、エイリアンたちが繁殖し、プレデターを相手に壮絶なバトルしてる修羅の世界だった。
そしてエクスペンダブルスたちは、行方不明となった移民宇宙船を発見する。
彼らはエイリアン、プレデターの両勢力から攻め込まれ、その命は風前の灯。
そんなところにスタローン以下エクスペンダブルスの面々が颯爽と登場し、彼らを救出するための戦いが始まった。
襲い掛かるエイリアンを撃退し、宇宙移民船に入り込んだプレデターと死闘を繰り広げる。
絶対死なない。生き残ってやる。そして、再びあの青く美しい地球に戻る…それが彼らの唯一つの希望となった。
エクスペンダブルスらが惑星にたどり着き、戦いを繰り広げているころ。
地球はサイバーダイン社のコンピューターによって核戦争が勃発してしまう。
核の炎に包まれた地球文明は完全に崩壊、死の世界になっていた。
さらにサイバーダインのコンピューターは、生き残った人類を完全抹殺するためにターミネーターシリーズを開発する。
圧倒的な戦闘能力を持つターミネーター。人類たちは次々と殺されてゆく。
もう地球人類は滅亡するしかないのか?
そんな中、ジョン・コナー率いるレジスタンスが、人類の存亡をかけて必死の抵抗を始めた。
ある日、サイバーダインのコンピューターは、移民宇宙船の存在を知る。
エイリアンという宇宙最強レベルの生命体と、戦士の種族たるプレデターが存在するということも。
そして彼らを相手に必死に戦いを繰り広げているエクスペンダブルスと移民宇宙船の人々の存在も。
サイバーダインのコンピューターは決断した。
そして最強クラスのターミネーター軍団(T−800型10000体)を惑星に向けて出発させた。
その目的とは一体…?
一方、エクスペンダブルスたちはついに、プレデターたちより「勇敢なる戦士」として認められるようになった。
多くの血を流し、多くの犠牲を払った末に、彼らは互いに理解しあったのだ。
「とりあえず今は、宇宙の方々で異常繁殖しその地域の生態系を破壊するエイリアンを退治するのが先」
彼らはそう判断し、ついに利害が一致した。
ここで人類とプレデター軍団との和睦と同盟が成立した。
彼らは共闘しエイリアンたちを退治しながら、エイリアンたちを生み出す本拠地である巣までたどり着く。
そして、彼らはそこで見てしまったのだ。
マザーエイリアンたるシガニー・ウィーバーが鎮座し、仔を生み続けている姿を。
そしてそこに、突然、ターミネーターT−800シリーズの戦闘部隊が殴りこみをかけてきた。
女王となったシガニー・ウィーバーの存在とは一体なんなのか?
乗り込んできたターミネーターたちのとの壮絶な消耗戦の行方は?
果たして彼らは生き残り、あの青く美しい地球を再び見ることができるのか?
そして地球上でレジスタンス運動を指揮するジョン・コナーたちと邂逅することができるのか?
そして、ターミネーターとプレデターの双方のかかわりのあるシュワルツェネッガーの、その本当の正体とは!?
人類vsエイリアンvsプレデターvsターミネーター。 この戦いを制するのは、誰か?乞うご期待!
- 210 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2011/05/29(日) 06:45:03.81
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,.イ:{ ∧ | レ<! `ヽ厂 ̄,.ィf爪ア |∧ 〈 ̄\\_ _,. イ /
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> /三三/=! !=\> 、`こ´ イ / / /´ ̄`ヽ三三三三三三三三
三三/三三/ニ/ L三 \_,.ィ_j`´__// / / i三三三三三三三三
三/三三/ニ/ ,イ | / / / |三三三三三三三三
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// .// / Vrッ / / V |'ッ | /三三 :| |ヽ \!\
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/ / / 人 ヽ `ヽ! 人 / |> --< | |
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- 211 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2011/05/29(日) 07:30:18.58
-
【 1 】
水の中を漂っているような、そんな感覚だった。
どこかで純色のカラフルな光が点滅しているようだ。
赤や青や緑の光。それらの光が水の中を通したように滲んで見える。
ここは一体どこなのだろう?まるで明確な境界線を失ってしまったような気がする。
自分と、自分の外の世界とが曖昧に入り混じっているように思える。
寒い。でもどこか生暖かい。心地よい。でもとてもさびしい。
私は誰?さびしい。さびしい――。
――私は靄のかかった中を歩いていた。
そこは見慣れた廊下。少し古くなったコンクリートの建物。
幾つもの扉が並び、壁際には雑多に荷物が積まれている。
私はいつものように、その廊下の先にある部屋に向かっていた。
遠くからトランペットやホルンの音色が聞こえる。どこか――おそらく音楽室あたりから。
部室の扉を開いた。
途端に、部室の窓から吹き込んできた風が、頬をかすめる。
それは初夏の風だった。潤いを含んだ、夏の気配を感じさせる風。
部室は光に包まれていた。窓辺にあるカーテンが、風ではためいている。
私は扉をゆっくりと閉めた。眩しさで思わず目を細める。
窓辺にあの人はいた。初夏の日差しの差し込む中で。窓の桟に肘をのせて。
風があの人の髪をなびかせる。それを指先で軽く梳きながら、あの人はこちらを向いた。
「やあ」あの人はそう挨拶して微笑んだ。ごく自然な笑顔で。
途端に日差しが明るさを増し、あの人の笑顔はその光の中に消えていった――。
――私は再び漂っていた。何もかもが曖昧で、全てがぼやけた水の中に。
頬を撫ぜた夏風の感触が、まだ残っている。だけどその爽やかな感覚が徐々にぼやけ、周りに溶け出してゆく。
いやだな、と私は思った。だけど夏の気配は徐々に薄れ、ついに全部消えていった。
今のは何だったのだろう?
確かに私はあの場所にいた。部室。高校の部室。私は高校生だった。でも、あれはいつ?
はっきりと思い出せない。日差しの中で微笑む、あの人の笑顔もぼやけている。
とても悲しい。どうして?
目の前の光の点滅が、ゆっくりと消えてゆく。
それとともに、今まで淡い光に包まれていたこの水の中が、暗くなってゆく。
夢うつつの私。その僅かな意識がも徐々に薄まってゆく。
私が溶けていっている感じ。前にもあった、こんなこと。
日差しの中のあの人の笑顔。あの後、あの人は私に何かを告げた。
挨拶のあとに、何かうれしいことを。何だったのだろう?
思い出せない。思い出したいのに、思い出せない。凄く悲しい。
ぼやけた光がゆっくりと闇に包まれる。私の意識はその闇の中に沈んでゆく。
ああ、またなんだ。私は眠るんだ――。
- 212 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2011/05/29(日) 07:31:22.40
-
【 2 】
薄暗い闇の中から、私はゆっくりと浮かび上がった。
私の意識も同じく目覚めてゆく。
まるで水の底から水面に向かって浮かび上がっているかのよう。
でも水面は見えない。前と同じ、水の中。
色々な光が点滅してる。色々な光が滲んで見える。そんな水の中で、私は漂っていた。
ぼんやりとした光が、辺りを包み込んでいる。それはゆっくりと流れているみたい。
規則的に、時に不規則に点滅を繰り返す無数の光。
遥か遠くに、何者かがいるのではないか?そんな気がする。
でもここはどこ?私は光の靄のなかで、何かを思う――。
――私は道を歩いていた。
見慣れた景色。見慣れた空。午後の日差しが眩しい。
それは待ちわびた夏の太陽。
私は一人ではなかった。
懐かしい声。懐かしい笑い声。友達。私はみんなとはしゃぎながら、その輪の中にいた。
夏の風が、道路を吹き抜ける。空はひたすら青い。巨大な入道雲が山の方に見える。
潮の香りがする。学校の窓のから見えた、あの海。
あの人もいた。私の隣に。あの人も笑っていた。私も笑っていた。
あの人の声が聞こえる。私が何かを答えている。何を言っていたのだろう?私は何を話したのだろう?
わからない。
でも私はとっても喜んでいる。あの人も喜んでいる。凄く幸せ。
友達がこっちを見て笑っている。私も何か言いながら笑っていた。
いつもの学校からの帰り。校門を出て駅まで向かう帰り道。
このままずっと真っ直ぐ行くと、国道を越えて、いつもの駅。
あの人が私の手を握った。さりげなく。
あの人は顔を背けていた。たぶんわざと。
そして私の手の中に、何かを渡した。
「返すのは、読み終わったらでいいよ」
顔を背けたままあの人はそう言った。そしてあの人は、私の手を離した。
本?文庫本?たぶんそう。この後、私はこれを読んだ気がする。
あの人と私の好きな、何かの物語。何だったかは覚えていない。けれど、夢中で読んだ物語。
あの人は私の手を離すと、そのままちょっと前に出た。
友達の一人の肩に手を置いて、笑いながら何かを話し始めた。
恥らっている?ごまかしている?でもうれしかった。
私もみんなに遅れないよう、早足で歩き始めた――。
――振り出した足が地面を捉えそこねる。
私は転ぶと思った。でも転ばなかった。
まるで突然霧に包まれたように、私はあの夏の日の午後から消えた。
そして再び、この淡い光の靄の中に漂っていた。
幾つもの色とりどりの光が、滲んでいる。点滅を繰り返しながら。
そして再びその光が消えてゆく。ゆっくりと明るさが失われ、私の周りに暗闇が現れ始める。
その中に、私の意識が溶け出してゆく。
輪郭が不明瞭になり、私が私でいられなくなる。
そしてゆっくりと、私は無の中に消えてゆく。まるで水底に沈んでゆくように――。
- 213 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2011/05/29(日) 07:32:56.33
-
【 3 】
――私はあの人とキスをした。
風の吹き込む部室で。他に誰もいない、二人きりの部室で。
まもなくみんな来てしまうだろう。だからほんの僅かな時間。
唇と唇が触れ合った。あの人の息吹を感じる。
私は鼓動が高鳴るのを感じた。とっても緊張している。
あの人はどうなんだろうか?私と同じなのだろうか?
どれくらいの時間、唇が触れ合っていたんだろう?
夏の風がカーテンを煽り、前髪を揺らした。
思わず私は目を開けた。あの人の目も開いていた。目が合ってしまった。
それが合図のように、私たちは唇を離した。
蝉の鳴き声が聞こえた。でも私とあの人は沈黙している。
とてもぎこちない空気。あの人と顔を合わせられない。
あの人は今、何を思っているんだろう?
私と同じように思っているのだろうか?
沈黙に耐えられなくなった私は、口を開いた。
「もう少しで、読み終わるから」
あの本、ちょっと前にあの人から貸してもらった本。
宝物のように大切に読んでいる。
あの人はちょっとの間無言だった。
私は何か場違いなことを言ってしまったのだろうか?
もう一度、何かを言おうとしたとき、あの人が言った。
「急がなくてもいいよ」
あの人のこの言葉も、何かぎこちなく聞こえた。
私と同じなのだろうか?あの人も私と同じような気持ちなのだろうか?
私は振り返ろうとした。
そのとき、別の誰かが「こんにちわ」と挨拶しながら入ってきた――。
――再び私は、不明瞭な光の靄の中にいた。
色とりどりの光が、方々で点滅していた。
なぜなのだろう?とっても幸せだったのに。
すごくうれしくて、胸が張り裂けそうなのに。
もっとあそこに居たかったのに。
でも、滲んだ光が徐々に消えてゆく。光の靄もゆっくりとその明るさを失ってゆく。
暗闇が、私を包み込んでゆく。
私が闇の中に沈んでゆくのがわかる。闇の中に溶け込みながら。
そしてまた眠るんだ。今度は、どんな夢を見るのだろうか――。
- 214 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2011/05/29(日) 07:34:48.20
-
【 4 】
砂塵が舞い、瓦礫が散らばる大地が延々と広がっている。
ここがかつて数百万もの人口を抱えた巨大都市だとは、おそらく誰も信じられないであろう。
滅びの時より、既に200年近く経過していた。
太陽系に放物線軌道を描きながら接近してきた小さな隕石に、殆どの人は関心を払わなかった。
太陽の引力圏でスィングバイして、そのままへびつかい座の方角へと飛び去ってしまう小隕石。
天体観測所と一部の天文マニアが、小さな興味を持ったに過ぎない、取るに足らない芥子粒のような天体。
だが、この天体が人類文明を完全に滅ぼしてしまうことになった。
この衛星が反物質の塊であると分かったのは、地球に最接近するほんの数時間前であった。
20トンあまりのこの反物質の岩石が、地球軌道の重力の影響で大きく割れたのも、ほぼその頃。
結果、その隕石の大部分――推定約7トンあまり――が、地球に派手に降り注ぐことになった。
そして地球にいた人類は、全て絶滅した。
いや、たった一人を除いて。
だが果たして一人といえるのかどうか。
日本の某所に、大規模地下施設が残されていた。
地熱発電で、事実上半永久的に稼動可能なエネルギープラントに支えられた実験施設。
その施設の試験運転が開始されたのが、隕石落下の二日前。
まだ実験段階であったため、滅亡の時には無人――いや、一人。
大規模な列車事故で瀕死の重傷を負った女子高生がいた。彼女の肉体はその事故の影響で完全に破壊されていた。
彼女の肉親には、搬入先の病院で彼女の死亡が告げられる。そこで彼女の人生は終わっていたはずだった。
だが、不思議なことに事故による脳への損傷が皆無だった。
無酸素状態であった影響を除けば、ほぼ脳髄が無傷のまま残されたのだ。
医師団は彼女の脳髄を摘出した。そのまま脳髄を生存させ、様々な実験に用いようと考えた。
彼女の脳髄は、特殊なガラスケースに入れられた。神経束には様々な装置につながる線が接続された。
脳髄を生存させ続けるために、頚動脈その他には人工血管が接続された。
彼女の脳を解析し、記憶や思考の構造を解明しようという試みであった。
こんなことは普通なら許されまい。非人道的なものであることは、間違いないのだから。
そしてその日、彼女の脳は地下実験施設に運ばれた。
生存状態を維持するために、彼女の脳に連なる各種装置は直ぐにエネルギープラントに接続される。
その日の午後、20××年12月11日、隕石の破片は地球に降り注いだ――。
あれから200年あまり。彼女の脳は生きていた。かなり劣化が進んではいたが。
地下五百メートルにあった大規模地下施設はその凄まじい爆発にも耐えた。強力な放射能にも耐えた。
結果、彼女のみが生き残り、地球最後の人類となった――。
- 215 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2011/05/29(日) 07:35:54.43
-
【 5 】
「――さようなら」と私は言った。
「さよなら」と、あの人は手を振った。
あの人は列車から降りた。私は列車の中からあの人を見送る。
あの人は私を見ていた。微笑みながら。そして小さく手を振った。私も手を振り、笑った。
発射のベルが鳴り、列車のドアが閉まった。
ゆっくりと列車は動き出す。私はもう一度あの人に手を振った。
明日もまた会える。明日、私はあの人とデートする。
そのとき、読み終わった本を返そう。
デートのときに話題に困ることはないんじゃないかな――。 (了)
- 216 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2011/05/29(日) 20:36:49.96
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- 217 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2011/06/04(土) 20:26:43.34
- ≪ ストーリーパターン ≫
あれ?、この話は前に読んだような、とか、この映画は前に見たような、と言う経験は誰にもあると思います。
多くの小説は同じパターンからなっているようです。
1 グランドホテル
ホテルに訳ありの人々が集まって騒動が起こるパターン。殺人事件が起これば推理物に、ドタバタでは喜劇に、
シリアスな物語になることも。一見バラバラで無関係な人間に見えて実は……、など、いろいろ考えられています。
場所が固定されるので戯曲で使われることも。有頂天ホテルもこのパターンです。
書きやすそうですが、場所が動かないので、相当力量がないとつまらない物語になってしまいそうです。
推理小説では、孤島のホテルに人が集められて、とか、嵐で山荘が孤立する、という話は多いのですが、
公募に応募すると、まず通らないという話を聞きました。作家になってから使った方が良さそうです。
2 ロード・オブ・ザリング
仲間を集めて悪に立ち向かう物語。七人の侍、南総里見八犬伝。
変形も多く、ゲーム・ソフトやアニメ、漫画等で頻繁に現れます。
ワン・ピース(少年ジャンプ)など、宝物や重要なアイテムをさがしながら、敵と戦うパターンも数多く見受けられます。
場所や敵を変えやすいので、主人公のキャラクターをしっかり作れば、長編になりやすいのでしょ。
3 ウォーターボーイズ
落ちこぼれた人間が集まって仲間で努力して一つのことを成し遂げる物語。
根性物や感動物は流行らなくなっているようで、コミカルな要素を入れて、
最後はハッピーエンドのパターンになっているようです。
スウィング・ガールズは完全なパクリでしたが、結構ヒットしました。
イギリスの映画「ブラス」は廃坑寸前の炭坑町を舞台にブラスバンドが大会に出て優勝する話ですが、
パターンは似ているものの話は非常にシリアスです。
4 世界の中心で愛を叫ぶ
難病物と言われるパターン。山口百恵の「赤い…」シリーズや「愛と誠」(古い)、
最近の韓流ドラマなど繰り返し使われています。
主人公の目が見えなくなる、不治の病に冒される。個人的にはあまり好きなパターンではありません。
5 ロミオとジュリエット
誰でも知っている、最も有名で成功した物語のパターン。
身分や立場の違う男女が愛し合い、破局に向かう。
立場を乗り越えて愛を成就する話もあるのだが、ハッピーエンドは大衆の共感が得られないのか、
ほとんど悲劇で終わってしまう。ハーレー・クィーン・ロマンスシリーズなどでは、ハッピーエンドが好まれるようだ。
シンデレラなども身分の違う男女パターンなのだが、話の重点が女性に置かれ、
ミュージカル・ウェストサイドストーリーはロミオとジュリエットの翻案。
6 刑事コロンボ
先に犯人を明らかにして、さて……。初めて見たときはびっくりした覚えがあります。
推理物に新しい視点を持ち込んだ手法。古畑任三郎は刑事コロンボのコピー。
この後、犯人だと思っていたら最後に実は……、など様々な亜種がでました。
7 金田一耕助
正統探偵物。アガサクリスティ、シャーロック・ホームズ。名探偵コナン。
殺人事件が起きて、名探偵が出てきて、事件を解決する。推理小説では必須のパターン。
松本清張は社会性を持ち込んで成功しました。
- 218 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2011/06/04(土) 20:29:14.00
- 8 白雪姫
継母にいじめられ、追い出された女性が、最後は王子様に助けられる。
ヘンゼルとグレーテルも継母に追い出され物語です。
昔は、継母から家から追い出されるのは珍しくなかったようです。
余談ですが、白雪姫に出てくる七人の小人は、身体障害者が村から追われて森に住んでいたという説があります。
9 シンデレラ
王子様、魔法、舞踏会、真夜中の鐘、ガラスの靴と、ファンタジーを目指す人にはうらやましいほど、
魅力的なアイデアが詰まっています。そして、ハッピーエンド。
子どもの中にはディズニーの物語だと思っている人もいるようですが、これは、ご存じのようにグリム童話です。
辛い人生に耐えた主人公が魔法の力を借りて成功する。良い物語は一行であらすじが言える。
まさに、単純こそ成功の鍵です。
10 みにくいアヒルの子
シンデレラと似ていますが、こちらは、完全に童話の世界。
醜いからといじめられるアヒルは、実はきれいな白鳥だった。
白鳥がアヒルより綺麗で性格も良いと、きめつけるのは、アヒルに気の毒な気もしないでもないですが、
まあ、世の中は見かけが全てなのでしょう。
11 スパイダー・マン
変身物。バットマン、スーパーマン、インクレディブルなどもこれに入るでしょう。
日本では仮面ライダー、パーマン、○○レンジャーと様々主人公が出ています。
ハエ男などは、ヒーローではないので、ホラーになるのでしょうか。
12 リア王
父と息子の葛藤。あのスター・ウォーズも実はこのパターンが入っています。
息子は父を乗り越えて成長していく、というのは西洋では普遍的なテーマだそうです。
13 母・娘
父・息子パターンと同様、母と娘の葛藤もあるそうです。日本では母・息子(マザコンですが)もありそうです。
14 大家族
寺内貫太郎一家など、大家族の中で事件が起きて……。渡る世間は、北の国から、なども。
テレビドラマではよく出てきます。現代では、大家族が減っているので、少なくなってきたような気がします。
15 ロード・ムービー
旅行をしながら、事件が起こる。テレビではときどき出てきます。子どもが目的地まで行く間の物語など。
16 タイタニック
パニック映画。タワーリングインフェルノ。大空港(古い)など、狭い地域でのパニック。
17 アルマゲドン
世界は終わる物語。ディープインパクトなど彗星の衝突が一時はやりました。
デイ・アフター・トゥモローは氷河期でした。
- 219 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2011/06/04(土) 20:30:02.34
- 18 ジェイソン
ホラーの定番。殺人鬼です。
19 吸血鬼
これもホラーの定番。村中が吸血鬼になったり、ウィルスで吸血鬼になったり、
現代に蘇った吸血鬼が血を吸おうとしたら、若い娘で処女はいなかったり、とか様々なパターンがでていますが、
今でも毎年、新しい吸血鬼映画が出てくる所を 見ると、魅力有るキャラクターのようです。
20 ゾンビ
これもホラーの定番。呪いでゾンビになったり、アメリカ軍の特殊なガスでゾンビになったり、
エイリアンがからんだりといろいろな話がでています。
21 フランケンシュタイン
マッドサイエンティストが作り出した怪物。死者の復活という視点に立つと、
ペットセメタリー(S.キング)なども入ります。
22 ブルース・リー
勧善懲悪。単純なストーリーに華麗なアクションをつけて、当時大ヒットしました。
ジャッキーチェン。ジェット・リーなどが後に続いています。
たいてい、一度負けて、復活して、最後に悪人を倒します。マカロニウェスタンも同じパターンが多かったようです。
日本でも木枯らし紋次郎。必殺ジリーズ、と似た話はありますが、
水戸黄門、大魔神など偉い人だのみが好まれるような気がします。
23 エイリアン
宇宙人物。宇宙怪物物。E.Tのように優しい宇宙人もいるのですが、たいていは、恐ろしい宇宙人です。
古くは火星人襲来。リメイクされた宇宙戦争(最低でした)。エイリアンシリーズ。テレビドラマのV。
シピーシーズ。あげていくときりがないほどあります。
24 ジュラシック・パーク
恐竜パニックですが、CG技術の進歩がいかなる映像も可能にしました。
生物パニック物に広げると、アナコンダ、タランチュラなどがあります。
25 ミザリー
超能力物はスパイダーマンのように、ヒーローになるのが普通ですが、ここでは超能力が破壊に向います。
いじめられていた者がいじめていた相手に復讐するというパターンはあるのですが、
これほどストレートに超能力で焼き殺すというのは珍しいと思います。
26 エクソシスト
悪魔払いですが、日本では悪魔払い系はあまりありません。宗教観の違いでしょうか。
27 インディー・ジョーンズ
健全な宝探しです。年間何本も宝探し物映画がでてきます。
ヒーローも男女様々で、場所もエジプトやアフリカ。
宝探しに悪人の組織がからんで、悪人に奪われると世界平和が脅かされて、
宝は秘境にあって、宝は隣のアパートにはないようです。
28 罪と罰
犯罪を起こす側の心理を描く物語。
29 戦争物
YAMATO 第二次世界大戦にからんだ物語。日本では負けたため余り多くは有りません。
それと、米国映画で見られるような、勝利で終わる話も有りません。
30 嫁・姑
テレビドラマの定番。すたれそうで、すたれません。結婚すると、その怖さがよくわかります。
- 220 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2011/06/04(土) 20:37:32.94
- ポンティというフランス人が、ストーリーの根幹をなすパターンを36に分類したものを
「シチュエーション36の分類」として著しています。
これは劇作家のために作られたのですが、桐生茂氏の「シナリオメイキングガイド/新紀元社」や、
野田高梧氏の「シナリオ構築論/宝文社」でも引用されているように、一般のストーリーにも充分に通用する分類法です。
【分類一覧】
ポンティの分類した36ワードは以下の通りです。
01、哀願・嘆願
02、救助・救済
03、復讐
04、近親者同士の復讐
05、追走と追跡
06、苦難・災難
07、残酷な不幸の渦に巻き込まれる
08、反抗・謀反
09、戦い
10、誘拐
11、不審な人物、あるいは謎
12、目標への努力
13、近親者間の憎悪
14、近親者間の争い
15、姦通から生じた残劇
16、精神錯乱
17、運命的な手抜かり・浅い配慮
18、つい犯してしまった愛欲の罪
19、知らずに犯す近親者の殺傷
20、理想のための自己犠牲
21、近親者のための自己犠牲
22、情熱のための犠牲
23、愛するものを犠牲にしてしまう
24、三角関係
25、姦通
26、不倫な恋愛関係
27、愛するものの不名誉の発見
28、愛人との間に横たわる障害
29、敵を愛する場合
30、大望・野心
31、神に背く戦い
32、誤った嫉妬
33、誤った判断
34、悔恨
35、失われたものの探索と発見
36、愛するものの喪失
- 221 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2011/06/04(土) 20:38:51.68
- 物語の条件とは何か、というお話で好き勝手言って某チャット参加者の皆さんを困らせております。
「きちんと終わらせる」こと、というのが個人的な主張なのですが、しかしこれは実際大事な問題で、
90年代の風潮がこれをおろそかにしたばっかりに現状の各種作品はおしなべて、
例えばキャラクターごとに断片化しているのです。
物語を終わらせるためには、散らかした伏線その他もろもろの筋を拾い集める必要がありますが、
これはもちろん散らかし具合に比例して難儀になる。
けれどこれをこなさない限り、その作品に含まれる各エピソード、あるいは各シーンは、それぞれ散らかったままで、
それらがいかに個別に素敵な物だったとしても、やはり物語として一つの世界を構成しない。
しかし人間は普通散らかったままなのは嫌なので、読者は仕方なくそれぞれお気に入りの断片を取り出し、
そこから自分で物語=世界を構成し始める、すなわち自分で物を語り始める。
そうこうするうちに今やそういった断片を数多く抱えた”物語らせ”作品こそが主流になり、
むしろ旧来の意味での物語作品は「退屈」とさえ言われかねない状況で、
萌えなんかは実に断片的だ、という話になるはずだったのにおかしいなあ。
- 222 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2011/06/04(土) 21:06:58.31
- /`:ー=、二 ..ー...、
「 ̄ ̄ ̄:.`ヽ:..:..:...:.\:.:.:.:.:.\
__j\:...:ヽ:.ヽ:...:...:..:ヽ:...:.:.ヽ、-、:ハ
}:..:\ヽ:..:.l:...ヽ:.、:ヽ:..l:.l:.ヽ:.レ\ヽ!
ハ:...トヘト:...:l、:.,.lLA:A:.ト:|:...:ト|_:.:イ:丶ヽ
,小:.ヽ:ヽ ヽ:|ヘ:.「l「_⊥.!_:.:...l|:__:/:.:.:.lハ:|
/:...:.ト:./´:ヽ | ーチィて::ル'l...:.!⌒}l:..:.小 }
l:l!:.|:..l:.ヽ:ト,≧、 ´ ヾ:斗:|:....|_ノ:|:./::.|:.l
lハ{ヽト.:ト.代:z〉 ´ .!:|..:..|:.:...|/:.:.:.:|:.
|ハ{ヽトトヽハ´ ` _._-ノ ノイ:...:!:.l...!:.:.:.:.:.| l
| ヽトトヽ ト... /...:.l:.:l...|:.|:.:|:.:.| l:..l
)ム:}:`7 ´ ./....:.l|:.l...:|:.|:.:|:.:.| l..l
/⌒`丶ノ /~""'''‐- i:.:.:\:.:.:.:.:ヽ
_ _ /__,. --、ヽ``´ //:. :.:::::.:::.:::.: l
/´ ニ二ヽヽ '⌒_ー‐{{l__,: ォ‐、:::::: :: !
/ ,.-- 、 ヽ-、ヽl |´ _,.!ニ二ヽ\ ヾ='´ ヽ::::.::|
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/ :(:::: ヽj /_二ニ=- `ヽ、 |:::::!
! / `ー……ー、 ! |:::::ト、
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ト、__ __,ノ ! ! | |:::{
| /  ̄ ヽ ノ| | !:::|
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l l ヽ:::ヽ、
| / ヽ:l:::}
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- 223 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2011/06/04(土) 21:09:26.02
- ≪ 戦闘漫画について ≫
ジャンプ系/非ジャンプを問わず、謎の戦闘を繰り返すマンガを読むときには、非常に単純な表を頭に思い描いていて、
その表とは、一方の軸に善悪があり、他方の軸は「真実」を知っているか知っていないかの区別になる。
この四象限のうち、真実を知らず悪いもののカテゴリーには雑魚キャラが入る。
まあ『北斗の拳』のジャギみたいなキャラだ。
そしてだいたいのボスキャラは真実を知り勝つ悪いものだ。
逆に言えばどんなに強くとも真実を知らなければボスキャラ足り得ない。
そして主人公は善き者なのだが最初は真実を知らない。しかし物語が進むにつれ真実を知るようになる。
言い換えれば最初は真実を知らない善き者が徐々に真実を知るようになる、これが物語だ。
あんまり関係ないのだが、真実を知らずに善き者であるというキャラは非常にまれだと思う。
数少ない例はジャンプではないけど『スプリガン』のボー・ブランシェ(綴りあやふや)ではないだろうか。
ちなみに皆川のマンガでいうと『ARMS』ではこの象限に属するキャラはいなくなってしまったと思う。
コー・カルナギはちょっと違う。
ではこの「真実」とは何か。ここに何を入れるかで物語のタイプというものが決まってくるのだと思う。
それはある組織、もっといえば世界の謎(皆川作品)でもいいし、倫理的な価値(ジャンプにおける友情とか)でもいい。
しかしエヴァ以降、この真実を求める有力な問いが出現したと思う。それは「私は何者か」というものである。
事実この種のテーマの戦闘マンガって多いと思う。前述の『ARMS』もそうだし、『なるたる』や『鋼』もそうだろう。
BONESものも結構こういうタイプのものが多いのではないだろうか。
これらのマンガの大きな特徴は、戦ってる本人が何で戦ってるかもわからないということだ。
もっといえば戦う根拠と自らの実存が不可分だということだと思う。要は自分がいるから争いが起こるということだ。
これらのマンガにおいてはid:lepantohさんのいう他者による自己の肯定が不可欠になる。
なぜなら私は何者かという問いは、誰かが例えばあなたが何者でもかまわないと言わない限り解決することがないからだ。
その意味で『なるたる』なんか最悪の結末を迎えるわけだが。
こういうタイプはおそらくジャンプから最も遠いものだと思う。
まああんまりよく読んでないからでかいこと言えませんが、ジャンプのマンガでなぜ自分は戦うのかという問いが発せられたことって
ほとんどないのではないでしょうか。ついでに実存的な問いというのもほとんどなかったと思う。
キン肉マンにしても孫悟空にしても、また『封神演技』の太公望にしても自分は何者かということを知ったときに
ほとんど苦悩とか葛藤を見せることはなかった(キン肉マンは戸惑ったかもしれないけど)。
その意味で一般にジャンプ作品は他者による自己の肯定の問題から免れることになる。
- 224 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2011/06/04(土) 21:15:48.05
- そしてこのタイプの実存を問うようなマンガの対極にあるのが『ハンター×ハンター』だと思う。
問題なのはもはや個人の実存ではなく戦闘そのものを支える「念」というシステムの記述だ。
これまでのジャンプマンガでは手から爆弾を爆発できる能力を持つ者が出現したとき、
「なぜ手は爆発しないのか」という問いは出てこないでしょう。
このマンガでは自分が何者かということよりもこういうことの方が重要なのだ。
で、このシステムの記述というものを戦闘から切り離したときに『デスノート』が生まれる。
そしてこれらの作品をid:lepantohさんは「不健全」と形容しているわけだが、それはその通りだと思う。
というのは、システムの記述は実存的な問いとは対極にあり、
倫理的なものは(少なくともエヴァ以降は)おそらく後者の問いの果てにある。
健全さに配慮するとシステムを十全に記述できないからだ。
『ハンター×ハンター』において主人公のゴンが内的葛藤をもたないこと、
『デスノート』においてライトが目的達成(そのためにはデスノートの何たるかを知り抜いていなければならない)のために
手段を選ばないことはその意味でシステムの記述のために不可欠な要素である。
思うに、あらゆる戦闘マンガは実存的な問いにかかわるものをひとつの極に、
そしてシステムの記述をもう一方の極に据えた線上のどこかに位置づけられるのではないだろうか。
『なるたる』とかが前者の極に、そして『ハンター×ハンター』が後者の極に位置づけられるだろうが本来それらは例外的だと思う。
例えばナルトも一護も自分は何者なのかという問いに苦しむことになるが、
それでも彼らは戦うことをやめることはないだろう。
それには二つの理由があると思う。まず、自分が戦うことをやめたとしても敵の攻撃は止まないというのが第一の理由だ。
つまり緊急に戦わなければならないのだ。この「緊急に」ということが重要で、次から次へと敵がやってくる、
そしてどんどん強い敵がやってくる、よってどんどん戦って強くならなければならない。
こうしてジャンプ的な成長の物語が進む。そして能力のインフレが進む。
ここでは緊急性(戦闘の必然性)と能力(強さ)が不可分な関係にある。だから戦えば戦うほど強くなる。
おそらくこの結びつきをはじめて切り離したのが『ジョジョ』だと思う。例のスタンドだ。
まあ戦うのは主にスタンドなので当然と言えば当然かもしれないが。この特徴は能力が登場人物に対して外在化していて、
それぞれのスタンドの強さを測る共通の尺度はないということだ(どれが便利とかはあるが)。
『ハンター×ハンター』は明らかにこの延長線上にある。念という形で能力が外在化されているのだ。
『ジョジョ』では緊急性は高いが別にたくさん戦っても能力の極端な向上はないという形だったが、
『ハンター×ハンター』では緊急性そのものが低い。「緊急性が低い」というのは間違ってはいないのだが、
さらに付け加えると、強くなくても勝てたり(対ゲンスルー)、戦わなくてもその場を切り抜けられたり(対旅団)する。
(まさに岩明均の『剣の舞』において上泉信綱の問う「実戦」だ)
ただし『ジョジョ』と違い念をシステムとして記述する場合は共通の尺度が必要にならざるを得ないので、
その点において能力インフレって起こってしまっているのだが。円の大きさとか。
第二の理由は、ナルトにしても一護にしても自分は何者だという点については悩むが、
敵が敵であることについては自明であるという点だ。
戦うことの意義について言えば、したがって緊急性と敵の自明性がそれを支えている。
しかし『ハンター×ハンター』においては敵が敵であることは自明ではない。
何しろキメラアントの親玉自身が「自分は何者か」とか自問しているぐらいだから。
その意味ではid:lepantohさんは敵対者についてワンピナルトハンタを並べているが、
少なくとも『ハンター×ハンター』については敵対者というものがほかの作品のそれと比べて意味が異なると思う。
また主人公の裏表ということは、『ハンター×ハンター』については言えないと思う。
主人公のゴンがゼパイルの言葉をかりれば「善悪に頓着せず」「危うい」ことがこの作品の必然であるからだ。
むしろ周りの登場人物がゴンの裏表のなさを通じて自ら内省するのだ(キルアとか)。
- 225 名前:名無しちゃん…電波届いた?:2011/06/04(土) 21:18:18.83
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